Re.HUGっとジオウ!   作:yu-ki.S

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ウォズ「この本によれば、全てのライダーの力を集め、王への道を歩み続けていた時見ソウゴ。
しかし、クライアス社の社長…プレジデント・クライが変身した『マスタークライ』により、彼はなすべなく拘束されてしまった。
しかし、我らは我が魔王の奪還に全力を尽くし、いよいよクライアス社内部による決戦が始まる」


第65話 2019: 二人の友情アーマータイム!

―――俺は、夢の中でその声を何度か聞いた。

だけど、俺が目を覚ますとその声の内容を忘れてしまう。

――私は、いつも夢見ていたんだ。

しかし、それがどんな言葉だったのかは、今までずっと気にしたこともなかった。

――しかし、今の私では決して叶えられぬ夢なんだ。

でも今日に限って、その言葉が俺の心を蝕んでいる様に感じた。

――だから私は、過去の私であるお前に、その夢を託すことにした。

だけど、もうそんなの関係無い。

――若かりし日の私よ…私の夢は……

俺は、みんなの為に、みんなの未来の為に――

――私の夢は、誰もが自由に笑っていられる、平和な世界を作る事なんだ……

俺たちの未来を、破壊する。

 

 

 

 

リストルとビシンによる妨害を受け、クライアス社に進めなかったエール達。

しかし、トラウムら元クライアス社のみんなの協力と、ハリーによる説得のおかげでリストルとビシンは彼女らと共に戦ってくれる事となった。

 

そして、エール達はジェロスの水上バイクで遂に、クライアス社の入り口へ辿り着いた。

 

「あれが……」

 

「クライアス社の……」

 

「はい」

 

「諸君。ここからは覚悟が必要だ」

 

ウォズが不安そうな表情を浮かべるアーラとマシェリと、顔を硬ばらせるアムールを見て、覚悟はいいかと尋ねる。

 

「わかってる!」

 

「クライアス社を止める!ここで、未来の俺達の戦いにもケリをつける!」

 

「そして、ソウゴとはぐたんの二人を助ける!」

 

それに対しエール達はクライアス社を見つめ、それぞれの覚悟を叫ぶ。

 

(待ってて、ソウゴ君!今行くから、はぐたんと無事で居て!)

 

「Are you OK?」

 

ジェロスが尋ねると、エール達は首を縦に振る。

エール達は水上バイクとボートから飛び上がり、クライアス社内部へ突入した。

 

 

 

 

『うわぁぁぁぁぁぁ!』

 

内部に突入すると、エールは広い部屋へと到着した。

 

「イタタタ……ここは?」

 

「ここが、クライアス社の中?」

 

アンジュ達が部屋の中を見回すが、薄暗く何もない空間だった。

 

「あっ!お姉ちゃん!みんな!」

 

アーラがみんなに声をかけると、彼女が指をさした方に魔法陣のようなエネルギー体を確認した。

 

「あれを潜れば、おそらくソウゴとはぐたんの元へ行けます」

 

「待ってください。罠の可能性もあります!」

 

「確かにアレもクライアス社の作ったもの、用心した方がいい」

 

「ようこそ。プリキュア諸君にゲイツ、ウォズ」

 

ウォズがマシェリの言葉に同意して警戒を強めると、そこへ聞き覚えのある声が聞こえ、エール達は声の聞こえた方へ向けて振り向いた。

 

「よく、ここまで来たな」

 

『スウォルツ!』

 

出現していた魔法陣から現れたのは、ソウゴと門矢士によって倒されたスウォルツだった。

 

「クリスマス以来だな。アルピナはどうした?」

 

「ここには、いない!」

 

「そうか……なら、お前達を消した後で俺が葬ってやる」

 

スウォルツは懐からウォッチを取り出した。それは、クリスマスの時に破壊された筈のアナザーディケイドのライドウォッチであった。

 

『ディケイド…!』

 

「ディケイドの力……何故だ!お前のウォッチはあの時、破壊された筈だ!」

 

「貴様の意見など求めん」

 

スウォルツは驚愕するゲイツにそう返しながら、今自分が持っているウォッチを不機嫌そうに見つめる。

このアナザーディケイドウォッチが最初に破壊された時、ディケイドの力はクライの持つライドウォッチ『マスタークライウォッチ』に移った。

クライ曰くあのウォッチは、自身が今までに呼んだ怪人、ダークライダーがソウゴ達に倒された際に放出した力が、あのウォッチに集まって完成したものだと語っていた。

 

(奴が俺を利用していたのは……全く持って許せん!)

 

クライアス社を利用していたのを逆に利用されていたのだと忌々しく思い返すと、起動させたウォッチをそのまま自らの体内に埋め込んだ。

 

『ディケイド…!』

 

クライによって再び創造されたアナザーウォッチを使ったスウォルツは、アナザーディケイドへと変身した。

 

「アナザーディケイド……」

 

アナザーディケイドへ変身したスウォルツに驚き、エール達は構える。しかし、アナザーディケイドは動こうとせず、自分の掌を見つめる。

 

(やはり、ディケイドの力とアルピナから奪った力は社長の手か……まぁいい。奴も後で始末すればいい。あの力を手に入れてな……)

 

今、クライが持っているマスタークライの力が、色んな果実を掻き集めて作られた『お手製の上級ミックスジュース』だとして、元々あったアナザーディケイドの力が『最高級品の特産オレンジ』だとする。

だが、今のアナザーディケイドは『果汁を搾り出して絞りカスしか残っていないオレンジだったモノ』といったお粗末なものである。

 

アナザーディケイドへと変身したスウォルツは今のアナザーディケイドに今までのような力が使えないと知ると、内心でクライの始末とあの力を狙おうと企む。

 

「見せよう。俺の新たな力を」

 

今のアナザーディケイドは元々あった力の絞りカスでしかない、ならばその絞りカスを上等なモノにするにはどうするべきか?

答えは簡単。その絞りカスに一手間を加えて一流の料理にすれば良いだけだ。

そう思い立ったアナザーディケイドは、懐から小瓶のようなものを取り出した。

 

「⁉︎ それは……」

 

「トゲパワワか……」

 

アムールやウォズ達は、その小瓶によって集められたトゲパワワを見て、警戒を更に強めた。するとアナザーディケイドは、それを自らの体に振り掛けるかのように浴びせた。

 

「うっ……うぉぉぉぉ!これだ!この力だ!」

 

アナザーディケイドはトゲパワワを自ら振りかけると体の姿が次々と変化していく。

マゼンタカラーだった全体が黒く塗り代わり、顔と体のプレートがさらに前へと進み、瞳は紫へ変わった。

 

「アッハッハッハッハーー!これが、俺の求めていたオシマイライダーの究極の姿!『オシマイクラッシャー』だッ!」

 

トゲパワワを取り込んだ事により、今までのスウォルツの持つ自尊心の心がより強くなったのを感じる。

 

「究極の姿……ふざけないで!」

 

「何……?」

 

「その姿は、門矢士さんから力を奪ったからじゃん!

あなたが自分で強くなった力は一つもない!

それだけじゃない!ツクヨミお姉ちゃんが後継者だからって家族や力を奪った!あなたはただの泥棒よ!」

 

それを黙って聞いていたアーラは、さも自分の力だと語るオシマイクラッシャーに『あなたはただの泥棒』だと叫ぶ。

 

「泥棒……貴様の意見は求めん!」

 

彼女の言葉で癪に触ったオシマイクラッシャーは手を上げ、波動のようなものをアーラに向け放つ。

 

『ナイト!』

 

ゲイツはナイトの契約モンスター『ダークウイング』を召喚し、ダークウイングが音波を放ちオシマイアナザーの攻撃をかき消した。

 

「ゲイツさん」

 

「ここは俺がなんとかする」

 

ゲイツがここで一人残り、エール達に行けと告げる。

 

「ゲイツ君……」

 

「奴との決着は俺が付けたいんだ」

 

そう言って、オシマイクラッシャーになったスウォルツをきつく見据える。

これまで起こった悲劇の全てが、ソウゴやツクヨミ、そして多くの人達が過ごす筈だった人生を、目の前にいるこの男の身勝手な計画の為に弄ばれたのだ。

彼は、それを許せなかった。

 

「君一人でいい格好はさせないよ」

 

「ウォズさん!」

 

するとウォズもゲイツと共にここに残り、オシマイクラッシャーと戦うと宣言する。

 

「あの男が、我が魔王を弄んだのなら、家臣のトップである私が奴に制裁を与える必要がある」

 

「ウォズ……お前」

 

「それに、君とは未来で一時は道を違えたとはいえ、ここまで共に戦った仲間だからね」

 

「ふん。一つだけ言っておくぞ……俺はソウゴの家臣じゃない……友達だ!」

 

「ゲイツ君らしい、台詞だね」

 

ゲイツらしいとウォズが言うと、オシマイクラッシャーがゲイツ達に近づく。

 

「話は終わったか」

 

「あぁ!スウォルツ!お前を倒すのは俺達仮面ライダーだ!」

 

ゲイツがオシマイクラッシャーに、自分とウォズの二人でお前を倒すと宣言する。

 

「「「ゲイツ(君)」」」

「「「ウォズ(さん)」」」

 

「エール君!アンジュ君!エトワール君!マシェリ君!アムール君!アーラ君!」

 

「ソウゴとトゥモローの下へは、お前達プリキュアが行け!」

 

『はい!』

 

二人の喝を聞いた6人は一斉に走り出し、遠回りであの魔法陣の中へと飛び込む。

エール達が飛び込むと姿が消え、ソウゴとはぐたんの下へ飛んだようだ。

 

「さって、行こうか?ゲイツ君!」

 

「……あぁ!」

 

「待て、貴様らの相手は俺だけではない!」

 

そう言って二人を静止したオシマイクラッシャーが指を鳴らすと、ゲイツとウォズの周りから五つの黒い光の柱が現れた。

 

「これは……」

 

「……まさか、この姿は……」

 

光が消えると、そこから現れたのは五人のプリキュアであった。だが、外見がフリル付きの長袖の服とタイツで構成された黒いコスチュームとなっているその姿は、かつて共に戦ったスマイルプリキュアの五人と瓜二つだった。

 

「バットエンドプリキュア」

 

「バットエンド……」

 

「プリキュア……」

 

突如として現れたプリキュアを、バットエンドプリキュアとオシマイクラッシャーは名乗り、それを見たウォズは皮肉げに笑う。

 

「バットエンド……終わりのプリキュア。クライアス社らしいプリキュアだね」

 

「だが、俺達は負けない!」

 

「そうだね。ゲイツ君」

 

ゲイツとウォズはバットエンドプリキュアが現れても動じずに構えると、オシマイクラッシャーはそんな二人を鼻で笑いながら、配下として呼び出した小娘五人に命ずるべく腕を前へ向ける。

 

「さぁ、やれ!」

 

「「はぁぁぁぁぁ!」」

 

二人は共に走り出し、オシマイクラッシャーとバットエンドプリキュアの五人に向かって走って行く。

 

 

 

 

海岸へ残ったツクヨミにハリー達は。マスタークライの能力により猛オシマイダーを結集させ変化させた、かつて仮面ライダー達によって倒れされた怪人、オシマイダーを抑えようと必死に戦っていた。

 

「オリャャャャャ!」

 

空中ではハリーがギアヘリテージでジカンチェーンソードを振り、オシマイダーへ斬撃を飛ばして次々と浄化しながら倒していく。

 

「っ⁉︎ うわぁ!」

 

だがそんな中ハリーは、それぞれコウロギとバッタをモチーフとした姿をした黒の擬似ライダーと灰色の怪人ーーオルタナティブ、アークオルフェノクにより打ち落とされ、地面へ着地する。

 

「ハリー!」

 

ツクヨミがハリーに駆け寄ろうとすると今度は、スーパーアポロガイスト、アルティメットDが二人に向けて砲撃を放つ。

 

「はぁぁ!」

 

ツクヨミは時間停止で砲撃を止め、ハリーを抱き抱えながら直ぐに回避を行った。

 

「強い上にこの数……」

 

オシマイダーだけでなく、一人一人の強さが高い怪人達が無数にいるこの戦況は、かなり状況が酷いとしか言いようが無い。

 

「タァァ!」

「うぉぉ!」

 

『クラレットタイムインパクト!』

『ファングタイムデストロイ!』

 

その一方で、怪人達へと技を繰り出し続けるビシンとリストルだったが、そこへカブトガニの様な姿をした紫色の怪人、カッシスワームが彼らの前に現れ、二人の技を受けた。

 

「タイムインパクト!タイムデストロイ!」

 

するとカッシスワームは二人の技を吸収し、彼らが放った技を真似た技を返し、リストルとビシンを吹き飛ばす。

 

「ビシン!リストル!」

 

四人の仮面ライダーとトラウムら元クライアス社が奮闘するも、この数はやはり限界がある。

それに加え、ツクヨミとハリーに関しては戦い続き、体力の限界が近づいていた。

そこへ、疲弊しているトラウムやパップルたちにフォーティーン、牛鬼、フリーズロイミュード超進化態、ZZZメガヘクスが襲いかかる。

 

「⁉︎」

 

ツクヨミが時間を止めようにも、距離が開きすぎてもう間に合わない。

トラウム達がもうダメだと思ったその時、一瞬にして鋭い斬撃のようなものがトラウム達を囲むように現れた。

 

『オシマイダ〜!』

 

それにより周りのオシマイダーや怪人が一気に爆散し、全て浄化された。

 

「な、なんや……」

 

「一体何が……」

 

一瞬の事で何が起こったのかを理解出来ず、混乱する。

するとトラウム達の前に誰かが現れた。

 

「お前……」

 

「君は……」

 

 

 

 

クライアス社の内部、ゲイツとウォズは…

 

『ブレイブ!マッハ!』

 

ブレイブのガッシャコンソードとマッハのゼンリンシューターを召喚し、それを手に持ったゲイツがオシマイクラッシャー達へと挑んでいた。

 

「ふぅ!」

 

するとバッドマーチはマーチシュートのような黒いエネルギーの弾を形成し、ゲイツに向けて蹴り放たれた。

 

「たぁ!」

 

ゲイツはゼンリンシューターでそれを撃ち落とす。そこへ、バッドビューティーが氷の剣でゲイツに突撃。

 

「くぅ!」

 

「はぁぁ!」

 

咄嗟にゲイツはガッシャコンソードを構え、攻撃を受け流す。

 

『コ・チーン!』

 

Aボタンの操作でガッシャコンソードのモードを変えると氷の礫を飛ばし、バッドビューティーを自分から離した。

 

(あっ………また……)

 

その時、またしてもゲイツの体にあの痛みが走る。

 

「ぬうぉぉぉぉ!」

 

「なっ!」

 

痛みに気を取られて油断してしまったゲイツは武器を盾として防ぐも、オシマイクラッシャーの凄まじい攻撃によって武器をその手から飛ばされてしまう。

一方で、ウォズはバッドハッピー、サニー、ピースの三人に応戦していた。

 

「アッハッハ!あなた達を倒せば私はウルトラハッピー!」

 

バッドハッピーがウォズに攻撃し、ウォズはバッドハッピーの攻撃を躱し続ける。

 

「流石に、手強いね。なら……」

 

ウォズはドライバーからギンガミライドウォッチを外すと、ウォッチのダイヤルを回す。

 

『タイヨウ!』

 

ギンガミライドウォッチの顔が変わり、再びウォッチをドライバーに装填して、レバーを引く。

 

『ファイナリータイム!灼熱バーニング!激熱ファイティング!ヘイヨー!タイヨウ!ギンガタイヨウ!』

 

ウォズの複眼が炎の様な赤色へ、額のクレストが太陽のマークと変わったギンガタイヨウフォームへと変わる。

 

「そおらぁぁぁぁぁ!アンタを焼き尽くすでぇ!」

 

タイヨウフォームへと変わったウォズに向け、バッドサニーが足からジェット状の炎を出して突撃する。

 

『ファイナリービヨンド ザ タイム!バーニングサンエクスプロージョン!』

 

ウォズは反撃の為に、三つの太陽のエネルギーで作り出したエネルギー弾を飛ばし、突撃したバッドサニーと後ろにいるバッドハッピー、バッドピースへと放ち見事に直撃した。

 

「どんな攻撃も、太陽のエネルギーには及ばない」

 

ウォズがそう言って、元のギンガファイナリーへと戻ると、攻撃を受けたバッドピースが泣き始める。

 

「うぅぅ〜……痛い……痛いよ〜」

 

泣き始めたバッドピースを見てウォズが近づく。

 

「はい。お返し!」

 

バッドピースがウォズに向けて電撃を放った。しかしウォズは盾を作り、放った電撃を流した。

 

「……少し、演劇が下手くそだったね」

 

「あら〜、そんな事言うのひどい〜…はぁ!」

 

またしても電撃をウォズへと放つが、次は躱した。

 

「これ以上は、君達の相手をしてる場合ではないのだけどね」

 

ウォズは早々に決着をつけようと思う一方……

 

「はぁ、はぁ……」

 

バッドマーチ、バッドビューティー、オシマイクラッシャーの三人を同時に相手をしているゲイツの息が乱れ始める。

 

「アッハッハ!明導ゲイツ!もう終わりか?」

 

「くぅ……なめるな!」

 

『ジカンザックス!You!Me!』

 

ゲイツはジカンザックスを召喚し、ウォッチを取り出す。

 

『フィニッシュタイム!』

 

ゲイツはジカンザックスにクローズライドウォッチを装填し、ジカンザックスの弦を弾きエネルギーを蓄積し、オシマイクラッシャーへ構える。

 

『クローズ!ギワギワシュ――』

 

――ピキッ――

 

「あっ……」

 

ジカンザックスを放とうしたその時、ゲイツが弓の弦を咄嗟に手から離し、膝を折って手で背中を抑えた。

 

「バッドエンドシュート!」

「バッドエンドブリザード!」

 

「っ⁉︎……しまった!」

 

その隙を好機と判断したバッドマーチとバッドビューティーの二人が放った攻撃をゲイツは躱す事が出来ず、腕を出して防ぎ続ける。

 

「はぁぁ!」

 

オシマイクラッシャーは防御の構えで動けないゲイツに攻撃。ゲイツは反撃を出来ず攻撃を受け続ける。そして、最後にオシマイクラッシャーが動けなくなったゲイツを蹴り飛ばした。

 

「ゲイツ君!」

 

「アッハッハ……明導ゲイツ!どうした!」

 

倒れたゲイツはオシマイアナザーに受けた部位よりも、背中から走る激痛がゲイツを苦しめていた。

 

「くっ……(どうして…っ⁉︎ あの時か……)」

 

確かあの時、怪人達からマシェリとアーラを守る為に、背中で攻撃を受け止めた。

その時に背骨にヒビが入り、更に脊髄に損傷が生じた事で、背中を痛めたのだとゲイツは察した。

此れは未来でクライアス社の戦いにて発生した怪我人の応急処置などをする為に医学の本を読み漁った時に知った事だが、確か人の背中には、身体を動かすのに重要な神経が通っていた筈。それを打撲などの衝撃で神経が損傷されると、呼吸障害や手足のマヒが残ると書いてあった。

 

「……くっ……」

 

ゲイツは背骨が骨折していない事を願いながら、なんとか背中を抑えて起き上がれた。

しかし、片手で背中を抑えている為にバランスが取れず、加えて痛みで体に力が入らずフラフラの状態だった。

 

「はぁ、はぁ……」

『スペクター!』

 

スペクターのウォッチを触って『ガンガンハンド』を召喚し、掴み取り構えようとする。

 

「あぁぁ!」

 

またしても背中から痛みがぶり返し、それにより構えることが出来なかった。

 

「ふん。そうか……はぁ!」

 

ゲイツの異変を察したオシマイクラッシャーは飛び上がり、ディケイドの必殺キック『ディメンションキック』を模した黒いエネルギーを纏ったライダーキックを放ち、ゲイツを吹き飛ばした。

 

「あ……あぁぁぁ……」

 

飛ばされて倒れたゲイツは強制変身解除となり、ゲイツは背中を抑えながら立ち上がろうとするも、背中から走る激痛に起き上がることが出来なかった。

 

「背中を痛めたようだな……そんな、体で俺に挑もうとなぁ」

 

「くぅ……くそ……」

 

「さって……そろそろ仕上げと行こうとするか……」

 

オシマイクラッシャーが手からトゲパワワを纏ったエネルギー光弾を作り放とうとする。

 

「く、くそぉぉ……」

 

今のゲイツには避けようにも、痛みで動く事すら困難。この攻撃が避けれるはずはない。

 

「消えろ!明導ゲイツ!」

 

ゲイツに向けて、トゲパワワに纏われたエネルギーの玉が放たれた。

 

「ゲイツ君!」

 

エネルギーの玉が放たれたその時、ゲイツは目を瞑り、数々の後悔が走馬灯の様に脳裏を過った。

 

(なんで……いつも……)

 

――その時に彼の頭に浮かんだ顔は、トゥモローとソウゴだった。

彼女はこの時代と未来で一緒に戦っていた仲間達で、彼はこの時代で出会い友達となった男。

だがいつも、自分が無力だったから助けてあげられなかった。

それに後悔ばかりする自分も又、許せなかった。

 

「くそ!俺は……またかよ!」

 

無力な自分を戒める様に地面に何度も手を打ちつけ、エネルギー玉が放たれ直撃しそうになるとゲイツは目を瞑った。

 

「うっうっ……⁉︎」

 

しかし、ゲイツには当たらなかった。

――いや、エネルギーの玉を、誰かが受け止めようとしていた。

 

「ウォズ……」

 

上を見上げると目の前にウォズが立っていた。

 

「はぁぁぁぁ!」

 

何とウォズは、全力でゲイツを守ろうとしていたのだ。

 

『ファイナリービヨンド ザ タイム!超ギンガエクスプロージョン!』

 

「うぉぉぉぉぉ!」

 

ゲイツはギンガファイナリーの力でエネルギーの盾を作り出し、オシマイクラッシャーの放ったエネルギーの玉をゲイツの代わりに受け止めようとする。

 

「くぅ……あぁぁぁ!」

 

ウォズは叫びを上げて力を振り絞り、エネルギーの玉を相殺させ爆散すると、エネルギーの塊は周囲に飛び散った。

その影響で飛び散ったエネルギーがバットエンドプリキュアに向けられ、その全てが彼女らに直撃し、全員が浄化された。

 

「ウォズ……なんで……」

 

それを見たゲイツは、いつも自分といがみ合っていたあのウォズが何故、あんなに必死になって自分を助けてくれたのかわからなかった。

 

「ゲイ…ツ……君……」

 

するとウォズがゲイツの名を呟き、ゲイツの前で強制変身解除となって倒れた。

 

「ウォズ……ウォズーーーーー‼︎」

 

ウォズの名を強く叫ぶが、彼に反応がなかった。

 

「……ふざけるな……起きろよ……ウォズ……おい!」

 

「うっ……ぅぅぅ…」

 

「ウォズ!」

 

幸運にも、彼が張ったエネルギー盾によって威力を殺してダメージを最小限に抑えた為、ウォズは何とか意識を取り戻し、ゲイツはすぐに駆け寄る。

 

「ウォズ!お前……」

 

「ゲイツ……君………これで君達は、私を許すかい……」

 

「お前……」

 

それを聞いたゲイツはもしかしてと思い、彼の顔を見つめると、彼の心情を察したウォズは無言のまま笑みを浮かべた。

それによってゲイツは悟った、ウォズは未来でゲイツ達を裏切った事に詫びろとするために、自分を守ってくれたのだと。

 

「ウォズ。貴様にそんな思いやりがあったとは……正直、くだらない事をしたな」

 

だがそれを見たオシマイクラッシャーは、そんなウォズの行動をくだらない事だと嘲笑った。

 

「―――くだらない、だと……」

 

それを耳で捉えたゲイツはオシマイクラッシャーに対し、既に沸点まで到達していた筈の怒りすら、とうに超えるぐらいに怒った。

 

「スウォルツゥゥゥゥゥゥーーッッッッッッ‼︎」

『ゲイツ!』

 

許せなかったゲイツはゲイツウォッチを起動し、ジクウドライバーに差し込み走り出す。

 

「変身!」

『ライダータイム!仮面ライダーゲイツ!』

 

ゲイツは仮面ライダーゲイツへと変身し、オシマイクラッシャーへと向かっていく。

 

「ゲイツ君……」

 

ウォズも一緒に戦おうと立ち上がるが、身体から走る痛みに起き上がることが出来ず、またしても気を失ってしまう。

再びライダーに変身したゲイツは、背中の痛みを感じながらもオシマイクラッシャーに立ち向かう。

 

「うぉぉぉ!」

 

「ふん!」

 

「がぁ!」

 

何度も攻撃を繰り出すも躱され、反撃を受け続ける。そして、次のオシマイクラッシャーの攻撃にゲイツが倒れる。

 

「くそ……あぁ!」

 

オシマイクラッシャーがゲイツの胸部を足で踏みつける。

 

「所詮!貴様は何も出来ないのだ!力のないお前に仲間を救う事もな!」

 

「ぐぅぅ……だまれ……」

 

「貴様の意見は……求めん!」

 

「がはぁ!」

 

オシマイクラッシャーはゲイツの胸部を思い切り蹴り飛ばし、彼をウォズの倒れている元まで飛ばされる。

 

「ふん。これで貴様らも終わりだ」

 

オシマイアナザーが倒れる二人の元へ近づく。

その時、ゲイツは倒れながら今までのこの時代に来ての事を思い返す。

 

―――自分はソウゴを倒し、オーマジオウの存在しない未来を作るためにこの時代へとツクヨミと共に来た。

しかし、俺達の知るソウゴとは違った。

更にはな、さあや、ほまれ、えみる、ルールー、ことりに出会い。クライアス社の連中もソウゴやはな達と戦い分かり合った。

 

(人は変わる事が出来る……何でも出来る。何でもなれる……だから俺は……)

 

「これで終わりだ!明導ゲイツ!」

 

オシマイクラッシャーが腕を振り上げ、ゲイツに攻撃しようとしたその時…

 

「ッ⁉︎」

 

ゲイツは力を振り絞って起き上がり、オシマイクラッシャーの腕を掴んで攻撃を止めた。

 

「だから俺は……救世主になる!」

 

そして反対の腕でオシマイクラッシャーの腹部を殴り飛ばし、自分から離す。

 

「はぁ、はぁ……ッ」

 

ゲイツは痛みと疲労に耐えながら、倒れているウォズの手に握られている、ウォズミライドウォッチを掴む。

 

「スウォルツ……お前は、絶対に許せない事がある……」

 

ウォッチを強く握りしめるゲイツには、オシマイクラッシャー……否、スウォルツを絶対に許せなかった事があった。

 

「自分の自尊心のために、ツクヨミの両親とツクヨミの記憶を奪い……

俺の親友のような悲しむ人を、多く作り……

ライダー達の歴史を、壊そうとした……」

 

自分の周りにいる人間が、全てこの男によって起こった悲劇で、彼ら彼女らが本来過ごす筈だった当たり前の幸せを意図も簡単に壊した。

彼は、それが何よりも許せなかった。

しかし、それよりも許せなかった事があった――

 

「けどな……今、許せないのは……俺の……」

 

幾度なくぶつかり、お互いの食い違うところもあった。

――だが、一緒に戦った仲間である。

ゲイツはウォズを振り返って、その事を思い出す。

 

「俺と一緒に戦ってきた仲間を、傷つけた事だぁぁぁぁぁぁーーッッッッ‼︎」

 

ウォズのウォッチを掲げながらゲイツは構える。

 

「行くぞ。ウォズ!一緒に戦うぞ!」

『ウォズ!』

 

ミライドウォッチを起動すると、光と共にウォズミライドウォッチがいつもゲイツ達が利用しているライドウォッチの形に変化し、そのウォッチ――『ウォズライドウォッチ』がジクウドライバーのスロットへ装填される。

そしてドライバーのロックを解除し、ゲイツの前にアーマーが現れると、ドライバーを回す。

 

『アーマータイム!仮面ライダーウォォォズ!』

 

現れたアーマーは一斉に飛び散り、ゲイツに纏われて行く。

複眼の色は通常の黄色からウォズと同じ青に変化、ひらがなで『うぉず』と描かれ。肩部には仮面ライダーウォズの状態のビヨンドライバーが装着されている他、ゲイツで赤色だった部分が黄緑に変わり、ウォズの特徴でもあったマフラーも首周りに装着されていた。

 

「なんだ……そのアーマーは……」

 

「これは、ただのアーマータイムじゃない……俺とウォズの力だ!」

 

ゲイツのから放たれた右ストレートが、オシマイクラッシャーを吹き飛ばした。

 

「貴様ァ!よくもッ!」

 

オシマイクラッシャーはゲイツに光弾を放つ。

 

「はぁ!」

 

ゲイツは首に装着されたマフラーを上へと上げると、自らを包み込み姿を消した。

 

「な、なに……どこだ!」

 

それに驚いたオシマイクラッシャーは、姿を消したゲイツはどこだと辺りを見回す。

 

「はぁぁ!」

 

するとゲイツはオシマイクラッシャーの前へと再び現れ、ジカンデスピアを持ちそのまま至近距離で振り上げる。

 

「ぬわぁぁぁぁ!?」

 

飛ばされたオシマイクラッシャーにゲイツは再びマフラーを使い、一瞬にして背後へと回る。

 

「ヤァァァ!」

 

ゲイツがオシマイクラッシャーにキックを喰らわせ地面へと叩きつける。

そして、ゲイツは地面へ着地する。

 

「な、何故だ……何故……」

 

何故、ただのアーマータイムにここまで手も足も出ないと、オシマイクラッシャーは疑問に溢れていた。

 

「―――んっ……あれは………

祝え!過去と未来をしろしめす時の救世主と預言者による新たなる姿……

その名も仮面ライダーゲイツ・ウォズアーマー!

素晴らしい……まさに我々二人の……友情のアーマータイムだ!」

 

すると何かを察知して目を覚ましたウォズが、ゲイツが今装着しているアーマーを見て。痛みなど気にしないと言わんばかりに立ち上がると直ぐ様、ウォズアーマーと祝いの言葉を述べ、最後にゲイツと自身による友情のアーマータイムと叫ぶ。

 

「友情のアーマータイムだと……ふざけるな!」

 

オシマイクラッシャーはゲイツへと突撃し、ゲイツも飛び込んで応戦する。

 

「お前のような……未来から逃げたような奴に……俺が負けるかァ!」

 

ゲイツはオシマイクラッシャーの攻撃を躱し続け、カウンターを放ちオシマイクラッシャーを吹き飛ばす。

 

「あぁ……だが、俺はもう逃げないッ!」

 

今度はゲイツがオシマイクラッシャーへと突撃し、オシマイクラッシャーの言葉を肯定しながらも、もう二度と逃げない事を誓いながら右腕から放たれた強烈なパンチを繰り出した。

 

「ぬうぉ!」

 

ゲイツのパンチが腹部へと決まり、オシマイクラッシャーは膝を折って腹を抑える。

 

「貴様のような者が……王である俺に……ッ」

 

「王だと……? お前は王じゃない!」

 

「何……」

 

「本当の王ってのは、自分自身の力や人々へ対する思いやり、人の声に耳を傾け力を尽くす奴……

その全てを成し遂げた上でみんなに認められて、初めて王になれるんだ!」

 

――時見ソウゴは、まさにそれを体現していた。誰かの人のためにいつも全力で、人の意見にも声を向けて、信じた奴には全力で信じ助ける。

それができるソウゴは……まさに王だ。

 

「だが、お前は違う!

お前は、他人の意思を無視し。世界を、歴史を壊し。他人の力を盗み。本当の力を何も持たない!

ただの卑怯な子供と同じように、自分一人喜んでいる、ただの汚い泥棒の王だ!」

『カマシスギ!フィニッシュタイム!』

 

ゲイツはそう言って、ジカンデスピアのパネル全体をスワイプする。

 

『一撃カマーン!』

 

「はぁぁ!」

 

ジカンデスピアにエネルギーを纏ったゲイツの一撃を繰り出され、吹き飛ばす。

 

「き、貴様……貴様如きがぁ……意見をするなァ!」

 

あれだけ受けても尚、オシマイクラッシャーは起き上がる。

 

「許さん……絶対に許さんぞぉぉぉぉ!」

 

ゲイツへの言葉による怒りで、オシマイクラッシャーは憤怒のオーラを纏う。

 

「あぁ、俺もだ」

『フィニッシュタイム!ウォズ!』

 

それに対し、自分も同じ意見だと返したゲイツはドライバーのロックを解除してドライバーを回すと、飛び上がってライダーキックの態勢に入る。

 

『エクスプロージョンタイムバースト!』

 

オシマイクラッシャーもオーラを纏いながら飛び上がり、両者が放ったライダーキックがぶつかり合う。

 

「うぉぉぉぉぉぉぉ!」

 

ゲイツとオシマイクラッシャーのライダーキックはお互いに力の差は五分五分、ぶつかり合う二つのライダーキックは、どちらも勝利を譲らなかった。

だがその時、ゲイツの背後から仮面ライダーウォズの幻影が現れた。

 

「何⁉︎」

 

「「ハァ〜…はぁぁぁぁぁぁぁッッ!」」

 

飛び蹴りの体勢になっていたウォズの幻影は、ゲイツと共にライダーキックを押し込もうとする。

 

「「はぁぁぁぁぁぁぁ!」」

 

ゲイツとウォズのライダーキックが、突如現れた幻影に驚いて動きが鈍ったオシマイクラッシャーのキックに競り勝った。

 

「「うぉぉぉぉぉぉぉーーー‼︎」」

 

そのままオシマイクラッシャーに直撃すると、そのまましばらく放ち続けそのまま奥まで吹っ飛ばされた。

その時、オシマイクラッシャーの体内からアナザーライドウォッチが摘出されて、スウォルツの姿へと戻るとウォッチはゲイツの元へと転がる。

 

「こんなもの……!」

 

ゲイツはそれを足で踏み潰し、ウォッチは今度こそ跡形もなく壊された。

しかし、肝心のスウォルツは逃げ去ったのか、もう既に其処にはいなかった。

 

「はぁ、はぁ……」

 

ゲイツはウォッチを外し変身を解除すると、ウォズに近寄る。

 

「うっ、うぅ……ゲイツ君」

 

ゲイツは無言のまま、通常のライドウォッチから元に戻ったウォズのミライドウォッチを投げ渡し返した。

 

「行くぞ」

 

「ああ……」

 

ゲイツとウォズのお互いに肩を担いで起き上がると、共にエール達をを追いかけるために先へ進み、ソウゴとはぐたんを助けるべく前へ向かって歩み始めた。

 

 

 

先に進んでいたエール達は魔法陣を潜ると、先の場所より明るく色んな物が浮かんでいるような場所に辿り着いた。

 

「はぐたん!」

 

そこで彼女達はトゲパワワの檻に閉じ込められているはぐたんを見つけ、はぐたんに近づこうとする。

 

「っ⁉︎」

 

しかしエール達が助けようとしたその時、はぐたんの前に誰かが現れた。

 

「ソウゴ!」

 

現れたのは、はぐたんと一緒に捕まっていた筈のソウゴだった。

 

「ソウゴ君!」

 

アンジュがソウゴが近づこうとする。

 

「ダメぇぇーー!」

 

『えっ?』

 

その刹那、はぐたんがソウゴにダメと叫び、それを聞いたエール達は驚く。

 

「ソウゴ君……」

 

何事だと疑問に思ったアンジュがソウゴを見ると、先と様子が違うことに気づく。

更に彼女らは、彼が腰に装着しているものを見て驚愕した。

 

「……ちょっと、ソウゴ!あんた、そのドライバー……ッ!」

 

今ソウゴの巻いているのは、何時も彼が装着しているジクウドライバーではない。

ソウゴが巻いているドライバーは……

 

「まさか……」

 

「えっ?な、何……」

 

「何なのですか……あのドライバーは……」

 

アムールには見覚えがあり、アーラとマシェリは初めて見た物なので何なのかわからなかった。

 

「あれは……あの時使っていた……」

 

「あのドライバーは……そんな……」

 

「ソウゴ君……まさか……」

 

しかし、エールとアンジュ、エトワールは一度だけそのドライバーを見たことがある。

そのドライバーは全体が金色に輝き、ジクウドライバーではライドウォッチを装填していた箇所に紅い真珠の様な球がポツンと付いた金色の装飾が施されたドライバー……『オーマジオウドライバー』がソウゴの腰に装着されていた。

 

「……うぉぉぉぉォォォ――――ッッ!」

 

雄叫びと共に、赤い瞳へと変わったソウゴの背後の地面に巨大で赤黒く燃え盛る時計が、その地を裂きながら出現した。

 

「―――変身……ッ!」

 

ソウゴの哀しみと覚悟を含んだ掛け声と共にドライバーの両端を押しこむと、背後の時計から生成された『ライダー』の文字が溶岩で満たされ射出され、無数の赤黒い帯状のエフェクトが彼を包んだ。

 

『祝福の刻! 最高! 最善! 最大! 最強王! 逢魔時王(オーマジオウ)!』

 

無数の時計バンドのエフェクトが弾け飛んだその時、エール達の目に映ったその姿は、肩から黄金のベルトをかけ、背中には二本の時計の針がマントの様に装着。顔にはGショック時計の様に3つのクロノグラフがついてあり、ジオウと同じく『ライダー』と書かれた紅く燃える複眼、黒い仮面をよく見ると小さい『王』の文字が無数に並んでいた。

 

時見ソウゴは、ゲイツ達が過ごしていた未来で“最低最悪の魔王”と呼ばれているライダー……

『仮面ライダーオーマジオウ』への変身を、今此処で完了した。

 


次回!Re.HUGっとジオウ!

 

第66話 2068: 本当に望んでいる自分

 

 




おまけ

オーマジオウには、失くしたものがある。

一つは、『みんなが幸せでいられる良い世界を作りたい』。その為に全ての民を、王として彼らを守り続ける想い・・・『義』。

二つめは、『苦難への道』を歩み、理不尽な世界の運命に争い続ける勇気・・・『勇』。

彼は()()()()()により、多くの人を、自身の民を殺さなければならなかった。
そして、数えきれないくらいの“理不尽”と“絶望”と“悪意”を前に、心が折れてしまい、希望に満ちた未来へ向けて歩み続ける事が出来なくなった。

その姿は、“最低最悪の魔王”と言うには、あまりにもお労しかった。
何時もは忌々しい覇気を漂わせておきながら、誰も居ない所でソウゴ達の戦いを見ている彼の姿は、何故か幸が薄く、何処か哀愁を漂わせ、そしてあまりにも醜かった。

だからこそ、彼は“オーマジオウ”を前にしても『オーマジオウにはならない』と啖呵を切った時見ソウゴに、何処か期待していた。

仲間と共に“最高最善の王”を目指す姿に、彼は“義”を見た。
例え現実に打ち拉がれても、どんなに強い敵が現れたとしても、皆から忘れ去られたとしても、絶望の運命へと立ち向かっていく姿に、彼は“勇”を見た。

それ故に、彼は過去でオーマジオウに変身した時見ソウゴへ向けて、失望を含めた目で彼を見据え、運命は変えられなかったかと言う“絶望”を再び心に刻み、彼へ向けて言うのだ。

「若かりし日の私よ・・・“勇”を失ったな・・・」

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