Re.HUGっとジオウ!   作:yu-ki.S

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ウォズ「この本によれば、普通の中学生 時見ソウゴ。彼には魔王にして時の王者『オーマジオウ』となる運命が待っている。
彼は仮面ライダーフォーゼの力を継承し、失踪事件を追っていた。
そして、新たなレジェンドが彼の前に現れ、さらに新たな力を持つ少女、キュア……
おっと、読みすぎてしまいました」


第6話 舞え、新たな誕生!二つのレジェンドの意思!2003

――輝木ほまれ、フィギュアスケート界では「天才」と呼ばれる程の大スター()()()、現・二年の女子中学生。

スケーター時代の彼女はその日、難易度の高い技に挑戦し、それを華麗に決める……筈だった。

 

そんな彼女を地に叩き落すかのように、ジャンプは大失敗に終わり、足には大怪我を負った。

 

足に大怪我を負った彼女を励まそうと多くの人が、彼女に優しくした。

しかし彼女にとってその優しさは、自分の挫折心を助長させるものだった。

何故なら彼女は、怪我の治療で休養している間に身長が急激に伸びてしまったからだった。

 

身長が伸びるのがそんなに悪いことなのか⁉身長が伸びない俺達への嫌がらせか⁉と思った君たち、彼女は急に身長が伸びた事でバランス感覚が狂い、ジャンプのタイミングが掴むことが出来なくなっているのである。別に嫌がらせでいっているわけではない。

――実際、身長が高くなるとそれに比例して体重も高くなるので、ジャンプを飛ぶのが難しくなり、フィギュアスケート界では高身長は一般的にハンデとなることが多いらしい。

 

それ故に、彼女はスケートのジャンプが出来なくなったと、人々の期待に応えることが出来なくなったと絶望し、元々長かった髪をスケート界との縁と一緒に切り、他人との交流と共にスケートを遠ざけるようになった。

 

――これはある人が言っていた言葉だが、“夢”というのは“呪い”と同じであるという。

そして、その呪いを解くには、夢を叶えなければならない。

だが、ジャンプの失敗によって挫折し、スケート選手としての夢へ歩む事が出来なくなった彼女は、どうなるのか?

 

――それは当然、彼女は「スケート選手になって、未来へ飛び続ける」という夢を叶えることが出来ないうちは、一生呪われ続ける。

そしてまた、その呪いを解くことが出来るのは、皮肉にも彼女只一人だけであった。

 

――だがもし、夢に向かって飛ぶことが出来なくなった彼女を、呪いから救うことが出来る方法を知っている者が居るとすれば。

それはきっと、『限界をぶっ壊すほどにドデカい友情』と『夢を守る者』だけが知っているに違いない。

 

 

 

 

 

爆炎の中で立ち上がったアナザーフォーゼのボディとフェイスが剥がれ落ち、内側に小さな目がある黄色い複眼を持ち、骸骨の様な身体には歪んだ赤いラインが走っているアナザーライダーへと変貌した。

 

「ウォォォー!」

『ランチャー オン…』

 

そしてアナザーライダーが雄叫びを上げるとアナザーフォーゼの姿に戻り、足から現れた半透明のモジュールから一斉にミサイルを放って反撃に出る。

 

「くぅ!」

『ゴースト!』

 

ジオウ達はミサイルの爆撃に巻き込まれるも、ゲイツがゴーストウォッチをドライバーに装填。

 

『アーマータイム!カイガン!ゴー・ス・ト!』

 

ゴーストアーマーを装着したゲイツは、パーカーゴーストを召喚して連続攻撃でアナザーフォーゼを吹っ飛ばす。

 

「ウゥゥ……」

 

不利を察したアナザーフォーゼが逃げていったのを見て、四人は変身を解除した。

 

「なんなんだ。あのアナザーライダー……」

 

アナザーライダーは取り逃がしたが、オシマイダーが消えたことで周りは元通りに戻った。

だが、ミライクリスタルを掴むことの出来なかったほまれの顔は優れなかった。

 

「じゃあ、ここで……」

 

「フレフレッほまれちゃん!『やめて……っ!』…ッ⁉︎」

 

はなは彼女を励まそうと応援するが、ほまれは大きい声で辞めてと叫び、我に帰った彼女は申し訳なさそうな顔になる。

 

「ごめん……今の私……」

 

「今はそっとしてやれ……」

 

ハリーははなにそっとしておくように言う。

 

「ほまれちゃん……また明日、また明日!」

 

「輝木さん!」

 

ソウゴがこの場から去ろうとするほまれに声をかける。

 

「次は届くよ!絶対に!」

 

 

その頃ツクヨミは、アナザーライダーの標的となるかもしれない山吹カリンに接触を図る。

 

「山吹かりんさん……」

 

「あなた誰?」

 

「女子高生連続失踪事件って知ってる?」

 

「っ⁉︎」

 

「あなたはその標的になってるの。変な怪物が、何人もの生徒を犠牲にしてきた。とりあえず、ここからは逃げたほうがいい。あたしたちのところへ来ない?」

 

「――その必要はない」

 

保護を目的に山吹カリンに一緒に来ないかと提案する。

するとツクヨミの後ろから、オリーブグリーンのフードを被った男性が現る。

 

「誰⁉︎ ……もしかして、この人を狙っているアナザーライダーの仲間?」

 

フードの男をアナザーライダーの仲間だと警戒したツクヨミは、懐から取り出した携帯武器・ファイズフォンXを『ブラスターモード』にして銃口を向ける。

 

「この子には手は出させない」

 

「邪魔しないでもらえるかな?」

 

男性がそう言って二人…否、カリンの方を睨みながら襲いかかろうすると、彼の背後から現れた長髪の男が止めに入った。

 

「――貴様は…乾……」

 

「久しぶりだな、草加」

 

「……乾、何のつもりだ?」

 

「見ればわかるだろう……お前を止めに来た!」

 

そう言って長髪の男――乾巧がフードの男――草加雅人に飛びかかり、ツクヨミとかりんに手を出させないよう妨害する。

 

「ちょっと!」

 

その混乱に乗じて逃げ出したカリンを見たツクヨミが後を追うも、既に彼女の姿はなかった。

 

「見失ったか……」

 

「草加!」

 

「乾……これはお前には関係ない話だ!」

 

巧の呼び止めに対して、草加はそう言い捨てて去っていく。

その場に取り残された巧は、カリンの姿はないかと見渡していたツクヨミへと顔を向けた。

 

 

 

その頃ソウゴ達は、先の戦いの事を思い出しながらハリーのハウスへと向かっていた。

 

「どうして、クリスタルが届かなかったのかな?」

 

「簡単の事だ……あの女に覚悟が無かった。それだけだ」

 

はな達は何故あの時、ミライクリスタルに手が届かなかったのかを話していると、ほまれの手が届かなかった理由をゲイツはそう推測する。

 

「輝木さんは、そんな風に見えなかったけど……」

 

「クリスタルが届かなかったんだ。他に何がある?」

 

「……」

 

「さあや、どうしたの?」

 

「ほまれさん……もしかしたら、クリスタルが届かなかったのは、他の理由からだと思う」

 

ハリーハウスへと戻ってきたソウゴ達。

ソウゴがフォーゼウォッチを取り出し、カウンターに置かれたライドウォッチを保管するダイザーへとセットする。

 

「誰だ⁉︎」

 

すると部屋の中で男性の声が響く。其処には先程、ツクヨミと山吹カリンを助けた乾巧がいた。

 

「時見ソウゴですけど……」

「……明導ゲイツだ」

「野乃はなです……」

「薬師寺さあやと申します……」

 

「…そうか。まあ座れ」

 

自己紹介をしたソウゴ達が「この人だれ?」と思いながら座ると、巧は“西洋洗濯舗菊池”という文字の隣に“乾巧”と書かれた名刺を机に置き、彼らに渡す。

 

「乾巧だ。流しでクリーニングをやってる。世界中の洗濯物を真っ白にするのが、俺の夢だな」

 

「山吹カリンがアナザーライダーとは別の男性に襲われてね。その時、助けてくれたの」

 

「山吹カリンって、この間の……?」

 

奥から来たコーヒーを持ってきたツクヨミが、先程この男性に自身とカリンを助けて貰った事を話していると、カリンの名を聞いたさあやは、弦太郎がくれた紙に書かれた天秤座生まれの女子生徒だと思い出す。

 

「そいつは何故山吹カリンを狙ってる。アナザーライダー、或いは怪物の仲間か?」

 

「さぁな!」

 

そう言うとコーヒーを飲もうとする。だが思ったより熱かったのか、一瞬顔をしかめてコップを置く。それを見て猫舌なんだとソウゴは微笑すると、立ち上がった巧はダイザーに置かれたウォッチを見る。

 

「そっちはどうだったの?」

 

ソウゴ達はカリンの対応に当たっていたツクヨミに、新たなライドウォッチとほまれがクリスタルを出現させた事を話す。

 

「輝木ほまれがミライクリスタルを出現させた!」

 

「でも、掴みそうになった途端にバランスを崩して掴めなかった……」

 

「そしたら、クリスタルが消えちゃった……」

 

「………アナザーライダーの方は…?」

 

「逃げられた……」

 

「奴が生まれたのは2011年……仮面ライダーフォーゼのアナザーライダーかもしれない」

 

「フォーゼ……?」

 

「仮面ライダーフォーゼ……2011年に誕生した、18人の仮面ライダーの一人だ」

 

「じゃあ、2011年に事件の鍵があるの?」

 

ツクヨミはフォーゼが誕生した2011年に事件の鍵があると考えるが、ゲイツは首を振って「いや…」と否定する。

 

「奴は、二つのライダーの力を持ってる可能性が高い」

 

「二つ?」

 

「ジオウがフォーゼウォッチを使ってアナザーフォーゼを倒したがその時、奴の体から別のアナザーライダーが現れた」

 

ゲイツはジオウがアナザーフォーゼを倒した時に、中から別のアナザーライダーが出てきたことを話す。

 

「それって、この事件は2011年に始まったんじゃなくて、もっと前から始まってたってこと?」

 

「……おそらくな。また最初から調べ直しだな」

 

そう聞くソウゴに、この事件をもう一度、一から調べ直す必要があると語る。

 

「よし、俺が、もう一度天ノ川学園に行く」

 

「でも、ソウゴ君一人じゃ……」

 

「……俺も行こう」

 

「待ちや!」

 

巧も一緒に行こうと言うと、ハリーが手を伸ばして勢い良く立ち上がる。

 

「何?」

 

「明日行く前に、お前らに手伝ってもらう事があるで……」

 

 

 

翌日。輝木ほまれは放課後、はなとソウゴの二人と一緒に目的地へ向けて歩いていた。

 

『お願いあるんだ!』

『力を貸してくれないかな?』

 

学校の屋上で目を覚ました所に二人が現れ、そう頼み込まれてしまった事を思い出しながら、何で私に頼って来たのかと疑問に思っていると、湖の横に建てられた、金の石像が置かれている中国寺院門風の外見をした玄関を持つツリーハウスへと到着した。

はな達に連れられて中に入った彼女が辺りを見渡すと、中には回転ハンガーにかけられた毛皮の服や、金のシャンデリアや風神雷神の屏風といったインテリアがごちゃ混ぜに置かれていた。

 

「もうすぐお店オープンなんだけど……」

 

「どんな内装にすればいいのか分からなくて……」

 

『力を貸して〜!』

 

「うっ……」

 

みんなが頼む姿を見て断れなかったほまれは、彼らと一緒に店の準備を始めることにした。

 

「う〜ん……どんなお店にしたいの?」

 

「そら、ぎょうさんお客さんが来る店にしたいわな〜」

 

そう言うとハリーは色んなドレスや服を見せる。

 

「お子様からマダ〜ムまで―――ビューティーハリーが綺麗にまとめますでえーーー!」

 

「だったら、お店のイメージずれてると思う」

 

「なんでや〜〜!」

 

しかし、ほまれにあっさり否定された。唐草模様の椅子に座って彼らの話を聞いていた巧も「確かに少し趣味悪いな…」と、店の内装を見ながらそう呟いていた。

 

「めっちゃセレブ感出してのに〜なんでや⁉︎」

 

「どうせなら……」

 

ほまれの指示で、親しみやすく気軽に訪れそうな雰囲気へと改装された。

 

「こんな感じはどうかな?」

 

「「わぁ〜かわいい〜♪」」

 

オシャレに改装された店は、はなとさあやの二人にも好評だった。

 

「じゃあ、俺達そろそろ行くよ」

 

「頑張れよ」

 

店の準備も終わり、ソウゴと巧は山吹カリンのいる天ノ川学園へと向かった。

 

「ねぇ、お店の写真キュアスタにあげてもいい?」

 

キュアスタに載せてしばらく経った頃には、多くのお客さんがハウスへとやって来た。

 

「すごい宣伝力!」

 

「キュアスタすっごーい!」

 

「ウハハハハッ大盛況や!」

 

お店の大盛況だが、人混みは凄まじかった。

 

「でも、人を多すぎじゃない……?」

 

「いなくなるまでは、調べるのは無理だな……」

 

お客さんがいなくなるまでは調べられず、はぐたんが泣き出した。

 

「はぐたんがびっくりしちゃったどうしよう〜」

 

「はな、そんな時はこれや!タンバリンや!」

 

そう言ってハリーが、銀で縁取られた大きめのハートと濃いピンクのハートの装飾が付いているピンクのタンバリンを渡す。

はなが鳴らすとはぐたんは泣き止み、ハウスにもリズムよく客足が入って更に盛況も上がる。

 

 

 

天ノ川学園から下校中の山吹カリンの前に、待ち伏せしていたソウゴと巧が現れた。

 

「誰?」

 

「俺、時見ソウゴ。今日から俺と、その……」

 

「乾巧だ」

 

「そう。俺達で君を守るから」

 

「何であなた達が……?私と何も関係ないのに……」

 

「俺、王様になりたいからさ。王様って、別け隔てなく民を守るのが使命でしょ!」

 

「意味わかんない」

 

王様と聞いたカリンは、その年になって王様って…と、呆れ顔でそう呟き、学校の方へと逃げていく。

二人は彼女の後を追うように、尾行を始めたのだった。

 

 

 

 

クライアス社あざばぶ支社のビルでは、ライトに当てられたチャラリートが蒼い服を着た男性、リストルにしぼられていた。

 

「リストルさん、どうしてオレちゃんが罰を……」

 

「なぜ、報告を怠ったのです?」

 

「それは……」

 

「フフフ……新しいプリキュアと若いジオウに、あの負け犬のゲイツにやられているなんて、報告できないわねよね」

 

どうやら、チャラリートが社に報告してなかった事がバレてしまったようだ。

 

「組織運営において報告・連絡・相談は重要。罰せられるのは当然なこと」

 

「うぅ……」

 

「よくこんな失敗隠し続けたわね。ぶっとびー」

 

別のデスクの椅子に座っていた、セレブ感ありそうな女性が扇子を隠して嘲笑う。

 

「オレちゃんに、最後のチャンスをください!」

 

「―――その言葉を信じよう」

 

「あざっす!」

 

このままではオレちゃんの立場が危うい…そう思ったチャラリートはすぐさま天井から自分達を覗いている人物へ土下座。天井から流れる許可の声に頭を下げる。

 

「失敗した時は……分かってますね」

 

「は、はい……」

 

「――困ってるようだな……」

 

「スウォルツさん……」

 

チャラリートは失敗した時の状況を思い浮かべ、危機感で脂汗を垂らしていると、後ろからアナザーフォーゼを生み出したスウォルツが現れた。

 

「そんなお前に、良いことを教えてやる」

 

スウォルツは何かを企んでいる様な笑みを浮かべると、チャラリートにこの危機を挽回する術を申しかける。

 

 

 

 

その頃、ハリーハウス改め『ビューティーハリー』。

 

「ダッハハハハハ〜!こない人が来るんやったら……値段倍にしといたらよかったわ〜」

 

ようやく店が終わり、売り上げが好調だった事に大喜びするハリーの姿を横目に。ゲイツとツクヨミは、アナザーライダーが起こした過去の事件を調べ直していた。

 

「これが2010年の失踪者…」

 

「やはり事件は2011年より前から始まっていた」

 

ゲイツの睨んだ通り、この事件は2011年より前に行われた。

 

「ねぇ、ほまれちゃん。写真撮って!」

 

「えっ……?」

 

ゲイツ達がアナザーライダーの事件を調べている頃、はなから写真撮ってくれないかとお願いをされるほまれの姿があった。

 

「ねっ、お願い、お願〜い!」

 

「分かった、分かった」

 

「ハリーやツクヨミさんも!」

 

ほまれが記念撮影の写真を撮る準備をしていると、はなはツクヨミとハリーに手招きしながら誘う。

 

「私達はいいわ」

 

「遠慮しとくわ、オレが入るとお前らが霞んでまうやろ。

――まあ、でもどうしてもと言うなら『行くよ~』ウニャニャ!ほんまにハブにすんなやー!」

 

ハリーが言ってる途中に彼女達は写真を撮り、キュアスタに載せた。

 

「今……何か変な生き物が……」

 

「ほ〜んとだ!キュアスタばえするいい写真!」

 

ハブられて急にネズミに戻ってしまったハリーの姿を視界に入れてしまったほまれが、今のは何なのかと聞こうとするも、はなが慌てて写真を見せながら誤魔化したおかげで、なんとかバレずに済んだ。(……本当に済んだのか?)

 

「なんか自分のこういう顔、久しぶりに見た……」

 

ほまれは写真に写った自分の素顔を見てそう溢すと、はなにずっと聞きたかった事を尋ね始める。

 

「ねぇ……なんで今日、わたしのこと誘ってくれたの?わたし、プリキュアになれなかったんだよ…?」

 

「プリキュアとかプリキュアじゃないとか、関係ないよ。

私、ほまれちゃんが好きだし、仲良くなりたいんだ」

 

「……ごめん、ちょっとはぐたんと散歩してくる」

 

自分を呼んだ理由を語るはなのシンプルな言葉に動揺したほまれが、はぐたんを抱えて立ち上がり、ハウスの外へと出て行ってしまった。

 

「そっとしてあげた方がいいよ」

 

「十分頑張っとる奴に、頑張れ言うなんて酷やで」

 

ツクヨミとハリーがそっとしておけと指摘。追いかけようとしたはなは足を止めるが、さあやも同じように立ち上がって彼女の手をつないだ。

 

「人を応援するって、すごく難しい事だと思う。でも……このままじゃあ、いけない気がする。行こうはなちゃん!」

 

「さあやちゃん……うん!あんなほまれちゃん、やっぱりほっとけない!」

 

二人がほまれを追おうとしたその時。急にさあやが「あれ?」と呟き、ゲイツとツクヨミが調べていた写真を見て驚く。

 

「どうしたのさあやちゃん?」

 

「これ……」

 

「さあや、どうかしたの?」

 

「この写真、変じゃないかな?」

 

そう言って他のメンバーに、事件のあった2011年と2010年の写真を見せると、それを見て不可解な点があることに気付いたゲイツは驚愕する。

 

「どういうことだ。何年たっても、同じ姿をしてるとは……」

 

その写真には、山吹カリンの姿――しかも、今と全然変わっていない姿で映っていた。

 

「クライアス社……」

 

「……ここは、私とゲイツで大丈夫だから。二人は輝木ほまれの方に行ってあげて」

 

「うん!」

 

 

二人がほまれの後を追った頃、ソウゴと巧は天ノ川学園高校の屋上にやってきたカリンを見守っていた。

 

「何かおかしい……」

 

「どうした?」

 

「あ~いや……俺達が彼女を見張ってから……もう4時間くらい。それなのに彼女、まだ1度もお手洗いに行ってない」

 

「いい加減にして!」

 

流石に今の発言はまずく、デリカシーの無さに彼女も怒る。

 

「ほおっておいてくんない!?」

 

「あ、ちょっと!」

 

後を追おうとするソウゴと巧だが、ちょうど誰かとぶつかかる。

 

「あれ、ソウゴ!」

 

ぶつかったのは、フォーゼライドウォッチをくれた如月弦太郎だった。

 

「ごめん、色々訳あって18歳天秤座生まれの女子高生が大変なんだ」

 

「あっさり言うか?普通……」

 

「色々か……なら、俺も協力するぜ!」

 

弦太郎も拳を向けて協力すると言ってくれた。

 

「今、この高校だと該当者は彼女一人だけで……」

 

「えっ?いや、二人だぞ」

 

「この前調べた時は、一人だったはずだけど……」

 

あの時、弦太郎から渡された資料では山吹カリン一人だけだった筈。

 

「あぁ、言ってなかったな。俺とは違う教室を受け持ってる3年生のクラスに、天秤座生まれの奴がいたぞ。

そいつも10月の頭あたりで、18歳になるはずだ」

 

 

 

同じ頃、ハリーハウスでも新たな事実が発覚した。

 

「ちょっと、これ見て!」

 

「山吹カリンは……既に死んでいる?」

 

ツクヨミが見せた過去の記事、そこには山吹カリンは既に死んでる事が書かれていた。

 

「2003年10月25日、交通事故で死亡。翌日未明に遺体が行方不明となる。同日、同級生二名が失踪……」

 

更には事件が起こった日、二人の同級生が失踪していた。

これらの記事を見たゲイツは、ある事実に気付いた。

 

「そうか……」

 

「どうしたの?」

 

「不思議だと思うことが、ようやくわかった……

今までのアナザーライダーなら、直ぐに標的である存在を狙う。

だが、山吹カリンは違う。彼女はアナザーライダーに守られている」

 

「でも、なんでアナザーライダーが彼女を……」

 

「それはわからんが……アナザーライダーは女子生徒達を狙い、何らかの力で、山吹カリンを生かし続けたんだ。2003年から15年にも渡って、だ」

 

 

それからしばらく経った頃、ほまれがはぐたんと一緒に公園のブランコに座っていた。

 

「なんでわたしこうなんだろう……」

 

「――輝木さん」

 

「っ。あんたは確か……仮面ライダーの」

 

「ソウゴ。時見ソウゴ」

 

そこにカリンを見逃したソウゴと巧がやってきた。

 

「……アンタなんで、仮面ライダーなんてやっての?」

 

「王様になりたいから」

 

「王様……何それ?」

 

「俺の夢なんだ」

 

「夢?」

 

王様になりたい語るソウゴの口から、それが自分の夢なんだと聞いたほまれは、ポカンとした表情になる。

 

「俺は、困ってる人とかを助けられる、最高で最善の王になって、世界を救いたいんだ。それが、俺の夢……」

 

「夢……」

 

「ソウゴ君」

 

ソウゴとほまれが話をしていると、はなとさあやもやってきた。

 

「みんな」

 

「ごめんね、来ちゃった」

 

「……ごめんね」

 

するとほまれがはなに謝った。謝られた本人は「えっ、何が?」と頭に“?”を浮かべる。

 

「応援してくれたのにきついこと言っちゃった」

 

ほまれが謝罪した理由を語っていると、はなは眉を下げながら口を開く。

 

「……あの時は、何て言葉をかけていいか正直わからなかった。

もっとイケてる言葉言いたかったけど……心がうーってなってフレフレしかできなかったの。お子ちゃまだな、私」

 

「変なの、わたしあんたみたいになりたいのに……、

みんな、あんたみたいな子好きでしょ?」

 

「そんな事ないよ」

 

「……そう」

 

「おっちょこちょいだし、ぐいぐい行き過ぎて引かれちゃうこと多いし」

 

「はぎゅ〜、はぎゅ〜」

 

ほまれの言葉にそんな事はないと否定していると、抱いて欲しいようにねだるはぐたんをはなが抱きかかえる。

 

「全然、そんなみんなに好かれる子じゃないよ。

だけど……わたし、なりたい野乃はながあるの、だから頑張るの」

 

「私、ほまれさんのこと好き、前よりもずっと好きになった。

私達きっと、すごく仲良くなれる」

 

はなとさあやの二人が、自身達の気持ちを伝えると…

 

「その『ほまれちゃん』って言うの……なんか恥ずかしいやめて……」

 

『そこ⁉︎』

 

どうやらその呼び方は恥ずかしいため、やめて欲しいらしい。

 

「じゃあ、なんて呼べば?」

 

ソウゴの疑問に対し、ほまれの事をなんて呼べばいいのかと悩む。

 

「助けてぇぇぇぇぇぇ!」

 

そこへ悲鳴のような声が聞こえると、天ノ川学園の女子生徒がアナザーフォーゼに追われている光景が映った。

 

「何なんだ?あの化けもんは!」

 

「アナザーライダー」

 

アナザーフォーゼを見て、驚きを隠せない(さっきまで黙ってソウゴ達の話を聞いていた)巧と、ドライバーを取り出して女子生徒を助けようとするソウゴ。

 

「やめて、佐久間君!」

 

「カリン……」

 

そこへ山吹カリンが現れ、女子生徒を殺そうとしていたアナザーフォーゼは彼女を見て動きが止まった。

 

「こんなことしても、何にもならない…もう私のために、犠牲を出さないで!」

 

「――その通りだ、佐久間。お前の妄執は、俺が断ち切ってやる」

 

カリンがアナザーライダーを説得していると突如、草加が彼女を背後から捕えて手をかけようとする。

 

「草加……ッ!うわぁぁぁぁーー!」

 

それを見たアナザーフォーゼは怒り出し、カリンから離して草加を一方的に痛めつけると、トドメに首を折ろうとする。

 

「草加ッ!」

 

それを見た巧が、ソウゴやはな達よりも早く走り出し、アナザーフォーゼを妨害することで草加を間一髪のところで助けた。

 

「乾…何故……?」

 

「俺はお前が嫌いだ草加。だがな、お前は俺の仲間なんだよ。……悔しい事にな」

 

巧と草加が話し合っていると、そこへ遅れてゲイツとツクヨミも駆けつけてきた。

 

「邪魔をするな。すべてはカリンのため……」

 

「アナザーフォーゼ発見!それに……輝木ほまれちゃんだよね」

 

更にそこへ、チャラリートも現れた。

彼はほまれとアナザーフォーゼを見つけると、ほまれに黒いリングを放ち拘束した。

 

「なっ⁉︎ ああっ!」

 

「ナンパしに来ました」

 

「ナンパ……ウッ!」

 

困惑するほまれを宙に浮かせて、そのまま何処かへと連れ去ろうとする。

 

「離せ!」

 

そんな彼女を助けに行こうと、巧がチャラリートに掴み掛る。

 

「おっさんは退いてろ!」

 

「ぐわぁ!」

 

だが直ぐに払いのけられてしまい、ほまれとアナザーフォーゼを連れて行ってしまう。

 

「そんな……助けにいかないと――」

 

「待て、ソウゴ」

 

起き上がった巧が彼女を助けに行こうとするソウゴを止めると、懐から黒と銀で構成されたライドウォッチを出した。

 

「以前からずっと持ってた。これはお前のもんだろ?」

 

「おいジオウ!」

 

そう言ってウォッチを渡すと、アナザーライダーの出現を聞きつけたゲイツが現場に訪れた。

彼の姿を見たソウゴは「丁度よかった」と言わんばかりに口角を上げると、受け取ったばかりのライドウォッチをゲイツへ渡そうとする。

 

「何?」

 

目の前に居る敵である筈の男が自分のウォッチを渡してきたのを見て、何を考えているのだと疑問に思うゲイツの手を取り、半強制的にウォッチを渡した。

 

「頼んだ。アナザーライダーを止めてくれ。俺はクライアス社を止める」

 

「俺が?」

 

「うん!」

 

「……いいだろう」

 

ウォッチを託されたゲイツは彼の真意を察したのか、何も言わず振り向いて走っていった。

 

「時空転移システム……起動!」

 

そのままタイムマジーンへと乗り込み。移動する時代を2003年へとセットし、過去へと向かった。

 

 

その頃、チャラリートはほまれをどこかのビルの壁へと連れ込む。

 

「そこからここまでジャンプしてみれば?」

 

ビルの外壁の狭い足場に立たされたほまれに、隣のビルへとジャンプしてみればと煽る。

だが高所に立たされ、恐怖心に囚われた彼女に、ジャンプをする勇気を出すことは出来なかった。

 

「やっぱり無理!身長が伸びてから、一度もジャンプに成功してない。それが真実でしょ?」

 

「私は……もう飛べない……」

 

「――そう、もう二度と輝けない」

 

「―――ッ⁉︎」

 

その時、彼女から溢れ出るトゲパワワの量が最大へとなった。

 

「明日への希望よ!消えろ!ネガティブウェーブ!」

 

「アアアァァァァーーッ!」

 

「発注、オシマイダー!」

 

「私には……未来はない……」

 

絶望で心を包まれたほまれから、頭にポニーテールが生えた恐竜の様なオシマイダーが作られた。そしてオシマイダーの前に、アナザーフォーゼも現れた。

 

「さぁ、アナザーフォーゼ。あれと融合しろ!」

 

チャラリートはアナザーフォーゼに、オシマイダーと融合しろと持ちかける。

 

「本当に、カリンに命を戻せるのか?」

 

「当然!約束は守ってやるよぅん!」

 

「カリン……これで……」

 

ニヤニヤ笑いながらそう言う彼の言葉を信じたアナザーフォーゼは、愛する少女を救うために迷わずオシマイダーの元へと行く。

 

「うぉぉぉぉぉーーー‼︎」

 

すると、アナザーフォーゼとほまれから作られたオシマイダーが一つになろうと、お互いに融合を始めた。

 

「思った通り。でっかい夢ほど、失った時の絶望がでっかいじゃん。

それと失った物を生かし続けるアナザーライダー…やはり合わさった。

いけェ!『オシマイフォーゼ』!」

 

「――もウ、飛べナイ……でモ、助ケる……かりん」

 

大きさは先より少し小さくなったが、オシマイダーとアナザーフォーゼが融合したことで、アナザーフォーゼの面影を残す。体のあちこちで血管の様に伸びた赤いラインが特徴的なオシマイダー…オシマイフォーゼへとなった。

 

「ほぉ〜う、これは素晴らしい結果だな」

 

そしてビルの屋上から、スウォルツがその様子を見ていた。

 

 

 

かつて事件があった、2003年。

山吹カリンと佐久間、二人は流星群を見に行く予定だった。

だが雨が降りだし、流星群が見れなくなったためなのか、待てども佐久間は来ずで、気落ちしているカリンはその場から歩きだす。

だがそんな彼女を更なるどん底へ蹴り落とす様に、不運な事故に遭ってしまい亡くなってしまう。

 

「僕が、約束に行かなかったから……ああああぁぁぁーっ!!」

 

カリンの死に泣き続ける佐久間、すると彼の周りの時が止まった。

 

「あなたに、ちょびっとだけ悪い知らせと、めちゃくちゃいい知らせがあるの」

 

そこに彼の周りの時間を止めた、タイムジャッカーチームのオーラが現れた。

 

「この後あなたは、一生自分を責め続ける。でも私と契約すれば、この娘を救うことができる」

 

彼女は毎度のように契約をもちかける。

 

「何でもする!頼むから……頼むからカリンを!」

 

「いい子ね」

 

『ファイズ…!』

 

オーラはファイズの力を宿したアナザーウォッチを、佐久間の体内へ入れた。そして、佐久間はアナザーファイズとなった。

 

「おめでとう。歴史が変わって、今日からあなたが仮面ライダーファイズよ」

 

「カリン……」

 

佐久間は怪物と化しても、やさしく愛する人の名を呼ぶ。

アナザーファイズとなった佐久間は、フラフラと歩いてると同級生の女子に声をかけられる。

 

「佐久間くん?」

 

「……坂本。お前、カリンと同じ、天秤座生まれだったよな」

 

その娘はカリンが亡くなった翌日、失踪した二人の娘だった。やはり彼女達がアナザーになった佐久間による、最初の犠牲者だった。

 

『ファイズ…!』

 

アナザーファイズになると、その女子高生を青い炎のような生体エネルギーに変換し、体内に吸収する。

 

「この力があれば……カリンに命を与えられる!」

 

「そうゆうこと」

 

アナザーライダーとしての力を与えたオーラが、思い描いたようになった事に満足そうな顔を浮かべた。

 

「なるほどな」

 

するとゲイツがこの時代へと現れ、それを見たオーラはゲイツ以外の時を止める。

 

「その男は、山吹カリンを生かす為、なんの関係もない女子生徒を襲い続ける……だがその力は、15年の歳月の中でやがて衰え。更に力を求め、もう一つのライダーの力を得た」

 

「まさか……スウォルツ」

 

 

 

現代、2018年。

草加がソウゴ達に、カリンと佐久間が起こした事件の内容を話していた。

 

「佐久間の犠牲者は、世間では家出として扱われていた。事件が明るみに出そうになるとカリンを転向させて、同じことを繰り返してたんだ」

 

それを聞いていたはな達は、あの写真で山吹カリンが違う学校に姿があった事を思い出した。

 

「……あんたは、何で彼女を狙ったの?」

 

ソウゴは草加がカリンを狙う理由を聞く。

 

「カリンも佐久間も、流星塾という養護施設の仲間だ。俺と同じくな」

 

「流星塾……」

 

流星塾という言葉から、ウォスが言ったことを思い出す。

 

 

『この件は“流れ星”から始まった』

 

 

「やっぱり、流れ星から始まったんだ!」

 

「化物になった佐久間を止められない。俺がカリンを葬り、カリンの骸を佐久間の元から離せば。そうカリンから頼まれてな」

 

今まで草加がカリンを襲っていたのは、単にカリン本人が頼んでいたものだと知る。

 

「仲間のために自分の人生を台無しにした訳か。バカなヤツだな……」

 

「そう言う巧もね」

 

巧が呆れた様子で呟くと、ソウゴが巧も草加と似たような事だと横槍を入れる。

 

「佐久間って人も、ここにいる皆も、自分を犠牲にしてまで仲間を救おうとしてる。でもこのままじゃ誰も救われない。この犠牲のサイクルから出るために、やるべきはただ一つだ!」

 

「お願い……佐久間君を止めて」

 

「うん!」

 

カリンのお願いを聞き入れたソウゴは、はなとさあやの顔を見て頷き合うと町の方へと走る。

 

 

三人が町の中へと着くと、町ではオシマイフォーゼが暴れていた。

 

「あれは……」

 

更にさあやが指を指す方を見ると、ビルの壁で十字架上に磔されたか様に拘束されているほまれを見つけた。

 

「助けなくちゃ!」

 

「うん!」

 

「行こう!二人を助けに!」

『ジクウドライバー!』

 

ソウゴはジクウドライバーを装着しジオウウォッチを取り出すと、はなとさあやはプリハートにクリスタルをセットした。

 

『ジオウ!』

 

ウォッチをドライバーに装填しロックを解除すると、ソウゴの後ろから時計が出現。

 

「変身!」

「「ミライクリスタル!ハートキラッと!」」

 

掛け声共にドライバーを回し、はなとさあやはプリハートを構えて、その姿を変える。

 

「輝く未来を~抱きしめて!!みんなを応援♪元気のプリキュア!キュアエール!」

「輝く未来を抱きしめて!みんなを癒す!知恵のプリキュア!キュアアンジュ!」

『ライダータイム!仮面ライダージオウ!』

 

三人が変身すると、オシマイフォーゼへと向かっていく。

 

「ヤァァ!」

 

『ガトリング オン…』

 

エールが攻撃しようとすると、いきなりオシマイダーの足から銃弾が放たれた。

 

「エール!」

 

アンジュがバリアを張りエールを守ったが、オシマイフォーゼの猛攻は続く。

 

「くっ。この攻撃……どこかで?」

 

「エール!アンジュ! なんだ、あのオシマイダー……」

 

アンジュとジオウは暴れまわるオシマイダーを見て、その姿がアナザーフォーゼと同じ事に気付いた。

 

「苦戦してるね魔王」

 

「ウォズ」

 

またしてもいきなりウォズが現れた。

 

「あのオシマイダーは、アナザーフォーゼの力を取り込んだ」

 

「えっ⁉︎」

 

「我が魔王。この試練を超られるか、見せてもらうよ」

 

そのままアナザーフォーゼと融合した事を言い、期待する様な笑みを浮かべたまま去っていった。

 

「ほまれ!なんちゅうこったゃ……」

 

ハリーとツクヨミ達が、ほまれがいるビルの壁へと到着した。

だが彼女は下を向いたまま、まるで死んだような表情で、返事を返すことも無かった。

 

 

 

その頃、2003年では…

 

「いいの?彼を倒せば彼女は死ぬ」

 

「山吹カリンは死んだ。その事実を変えることはできない!」

 

「へ~…貴方は、誰も救わないんだ?」

 

「救うさ。仲間のために奴が投げ打った……15年の歳月をな!」

 

ゲイツの言葉を聞いたオーラは髪をかき上げると時間を動かし、アナザーファイズがゲイツを襲う。

アナザーファイズの攻撃を受け止め、腕のゲイツウォッチを掴む。

 

『ゲイツ!』

 

ゲイツウォッチを起動させ、アナザーファイズの攻撃を躱しながら、最後にアナザーファイズにキックを喰らわせつつ、ドライバーに装填する。

 

「変身!」

『ライダータイム!仮面ライダーゲイツ!』

 

仮面ライダーゲイツへと変身したゲイツは、ファイズライドウォッチを起動させる。

 

『ファイズ!』

 

ファイズウォッチを装填したドライバーのロックを解除。そのままドライバーを回し、ファイズアーマーがゲイツの体へと装備される。

 

『アーマータイム!コンプリート!ファイズ!』

 

複眼には「ふぁいず」の文字が刻まれた『アルティメットファインダーインジケーションバタフライ』、両肩には開いたファイズフォンを模した『フォンギアショルダー』を装備している、仮面ライダーゲイツ・ファイズアーマーへとなった。

 

「ちっ!ファイズウォッチを手に入れたなんて……」

 

オーラはファイズウォッチを持っている事を知り舌打ちすると、この場から去っていく。

こうして、ゲイツ・ファイズアーマーとアナザーファイズの交戦が開始した。

 

 

 

現代、2018年。

ジオウ達は現在、オシマイフォーゼに苦戦を強いられている。

オシマイフォーゼによるアナザーフォーゼの力と、強力な回転攻撃に翻弄されているのだ。

 

「いけ!オシマイフォーゼ!ミライクリスタルをプリキュアから奪うじゃん!そして、ジオウを倒せ!」

 

「オシマイダ〜……救う……」

 

「ほまれちゃんの未来は!」

 

「プリキュアが取り戻す!」

 

「そして……もう犠牲を出させない!」

 

それでも、三人は必死になってオシマイフォーゼを止めようとする。

 

 

「もう未来はない……もう、飛べない……」

 

一方のほまれは、未来への希望を持てず、下を向いて顔に陰を作ったまま、壊れたレコーダーの様に呟き続ける。

 

「――おい!お前、夢はないのか?」

 

そこへ巧がほまれに声をかけ、夢はないかのかと聞く。

 

「夢…?」

 

「知ってるか?夢ってのは、時々すごく切なくなるけど、時々すごく熱くなるものらしいぜ!」

 

「熱くなる……」

 

すると、はぐたんから再び黄色いミライクリスタルが現れた。

 

「―――そうだね。夢って、必死に追いかけて熱くなるもんだったね」

 

ほまれがそう呟くと拘束したリングが消え、出現したクリスタルに向けて思い切りジャンプ。今度は、掴めた。

 

「跳ぶのが怖い……応援されることも。

――けど、もう自分から逃げない。

私は、私の心に勝つ!未来へ輝くッ!」

 

ほまれはプリハートを掴み、ミライクリスタルをセットした。

 

「ミライクリスタル!ハートキラッと!」

 

その瞬間、ほまれの身体が黄色く光り、服の姿が変わっていく。

 

「ぎゅう〜!」

 

もう一度ミライクリスタルをタッチすると髪が伸びていき、ポニーテールとなった。

 

「ぎゅう〜!」

 

更にミライクリスタルをタッチ。顔にメイクが施されると、ミライクリスタルが装填されたプリハートを腰に付いたポーチへと入れ、カバーが閉じる。

 

「輝く未来を抱きしめて!みんな輝け!力のプリキュア!キュアエトワール!」

 

髪が大幅に伸びてポニーテールとなり、シースルー服を多用した他の二人とは異なり、代わりにマントの様な布を羽織っていた。

 

「「「キュアエトワール!」」」

 

「お待たせ!」

 

キュアエトワールが、三人の前へと現れた。

 

「フレフレ!ハート・スター!」

 

エトワールがプリハートのハートパネルを押すと唱えな星を集め。ハート状にしたエネルギー体から大量の星を射出させ、それを受けたオシマイフォーゼの動きが制限される。

 

「この怪物は、私が倒す」

 

「私達でしょ?」

 

「私達、仲間でしょ?」

 

「ここからは一緒に力を合わせて」

 

「あれを一緒に止めよ!」

 

エールとジオウが返すと、嬉しそうな表情となるエトワール。

 

「よし!」

『フォーゼ!』

 

状況がいい感じに進んで来た事を悟ったジオウはフォーゼウォッチを起動させ、ドライバーに装填してロックを解除し回す。

 

『アーマータイム! 3・2・1! フォーゼ!』

 

するとアーマーが上空から現れ、そのまま複眼にカタカナで「フォーゼ」と描かれたフォーゼアーマーが装着された。

そこへツクヨミ達が駆けつけ、一緒にいたカリンはオシマイフォーゼになった佐久間に向けて叫びかけた。

 

「私は他の人を犠牲にして生きるなんてできない。それに、これ以上佐久間君の人生まで犠牲にしたくない!」

 

「かりん。嫌ダ、俺はカリンヲ、絶対……!」

 

カリンの言葉を聞き入れず、エトワールを攻撃するオシマイフォーゼ。

だがジオウ・フォーゼアーマーに反撃される。

 

「あんたは彼女を救ってなんかない!だから……」

 

 

2003年の戦い。

ゲイツ・ファイズアーマーはファイズフォンXで銃撃を浴びせていくと、携帯モードへと戻す。

 

『レディー!ショットオン!』

 

ファイズフォンXを操作し、右手にファイズショット型のギア555――『ショット555』を召喚した。

 

「お前のやっている事は、彼女を苦しめているだけだ!だから……」

 

 

「「だから……俺達がお前達を救う‼︎」」

 

現代と2003年。ジオウとゲイツの心が、時代を超えて繋がった。

 

 

「救ウ?フザケルナ!カリンヲ救ウのハおれダ!!」

 

徐々に口調と情緒が怪しくなっているオシマイフォーゼは、脚に半透明なドリルを装着すると、更に円錐状の赤黒いエネルギーを纏って宙に跳んだ。

 

「っ⁉︎ フ、フレ!フレ!ハート・フェザー!」

 

それを見て危機感を感じたアンジュはハートフェザーを展開。同じく危機感を察知したジオウとエール、エトワールが彼女の背後に回った。

 

「おれガスクう!オレがかりんヲ救ウダぁぁァァァぁぁぁ!!」

 

咆哮を言い放ってオシマイフォーゼが跳び蹴りを放つと同時に、全体を覆う程に巨大化した円錐状のエネルギーを纏ったドリルは圧倒的大回転を発生させる。

強大な螺旋を描いたドリルは、アンジュの張ったバリアを貫かんとしていた。

 

「うっ!?ッッッ!うぅ…!」

 

「な、なんて衝撃、なの…⁉︎」

 

それでも貫かれないのは、エールとエトワールがプリハートを使ってアンジュに自身の力を注いでいるからだが、よく見るとバリアがヒビ割れて()()()()始めており、今にも砕け散ろうとしていた。

 

「ハッハッハァ!!イイじゃんこれ!このままドンドンやっちまえ!!」

 

新たなるプリキュアの誕生で流石にヤバイと思っていたが、予想以上の善戦にチャラリートは喜びの声を上げる。

それでも彼女達は諦めずにエネルギーをアンジュに送り続け、三人の背後でジオウもまたロケットブースターから火を噴きながら押し続けていた。

 

「うぅ……確かに、凄いかもしれない……」

 

「それでも、俺たちは……絶対に……」

 

「「諦めない!」」

 

諦めないと決意を固めたエールとジオウの言葉と共に、アンジュが張っていたバリアの罅が徐々に修復されて行く。オシマイフォーゼはその光景に、思わず戸惑いの感情を出した。

 

「決めたんだ……みんなと、力を合わせて、貴方を救うって!」

 

「その為にも…!私達は、絶対に…!挫けちゃ、いけないから!」

 

更に、エトワールとアンジュの叫びと共に、遂にバリアがヒビ入る事が無くなった。

 

「ナ、ナンで……!」

 

今の最大出力の回転で放った攻撃が通じなくなっているという事実に、オシマイフォーゼは困惑の表情を浮かべていると、エールが額から汗を流しながら、ジオウが仮面の下で、笑みを浮かべた。

 

「そんなの、簡単だよ!」

 

「だって、俺たちの、友情は……!」

 

『誰にも!砕かせないからぁぁぁーー!!』

 

彼ら、彼女らは、特別長く付き合って来たわけじゃ無いけれど、少なくとも四人の友情は、この程度では砕ける事は無い。

その証拠と言わんばかりに、彼らの叫びと共に、オシマイフォーゼが纏っていた円錐状のエネルギーの方が先に砕け散ってしまった。

 

 

 

2003年。

ゲイツは突っこんで来たアナザーファイズをショット555で殴り飛ばした。

 

『レディー!ポインターオン!』

 

再びファイズフォンXの操作で、今度は足にファイズポインター型のギア555『ポインター555』が装着された。

そしてドライバーに付いている、ゲイツとファイズのウォッチを操作する。

 

『フィニッシュタイム!ファイズ!』

 

ドライバーを回したゲイツが高く飛躍した。

 

『エクシードタイムバースト!』

 

アナザーファイズがキックを喰らわせようとしたが、ポインターから放たれた円錐状のエネルギー体がアナザーファイズを拘束した。

そのままライダーキックを炸裂させ、着地した。

 

「ふん」

 

ゲイツが去っていくと、最後はアナザーファイズから“Φ”のマークが出て爆発した。

 

「うわぁぁぁぁぁ!」

 

アナザーファイズは変身解除され、ウォッチも体内から出され破壊された。

 

 

 

そして現代でも…

オシマイフォーゼを三人のプリキュアとジオウ・フォーゼアーマーが押していた。

 

「「跳べ!キュアエトワール!」」

 

エールとアンジュに支えられ、エトワールは高く飛んでドロップキックをぶちかまし、オシマイフォーゼは倒れる。

 

「決めて時見!」

「あの人の心を!」

「取り戻して!」

 

三人の声に頷く様に、ジオウも二つのウォッチを起動させる。

 

『フィニッシュタイム!フォーゼ!』

 

「ああ!すごくいける気がする!」

 

そう言いながら体をロケットに変形して突撃。そして、ドライバーを一回転させる。

 

『リミットタイムブレーク!』

「ロケットきりもみキーック!」

 

ジオウのフォーゼアーマーによるライダーキックが、エトワールのキックから何とか起き上がったオシマイフォーゼの体に直撃し、ビルよりも高い所まで飛びながら回転をかけ、そのまま突き抜けた。

オシマイフォーゼが空中で爆破すると、アナザーライダーとオシマイダーの二つに分離され、オシマイダーは消滅していく。

佐久間も元の姿に戻り、アナザーフォーゼとアナザーファイズのウォッチが二つ同時に消滅した。

 

「負けた……オレちゃんおしまいだ〜」

 

オシマイフォーゼがやられ、チャラリートはおしまいと言い消えていった。

そして、カリンが元に戻った佐久間へと近づく。

 

「かりん……ごめん……」

 

「佐久間君、私の分まで生きて――」

 

自分のせいで死なせてしまった事に、今まで己が行った罪を謝罪する佐久間へ、最期にそう言い残すとカリンは光の粒子となり、消えていった。

それを見て、何も言わず去ろうとする草加を巧が呼び止める。

 

「おいっ!」

 

だが草加は右手を挙げて巧を制止し、そのままどこかへと行ってしまった。

 

(仲間……)

 

そんな草加と巧を見つつ、笑顔を見せるソウゴは心の中でそう呟く。

 

「これでいいの?」

 

その一方、エトワールがスープンにミライクリスタル・イエローを乗せ、はぐたんにアスパワワを与える。

 

「はぁぎゅ~♪キャハキャハ♪エヘ!エヘ!」

 

はぐたんの笑顔を見て、エトワールは満面の笑みを見せる。

 

「はぐたん、これからもよろしくね」

 

「よかった……」

 

エトワールを見てよかったと呟くと、2018年に戻ってきたゲイツを見る。

 

「なんだ……」

 

「別に♪」

 

 

その後、巧と別れたソウゴ達はハウスへ戻って行った。

 

「それじゃ、また明日ほまれちゃん。じゃなくて……また明日ね。ほまれ!さあや!ソウゴ!」

 

「ありがとう。ののはな」

 

「えっ、ののはな?」

 

「うん!ののはな!イケてる!」

 

「ほんとに?イケてる⁉︎」

 

イケてると言われご機嫌になるはな。

 

「ねぇ、さあや?」

 

「なに?」

 

「この際だし、俺の事を呼び捨てで呼んでよ」

 

「えっ⁉︎ あ、あ……そ、ソウゴ……君」

 

結局さあやは、ソウゴを呼び捨てで言うことが出来なかった。

 

「ごめんなさい」

 

「いいよ、無理しなくても。はな!ほまれ!大丈夫?手伝おうか!」

 

そう言って何故か川に落ちたはなを助けに向かうとすると、ツクヨミがある事を思い出した。

 

「ねぇ、ソウゴ。フォーゼとファイズにウォッチ渡したの?」

 

「あぁぁーーー!?」

 

過去の二人にウォッチを渡すのをすっかり忘れていた。

その後ソウゴは、急いで2011年と2003年へとブランクウォッチを渡しに跳びに向かったのだった。

 

 

 

「かくして、我が魔王は二つのライダーを力を手に入れた。集めた力はいずれ、魔王へと繋がる。次なるレジェンドは――王」

 


次回!Re.HUGっとジオウ!

 

第7話 王様が仕事体験⁉︎社長は王?2016

 

 




――星が降る日、願いを叶え、夢を守るものが生まれる。
――さぁ、星に願いを……



おまけ

草加「アナザーライダーが二段構えになってるのは、全部ゴルゴムの乾巧ってやつが変身するディケイドの仕業なんだ!」

ジオウ「なんだって!?それは本当かい!」

パンツ「おーい!そいつが言っていることは、全て嘘です!」

草加「………邪魔なんだよ、俺のことを好きになれない奴は……フッ!!」

パンツ「アァァァーーーー!!」

(首が折れる音)

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