Re.HUGっとジオウ!   作:yu-ki.S

85 / 86
オーマジオウ「この本によれば、この物語は時見ソウゴを名乗る少年が織り成す、波乱万丈な一幕であると書かれている。
彼は全てのライダーの力を集め、プリキュアと出会い、クライアス社との戦いに決着を付け。最高最善の王となる事を目指していた。
しかし、全てのライドウォッチを集め終えた彼の身に待ち受けていたのは、余りにも非情な現実。
果たして彼らは、クォーツァーの野望を打ち砕く事が出来るのだろうか……
そして若かりし日の私は、()()()を叶えてくれるだろうか……
それでは諸君、『HUGっとジオウ!Over Quartzer!〜後編〜』を、最後までご覧になられよ」


特別編5 劇場版 HUGっとジオウ!Over Quartzer!〜後編〜

全てのライドウォッチを手に入れたソウゴから玉座を奪い、彼を替え玉と称した歴史の管理者・クォーツァーのリーダーは自らを『時見SOUGO』を名乗った。

その言葉に動揺しながらも、はな達はクォーツァーの魔の手から何とか逃れ、ビューティーハリーへと戻っていた。

そんな中、皆は沈んだ表情を浮かべながら淀んだ空気を発していた。

 

「ソウゴ……」

 

「さあや……」

 

ソウゴはクォーツァーに捕らえられ、さあやはあの時助けれなかった事を悔やんでいた。

 

「あれは誰なの?ソウゴの代わりに玉座に着いたあの男は一体……」

 

そしてツクヨミは、自らを時見SOUGOと名乗った男が、ソウゴは自分の替え玉だと言っていた事を気掛かりに思っていた。

 

「代わりじゃないかもしれない……」

 

「えっ?」

 

「代わりじゃないって?」

 

ゲイツの口から代わりじゃないと呟かれ、ことりは唖然とし、ほまれはどういう事だと問い出す。

 

「つまり、俺達の未来のジオウが全て創作物だとしたら……」

 

「どう言うことですか?」

 

ことりの問いに対しゲイツが思い出すは、言い伝えられていた信長のイメージと実際の信長の姿。

信長は沢山の人間を無慈悲に殺し、最後は部下に裏切られて死んだ……俗に言う『魔王』の様な男であると思っていた。

しかし、実際の信長の姿は未来から伝わったものとはまるで違っていた。

もしもジオウ…オーマジオウが織り成した最低最悪な歴史すら、未来の人達の創作物だとすると……

 

「――だから、普通の中学生の時見ソウゴと、大魔王となる時見SOUGOが、両方用意されていた」

 

その仮定が合っているならば、自分達のソウゴは大魔王となる時見SOUGOに利用され都合良く動かされていた事になる。

それを聞いたはな達は、余りにも驚愕的な事実に一瞬息をすることを忘れてしまった。

 

「…でも、なんで両方必要なのですか?」

 

「それは、ライダーの力を集める為だよ」

 

ことりがそう言うと、全員がドアの方から聞こえてきた声の方へと振り向く。

 

「桐ヶ谷晴夜……」

 

そこにいたのは、サイズが大きいトレンチコートを着ており、ソウゴが最初にウォッチを託した少年。

以前は門矢士と一緒に行動していた仮面ライダー、桐ヶ谷晴夜が立っていた。

 

「ライダーの力を集める為とは……?」

 

ルールーの口からライダーの力を集めるとはどう言う事だと聞き、晴夜はその事を話す。

 

「……士さんから、この世界の時空が乱れていたと言っていたんだ」

 

「時空が……?」

 

「その原因が、ソウゴにある事も」

 

「ソウゴに!?」

 

時空の乱れの原因だがソウゴだと聞き、全員は驚きを隠せなかった。

 

「最初は、俺も士も、ソウゴには幼い頃にスウォルツに与えられた、ライダーを引き寄せる力が原因だと思っていた……」

 

だが、それだけでソウゴ一人でこれ程時空を乱れを起こす事は出来ない。

それに、本人は無自覚でそんな力があるなんて知らない。なら必ず裏があると……

 

「そして、その過程が合っていれば……全ての時空の混乱も、全ては大魔王となる時見SOUGOが元凶だった」

 

つまり、時空を乱れさせる事でこの世界にライダーを連れて来させる。ソウゴにライダー達の力を集めさせ、全てを揃った所で彼が集めた力を取り上げて魔王となる時見SOUGOが、全てを自分の物にする。それが奴らクォーツァーの狙い…

 

「全てがその筋書き通りに進んでいたいうのか……」

 

「許せないのです!時見先輩が可哀想なのです!」

 

「そうだよ!そんなの自分に出来ないから、人に押し付けたようなもんじゃん!」

 

ライダー達が自分達の力のライドウォッチをソウゴに預けたのはソウゴを認めたから。

それを強引に奪ったクォーツァーに、えみるやほまれ達は怒りを強く感じていた。

 

「……じゃあ」

 

「えっ?晴夜さん!一緒に戦うじゃ……」

 

晴夜も一緒に戦ってくれるのではないかと思っていたが、当の本人はその場を立ち去ろうとし、ことりが待ってと晴夜を止める。

 

「だからこそ、早く行かないと行けないだろ」

 

晴夜は一足先にクォーツァーに乗り込もうと向かう為、ビューティーハリーを後とする。

しかし、彼には問題があった。

晴夜の持つビルドのフルボトルが全て成分が消えているのだ。おそらく、クォーツァーにビルドウォッチを奪われたのが原因。

 

「待って!」

 

「……早くしないとソウゴは…」

 

はなとさあやも晴夜を追いかけて向かおうとする。

その時……

 

「よくわからんが、このままではソウゴ殿は処刑されてしまうでござるな」

 

何故か聞き覚えがある声が聞こえたと思い、ゲイツ達が階段の方へ顔を向ける。

 

「ちょ、ちょっと!」

 

「何でここにいるんですか?」

 

ほまれやえみる達の目に映っていた姿はなんと、そこにいたのは戦国時代で信長の伝記を書いていた牛蔵だった。

 

「タイムマジーンに密航して来たのか?」

 

「マジか!」

 

ゲイツの推理でタイムマジーンで帰る際に付いて来たのだと知り、ハリー達は驚く。

 

「ゲイツ殿に惚れたでござる!」

 

「…………はぁ?」

 

「ゲイツ殿の伝記を描くでござるよ!」

 

牛蔵はゲイツの事が惚れたようでここまで付いて来たようだ。

 

 

クォーツァーに捕らえられたソウゴは牢の中へと閉じ込められており、その向こうにはウォズの姿もあった。

 

「ウォズ……君もクォーツァーなんだね……」

 

「そもそも、平成ライダーいけないんだ」

 

「平成……ライダー……」

 

平成ライダー……

それは『仮面ライダークウガ』から誕生し、そこから数多ものライダーが次々と誕生し、『平成』という名の時代を駆け抜けた仮面ライダー達。

ソウゴ達が集めたライドウォッチは、彼らが出会った仮面ライダー達の力の結晶……即ち、()()()()()()()()()()()()()なのである。

 

「設定も世界観もバラバラ過ぎだ……という声が多くてね」

 

するとウォズは、平成ライダーに色々と問題があるのだと語り始める。

 

「そこで私達は新たな時代を迎えるに辺り、平成ライダーを一つの記念のライダーにしようとスッキリ纏めるようにした」

 

彼の話を聞いているだけでも、ソウゴはクォーツァ―の意図――ライドウォッチを欲していた理由を理解し始めていた。

 

「数多くの子供から、人目の良さそうな君を選んだのは正解だったよ。みんな、素直にライダーの力を渡してくれた」

 

ソウゴの人当たりの良さのおかげでウォッチが全て集まったと聞くと、その人当たりの良い本人は拳を強く握りしめる。

 

「おかげで平成ライダーの歴史を、ジオウ一人に収斂させることが出来た……

まぁ、プリキュア達と関わってしまったのは少々誤算だったけど」

 

「戦兎、永夢、タケル、翔太郎、五代さんやみんな……喜んでウォッチを渡してくれたのに……ふざけるな!」  

 

ソウゴは鉄格子を強く掴み、ウォズに怒りをぶつけかのように叫ぶ。

 

「それじゃあ、俺が……みんなからライダーの力を奪ったって事じゃないか!」

 

「今更何を言っているんだい?前から何度も言ってたじゃないか。『数々のライダーの力を奪って来た』……とね」

 

ウォズの反論にぐうの音も出せなかったソウゴは、顔を歪ませながら鉄格子を額に擦り付ける。

自分がウォッチが集めて来た事がこんな奴らの都合の為に利用され、その所為でみんなから力を奪ってしまった。

その事が、クォーツァーだけでなく自分にも怒りを抱かせる要因になっていた。

 

「この本の計画書通りに、私が君を導いたまでだ……」

 

「はぁ……くぅぅ……ッ」

 

その本『逢魔降臨暦』の通りに全てが進んでいたのだと知り、ソウゴの心には悔しさと後悔だけが残った。

 

「傷ついたのならすまない。ごく普通の中学生に過ぎなかった君にずっと、生まれながらの王……と言うセルフイメージを勝手にすり込んで来たからね」

 

そんな彼の姿を見ながら、騙して悪かったとウォズは偽りの主に謝罪をする。

 

「だが、私は嫌いじゃなかったよ。君を我が魔王と呼ぶのを……」

 

しかし嫌いじゃ無かった、最後にそう言って去っていくウォズを目にしたソウゴはそのまま力尽きたかのように、また気を失い倒れた。

 

 

その頃、玉座へと集まった、ウォズを除くクォーツァー達は……

 

「ふぅ!」

 

SOUGOが腕を上げて構えると、クォーツァー達も後に続いて腕を上げ構える。

 

すると、はぐくみ市の地中から何か――以前にも未来から現れたダイマジーンが出現した。

その数は前回よりも多く現れ、ダイマジーン達は上空へ高く登り、何やら七角形の穴のようなもの――タイムゲートを作り出していた。

 

街の人達はこれから何が起こるのかわからなければ、その現実離れした光景に自分達の目を疑う事しか出来ていない。

 

「平成の世に生まれた者たちよ!その命、この王に返上するがいい!」

 

SOUGOの言葉に反応すると、ダイマジーン達が動き出した。

 

「えっ……?」

「あぁぁぁぁぁぁーーー!」

「た、助けて……ッ!」

 

ダイマジーンが動き出すと人々は次々と宙へ浮かび上がり、タイムトンネルの中へと吸い込まれていった。

 

「不味い!急がないと!」

 

そこへ晴夜が現れ、タイムトンネルへと飛んでしまいそうな人達を救出する為に手を掴む。

 

「大丈夫か?」

 

そこへ剛も同じく此処へ現れた。

 

「どうなってる?平成生まれだけ選んで吸い上げてる……」

 

助けながら気づいたが、吸われているのが若い人達や子供といったもので、平成生まれだと思われるモノだけを吸い込んでいる。

すると、次に剛まで吸い込まれようとしていた。

 

「⁉︎ 危ない!」

 

気づいた晴夜が剛の腕を掴む。

すると、もう一つの手が剛の腕を掴んだ。

 

「拙者!生まれは永禄元年!ヘッチャラでござるよ!」

 

そこいたのは、牛蔵だった。

 

 

一方、牢の中で自分が見えなくなったソウゴは1人、牢の中で倒れていた。

 

「俺は……俺は……っ」

 

そして自分が何のためにライダーとして戦って来たのか、後悔と絶望に悩まされていた。

 

「ぶっ飛ばすぞぉ〜!」

 

「えっ?誰?」

 

その時、隣の牢から声が聞こえ、その声が聞こえた方へと振り向き誰なのかと問いかけた。

 

「平成の時代。悪と戦った改造人間さ……」

 

彼の前にあった鉄格子の間から現れた、黒い革ジャンと赤いスカーフを身に着けた男性は、自身の素性をそう表した。

 

「仮面ライダー……」

 

「いや、俺は仮面ライダーに認められなかった……だから、ずっとここにいる」

 

しかし仮面ライダーなのかと聞かれると、その男性は顔を下に向けてそう回答した。

 

「俺と同じ……」

 

「お前と一緒にするな!」

 

それを聞いたソウゴは自分と同じだと呟くと、男性は怒りに満ちた顔で全く違うと叫ぶ。

 

「でも、俺はたまたま選ばれた普通の中学生で……」

 

自分はライダーを集める為の利用される存在で、あのSOUGOに替え玉としてライダーとなった。ただの中学生に過ぎないと説明するが……

 

「それでも、選ばれた……仮面ライダーに選ばれたんだ!お前は……!」

 

その男はそれでも、ソウゴはライダーに選ばれたと話し、ライダーになった事自体を気落ちするなと喝を入れる。

 

「それをお前は、()()()()()()()()だと!?

選ばれなかった……選ばれなかった奴は、ごっちゃまんといる!」

 

それを聞き。今思えば、俺以外の人だってライダーになりたかっただろうし、同じ仮面ライダーである桐ケ谷晴夜は自分を“偽りのヒーロー”であると評した事を思い出した。

 

「選ばれた者には、その責任があるんじゃないのか!

今、平成という歴史のライダーを背負っているのは……お前だろッ!」

 

男性が自身を指を刺し、ソウゴは一瞬だけ目を逸らす。

 

――きっと晴夜も、自分がライダーである事を恥、苦悩した時期があった筈だ。

だけど彼は今も尚、ライダーで居続けている。

それはきっと、彼が“選ばれた者”としての責任を果たしているからだと、そう感じた。

 

――そうだ。人は運命を、与えられた運命からは逃れることは出来ない。

たとえそれがどんなに残酷な運命だとしても、俺たちは結局逃れることは出来ない。

それでも俺たちは、時にはその運命を受け入れなければならないし、時には抗わなければならない。

大事なのは、与えられた運命に絶望する事じゃない。

大事なのは、その与えられた運命の中で、どう抗い、どう自身の意志を貫くかどうかなんだ。

 

そんな事を思いながら、ソウゴは顔を上げた。

 

「えっ?」

 

だが再び男性を見ようとするが、何故か男性はいなくなっていた。

 

「はぁ!」

 

そこへ、何者かが見張りのカッシーンを殴り飛ばすのが見えた。

 

「みんな!」

 

其処には、はな達の姿があった。

だが助けに来たのははな達だけでない、はぐたんを抱える晴夜と剛の姿もあった。

 

「ソウゴ!」

 

「オリャ!」

 

さあやがソウゴの下へ駆け寄ると、剛がカッシーンの武器を使って牢の入り口を破壊する。

 

「大丈夫!」

 

「はぎゅ〜!」

 

「さあや!はな!はぐたんにみんな!」

 

「よぅ!」

 

ソウゴが牢から出ると、剛の背中に牛蔵もいた事に気付いた。

 

「よかった!」

 

無事だった事にさあやが一安心する。その後、ソウゴは晴夜と剛に頭を下げる。

 

「詩島剛。晴夜も。俺王様になると思い込んで、みんなからライダーの力を……」

 

二人からライダーの力を奪ってしまった事に謝罪しようとすると、二人は頭を下げるなと叫ぶ。

 

「ソウゴ!俺がウォッチを渡したのは王様だからじゃない……お前だからだ」

 

「そうだよ。戦兎さんに、タケルさんに、他のライダーの人達も……お前になら力を託しても良いと思えたからだよ」

 

二人がソウゴにウォッチを託したのは、彼の戦う覚悟やみんなを守りたいと言う強い気持ちを知れたから。

決して、王様であるソウゴにウォッチを託したのでは無いのだと語った。

 

「……ありがとう」

 

ソウゴ達は牢を出て外へと出る。

 

「またなのです!」

 

そこへ、カッシーンが再び現れた。すると、晴夜と剛がソウゴ達の前に出てカッシ―ンタチの進路を邪魔する。

 

「ここは、任せて!早く、行け!」

 

「行け!ソウゴ!お前のやるべき事をしろ!」

 

晴夜と剛がカッシーンを足止めしようとする。

 

「みんな!」

 

『うん!』

 

ソウゴ達はあの玉座へと座る時見SOUGOの元へ向かう。

 

「はぎゅ?」

 

晴夜がカッシーンを振り払うと、背中に居たはぐたんが何かを見つけ、晴夜に取ってもらうようせがむ。

 

「ペン?」

 

拾ったのは白い大きなペンで、上にはハート型の飾りがあった。

 

「……はぐたん。持ってて」

 

何で此処にペンがあるのだという疑問はさておき、戦いに集中する為に晴夜ははぐたんにそのペンを預ける。

 

「ゲイツ殿、ハリー殿。教えた通りに出来ているでござろうか?」

 

牛蔵はゲイツとハリーに()()()を教えたようだが、それがちゃんと出来てるか不安そうな表情を浮かべていた。

 

 

一方、玉座では…

 

「もう一度、平成と言う名を作り直す!今度の主役はこいつらだ」

 

ダイマジーンが街や人を吸い込む姿を見て、SOUGOが平成を作り直すと叫ぶ。

そこへ、二人のクォーツァーが現れた。

 

「替え玉の時見ソウゴが脱走した!」

 

二人はソウゴが脱走したと伝達を行う。

 

「息の根。俺たちが止めてくる」

 

ザモナスとゾンジスの変身者二人が向かい、入れ替わるように二人が玉座へと向かう。

二人が玉座へと着くとライドウォッチの置かれたダイザーに目を置き、近づこうとする。

 

「待て!」

 

それに気付いたSOUGOは、ライドウォッチの方へと向かおうとしたクォーツァーの二人に声をかける。

 

「貴様ら、誰だ?」

 

ウォッチの方へと向かおうとした二人に不審を抱いたSOUGOだったが、対する二人も深く溜め息を吐く。

 

「織田流忍法もここまでやな!」

 

二人はクォーツァーの証である服を脱ぎ捨てた。

 

「ゲイツ君。ハリー君」

 

その正体は、変装していたゲイツとハリーだった。

二人は牛蔵から教えられた織田流忍法でここまで侵入したのだとウォズは察すると、そのまま二人はクォーツァーからの反撃を躱しながらウォッチの置かれたダイザーへと向かう。

 

「はぁぁ!」

 

「オリャャ!」

 

ゲイツとハリーの攻撃にクォーツァーが怯んだ隙に、二人は彼らからウォッチを奪い返した。

 

「行くぞ!」

 

「よっしゃ!」

 

「……私にお任せを、我が魔王」

 

二人がウォッチを奪い返し逃げると、ウォズは二人の後を追いかける。

 

「はっはっ、はぁ……」

 

「はっはっはぁ……!」

 

二人はそのまま森林の中を全速力で走り、ウォズを出来るだけクォーツァーから離そうと試みる。

 

「……ハァ、もう良いかな」

 

「ところがぎっちょん、まだ良くない」

 

しかし、二人の前にウォズが先回りをして立ちはだかる。

 

「決着を付けようか。ゲイツ君、ハリー君」

 

決着を付けようと言うウォズの言葉に、ゲイツとハリーも覚悟を決める。

 

「結局お前は敵だったか」

 

「やるしかないんなやな……」

 

二人はジクウドライバーを装着した。対するウォズもビヨンドライバーを構え、腰へ装着する。

 

『ゲイツ!ゲイツリバイブ!疾風!』

『ハリー!ギアヘリテージ!』

 

「「変身!」」

 

『ワクセイ!』

 

「変身!」

 

三人はドライバーをウォッチへと装填し、構えるとドライバーとウォッチの力によってその姿を変える。

 

『ライダータイム!仮面ライダーゲイツ!リバイ!リバイ!リバイ!リバイ!リバイ!リバイ!リバイブ疾風!疾風!』

『ライダータイム!仮面ライダーハ・リー!ヘリテージタイム!導け!心に望む未来へ!ハリーギアヘリテージ!』

 

『水金地火木土天海!宇宙にゃこんなにあるんかい!ワクワク!ワクセイ!ギンガワクセイ!』

 

軽装甲となった青いボディのスピード重視のフォームである、ゲイツリバイブ疾風。

ギアジェットウォッチをアスパワワにより進化させたフォーム、ギアヘリテージフォーム。

宇宙の力を秘めた仮面ライダーギンガから誕生したギンガミライドウォッチの力の一部である、ワクセイフォームへと、それぞれ三人は変身を完了した。

 

「「……」」

 

「……」

 

三人は変身を完了し、ゲイツとハリーが武器を出現させながら構えると、お互い牽制し合うかのように睨み合う。

 

「「「ッ!」」」

 

両者一斉に動き、地面が爆ぜると同時に戦闘が開始された。

 

「はぁぁ!」

 

「ッ……」

 

ジカンチェーンソードから繰り出されるハリーの攻撃を躱すウォズ。

 

「フッ!」

 

「のわぁ!」

 

反撃に出るために出したウォズの星のエネルギーを纏ったパンチを、ハリーはジカンチェーンソードで防ぐ。

 

「タァァ!」

 

「っ!」

 

そこへ疾風のスピードで攻めるゲイツが現れ、ウォズは不意を突かれながらも咄嗟に躱す。

そのまま、今度はゲイツがジカンジャクローでウォズを仕掛ける。

 

「やるね!ここまで強くなるんて!」

 

正直、ウォズはゲイツとハリーがここまで自分を追い詰めるかもしれない存在になるとは知らなかった。二人の繰り出す技に、ウォズも中々反撃に出れないようだ。

 

「はぁ!」

 

「くぅぅ!」

 

流石に2対1は分が悪いため、ウォズが衝撃波のようなものを出してゲイツを自分から離す。

 

「ふぅ〜……ぐわぁ!」

 

取り合えずは対等になったことに一安心したウォズに、いきなり攻撃が飛んできた。

 

「⁉︎ 油断したよ……まさか、既に撒き散らしいたとは……」

 

ウォズは攻撃を受けながらも、先程のからくりを咄嗟に理解した。あの攻撃はハリーのジカンチェーンソードから繰り出す、空間から放たれた目に見えない斬撃であると。

 

「ウォズ、ここでお前を倒す」

 

「覚悟せな!」

 

二人が揃うと、ドライバーを操作するためにウォッチを触る。

 

『『フィニッシュタイム!』』

 

『百烈タイムバースト!』

『ヘリテージタイムフィニッシュ!』

 

二人が技を放つためにウォズに突っ込む。

 

『ファイナリービヨンド ザ タイム!』

 

しかしウォズは冷静に、彼らの頭上から小宇宙のようなものを出現させ、そこからエネルギー球がいくつも生成されていく。

 

『水金地火木土天海エクスプロージョン!』

 

「「うわぁぁぁぁ!」」

 

エネルギー球が雨を降り注ぎ、二人はそれを躱そうとしたが何発か命中。ゲイツとハリーは吹き飛ばされ、二人は変身解除となった。更に、ハリーは先の衝撃で人間から元のハリハリ族へと戻ってしまった。

 

「結局。私と君達とでは根本が違うんだ」

 

ウォズは変身を解除すると、ウォッチの元へ向かう。

だが、ゲイツとハリーは立ち上がりウォズの前に立ちはだかる。

 

「……ちがうやと…」

 

「笑わせるな!」

 

ゲイツとハリーは、ウォズと自分達は違うと言う言葉を否定する。それを聞いたウォズは眉を顰め、どういう事だと呟く。

 

「ジオウとクライアス社を倒す為に、俺達はこの時代に来た……」

 

「せやけど、ソウゴはたちまち俺達に自分を認めさせ、仲間としたんや!それはお前もや!」

 

「……」

 

そう語るゲイツは、ハリーとウォズを見ながら今までの事を思い返した。

―――確かに最初は、オーマジオウとなる彼を阻止する為にこの時代に来た。

だけど、ソウゴという人間を近くで見続け、一緒に暮らし戦う中で、あいつは自分の存在を認めさせ、俺たちを仲間にしていった。

だから…

 

「お前も気付いているはずだ。あいつは……ソウゴはお前達の枠におさまる男じゃないとな!」

 

「ッ⁉︎」

 

「俺達は似たもの同士だ。ソウゴやみんなと一緒に戦い過ごす中で……いつの間にか、あいつに惹かれたんだ!」

 

「うるさい!」

 

ウォズはゲイツが掴んだ手を振り払い、彼の言葉を否定する。

 

「ゲイツ!ウォズ……」

 

「私は………私は君達は違う!私は君達古い人間とは違う!世界を新たな時代へと導く存在だ!」

 

そう言いながらも、ウォズはゲイツとハリーを見逃し、ウォッチを取らず去っていった。

 

「私は……私は…………」

 

そしてウォズは、自分の持つ『逢魔降臨暦』を見つめながら、自分の心の迷いの中で戸惑う。

 

 

一牢から脱出したソウゴ達は再び、クォーツァーの居る玉座へと向かう。

 

「ソウゴ!」

 

はなが顔を向けた方に視線を向けると、町はダイマジーンが次々と人を飲み込んでいく光景が映っていた。それを止めるべく、ソウゴは一人全速力で走り、クォーツァーのSOUGOの元へ急ぐ。

 

「はぁ、はぁ、はぁ……っ」

 

そして玉座への階段を登り、ついにあの男の前へと辿り着く。

 

「よぅ」

 

其処には意気揚々と玉座へ足を乗せながら座り、街や人をダイマジーンが飲み込んでいる光景を愉悦そうに見つめる時見SOUGOがいた。

そしてソウゴの後ろからはな達も集まると、みんなの周りをクォーツァー達が囲む。

 

「見ろよ。人も街も、全て消えて行く。平成全体のリセットってやつだ……」

「あのダイマジーンが作り上げたタイムトンネルの行き先は、平成元年」

「――つまり、平成が誕生した時代」

「平成ライダーの歴史を消して、平成を一からやり直す」

 

「やり直す……?」

 

「そんな……」

 

平成をやり直す……

それは即ち、これまでの思い出も、出会いも、全てがなかった事にされるのと同意義である。

それを察したはな達の胸には、心を詰めつけるような痛みと共に、炎の様に燃える怒りが走った。

 

「なんで、そんな事を……」

 

「―――お前達の平成って、醜くないか?」

 

「醜い……?」

 

どうしてそんな事をするのだと言うソウゴの言葉を遮る様に、玉座に座るSOUGOが不愉快そうに平成は醜いと言い出し、玉座から降りる。

 

「俺が平成という道を綺麗に舗装し、直してやるって言ってるんだ」

 

そう言いながら、SOUGOは懐から黒と金のライドウォッチを取り出す。

 

『バールクス!』

 

SOUGOがドライバーにウォッチを装填すると、背後にバッタの脚と翅を模した装飾が付いた時計が出現。天高く掲げた右掌を回転させ、手の甲を外に向けた状態でゆっくりと顔の近くまで腕を持っていく。

 

「変身!」

 

そしてドライバーを回転させると同時にSOUGOの身体が光で覆われ、その姿を変えていった。

 

『ライダータイム!仮面ライダー・バールクース!』

 

光が収まり、ソウゴ達の前に現れたその姿は、頭部は金色の懐中時計を模しており、複眼はカタカナで『ライダー』と刻まれ、深緑の胸部アーマーには革バンドを模したパーツが2つ巻かれていた。また、全身には金色の歯車のような意匠があり、どことなくオーマジオウ――いや、その頭部は仮面ライダークライに似ていた。

 

「みんな、下がって……」

 

みんなは後ろに下り、ソウゴは一人バールクスを引きつけようと相手をする。

 

「はぁ!」

 

「っ!」

 

ソウゴはバールクスの攻撃を何とか躱す。

そのまま何度も躱し続けるが、等々バールクスに掴まれてしまう。

 

「替え玉如きが……王に刃向かうとはな……」

 

バールクスはソウゴの首を掴み続ける。

 

「くぅ……凸凹の道で……何が悪い!」

 

「ふぅん!」

 

「うぉ⁉︎ あぁっ……!」

 

「ソウゴ!」

 

投げ飛ばされたソウゴはそのまま転がり込む。そこへ、はな達が直ぐに駆け寄る。

 

「ソウゴ!大丈夫ですか?」

 

「う、うん……」

 

「無理しないで」

 

ほまれに支えられ再び起き上がると、ソウゴとはな達は迫り来るバールクスに構える。

 

「ソウゴ!」

 

そこへウォズからウォッチを守り抜いたゲイツとハリーが現れると、ゲイツはソウゴに二つのウォッチを投げつける。

 

「ッ!」

 

ソウゴが掴んだのは、これまでの戦いで使い続けたジオウウォッチ、

もう一つは、全ライダーの力を受け継ぎ手にした力を結集した黄金のウォッチ、グランドジオウウォッチ。

 

「みんな………力を貸して……」

 

グランドジオウウォッチの中にいるライダー達の力を貸してと頼むソウゴ。ウォッチを強く握り、みんなと共に構える。

 

『ジオウ!グランドジオウ!』

『ゲイツ!ゲイツマジェスティ!』

『ハリー!ギアヘリテージ!』

『ツクヨミ!』

 

ウォッチを起動しドライバーへと装填すると、地中から巨大な黄金の時計台と歴代ライダーの石像が出現。

表層が剥がれると仮面ライダーたちの姿が現れ、更に周りから19個のライドウォッチが現れたのと同時に、彼らは己の姿を変える言葉を叫ぶ。

 

「「「「変身‼︎」」」」

「「「「「ミライクリスタル!ハートキラッと!」」」」」

 

ソウゴ達はドライバーを操作してアーマーを纏い、仮面ライダーへと変身。はな達が揃ってプリハートにミライクリスタルをセットし、いつもの手順を取って姿を変える。

 

『グランドタイム!クウガ・アギト・龍騎・ファイズ・ブレイード!響鬼・カブト・電王!キバ・ディケイード!ダブル!オーズ!フォーゼ!ウィザード!鎧武・ドラーイーブ!ゴースト!エグゼイド!ビ・ル・ドー!

祝え!仮面ライダー‼︎グ・ラ・ン・ド!ジオーウ!』

『マジェスティタイム!G3・ナイト・カイザ・ギャレン・威吹鬼・ガ・タ・ッ・ク!ゼロノス・イクサ・ディエンド・ア・ク・セ・ル! バース・メーテーオ・ビースト・バロン! マッハ・スーペクター・ブレイーブ! クーローズ!

仮ー面ーラーイダーー!Ah~!ゲイツ!マジェーースーティー! 』

『ライダータイム!仮面ライダー・ハ・リ・ー!ヘリテージタイム!導け!心に望む未来へ!ハリーギアヘリテージ!』

『ライダータイム!仮面ライダーツクーヨミ♪ツ・ク・ヨ・ミ! 』

 

「輝く未来を、抱き締めて!みんなを応援!元気のプリキュア!キュアエール!」

「みんなを癒す!知恵のプリキュア!キュアアンジュ!」

「みんな輝け!力のプリキュア!キュアエトワール!」

「「みんな大好き!愛のプリキュア!」」

「キュアマシェリ!」

「キュアアムール!」

「みんな舞い上がれ!希望のプリキュア!キュアアーラ!」

 

「「「「「HUGっと!プリキュア!」」」」」

 

全員が変身を完了し、名乗り上げを済ませるとバールクスの背後からザモナスとゾンジスが現れ、周りを数体のカッシーンで囲まれた。

 

「「行こう!」」

 

ジオウとエールの合図で、彼らはクォーツァーへと向かっていく。

 

「はぁぁぁ!」

 

先陣を切ったのはツクヨミとアーラ。

 

「リコーダーステッキ!」

 

二人はカッシーンの集団に向かっていく。

ツクヨミの格闘技とアーラの上空からのリコーダーステッキの攻撃でカッシーンの動きを鈍らせ、その隙にツクヨミが攻撃する。

 

「はぁ……っ!」

 

「数が多い……」

 

しかし、未来で知ってる故にカッシーンは強く。例え鈍らせて破壊しても時間が掛かる上に、まだこれだけの数が健在していた。

 

「はぁ!」

 

「へっ!」

 

カイザブレイガンを持ったゲイツとザモナスと戦闘を開始された。

ゲイツのブレードが先制攻撃だったが、ザモナスに避けられボウガンで反撃を受ける。

だがゲイツもブレイガンで反撃し、お互いの肩に直撃。

 

「「はぁぁ!」」

 

「ッ⁉︎」

 

更に、ザモナスの後ろからマシェリとアムールがダブルパンチで仕掛ける。

 

「排除!」

 

だが、そこで護衛へと現れたカッシーンに阻まれ、二人はゲイツの方へ下がる。

 

「さぁ〜…もっと楽しもうか〜」

 

「くぅ……」

 

「ゲイツ。彼らはこれまでの相手とは違います」

 

「……はい。とても強いのです」

 

「あぁ。だが、負けるつもりはない!」

 

今度は仮面ライダーナイトのウイングランサーを持ったゲイツとマシェリ、アムールはザモナス達に立ち向かう。

 

一方で、ハリーとエトワールはゾンジスと戦闘を繰り広げていた。

 

「行けぇぇ!」

 

『ジカンチェーン!」

 

ハリーの金色の鎖『ジカンチェーン』が放たれ、ゾンジスの腕を捉える。

 

「よっしゃあ!エトワール!」

 

「うん!」

 

捉えた隙にエトワールがメロディソードを構える。

 

「スタースラッ――」

 

「ヌゥォォォ!」

 

「なっ!」

 

エトワールがスタースラッシュを放とうとするが、何とゾンジスはハリーのチェーンを掴み、そのまま強引に引っ張ってハリーを宙へ上げる。

 

「⁉︎ ハリー!」

 

エトワールはメロディソードの技を中断し、ハリーを受け止めて一度地上へと降りる。

 

「…ふん!」

 

ハリーが降りたのを見て、ゾンジスはチェーンを腕から強引に壊して外す。

 

「こんなもの……効かん!」

 

「……凄い怪力」

 

「安心しろ」

 

地面に散らばったチェーンの破片を視界に入れたエトワールがゾンジスのパワーに警戒しながら呟くと、ハリーが立ち上がって彼女の頭に手を乗せる。

 

「お前は、俺が守ってやる」

 

「っ⁉︎……」

 

そう言葉を掛けられたエトワールは頬を赤く染め、顔からは笑みが見えた。

 

「……余計なお世話。私も戦う!」

 

「……せやな!」

 

今度はジカンチェーンソードを構え、ハリーとエトワールは再びゾンジスへと挑む。

その頃、ジオウとエール、アンジュの方は。

 

「はぁぁぁぁぁ!」

 

「ヤァァァ!」

 

「タァァ!」

 

サイキョージカンギレードとメロディソードでカッシーンと応戦していた。

 

「えぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

ジオウは回転切りで剣を振り回し、周りのカッシーンを全て爆破させた。カッシーンから爆炎が吹き上がると……

 

「うらぁ!」

 

「うわぁ!?」

 

「ソウゴ!」

 

爆炎から赤いオーラを纏ったバールクスのキックがジオウに直撃した。

 

「うっ……」

 

ジオウが起き上がると、身体に刻まれたライダーレリーフに触る。

 

『ファイズ!W!電王!鎧武!ドライブ!』

 

ジオウの前から五つの年号が出現し、そこから五人のライダー…ファイズ、W、電王、鎧武、ドライブが現れた。

 

「「「「「はぁぁ!」」」」」

 

ジオウによって召喚されたライダー達は一斉に走り出し、バールクスへと向かって行き攻撃を仕掛ける。

しかし、バールクスはライダー達の攻撃を見事に受け流し、寄せ付けない様にする。

 

『バールクスタイムブレーク!』

 

そしてバールクスはジクウドライバーを回し、足に紅いエネルギーを纏い回し蹴りを放ってライダー達をまとめて撃破した。

 

「そんな!一撃で!?」

 

「っ⁉︎」

 

ジオウは再びレリーフを触り、もう一度ライダー達を召喚する。

 

『クウガ!響鬼!ウィザード!ゴースト!フォーゼ!』

 

再び五人のライダーを召喚したジオウはバールクスへと攻撃を仕掛け、対するバールクスはドライバーから鍔に風車の意匠がある専用武器『リボルケイン』で応戦。

 

「はぁぁ!」

 

バールクスはリボルケインを用いて、五人のライダーを簡単に消滅させた。

 

「そんな!ライダーの力が効かない!」

 

ジオウが呼んだライダー達の力がバールクスには通用しなかった。

 

「平成ライダー自体に意味がないからな!」

 

バールクスの前には、ジオウの持つ平成ライダーの力は通用しないと見せつけられる。

それでも…

 

「まだだよ!」

 

ライダーの力が通用しないと知っても尚、まだ諦めていないジオウは、腕に装着されたウォッチを取り出す。

 

「……はぐたん」

 

歯車の様な彫刻が施された青いウェイクベゼルにジオウの顔が刻まれたアーサーセイバーウォッチを見て、この力をくれたはぐたんを思う。

 

 

同じ頃、晴夜と一緒にいるはぐたんも何かを察知した。

 

「ソウギョ!」

 

「はぐたん?」

 

カッシーンからはぐたんを守る晴夜も、はぐたんの様子の変化に何か気づく。

 

「フレフレ!ソウギョ!」

 

振り返るとはぐたんが戦っているソウゴにエールを送る。

 

 

「はぐたん……」

 

はぐたんの声が聞こえたジオウは、まるではぐたんも一緒に戦ってくれるのだと背中を押してくれている様に感じた。

 

「――はぐたん!行くよ!」

 

このウォッチを使うたびに感じる勇気を受け取りながら、ジオウはアーサーセイバーウォッチを構える。

 

『アーサーセイバー!』

 

ウォッチを右側の差し込み口に入れてドライバーの真ん中を押すと、後ろから時計エフェクトが現れ、ジオウが構える。

 

「変身!」

 

ドライバーを反時計回りで回したその時、音声が流れた。

 

『ライダータイム!仮面ライダージオウ!』

 

グランドジオウから通常のジオウのフォームに戻ると背後からマザーが現れ、ジオウを抱き着くように覆うと光に包まれる。そして光の中から現れた。

 

『トゥモロータイム!祝福せよ!約束された勝利を求めて!仮面ライダ〜〜ジオウ!ア~サ~!』

 

アーマーは白銀となり、アンダースーツは銀色へと、背中と腰には青いマントとローブが装着されていた。

トゥモローから未来を守る為に託された、マザーの力を受け継し姿…仮面ライダージオウ・アーサーフォームへの変身を完了する。

 

「ほ~う、それがウォズの報告にあった力か……」

 

バールクスはウォズからジオウアーサーフォームの事を知っている様子だ。

 

「ここからは、俺達の反撃だ!」

 

ジオウは腕を上げて掌を広げると黄金の風を生み出し、それをみんなへと放って包み込む。

その時、ゲイツ達の身体から疲労が消え、逆に力が漲るのを感じた。

 

「!……これは」

 

「ソウゴの……」

 

「ジオウアーサーの力……」

 

それを感じ取ったエトワールやツクヨミは、これはジオウのアーサーフォームの力であると察した。

何故ならジオウの生み出した風は、マザーの力を宿した希望の力。

その能力によりみんなの傷を治癒させ、力を向上させる効力を発揮させているのだ。

 

「行くぞ!」

 

「⁉︎」

 

急激な力に変化に、ザモナスはゲイツの攻撃に対応が遅れた。

 

「このぉ!」

 

ザモナスの反撃をゲイツは直様上へと跳んで躱す。

 

「「はぁぁぁ!」」

 

ザモナスの視線が上へと向いたその時、マシェリとアムールのダブルパンチが炸裂。

 

「はぁ!」

 

そこへバランスを崩したザモナスに、ゲイツはジカンザックスを繰り出し、ザモナスを追い詰める。

 

「うらぁ!うらぁ!」

 

「はぁ!」

 

こちらはゾンジスのパンチや腕を使った攻撃をエトワールが余裕に躱し続ける。

いくら攻撃力が優れていたとしても、避けられてしまえば意味を成さない。

その所為で、ゾンジスは焦り気味の様子を見せ始めていた。

 

「はぁ、はぁ……ッ!」

 

「そんなに私ばかり見てるってことは忘れているね」

 

「なに⁉︎」

 

「だっしゃあ!」

 

背後からハリーがジカンチェーンギレードを構えながら現れ、攻撃が当たらぬことに苛立ちを覚えていたゾンジスへと剣を振り抜く。

 

「かぁ!」

 

ゾンジスに避ける暇など無きに等しく、そのまま直撃するかと思われた。しかし……

 

「くぅぅ……」

 

ゾンジスは真剣白刃取りでハリーの剣を止めていた。

 

「その程度では、俺は倒せん…!」

 

「それは……どうかな?」

 

「⁉︎ なんだ……」

 

ゾンジスが止めている剣を、ハリーは力づくで押し込もうとする。ゲイツ達はさっき程のジオウのアスパワワの力で強化されたのだ。

 

そして、ジオウとバールクスは…

 

「はぁ!」

 

「ちっ!」

 

エールとアンジュにカッシーンを任せ、ジオウは一人バールクスに戦いを挑んでいた。

ジオウは金色の風を攻守に分けて発動し、バールクスを着実に攻め続ける。

 

「このぉ!」

 

バールクスがリボルケインで反撃に出た瞬間、アーサーの能力により最適な未来への選択のビジョンが見えた。

 

「見えた!」

 

選択を終えると、ジオウはリボルケインが当たる直前に粒子となって消える。

 

「⁉︎」

 

「こっちだ!」

『ジオウサイキョウ!』

 

驚いたバールクスの背後から現れると、サイキョーギレードのジオウのフェイスの文字が“ジオウサイキョウ”へ変わる。

 

『覇王斬り!』

 

黄金の刀身となったサイキョーギレードの一撃がバールクスを吹き飛ばし、倒れさせる事ができた。

 

「よし!」

 

オーマジオウと渡り合うことが出来たジオウアーサーの力ならばバールクスに勝てると思い込む。

 

「成る程……」

 

バールクスは起き上がると、体についた塵を払う。

 

「流石はマザーを宿した力だ……が、所詮は無駄な足掻きに終わる」

 

そう語りながらウォッチを見せると、そのウォッチを見たジオウが見覚えがある事に気付く。

 

「それは……」

 

それは、ジオウの心に同調するかのように気まぐれに発動し、アナザーディケイドの戦いで進化させた『ミステリーライドウォッチ』だった。

 

「見せてやるよ。これが、このウォッチの真の力だ」

 

そう言って、バールクスはウォッチに自らの力を注ぎ込む。

すると真ん中のジオウの顔がバールクスに変わり、ウォッチの色もバールクスのウォッチと近いモノに変わる。

 

『ミステリーゲネシス!』

 

「ミステリーゲネシスッ!」

 

ミステリーウォッチが別のウォッチと変えられると、バールクスはそのウォッチをスロットへ装填し、ドライバーを回す。

するとバールクスが黒い炎と闇の様なオーラで纏われ、強烈な光と共にバールクスが新たなる姿へとなって現した。

 

『ミステリータイム!燃えろ太陽の魂!黄泉の月の歴史!ミステリ〜〜ゲネシス!』

 

バールクスがジオウ達へ再び姿を現すと、黒かったアーマーが銀色に変わり、頭部にはマスタークライの様なブレードクラウンが聳え立っていた。

そして、右肩アーマー『ミステリークロニクルショルダー・フレア』、左肩アーマー『ミステリークロニクルショルダー・フリーズ』にはそれぞれオレンジの宝石と緑の宝石が嵌め込められており、後方には日食の様なリングが背光の如く輝いていた。

 

「そんな……」

 

「さって……はぁ!」

 

バールクスが左肩を上げると、波動のようなものがジオウに向けて放たれた。

 

「っ、なんだ………⁉」

 

今のところ何の問題もなかった為、ジオウは直ぐに風を作り出そうとする。

しかし、彼は風を作り出せなかった。

 

「無駄」

 

「くぅ!」

 

風を作れないならばと思ったジオウは、未来を読もうとする。

 

「み、見えない……」

 

だが未来を読み、最適の未来を選び出す能力すらも失われていた。

 

「無駄。この左腕の能力で、お前の力を限定させた」

 

「それって……」

 

力を限定させたと聞き、ジオウはバールクスの左腕にミステリーフリーズの能力が――ミステリーフリーズによる相手の力を限定させる能力が搭載されている事に気付いた。

 

「さぁ、お返しだ!」

 

バールクスがいきなりジオウに攻撃を仕掛ける。

サイキョーギレードで受け身に入るが、黄金の風と時を読む力を失ったジオウは劣勢に陥った。

 

「はぁぁ!」

 

「うらぁ!」

 

だがジオウはサイキョーギレードで応戦し続け、バールクスのリボルケインに負けじと喰らい付く。

 

「マシェリ!アムール!」

 

「エトワール!」

 

「アーラ!」

 

ジオウからアーサーの強化のアスパワワが無くなったと気づき、ゲイツ達はエトワール達にジオウの元へ向かうように指示する。

 

「うわぁ!」

 

ジオウはバールクスに対抗しているがパワーに押され、吹き飛ばされる。

 

「終わりだ!」

 

バールクスはリボルケインをジオウに突き付けようとする。

 

「ッ!」

 

もう間に合わないとジオウが感じたその時……

 

〈グサッ!〉

 

「⁉︎ さあや!」

 

何とアンジュがジオウの前に出てリボルケインを受け止め、そのせいでアンジュは右肩を貫かれてしまった。

 

「アンジュ!」

 

「ちっ!」

 

「あぁ⁉︎」

 

直ぐにエールが現れてバールクスはリボルケインを抜き、エールは彼を二人から引き離そうとする。

 

「さあや!待ってて!」

 

血で濡れた肩を押さえるアンジュを支えると、ジオウは直ぐにアンジュの肩の治癒を始める。

 

「何で……」

 

何であんな無茶をしたのだとアンジュに言おうとすると…

 

「……ソウゴが……いつも助けてくれるから」

 

「さあや……」

 

アンジュは自身の肩の傷が治ると、彼女はジオウの手を握りながらそう語り出す。

 

「初めて、ソウゴと会ったあの日からずっと……」

 

初めて出会ったのは、幼稚園の時にソウゴは母親が女優だからと冷やかされた時に泣きそうな彼女を助けた。

 

「初めて会ったのに直ぐ助けてくれた……それから、いつも一緒にいてくれた……」

 

ジオウはアンジュの手を離し起き上がる。

 

「俺の方こそ、さあやのおかげで今の俺があるんだ」

 

仮面越しで見えないかもしれないが、ソウゴの目は涙を流していた。

――さあやと出会ってなかったから、きっと人との繋がりを知らずに、ただ一人で孤独な気持ちでいたかもしれないから。

 

「……ありがとう」

 

アンジュにお礼を言うと、ジオウは再びバールクスに向かっていく。

 

「ソウゴ君」

 

アンジュも起き上がると胸に手を当てて笑って彼を見つめる。

 

一方で、エールが一人バールクスに立ち向かう。

 

「ヤァァァ!」

 

エールがパンチを繰り出すが、バールクスはエールの拳を掴む。

 

「くぅ⁉︎」

 

「……プリキュアの小娘共。お前達にも心底うんざりしているんだ」

 

「えっ?」

 

エールが何とかバールクスから離れようとしていると、いきなりエール達プリキュアにもうんざりだと言い出す。

 

「お前達プリキュアも、平成ライダーと同じで、何かもバラバラで凸凹過ぎる。しかも、一人じゃ何も出来ない小娘ばかり……」

 

リボルケインを振り上げ、エールに放とうする。

しかしバールクスのリボルケインを、ジオウがサイキョージカンギレードで受け止める。

 

「ソウゴ!」

 

「一人じゃ何も出来なくて、突然だよ!」

 

そう叫びながらジオウがリボルケインを弾き返すと、アンジュ達も現れて合流する。

 

「俺達が一人で出来る事なんて、ちょっとしかないよ」

 

人間が一人で出来る事なんて、ほんの僅か。オーマジオウの運命を変える事も、みんながいたからこそ出来た。

 

「私達一人じゃ弱いかもしれない!」

 

アーラは姉を助ける為にプリキュアになりたいと願った。けど、それは一人では実現出来なかった奇跡だった。

 

「人はそこまで万能じゃないかもしれない……」

 

「けれど、足りないものを補える人がいれば……」

 

アムールとマシェリの二人が奏でるメロディは、お互い支え合うかのように調和したハーモニーを作り出した。

 

「みんなと一緒にやれば……」

 

過去のトラウマに囚われたエトワールはもう飛べないと思っていたけど、みんながいたからもう一度飛ぶ勇気を持てた。

 

「一人では出来ないことが出来る!」

 

「それが私達!プリキュアと仮面ライダー!」

 

アンジュとエールがそう己の心の内を語るが、バールクスはそんな彼女の話を鼻で笑いながら見下す。

 

「ふん!いくらほざいても、貴様らは俺には勝てない」

 

「「それでも、私(俺)達は負けない!」」

 

そう叫んだエールはミライパッドを取り出すと、ジオウもジオウアーサーウォッチをサイキョージカンギレードに装填。

 

『アーサーフィニッシュタイム!』

 

「「「「「メモリアルクロック!マザーハート!」」」」」

 

ミライパッドがメモリアルキュアクロックに変化し、エール達とはぐたんからそれぞれのパーソナルカラーのハートが飛び出す。

 

「「「「「ミライパッド!オープン!」」」」」」

 

右腕を真上のメモリアルキュアクロックにかざすと同時に、画面のハートの型にはまる。

 

『アーサーセイバー!』

 

サイキョージカンギレードを天へと掲げると、剣から黄金に輝く竜巻が発生する。

扉が開くと同時に中から無数のハート型エネルギーが降り注ぎ、エール達がマザーハートスタイルに変身し、右手首にプリキュアミライブレスが着けられる。

 

「「「「「 HUGっとプリキュア!今ここに!」」」」」」

 

「ワン・フォー・オール!」

「オール・フォー・ワン!」

「ウィー・アー!」

「プリー、キュアー!」

「明日に!」

「エールを!」

 

マザーを召喚したエール達はメモリアルキュアクロックを囲む形で手を翳し、エネルギーを集める。

 

『フューチャーギリギリスラッシュ!』

 

「「「「「ゴー、ファイ!みんなでトゥモロー!」」」」」

 

手を掲げ、マザーの力を解放された二つのエネルギーを放つ。

二つの巨大なエネルギーはバールクスへと向かっていく。

 

「ふぅん!無駄だ」

 

それを冷静に見ながらバールクスは右腕を上げて力を込めると、二つのエネルギーが消滅した。

 

『ッ⁉︎』

 

この現象を見て、ミステリーウォッチのもう一つの能力である相手の攻撃を未来へと飛ばす能力だと気づき、バールクスの右腕にはその能力があるのだと察した。

 

「さらばだ、ジオウ!替え玉の王よ!!」

 

そこへ、バールクスが消滅したエネルギーから現れた。

これを見たジオウは直ぐに前に出てみんなを守ろうとする。

 

『うわぁぁぁぁぁーーーッ!!』

 

バールクスのリボルケインの一撃はジオウだけでなく、エール達を巻き込みながら吹き飛ばされてしまった。

吹き飛ばされたその場で転がり倒れる。

 

『『タイムブレーク!』』

 

『排除!』

 

「「「うわぁぁぁぁーーーッ!!」」」

 

ゲイツ達もザモナスとゾンジスの攻撃により変身解除へ、ツクヨミはカッシーン達の総攻撃により変身解除へと追い込まれた。

 

「ここまでか……」

 

そして、ジオウもジオウアーサーから変身解除し、ただのソウゴに戻ってしまった。

 

「ふぅん」

 

バールクスは倒れたソウゴを掴む。

 

『ソウゴ(さん・時見先輩)!』

 

「あぁぁ……くぅ……」

 

刃向かおうにも、ソウゴには反抗する力すら残っていなかった。

 

「じゃあな!」

 

バールクスはソウゴをダイマジーンが人を吸い込んでいるワームホールへと投げ飛ばす。

 

「あぁぁぁ―――」

 

飛ばされて目を瞑るソウゴは、ただ吸い込まれていくだけだった。

 

 

 

―――その時、彼は不思議な体験をした。

 

「ここは……」

 

気がつくと宙にいたはずのソウゴが芝生の上で倒れていたのだ。

そして、その光景に彼は驚きを隠せなかった。

 

「父さん……母さん」

 

そこには、スウォルツにより殺された自分の両親がいた。そして、その前にいるもう一人……

 

「俺……」

 

それは、幼い日に親と一緒に遊んだ数少ない思い出の一つ。

物心ついた頃に遊んでもらった時の記憶で、彼にとっては一番印象に残ったものだった。

 

『ソウゴは大きなったら何なるの?』

 

『僕ね。王様になる!絶対!』

 

「!」

 

王様になる。幼い日のソウゴが発した言葉に、今のソウゴの心は強く響いた。

 

「そうだ……」

 

「―――思い出したか?若き日の私……」

 

その時、さらに聞き覚えのある声が耳に届いた。

同時に周りの背景が真っ暗になり、違う背景と変わる。

 

「ここは……」

 

ビルドからクウガまである18人の仮面ライダーの像に囲まれ、更に自分の変身するポーズの像が立っているこの場所。

初めて未来へ来た時に訪れた場所にて、一人の男が立っていた。

 

「未来の俺……」

 

この少し老いた顔と少し衰弱している姿を見て、かつて会ったもう一人のジオウである常磐ソウゴではない事を瞬時に察した。

正真正銘、未来の俺の時見ソウゴだと直ぐに気づいた。

 

「お前は……私も、生まれながらの王ではない……」

 

「……」

 

「しかし、王になりたいと願ったのは、お前の意思だ」

 

そう言って後ろの像が剥がれると共に、未来のソウゴがオーマジオウへと変身する。

 

「お前は、何のために王になりたかったのだ?他の者に認められるためか?それとも、自分が特別であるためか?」

 

「違う……違う!」

 

そう叫ぶと、ソウゴと未来のソウゴの周りの風景が、二人と19体の像を除いて瞬時に変化した。

その光景は赤い空が広がる荒地だったものから一変し、遠くに城の様な大樹が聳え立つ、青い空が広がる草原へと成っていた。

 

 

 

ソウゴが目を覚ますと元の場所へと戻っており、彼は一人宙を浮かびながらタワーの跡を見つけ、そこへ向かって足をつく。

 

「他の人や平成ライダーなんて関係ない!」

 

未来の自分との対話によってようやく気付いた、自分が何故王様になりたいのだと至った理由。それは…

 

「俺が王になりたかったのは、世界を良くするためだ!!」

 

王様になる自体が重要ではなく、世界を良くする為に王になる。

それが幼き頃から抱いてきた、彼の夢。

その叫びと共にソウゴの手から金色の光の粒子が集まり、それがウォッチとなって彼の手に置かれた。

 

「……ありがとう。未来の俺」

 

このウォッチをくれたのは未来の自分だと思い、ウォッチを回す。

 

『オーマジオウ!』

 

金と黒のウォッチ――『オーマジオウライドウォッチ』を起動してドライバーのスロットへ装填するとドライバーのロックを解除し、ソウゴはいつもの変身の構えを取る。

 

「変身!!」

 

背後から巨大なオーマジオウの像が現れ、そこから仮面の『ライダー』の文字が光りだし、ソウゴの体が三つの円状の時計バンドエフェクトで包まれ、その姿を変える。

 

『キングタイム!仮面ライダージオウ!オーマー!』

 

フェイスは金色となり、背部にはオーマジオウ同様、大時計『アポカリプス・オブ・キングダム』がマントのように付けられ、カラーリングは黒のインナースーツに金色のアーマーとなった。

まさにオーマジオウの姿…『仮面ライダージオウ・オーマフォーム』へと変身した。

 

「ソウゴ……」

 

「えっ?」

 

エールの呟きを聞いたアンジュ達がオーマジオウの像を見る為に顔を見上げると、黄金の流星がこっちへ向かってくるのが見えた。

 

「みんな!」

 

「ママ〜!」

 

そこへ、晴夜がはぐたんを連れて現れ、彼女の下へと求められたはぐたんをエールに託す。

 

「はぐたん。これ……」

 

するとはぐたんは金色のミライクリスタル『ミライクリスタル・オーマハート』をエールに渡す。

 

「みんな!」

 

『うん!』

 

そしてアンジュ達がエールの声に応えると、ミライパッドにミライクリスタル・オーマハートを翳す。

 

「「「「「ミライクリスタル!オーマハート!」」」」」

 

ミライパッドにミライクリスタルオーマハートを装填すると、そこから放つ黄金の強烈な光がエール達六人を包む。

 

彼女達は、黄金カラーを取り入れたかの様なコスチュームとボンネット状のヘッドトレスとリボンが付いたヴェールは白の混じった金色を纏い。髪型はピンクにそれぞれ水色・黄色・パープル・金髪のメッシュが入り、右手首にプリキュアミライブレスレットを装着、背中には先端にピンクのハートの刺繍がある時計の針型のマントを付けた姿。キュアエール・オールグランドマザースタイルとなって現れた。

そして…

 

「君は……」

 

「「「「ッ⁉︎」」」」

 

エールの隣にいる少女を見て四人は誰なのか直ぐにわかった。

金色の長い髪に白とピンク色でコスチュームされた服を着ており、頭の上にはハート型の髪飾りを付けている少女…キュアトゥモローだった。

 

「はぐたん。行こう」

 

「……うん」

 

二人はお互いにジオウの着地する場所へと向かう。

 

「トゥモロー……」

 

トゥモローを見てゲイツとツクヨミは笑みを浮かべる。どうやら、あのオーマハートの力に宿るアスパワワが、はぐたんをキュアトゥモローへと戻したようだ。

その頃、ジオウが降りる場所に一人、ずっと待ち焦がれているものがいた。

 

「祝え!」

 

そう、そこにいたのはウォズだった。

ウォズはいつものように祝えと強く叫ぶ。

 

「大魔王の力を受け継ぎ、全ての時代をしろしめす最終王者と。全プリキュアの想いと大魔王の力を受け継ぎ、時空を超え、過去と未来をしろしめす二人の女神の再誕を!」

 

「うぉぉぉぉぉぉぉぉーーー!!」

 

そこへ、強い衝撃と共に爆風の中から三つの人影が見えた。

 

「その名も仮面ライダージオウ・オーマフォーム!

キュアエール・オールグランドマザースタイル!

キュアトゥモロー!

新たなる歴史が誕生した瞬間である!」

 

そう叫ぶウォズの顔は、これまでになくとても嬉しそうな表情だった。

現れた三人はそのまま歩き出すとカッシーンが向かって来たが、彼らはエネルギーを溜めた片手のみでカッシーン達を吹き飛ばす。

 

「ウォズ!クォーツァーとしての誇りを忘れたのか?」

 

「私はもうクォーツァーじゃない!」

 

自分はもうクォーツァーじゃないと言い放ち、自らをマフラーで包み込むと一瞬にして移動する。

 

「私とて、平成ライダーの歴史の一部なのだ」

 

自分も仮面ライダーの歴史の一部であり、同じようにこの時代を駆け抜けた存在。

そう言ってる間に、ジオウ達はカッシーンを最も簡単に薙ぎ払う。

 

「仮面ライダーを私達の思う枠に収めることなど、不可能なのだ……

今まで御閲覧ありがとうございました、ご案内できるのはここまでとなります。

我が魔王は、信長に『思うように生きろ』と言いました……

私も思う通りに生きさせてもらおう!」

 

自分の持つ本の『逢魔降臨暦』のページを開き、左右のページに両手で持つ。

 

「ぬうっ!」

 

するとページを全てちぎり、全てのページが上空へと散らばる。

クォーツァーのライダー達はそれに驚く中、散らばったページはダイマジーンへと向かっていく。

それにより機械が異常を起こし全機地上へと落下、ワームホールは消滅した。

 

しかし、影響はそれだけじゃなかった。

 

「はぁ、はぁ……!」

 

カッシーンを生身で戦い続けた剛に、変化が起こったのだ。

そのことに気づくと、彼の手に消滅した筈のシグナルバイクが現れた。

 

「おっ!行けるぜ!」

 

シグナルバイクが戻ったのを見て、剛はマッハドライバー炎を装着する。

 

『シクナルバイク!ライダー!』

 

「let's 変身!」

『マッハ!』

 

「うぉぉぉぉぉ!」

 

背負っている牛蔵を降り外すと仮面ライダーマッハへと変身し、カッシーンに襲われた人達を救出する。

 

「もう大丈夫だ!」

 

当然、その影響はマッハだけではない。

 

「よし!戻った!」

 

晴夜は自身の持つフルボトルも元に戻った事を確認すると、ラビットボトルを振りラビットボトルを金色へと変える。

そしてロイヤルボトルを取り出し、振り出すと背後から白で書かれた数式が現れる。

 

『ラビット!ロイヤル!ベストマッチ!』

 

ゴールドラビットボトルとロイヤルボトルを差し込み、レバーを回すと前後から白と金のスナップライドビルダーが現れた。

 

『Are you ready?』

 

「変身!」

 

『光輝くスピーディウォリアー!ロイヤルラビット!イェーイ!』

「さぁ、実験を始めようか?」

 

白いラビットラビットの複眼とボディはラビットラビットのボディに黄金のラインが刻まれ、後ろに白いマントを纏った姿、ビルド・ロイヤルラビットフォームとなって、フルボトルブレードを持ちカッシーンへと向かっていく。

 

「はぁ!」

「ヤァァァァ!」

「タァァァ!」

 

ジオウとトゥモローがカッシーンを一箇所に集め、エールがメロディソードでカッシーンを破壊する。

 

「ちっ……おのれぇ~!」

 

バールクスが向かおうとする。だがそこへ……

 

「「だああああっ!」」

 

パンチとキックを繰り出す二つの影が見え、その影が放った攻撃が命中。バールクスは勢いよく吹き飛んで地面に叩き付けられた。

 

「光の使者!キュアブラック!」

「光の使者!キュアホワイト!」

 

「「ふたりはプリキュア!」」

 

「闇の力のしもべ達よ!」

「とっととお家に帰りなさい!」

 

「ブラック!ホワイト!」

 

「私達だけじゃないよ!」

 

「えっ?」

 

エールが喜んでいるとブラックはそう言い、ジオウが周りを見ると上から何人者人の気配を感じる。

この場へと現れたのは、ルミナスからプリキュア☆アラモードまでのプリキュアオールスターズ。そしてクウガからビルドの平成ライダー達だった。

 

「みんな……よし!行こう!」

 

ジオウが行こうと叫ぶと全員が頷き、全員が散らばりそれぞれ向かっていく。

現れたライダーとプリキュアは一斉に別れてカッシーンへと向かっていく。

 

「だあっ!」

 

ブラックとホワイトがカッシーンにアッパーを叩き込んで体勢を崩させる。

 

「オリャャ!」

 

そこへクウガがエネルギーを纏ったライダーパンチを繰り出し、吹っ飛ばした。

 

「「「「はああああぁぁっ!」」」」

 

ジェラートとマーメイドとダイヤモンドにマリン、アクアが氷や水を使った技を放ち、カッシーン達を凍らせる。

 

「ウェェ!」

 

「はぁ!ヤァ!」

 

ブレイドがブレイラウザー、鎧武が無双セイバーと橙々丸を振るい、カッシーンを寄せ付けないようにする。

 

「オリャャ!」

 

「「「はぁぁぁぁぁ!」」

 

フォーゼはロケットスイッチの火力で、ラブリーとプリンセスは翼で空を飛び、カッシーンを壁に打ち付けていると、ビルドとエグゼイド、ゴースト、ドライブが工場の中にいるカッシーンに応戦。

 

「オリャャ!」

「はぁ!」

「タァァ!」

 

エグゼイドとビルドの脚力で躱しながら攻撃し、ゴーストは宙に浮かびながら攻撃する。

そして、カッシーンが一箇所に集まると…

 

「はぁぁ!」

 

「ファイアストライク!」

「サニーファイア!」

「マーチシュート!」

 

ドライブがライダーキックを放つと同時に、ルージュとサニー、マーチがエネルギーの弾道を放ってカッシーンを破壊する。

 

「セィ!」

 

「オラァ!」

 

「「はぁぁ!」」

 

こちらでオーズの腕に装備してあるトラクローで、Wとブルームとイーグレットが格闘技でカッシーンを攻撃を繰り出す。

 

「危ない!」

 

「させません!」

 

ロゼッタ、サンシャイン、ミント、ルミナスがバリアを展開して街の人への攻撃を防ぐ。

 

「ふうん!」

 

「タァ!」

 

カブトとファイズのラフな戦い方とスムーズな戦い方により、カッシーンを次々に一掃していく。

 

「ホイップ・デコレーション!」

 

ホイップがホイップ・デコレーションで動きを封じこめた。

 

「シューティングスター!」

「ハッピーシャワー!」

 

拘束している隙に、ドリームとハッピーが突撃しカッシーンを破壊。

 

「はぁぁ!はぁ!」

「オリャャ!」

 

キバが身軽い動きの格闘技と龍騎のドラグセイバーでカッシーンを攻撃し、カッシーンを一箇所に集める。

 

「フローラル!トルビヨン!」

「ピンクフォルテウェイブ!」

 

其処にフローラとブロッサムのフローラル・トルビヨンとピンクフォルテウェイブが命中し、破壊された。

 

「ふぅん!」

 

こちらでは、白いディケイドドライバーを装着したディケイドのキックの攻撃と、響鬼の棍で繰り出された攻撃がカッシーンにダメージを与える。

 

「デャァァァ!」

 

響鬼も手に持った棍に炎を纏い、カッシーンを破壊する。

その時、カッシーンが響鬼の背後に現れ、背後から攻撃する。

 

「ビートバリア!」

 

「はぁぁ!」

 

だがビートがバリアで響鬼を守ると、リズムとミューズが襲ったカッシーンに攻撃する。

 

「はぁぁ!」

 

ウィザードがウィザードガンを用いアクロバットな動きで攻撃し、剣と銃を使い分けカッシーンを破壊する。

 

「はぁ!たぁぁ!」

 

隣ではアギトが格闘技を駆使してカッシーンを寄せ付けず、金色に纏う手刀を放ってカッシーンを真っ二つにする。

仮面ライダーとプリキュアにより、クォーツァーの率いるカッシーンが次々と撃破されていった。

 

「見るがいい!平成ライダーだけでなく、プリキュアが溢れ出している!枷など通用しない!彼らや彼女らこそ、思う通りに生きる者たちなのだ!」

 

だが、現れたのはこれだけではなかった。

街の人々が逃げ惑う中、人々を襲うカッシーンを何者かが腹を貫く。

 

「ライダーーーー!毒手〜〜!」

 

現れたのは、緑と黒と銀のカラーに黒いマントを羽織り、毒手を使いカッシーンを溶かしていくライダー…

仮面ライダーブレン。

 

少し離れた場所では、講演劇場で逃げる人々を救うライダーがいた。

 

「はぁぁぁ!」

 

すると其処へ、鎧武のカチドキアムーズが緑のメロンの様な緑色の姿になった、仮面ライダー斬月・カチドキアムーズが、柱に貼っていた一枚のポスターから出陣。

斬月はカチドキの旗を使い、カッシーンを吹き飛ばす。

 

更に男性の持つパッドから光が放たれ、そこから五つの光が見えた。

 

「アカライダー!」

「アオライダー!」

「キライダー!」

「ミドリライダー!」

「モモライダー!」

 

「「「「「我ら五人揃って!ゴライダー!」」」」」

 

5色の戦隊風のライダー達『仮面戦隊ゴライダー』が現れ、連携攻撃でカッシーンを倒していく。

 

ベルトにワインのボトルを装填している、黒の装甲と赤のラインがあり、胸に赤で『G』と刻まれたライダー……仮面ライダーGの姿があった。

 

「はぁ!」

 

仮面ライダーGはビルにGの文字を刻み、カッシーンを破壊する。

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

逃げ走る人達の道端に落ちている、『仮面ライダークウガ』と書かれた漫画が光り出した。

 

『見てて下さい。一条さん』

『俺の』

『戦い!』

 

それと同時に、台詞の文字がカッシーンを襲う。カッシーンが振り返ると白黒のコンテの絵から、トライチェイサーに乗る白黒のクウガが現れた。

 

『オリャャャャャ!』〈ズッ!〉

 

クウガ(漫画版)によるマイティキックが炸裂し、カッシーンが破壊される。

 

そして子供達がカッシーンに怯えながら後ろへ下がると、家電製品店に置いてあるテレビが光り出し、そこから二頭身の子供の様な仮面ライターが現れた。

 

「う〜ん、まさに……オラの出番が来た!」

 

電王の姿をしたそのライダーは、胸に豚のような絵柄があり、仮面はハートマークを模したものになっていた。

 

「オラ!しん王!」

 

電王と同じポーズを取った子供は自らをしん王と名乗り、ライダーパスの様なモノを取り出すとそれを腰にかざす。

 

『FULL CHARGR!』

 

「必殺……ぶりぶりアタック!」

 

お尻をカッシーンへと向けて放ち、カッシーン達を吹き飛ばす。

 

「また……つまらぬものを踏み潰してしまだゾ…」

 

街の方は突如として現れたライダー達によって救われていた。

 

「何だ!あのライダー達は!」

 

ザモナスとゾンジスは現れたライダー達に困惑して、何がなんだかわからなかった。

 

「祝え!一冊の本などではまとめ切れないほど平成ライダーの……いや、『平成』という歴史は全て豊潤なのだ!」

 

そう叫ぶウォズは、ほぼ残骸と化した逢魔降臨暦を、まるでゴミの様に道端に投げ捨てた。

 

「ウォズ!」

 

そこへゲイツ達がやってくる。

 

「やぁ、諸君。どうやら、私は君達と同じようだ」

 

「だから、言ったろ」

 

「俺達の仲間や!」

 

「ウォズはソウゴにとって最高の家臣よ!」

 

「行くぞ!」

 

「「「「ああ(おお・うん)!」」」」

 

四人はそれぞれジクウドライバーとビヨンドライバーを装着し、ウォッチを起動する。

 

『ゲイツ!』

『ウォズ!』

『ハリー!』

『ツクヨミ!』

 

「「「「変身!」」」」

 

『ライダータイム!仮面ライダーゲイツ!』

『投影!フュ―チャータイム!スゴイ!ジダイ!ミライ!仮面ライダーウォズ!ウォズ!』

『ライダータイム!仮面ライダーハ・リ・ー!』

『ライダータイム!仮面ライダーツクーヨミ♪ツ・ク・ヨ・ミ! 』

 

ゲイツ達も再びライダーへと変身して戦場に参戦すると、バールクスとゾンジスが立ちはだかる。

 

「はぁぁ!」

 

ツクヨミが二人に応戦すると、ハリーがチェーンを彼らへ向けて放ったのを察知して距離を取り、反応が遅れた二人を拘束する。

 

「「はぁぁ!」」

 

ゲイツとウォズのジカンザックスとジカンデスピアによる攻撃でゾンジスを吹き飛ばす。

 

「リボルケイン!」

 

それを見たバールクスがリボルケインを出現させるとゲイツとウォズに襲いかかり、二人は応戦する。

 

「「はぁぁ!」」

 

だがエールとトゥモローのダブルパンチが炸裂し、そこへジオウのサイキョージカンギレードによる攻撃でザモナスを吹き飛ばす。

 

「!!」

 

更に追撃しようとするジオウだったが、そこへダイマジーンが妨害して来た。

 

「⁉︎ トゥモロー!」

 

一体のダイマジーンがバランスを崩したトゥモローに攻撃しようとする。

 

「っ⁉︎」

 

トゥモローがそれに気付いたその時、彼女の前にピンク色の星のバリアが貼られた。

ダイマジーンの攻撃が無事に防がれた事を察したトゥモローは、自分の目の間に一人の少女が立っていた事に気付く。

 

「…えっ?」

 

「大丈夫?」

 

「トゥモロー!」 

 

エールが駆けつけると、攻撃を弾かれたダイマジーンがもう一度攻撃を仕掛ける。

だがトゥモローを守った少女はダイマジーンの前に向けて跳ぶと、その巨体を連続パンチで吹き飛ばした。

 

「あなたは?」

 

「私の名前は……宇宙に輝くキラキラ星!キュアスター!」

 

ピンク色のコスチュームを纏い、それぞれ二又に分けた巨大なツインテールの先端を巨大なシニヨンにまとめ、それに輪をかけて土星のように見せるアクセサリーを付けた少女――キュアスターが二人の前に現れた。

 

「キュアスター……」

 

「キュアスター……めっちゃ!イケてるプリキュアだね!」

 

「ありがとう!キュアスター!」

 

お互いにお礼を言うと、トゥモローの安全を確認したジオウはダイマジーンへと向かっていく。

 

「はぁぁ!」

 

背中のマント『アポカリプス・オブ・キングダム』が大きく広がり、針が回る。

すると、ダイマジーンの大群が劣化し始め、機能停止に追い込まれる。

 

『キングギリギリスラッシュ!』

 

ジオウがショートワープのように瞬間移動しながら、次々にダイマジーンを切り伏せ撃破していく。

 

「皆のもの!我が魔王に続け!」

 

そしてウォズが叫ぶと同時にウィザードドラゴン、ドラグレッダー、キャッスルドラゴン、デンライナー、ライドブースターが出現し、更に空中を得意とするプリキュア達もジオウに続いてダイマジーンを破壊していく。

 

それを見てライダー、プリキュアはそれぞれ最強の姿へと変える。

 

『インフィニティ!』

『LINER FORM!』

『極アムーズ!』

『コズミック!オン!』

『ドライブ!タイプトライドロン!』

『EXTREME!』

『パカーン!ム・テ・キ!』

『HYPER!CAST OFF!』

『プテラ!トリケラ!ティラノ!プ・ト・ティラーノ・ザウルーゥス!!』

『グレイト!オールイェイ!ジーニアス!』

『〈プゥゥ〜ン!〉』

『〈トゥゥ〜ン!〉』

『無限進化!』

『5・5・5!Awakening!』

『SURVIVE!』

『EVOLUTION KING!』

『FINAL KAMEN RIDE!』

 

更に、スーパ―プリキュア、ブライト、ウィンディ、キュアエンジェル、無限シルエット、クレッシェンドプリキュア、ウルトラプリキュア、パルテノンモード、フォーエバーラブリー、グランプリンセス、アレキサンドライトスタイル、アラモードスタイルプリキュア達も光に包まれ姿を変える。

 

全員が最強のフォームへと姿を変えた。

 

「今こそ!我が魔王に勝利を―――」

 

祝辞の言葉を言いかけたその時、ウォズの腹部を何かが貫いていた。

貫いたのは、バールクスのリボルケインだった。

 

「あっ!…あぁ……ッ」

 

急所を突かれたウォズは強制変身解除となる。

 

「偽の王を祭り上げる狂言はもう沢山だ!」

 

バールクスが怒り心頭のままにリボルケインを振り上げ、ウォズに振りかかる。

 

「「はぁぁ!」」

 

そこへ、ゲイツとハリーが立ちはだかってウォズを守り、更にツクヨミのキックがバールクスを離す。

 

「何も分かっていない!」

 

「あいつは偽物なんかじゃない!」

 

「ソウゴが……あいつこそが!俺達の王だ!」

 

「ツクヨミ君……ハリー君……ゲイツ君……」

 

ゲイツとハリーがウォズの肩を担ぎ、起き上がらせる。

 

「「はぁぁぁ!」」

 

ジオウとエールの二人がサイキョージカンギレードとメロディソードを突き刺してダイマジーンを破壊すると、他のみんなの攻撃で次々と破壊していく。

 

「みんな行くぞ!ジオウに……俺達の王に続くんだ!」

 

『うぉぉぉぉぉぉぉ!!!』

 

ゲイツが叫ぶと街のみんなにも伝わったかのか、街のみんなも勇気を持ってカッシーンに反抗し向かっていく。

 

「はぁ……はぁ……」

 

その光景を意識を朦朧とする中、ウォズは嬉しそうに見つめていた。

まるで、この瞬間をずっと待ち望んでいたのような表情で。

 

「はぁぁ!」

「タァァァ!」

「はぁ!」

「オリャャ!」

「それぇ!」

「オラァァァァァ!」

 

ピーチとゲイツ、ブロッサム、鎧武、ホイップ、エグゼイドも、それぞれの武器を繰り出してザモナスとゾンジスの二人を追い込む。

 

「「「「はぁぁぁぁぁ!」」」」」

 

「「グアぁぁァァァッ!?」」

 

ライダーとプリキュアによる斬撃がゾンジスとザモナスに向けて放たれ、全員の攻撃によりゾンジスとザモナスを倒す。

二人が撃破されたのを見たバールクスは、ゾンジスが落としたライドウォッチを拾う。

 

「やむ終えん…」

 

バールクスは腕にある青いライドウォッチを起動させる。

 

『バイオライダー!』

 

「「「はぁぁ!」」」

 

バールクスにブレイド、メロディ、ハッピーが攻撃を仕掛けるが、バールクスは体を液状化させて三人の攻撃を躱し、彼らの背後を取る。

 

『J!』

 

「ぬうぉぉぉぉぉぉぉ!」

 

続いてゾンジスの落としたライドウォッチを使用したバールクスが叫び出すと、液体状の体でいきなり巨大化したのだ。

 

「わぁ〜、大きくなった!」

 

スターが目を輝かせながら驚いていると、巨大化したバールクスは大きく腕を振り上げてジオウ達に攻撃してきた。

 

『わぁぁぁぁぁッ!?』

 

数人が吹き飛ばされたものの、それを回避したライダーにプリキュアはバールクスに攻撃する。

 

「ふぅん!」

 

しかし液状化したバールクスの体には、全員の攻撃など擦り抜けて通用しなかった。

 

「お前らのおかげで、平成の歴史がめちゃくちゃだ!」

 

バールクスは雄叫びと共にゲイツ達へ攻撃し、みんな次々と倒れていく。

 

「せっかく!綺麗に纏めようとしたのに!」

 

「勝手に纏めるなよ!」

 

バールクスの耳に声が聞こえ振り返ると、ジオウとエールが屋根の上へと現れた。

 

「何ッ⁉︎」

 

「俺も、ゲイツも、はなも、ライダーのみんなも、プリキュアのみんなも、瞬間瞬間を必死に生きてるんだ!」

 

出会って来たみんなはこの時代を必死に生きみんなを守るために戦い続け、この時代を駆け抜けて来た。

 

「みんなバラバラで当たり前だ!!それをムチャクチャとか言うなッッ!!」

 

この世を生きる全ての人の自由、愛、正義。

その全てを守る為に彼は、その小さい背中に背負い、それを黄金の如く光り輝く高貴な魂という名のデカい柱で支えながら、ジオウはアーサーセイバーウォッチを取り出す。

 

『アーサーセイバー!』

 

ジオウは反対のスロットへと装填し、ドライバーのロックを解除する。

 

「変身!」

 

するとジオウの背後からマザーが現れ、大きな手でジオウの体を包み込むとそこから――輝しい黄金の光の中から現れた。

 

『キングタイム!仮面ライダージオウ!オーマー!

トゥモロータイム!祝福せよ!約束された勝利を求めて!仮面ライダ〜〜ジオウ!ア〜サ〜!』

 

其処に現れたジオウの姿は、オーマフォームの黒いアーマー部分が白銀に変わり、頭部にはセイバーフォーム時に装着していた王冠が付けられていた。

――今この時を持って、『仮面ライダー』と『プリキュア』の世界を制する、究極の王が誕生した。

 

「虚仮威しだ!」

 

バールクスはそう叫ぶと、ミステリーゲネシスの能力で新しい姿へと変身したジオウの力を制限しようとする。

 

「!?…なんだ、このパワーは……力を、制限しきれない…ッ⁉︎」

 

しかしジオウの凄まじい力を抑えきれず、ショルダーに付いている緑の宝石がキャパオーバーで木っ端微塵に爆破した。

 

「お前ごときに……俺たちの力を、平成ライダーとはぐたんの力を抑えきれると思っていたのか…?」

 

肩を押さえ、驚愕するバールクスの様子を見たジオウはそう言い放つと、その姿を見たウォズは力を振り絞って立ち上がり、高々と叫ぶ。

 

「祝え!……いや、こんな言葉さえ生温い!!

今ここに、神をも超えた最高最善の王の誕生を……

仮面ライダージオウ・オーマアーサーフォームの誕生を!この瞬間を味わうがいい!」

 

そう叫んだ後力尽きたように目を閉じ、ジオウはドライバーの左右のウォッチを起動する。

 

『キングトゥモローフィニッシュタイム!』

 

すると彼の背中に、黒と金の翼と白と銀の翼状のエネルギーが左右三枚ずつ、計六枚の翼が出現した。

 

「させるかぁぁぁアアアアアア!!」

 

だがバールクスは彼らの攻撃を阻止しようと、肩装甲に埋め込まれているオレンジの宝石を光らせながらジオウの攻撃を未来へと飛ばして無効にしようとする。

 

「――フッ!」

 

「ッ!?」

 

その時、何者かが高速でオレンジの宝石を回し蹴りで破壊し、未来へと攻撃を飛ばす能力を無力化させた。

その人物はバールクスの背後――ジオウ達の死角となっている所で佇み、平成という時代を作り直そうとする不届き者に向けて静かに語る。

 

「――この時代を生きる少年少女が、未来を育もうとしているのだ……

あの子と我が友の無念と共に、大人しくあの世へ逝け」

 

「なっ!!……ま、まさか、貴様は―――」

 

「「はぁ!」」

 

バールクスが動揺している隙にジオウとエールが飛び上がると、ゲイツ達も後に続いて飛び上がる。

そして、各々の作品のタイトルロゴのエフェクトを纏った平成ライダー達とプリキュア達がキックを構える。

 

『はぁぁぁぁぁぁぁぁーーーー!!』

 

突然してくる全員を見て、バールクスが液状化した長方形の盾を作って抑えようとする。

そして彼ら彼女らのキックを必死に押し込もうとすると、バールクスは己の疑問を呟き始める。

 

「――何故だ!お前の力は、お前らのその力は、所詮平成ライダーと只の小娘供の力の筈だ……!

それなのに…お前らの何処に、これだけの力が出ているんだァァァーーッッ!」

 

片や己には一切通用しない筈の平成の力。

片や一人では何もできない無力な小娘の力。

どう考えても己の敵になる事が無い力が、どうしてこうも自分を追い詰めているのか、バールクスには一切理解できなかった。

 

しかしジオウとエールは、そんなバールクスを見ながら笑みを浮かべる。

何故なら彼に理解できない事が、自分たちには理解できているから。

だからこそ二人は、目の前にいる王に向けて反旗を翻す為に謳う事が出来るのだ。

 

「――侮ったな、ライダーの歴史とはぐたんの想いを……ッ!」

 

「この力は、私とソウゴだけの力じゃない!」

 

自己中で傲慢な王族も、独り善がりな理想郷の王も、それが理解できなかったが故に、彼らに負けた。

そして目の前に居る男も、彼らの力の真理を理解できなかったが故に、彼らに敗北を喫しようとしていた。

 

王の資格はあった、王になれるだけの力があった、もう既に王としての地位を持っていた。

しかし、彼らは王になる事は無かった。

王としての一歩を、歩む事が出来なかった。

 

「俺達の力は―――」

「私達の力は―――」

 

だが目の前に居る少年は、王の資格など無かった筈の少年が、王としての第一歩を一歩ずつ歩んでいた。

それは何故かって?何故なら彼らの持っている力は―――

 

「「全てのライダーとプリキュアの力と……今まで出会ってきた、皆の力だッッ!!」」

 

ジオウとエールが叫ぶと同時に、みんなの変身アイテムが光り出す。

 

『平成魂ーーー!キックーーーーー!』

 

全員がそう叫び、ジオウ達はバールクスの作り出した盾を貫くとバールクスに直撃していき、地面へと着地する。

そして彼ら、彼女らが貫いた液状化の盾には、巨大な『平成』の文字を刻み込まれていた。

 

「馬鹿な……ぐうぉ!うぉぉぉぉぉ!」

 

手に持った盾に刻まれた文字とライダー、プリキュア達を見据えたバールクスは、呻き声を上げて爆発した。

気が付いた時には、その巨体で存在感を表していたバールクスの姿が消えていた。

 

「「みんな!」」

 

そこへウォズを担いだハリーとツクヨミが合流し駆け寄ると、ジオウはウォッチを外し変身を解除。オーマハートの効力の消えたエールも元の六人に戻る。

 

「トゥモロー……」

 

ソウゴがトゥモローに近づくとジオウアーサーウォッチを見せ、エールとトゥモローはそのウォッチに手を置く。

 

「――ありがとう。約束を守ってくれて……」

 

彼女は笑顔で、未来と今を守ってくれてありがとうとお礼を言うと、体が光り出し、小さくなっていく。

 

「はぎゅ〜」

 

そして、元のはぐたんへ戻ってしまった。

 

「はぐたんも、ありがとう」

 

エールははぐたんを抱いてありがとうと笑みを浮かべた。

ソウゴは一緒に戦ってくれたみんなに近づく。

 

「みんな……ありがとう!!」

 

そのまま自分を信じて力を託して貰った、一緒に戦ってくれた、ライダー達やプリキュアにお礼を述べたのだった。

 

 

 

「………うぅ……んんっ……?」

 

「起きたか、ウォズよ」

 

「!!」

 

とあるビルの屋上にて、コンクリートの上で眠っていたウォズが目を覚ました。

彼は寝転がりながら辺りを見渡すと、隣には黄金の装甲で身を包んだ男――オーマジオウが立っていた。

 

「わ、我が魔王……何故ここに…?」

 

「なぜ私がここに居るのだという疑問なぞ、今はそんなことはどうでも良い。

それよりもウォズよ、腹部の傷は癒えているか?」

 

「…ッ!?」

 

オーマジオウにそう言われたウォズは咄嗟に腹部を押さえると、痛みはまだ多少あるが、あの時バールクスに貫かれた筈の腹部には傷は無かった。

 

(どういう事だ……?あの時の傷は、一日も経たずに治るような傷ではない……

だとすれば、誰かが私の傷を治したという事になる。いったい誰が……!)

 

まさかと思ったウォズは、直ぐにオーマジオウの顔を見る。しかし、直ぐにそれは無いと考えた。

何故なら自分は、オーマジオウたる時見ソウゴを裏切った、クォーツァ―の一員なのだ。そんな不届き者を、彼は許すはずが無い。

だが今の状況で自身の傷を治せるのは、アーサーフォームの治癒能力を使える時見ソウゴとオーマジオウのみである。

 

「どうしたウォズよ。私の家臣なら、礼の一つや二つ言ったらどうだ?」

 

どういう事だと困惑していたウォズだったが、オーマジオウの言葉を聞き、更に困惑が深まった。

まさか、彼が私の傷を治したのか?裏切り者の私を?いったい何の目的で?

 

「どうして傷を治したのだと、疑問に思っているようだな……何故か気になるか?」

 

「……えぇ」

 

「理由か簡単だ。

……お前が、私の家臣だから。ただそれだけだ」

 

「……それ、だけですか?」

 

「それだけだ。何度も言わせるな」

 

…この人は何と言った?私が家臣?裏切り者であるこの私を?

 

「……何故ですか、オーマジオウよ。

私は、貴方を、時見ソウゴを裏切っていたのですよ。今日まであなた達を、騙してきたのですよ?

私は、クォーツァーの一員―――」

 

「そんな事、とっくの昔から……オーマジオウになってから、ずっと知っていた」

 

…それじゃあ、この人はずっと、わかっててこの私を下に置いてくれていたのか?

 

「それでは、何故貴方は、私を家臣だと言ってくれたのですか?」

 

「お前が、私の家臣になったからだ。家臣を信じるのは、当然のことだろ?」

 

そうオーマジオウは、我が魔王は、何でもないかのように、さも当然の様に語った。

気のせいか、私の頬に冷たい滴が伝ったように感じた。

 

「………我が、魔王―――」

 

「だがお前は今日からクビだ、これからは若かりし日の私に従え」

 

だが同時に、しれっと解雇通知を言い渡された。

少しだけ嬉しかったが、頬に感じた潤いも、少しだけ乾いた気がした。

オーマジオウは最後の言葉に満足したのか、光の粒子になって消えていった。

 

その数刻後、ハリーとツクヨミがウォズを担ぎに来たことは、皆の招致の事実の出来事。

 

 

 

戦いを終えたソウゴ達は、それぞれ帰る場所へと去っていった彼ら彼女らに別れを告げ。みんなで帰るべき場所であるクジゴジ堂へと一緒に向かう。

 

「ゲイツ殿!ご無事で何よりでござる!」

 

「抱きつくな」

 

牛蔵がゲイツの無事が嬉しいのか、ずっとゲイツに抱きついていた。

 

「そういえば、ひかるに何をあげたの?」

 

ソウゴは見てなかったから知らなかった為、はぐたんがひかるに何をあげたのかとはなに聞く。

それを聞かれたはなは、その時の事――数分前の事を思い返した。

 

 

『はい〜どうぞ!』

 

はぐたんは晴夜といる際に拾った白いペン型のアイテムをひかるに渡した。

 

『ありがとう〜探してたんだ!』

 

ひかるがペンを取ろうとしたその時、ペンの上のハートマークが光り出し、ハートマークの絵柄がはぐたんに変わった。

 

『はぐたんに変わった!』

 

『キラやば!はぐたんペン!』

 

はぐたんペンへ変わると、ひかるは目を輝かせながらそれを受け取る。

すると今度は河童らしきものを見つけたようで、彼女はそのまま走り去ってしまったらしい。

 

 

「キュアスターか……何かまた会える気がする〜!」

 

キュアスターとまた会える気がすると呟きながら、ソウゴ達は歩き続ける。すると…

 

「あんた達…」

 

足を止めたソウゴ達の目の前には、クォーツァーの残党がいた。

 

「お前ら……」

 

「まだやるの……」

 

ゲイツ達が構えると、ソウゴは一人クォーツァー達に接触しようとする。

 

「ソウゴ」

 

「……」

 

クォーツァーの前に出ると、そのメンバーの内の一人が語り出す。

 

「お前、平成をやり直したいと思わないか?」

 

「未来だってもっと美しくなると思うんだけどな」

 

あのままクォーツァーの計画を行えば、平成をより良い美しい未来になれたのではないかと問う。

しかし、彼の答えは……

 

「確かに、過去と未来も今も美しくないかもしれない」

 

「じゃあ、何でやり直さない」

 

「俺には……みんながいたからここまで来て……今の俺があって未来がある」

 

後ろを振り返りながら、ソウゴは思った。

はな、さあや、ゲイツ、ほまれ、はぐたん、ツクヨミ 、ウォズ、ハリー、えみるちゃん、ルールー、ことりちゃん。これまでに出会った人達のおかげで、今があり未来がある。

 

「その未来をみんなで一緒に行きたい」

 

「どうなっても知らねぇぞ。絶対美しくなれねぇぞ!」

 

「人生が美しくないなんて、当たり前でしょ!本に書いてあるわけじゃないんだから」

 

人生が美しいなんてのはありえない。

必ず、何処かで躓いたり、失敗したりする。

だけど、それを乗り越えて前に進めば凸凹の道だって良い未来にだって繋がる。

 

「「「「ハッハッハァーーー!」」」」

 

そんな答えを聞いたクォーツァー達が大笑いする。

 

「ちょっと見てみたいかもな。本に書いていないお前の……いや、お前達の未来」

 

未来を信じてみたいと言い残し、彼らは去っていく。それを見てソウゴは、笑顔で彼らを見送った。

 

 

「ただいま!」

 

「お帰り!ソウゴ君!」

 

クジゴジ堂へと到着すると、叔父がソウゴの肩を掴み、笑って返事を返した。

 

「とうとう王様になったね!」

 

「叔父さん……うん!」

 

夢に見た王様へ…全てのライダーの王へなれたかもしれない。

けど、それは俺だけで実現できた夢じゃない。

みんながいたからこそ、実現できた夢なのだ。

 

「さぁ!今日はカレーだよ!みんなを食べていきなさい!」

 

『はい!』

 

みんなカレーを食べる為にリビングへと向かう。

 

「――かくして、元・普通の中学生。時見ソウゴと仲間達は新たな未来へと歩み始め、新たなページを書き写すことになりました。めでたし、めでたし!」

 

そして最期に、ウォズが幕を閉めようとするが……

 

「おい!お前、怪我したんじゃなかったか?」

 

ゲイツが何事も無かったかのように現れたウォズに難儀を示す。

 

「もう直ってるの?」

 

「それより、ウォズさんはクォーツァーの人達と行かなかったですか?」

 

「……私は、我が魔王の家臣だよ」

 

ことりとえみるの問いにそう答えるが、皆は目を細めながら彼の方を見詰めていた。

 

「一度は裏切りましたよね」

 

「家臣が裏切っていいんですか?」

 

「……ごほん!」

 

ルールーとさあやに問い詰められたウォズは、わざとらしく咳き込み誤魔化そうとする。

 

「まさに現実とは小説と非なり、だ……」

 

「「話を逸らして!あんた(お前)がそれを言うな!」」

 

ウォズの顔をほまれが引っ張り、ゲイツがのしかかった。

 

「…ソウゴわかる?」

 

「わきゃる?」

 

ギャーギャーと騒ぎ立てられる光景を見ながら、はなとはぐたんはソウゴにウォズの言った事が分かると尋ねる。

 

「これだけはわかるよ。未来は誰にもわからない……

瞬間、瞬間を生きていかなきゃダメなんだ」

 

 

 

 

―――人は人生を、生まれる場所を選ぶことは出来ない。

これから彼らには、楽しい思い出が育まれていくし、余りにも過酷な運命が纏わり付くだろう。

だけど彼らは、それでも必死に生きている。

今、この瞬間瞬間を生き続ける。

だから、その命が止まるまではソウゴ達の物語はまだ続き、これからも彼らは友と仲間と共に歩んでいく。

誰もが自由に笑っていられる、平和な世界を作る、その日まで。

 

――彼の本にない物語は、今も始まったばかり……

 

 

おわり

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ、はぁ……令和は、俺が作る……」

 

その頃。あれだけの攻撃を受けたゾンジスが、まだ生きていた。

彼は残った数少ないカッシーンを連れ、クォーツァーの計画を続けようとしていた。

 

『JUMP!』

「「「プリキュア!オペレーション!」」」

 

「⁉︎」

 

だがゾンジスの耳に聞き慣れない音声と声が聞こえ振り返ると、頭上を飛び越える四つの影が見えた。

 

『飛び上がライズ!ライジングホッパー!

"A jump to the sky turns to a rider kick." 』

 

「誰だ!」

 

四人はゾンジスの前へと着地し現れた。

 

「うげぇ⁉――あぶねぇ…頭からダイビングしそうだったぜ……」

 

「ちょっ、或夏君、足大丈夫?」

 

「あ"ぁ、でも足が……あ、意外と大丈夫だ。大丈夫だからあっちに集中していいよ」

 

…のだが、蛍光イエローのライダーは勢い余って足を挫き掛けていた。

三人の少女もライダーを心配していたが、気を取り直してそのまま名乗りを上げる。

 

「重なる二つの花!キュアグレース!『ラビ!』」

 

「交わる二つの流れ!キュアフォンテーヌ!『ペエ!』」

 

「溶け合う二つの光!キュアスパークル!『ニャ!』」

 

「「「地球をお手当て!ヒーリングっどプリキュア!」」」

 

「新しいプリキュアだと!貴様は……ッ!」

 

ヒーリングっどプリキュアが名乗りを終えると、ゾンジスは蛍光イエローのライダーに誰だと問い掛ける。

 

「俺の名はゼロワン!令和初の仮面ライダーだ!」

 

それに対して蛍光イエローのライダーは令和初の仮面ライダーであると叫び、自らをゼロワンと名乗った。

 

「その歴史を俺が終わらせる」

 

ゾンジスが連れてきたカッシーンが向かってくる。

 

「行くよ!」

 

グレース達はヒーリングステッキと持ち前の高い身体能力で、カッシーンの攻撃を躱し続ける。

 

「「はぁ!」」

 

フォンテーヌとスパークルが肉球型のバリアを作り、カッシーンの攻撃を止める。

そこへ、グレースはステッキの肉球を3回タッチする。

 

「プリキュア!ヒーリング・フラワー!」

 

すると三体のカッシーンに螺旋状のエネルギーをピンポイントに命中させ、その部位に穴を開ける。

 

「お大事に♪」

 

グレースの決め台詞を最後に、核を損傷されたカッシーンが爆発して破壊された。

 

「このぉ!」

『ロボライダー!』

 

ロボライダーと発音したウォッチを起動すると、ゾンジスが観音開きになった胸から大量のミサイルを放つ。

 

「あんたの相手は俺だよ!」

『WING!』

 

ゼロワンは長方形型の機械のアイテム『プログライズキー』を起動させ、自らのドライバーに掲げると、後ろから巨大な機械な鳥を召喚する。

 

「行くぜ!鳥ちゃん!」

『Fly to the sky!フライングファルコン!"Spread your wings and prepare for a force." 』

 

ゼロワンのアーマーが変形・移動すると、マスクが左右に分割して側頭部に装着され、隼のようなマゼンタカラーのパーツがつき、胸と肩には翼みたいな形状されたものが、足には鳥の爪みたいな部分が装着された。

 

「行くぜ!」

 

ファルコンの力を使って空中に飛んでゾンジスの放ったミサイルを避け続け、隙を見てゾンジスを捕らえると宙へと上げる。

 

「んじゃ!決めちゃうよ!」

 

背中に翼を生やして飛びかかり、ゾンジスに組み付いて回転し投げ飛ばす。

 

『フライングインパクト!』

 

そのまま飛行して追撃し、超高速の跳び蹴りでゾンジスにトドメを刺し吹き飛ばしたゼロワンは、元のライジングホッパーに戻る。

 

「それと俺達の歴史は終わらないよ……なんたって、ここから始まるからだよッ!」

 

ゼロワンが着地するとヒーリングっどプリキュアのメンバーが彼に駆け寄る。

 

「流石ね」

 

「やるね。あるッチ!」

 

「すごいね。或夏君」

 

三人のプリキュアがゼロワンを或夏と呼ぶと、ゼロワンはドライバーからプログライズキーを外し、変身解除する。

その姿は、ソウゴと晴夜の二人と同い年の少年だった。

 

「貴様は……」

 

「俺の名前は……中学生社長見習い、飛電或夏だ!」

 

――新たな時代を迎えるライダーとプリキュアの物語は、もうすぐそこまで来ていた。




――若かりし日の私よ。
すごいやつだよ、おまえは。
あの頃の私……“時見ソウゴ”は、最後までその力を得ることが出来なかった。
破壊することでしか、世界を救えなかった。

――なんとなくわかった気がする。
なぜ同じ“時見ソウゴ”であるはずのお前が、私と違ってオーマフォームの力を、それを超える力を得ることが出来たのか。

守りたい仲間がいたからだと思っていた。
守りたいという強い心が、得体の知れない力を生みだしているのだと。

確かにそれもあるのかもしれないが、それはあの頃の私も同じことだった。

『ソウゴ君・・・王様になって・・・!貴方ならなれる・・・最高最善の・・・王様に・・・』
『ありがとう、ソウゴ君・・・・大好き、だよ………………』

『さあや……嫌だよ、さあや……目を覚まして、さあやッ!
・・・うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!』

私は、最高最善の魔王になるという目的のために、誰かのために、己の信念ために、
そして世界を守るために闘ってきた。

『変身…ッ!!』

『祝福の刻! 』
『最高!最善!最大!最強王! 逢魔時王(オーマジオウ)! 』

――だが、あいつは違った。

『他の人や平成ライダーなんて関係ない!』
『俺が王になりたかったのは、世界を良くするためだ!!』

王になるために闘うんじゃない。
王になって、世界をより良くしたいという()()()に闘うんだ。

だから、今のあいつは王になると言う事自体にこだわりはしない。

『ソウゴ!なんでも出来る!なんでもなれる!フレフレ!ソウゴ!フレフレ!ソウゴ!』
『違うよ。必要なのは剣じゃない』

その想いを、その信念を、その原点(オリジン)を思い出させたのはキュアエール、君だった。
今思えば、君も随分変わっていた。
何せ、相手と戦う為の剣ではなく、相手を癒す為の剣をその手に持ったのだからな。

『……ねぇ、貴方はどうしてそんなに悲しそうなの?』
『みんなを止められなかった・・・ごめんね……』

そしてキュアトゥモロー、君は遂に“オーマジオウ”を倒す事は無かった。
まるで、私の心の奥底が見えていたかのように。

君達は、本気で彼が最高最善の王になる事を信じていた。
自分達を傷つけるかもしれない男を、本気で信じていた。
本当に、君達は変わっていたよ。

『変身!』

『キングタイム!仮面ライダージオウ!オーマー!』
『トゥモロータイム!祝福せよ!約束された勝利を求めて!仮面ライダ〜〜ジオウ!ア〜サ〜!』

『祝え!……いや、こんな言葉さえ生温い!!
今ここに、神をも超えた最高最善の王の誕生を……
仮面ライダージオウ・オーマアーサーフォームの誕生を!この瞬間を味わうがいい! 』

だからこそ私は、背筋と右腕をシャンと伸ばし、彼らに向け、サムズアップをした。

――ありがとう、はぐたん、はな。私の夢を守ってくれて。
――そして、がんばれ仮面ライダージオウ。
――おまえが、真の最高最善の……王だ。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。