金曜夜の夕飯決闘   作:逸環

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キャンプカルボナーラ

押切に負けた金曜日の翌日。

つまりは土曜日に、東雲は必ずある事をする。

朝、休日なのに早めに起きたらご飯を炊き、1人分の朝食と昼食を作っておく。

その間にパスタの乾麺を水を入れたジップロックに浸けておき、リュックサックに保冷水筒に入れた牛乳と卵を用意する。

いくつかの材料も刻んでビニール袋に入れ、準備をしておく。

ガスボンベの容量を確認し、その他必要な物をリュックサックに詰めて準備完了だ。

 

「冴香ー、昼飯は冷蔵庫に入れてあるからな。夕方には帰るぞー」

「はーい」

 

土曜の朝から缶ビールを開けて、前日録画しておいたテレビ番組を見ている押切に声をかけてから、家を出る。

10年間愛用のD・ホイールに跨り、向かう先はとある山の中。

 

「流石に冷えるな……」

 

冬に差し掛かった季節の風が、骨身に染みる。

それでも、速度は緩めずひたすら向かう。

 

負けた翌日の日中。

東雲は日帰りでソロキャンプに必ず行く。

 

 

 

 

「さて、と」

 

D・ホイールを山の中に進め、途中にある駐輪場に停める。

ここから先は、15分ほど徒歩で行く必要がある。

子供のころから何度も来た、慣れ親しんだ道を迷うことなく歩く。

そうして辿り着く、山の中にある小さな沢。

そこがいつもの場所だ。

 

「お?」

 

到着してから気が付くが、見れば先客がいる。

地元の子供たちだろうか、2人程釣り竿を手に、沢に糸を垂らしている。

とはいえ、東雲からすれば関係のない子供たち。

気にせずに設営場所を確保し、キャンプの準備を進める。

 

東雲の土曜日のソロキャンプは、テントの設営はしない。

前日食べられなかった食べたい物を食べる。

これはそのためだけのソロキャンプだからだ。

なので必要なのは、ガスコンロやまな板等を安全に置けるスペースと、自分がゆったり休めるスペース。

リュックサックから椅子を取り出し、浅く腰掛ける。

焚火をするつもりはなかったが、ここ数日晴れた日が続いていたためか、ここに来る最中に見かけた薪にできそうな小枝等は乾いていた。

そしてここに来るまでに、体は風で冷えてしまっている。

 

「……やるか」

 

リュックサックから小型の焚火台を取り出し、適度に小石を地面から取り除いて整地してから設置する。

ささっと山から小枝を拾って来て折り、経験に従って少量を焚火台の上へ並べる。

ライターでティッシュに火を点けてから焚火台に入れ、後はじっくりと火を育てていく。

 

「あったけぇ……」

 

このままこの火で、持って来た牛乳を温めたくなるが、それをすると本来の目的が果たせなくなるのでやめておく。

しばらく火を見詰め、暖まりながら過ごすこと数分。

子供たちが何か釣れたのだろうか、はしゃぐ声をきっかけに動き出す。

 

「よし、作るか」

 

焚火の火では調理は難しいため、ガスコンロを使う。

朝に刻んで準備しておいたベーコンをフライパンで炒め、その間に卵とチーズに牛乳をビニール袋の中で混ぜておく。

ベーコンが炒まったところで火を弱火にし、水に数時間浸けておいたパスタと先程の卵液をフライパンへ投入する。

水分がある程度飛ぶまでパスタとソースを絡めたら、最後に黒コショウを振りかけて完成だ。

 

「……よーしよしよし、いただきます」

 

1人だという事に加え、洗い場のない山の中の沢。

持って帰る洗い物を減らすためにも、フライパンのまま箸で食べる。

 

「……ん、美味い」

 

茹でるのではなく、水に浸けて戻したパスタは生パスタの様にモチモチとしている。

そこに絡むカルボナーラのソースが、簡単に作った割には美味い。

今日はD・ホイールで来たため酒はなしだが、代わりにノンアルコールビールを持ってきている。

それを開けて喉を鳴らして飲むが、口の中のもったりとしたソースが洗い流され、これがまた美味い。

 

そうして黙々と食べていると、ふと気が付いた。

 

「「……………………」」

 

見ている。

先程まで釣りをしていたはずの子供たちが、結構な近距離でこちらを見ている。

一体何事か、と考え、そこで目線の先に気が付いた。

 

東雲の手の中の、カルボナーラだ。

 

「……やらんぞ」

「えー!」

「おじさんのケチー!」

「お兄さんな。俺はまだ26歳だガキ共」

 

見たところまだ小学校高学年の仲良し男女といったところか。

そんな子供たちにおじさんと呼ばれるほど歳を取ったとは思っていない東雲だが、言われたら言われたで少し気にはなる。

とりあえず、騒ぐ子供たちを放置して、そのままカルボナーラを食べきってしまう。

そもそも一人分しか作ってないのだ。。

例え子供だろうと、人にあげる分はない。

 

「あー!食べちゃったー!!」

「おじさんひどいぜ!!」

「見ず知らずのお兄さん(・・・・)にたかるなガキ共。お前らみたいなのが近所の柿の木から勝手に実を採って怒られるんだ」

「「………………」」

「おい、何で黙る?え?まさかマジでやったのお前ら?」

 

自分の祖父世代ばりのわんぱくぶりな子供たちに、流石にちょっと引く東雲。

とはいえよくよく思い返せば、自分は彼ら以上の悪ガキだった記憶もある。

ちょっと叱りづらい面もあるので、ため息を吐きつつ子供相手だ仕方ない。とデッキとデュエルディスクを取り出す。

 

「まあ、それはいいか?おい、お前ら腹減ってるか?」

「うん!もうペコペコ!」

「だからおじ……お兄さんのスパゲッティ食べたかったんだよ」

「じゃあ、俺とデュエルして勝ったら、さっきのは無理だけど良いもん食わせてやるよ」

「やった!」

「必ず勝ってやるぜ!」

 

東雲の言葉に、子供たちも並んでデュエルディスクを構える。

バトルロイヤルルールでのデュエルが始まる――――

 

「おい、順番に1人ずつにしろ。俺も流石に2対1はキツい。どっちか1人でも勝ったら、それで食わせてやるから」

「「はーい」」

 

――――事はなかった。

当たり前の話だが、ルールがややこしくなる上に2対1ではまともにデュエルができない。

 

「そうだ。デュエルする相手の名前知らないのも格好が付かねえな。俺は『東雲 圭史』だ。お前たちは?」

 

東雲の問いかけに、寒い中でも短パンの少年が名乗りを始める。

 

「オレは『五反田(ごたんだ) 倫太(りんた)』だぜ!こっちはカッちゃんだ!」

「痛ッ!?痛いよリンちゃん!」

 

五反田がカッちゃんと呼ぶ少女の背中をバシバシ叩きながら、彼女を紹介する。

それに軽く涙目になりながらも、彼女は自分で自己紹介するために口を開く。

 

「ボクは『森山(もりやま) 勝蔵(かつぞう)』です!よろしくお願いします!」

「おー、よろし……く……?」

 

東雲の、脳が、停止した。

なんとか脳の再起動をかけたところで、現状を認識する。

相手はポニーテールに、華奢な体が見たところ特徴。見た目は完全に、ボーイッシュな小学生女子。

だが、それでも。

 

「勝蔵!?」

 

「え、あ、はい。勝蔵です」

 

勝蔵(男子)勝蔵(男子)なのだった。

 

「なんだよ、おじ……お兄さん。カッちゃんは勝蔵に決まってるだろー。良いから早くやろうぜ!オレからいくぞ!」

「お、おう……うん?うん」

 

何か納得しきれないものを感じながらも、デュエルディスクを構える二人。

 

「「デュエル!!」」

 

先行を知らせるデュエルディスクのターンランプは、五反田に灯される。

 

 

五反田 倫太

ライフポイント:8000

手札:5枚

フィールド:なし

 

東雲 圭史

ライフポイント:8000

手札:5枚

フィールド:なし

 

 

「よーし!オレの先行だな!まずは永続魔法の《前線基地》を発動するぜ!」

「《前線基地》ってことは、ユニオンデッキか」

「おう!《前線基地》の効果を発動!1ターンに1度、手札からレベル4以下のユニオンモンスターを特殊召喚する!《Z-メタル・キャタピラー》だ!」

 

まず現れたのは、黄色いボディの未来的な戦車。

その名称そのままのキャタピラが、唸りを上げて戦意を見せる。

 

Z-メタル・キャタピラー

レベル4 光属性 機械族

攻撃力:1500

 

「続いて《X-ヘッド・キャノン》を通常召喚するぜ!」

 

《Z-メタル・キャタピラー》の隣に現れるのは、両肩にキャノン砲を備えた機械の砲撃手。

デュエルディスクでのデュエルであるため、その砲口はアバターではなく東雲本人に向けられている。

 

X-ヘッド・キャノン

レベル4 光属性 機械族

攻撃力:1800

 

「これでXとZが揃ったか……。融合はするのか?」

「ちょっと悩みどころだなー。まあ、やっておくか!《X-ヘッド・キャノン》と《Z-メタル・キャタピラー》を除外して、合体融合だ!《XZ-キャタピラー・キャノン》!進撃だー!!」

 

そして《Z-メタル・キャタピラー》の上面の結合ユニットに、《X-ヘッド・キャノン》の下半身部分の結合ユニットが合わさり、合体を遂げる。

キャノン砲の攻撃力と、キャタピラの機動力を得たその姿は、ただ合体するだけではなく新たな能力も与える。

 

XZ-キャタピラー・キャノン

レベル6 光属性 機械族

攻撃力:2400

 

「こいつには手札を1枚捨てることで、そっちのフィールドのセットされてる魔法・罠カードを破壊する効果があるんだけど、今は先行1ターン目だから使えないなー。オレは残った手札2枚をセットして、ターンエンドだぜ!」

 

 

五反田 倫太

ライフポイント:8000

手札:0枚

フィールド:XZ-キャタピラー・キャノン、前線基地、伏せカード2枚

 

東雲 圭史

ライフポイント:8000

手札:5枚

フィールド:なし

 

 

「じゃあ、俺のターンだな。ドロー!……ふむ、よし。まずは《高等儀式術》を発動する!デッキから通常モンスターを生贄にして、儀式召喚を行うぞ!デッキのレベル1の通常モンスター《プロトロン》1体を生贄に、来い!《サクリファイス》!」

 

東雲のフィールドで先陣を切るのは、以前にも使った単眼の魔法使い。

どう見ても悪魔族だし、効果も悪魔的なのだが、魔法使い族なのだ。

 

サクリファイス

レベル1 闇属性 魔法使い族

攻撃力:0

 

「げ!?《サクリファイス》って、あの強奪カードだろ!?」

「大正解だ。《サクリファイス》の効果を発動!お前のカードをこのカードに装備させ、その攻撃力と守備力分ステータスをアップさせる!」

「ま、待って待って!速攻魔法発動!《無許可の再奇動(メイルファクターズ・コマンド)》!オレの機械族モンスターに、手札かデッキから装備可能なユニオンモンスター1体を装備させる!このカードの効果で、デッキから《XZ-キャタピラー・キャノン》に《A-アサルト・コア》を装備!」

 

《XZ-キャタピラー・キャノン》に突如《A-アサルト・コア》が装備されると、バリアが発生して《サクリファイス》の吸収効果を阻む。

 

「お?《サクリファイス》の効果が無効になった……?いや、違うか。妨害された感じだな。ユニオンカードは詳しくないから、いまいちピンと来ないな」

「《A-アサルト・コア》が装備されたモンスターは、相手モンスターの効果を受けなくなるんだぜ!」

「ああ、だからか。となると、参ったな……そうなると、だ。《異次元トレーナー》を通常召喚しようか」

 

フィールドに現れる、凶悪なモンスター……の上で指示を飛ばす眼帯をつけたおっさんのゴブリン。

昭和のボクシングマンガでコーチをしていそうな彼だが、その正体は……その内出るかもしれない。

 

異次元トレーナー

レベル1 闇属性 悪魔族

攻撃力:100

 

「《異次元トレーナー》を素材にリンク召喚だ!召喚条件は通常モンスター1体!現れろ!《リンクスパイダー》!」

 

《異次元トレーナー》を素材にして召喚されるのは、おっさん感などどこにもない、サイバー感溢れる蜘蛛。

その効果は、仲間を呼ぶもの。

 

リンクスパイダー

リンク1 地属性 サイバース族

攻撃力:1000

 

「《リンクスパイダー》の効果を発動する!手札からレベル4以下の通常モンスターを、このカードのリンク先に特殊召喚する!2体目の《プロトロン》を特殊召喚!」

 

《リンクスパイダー》の呼び声に応えたのは、丸い形をしたサイバース族の原種。

彼こそがその身に秘めた未知数の情報量で、このデュエルを勝利に導く鍵となる。……かもしれない。

 

プロトロン

レベル1 地属性 サイバース族

守備力:100

 

「そのまま3体のモンスターでリンク召喚!召喚条件はリンクモンスターを含むモンスターが2体以上!現れろ!《天威の鬼神》!!」

 

そして3体のモンスターを素材に現れる、堕ちた武術家。

その鬼の顔貌が、《XZ-キャタピラー・キャノン》を睨み付ける。

 

天威の鬼神

リンク3 闇属性 幻竜族

攻撃力:3000

 

「げ!?攻撃力3000!?」

「効果で対処できないなら、シンプルに殴らせてもらおうか。バトルフェイズ!《天威の鬼神》で《XZ-キャタピラー・キャノン》を攻撃だ!」

「……ッ!通るぜ!」

 

五反田 倫太

ライフポイント:8000→7400

 

「このターンはこのままエンドする。お前のターンだぜ」

 

 

五反田 倫太

ライフポイント:7400

手札:0枚

フィールド:前線基地、伏せカード1枚

 

東雲 圭史

ライフポイント:8000

手札:2枚

フィールド:天威の鬼神

 

 

「オレのターン、ドロー!よっしゃ来たぁ!《テラ・フォーミング》を発動!デッキからフィールド魔法、《ユニオン格納庫》を手札に加えて、そのまま発動するぜ!そして《ユニオン格納庫》の発動時の効果!デッキから光属性機械族のユニオンモンスターを1体手札に加える!《B-バスター・ドレイク》を手札に!」

「ここでそれを引いて来たかー……」

「《B-バスター・ドレイク》を《前線基地》の効果で特殊召喚する!」

 

飛行機の様な、緑色の機械の龍が翼を翻し、フィールドへと躍り出る。

 

B-バスター・ドレイク

レベル4 光属性 機械族

守備力:1800

 

「光属性機械族のユニオンモンスターが特殊召喚された事で、《ユニオン格納庫》の効果が発動されるぜ!デッキから装備可能な光属性機械族のユニオンモンスター1体を装備させる!《C-クラッシュ・ワイバーン》を《B-バスター・ドレイク》に装備!」

「さっきの合体融合思い出すと、嫌な予感しかしないな」

「当たりだ!フィールドの《B-バスター・ドレイク》と《C-クラッシュ・ワイバーン》!それから墓地の《A-アサルト・コア》をゲームから除外して、合体融合!《ABC-ドラゴン・バスター》進撃だ!!」

「{ゴオォォォッッ!!!}」

 

3体の機械のモンスターたちが合体し、新たな姿を形作る。

双頭の機械龍となり、その胴体にはあらゆる物を破壊するキャノン砲が装備されている。

その姿はまさに、機械で作られた荒ぶる破壊龍。

 

ABC-ドラゴン・バスター

レベル8 光属性 機械族

攻撃力:3000

 

「更に!残ってたリバースカードを発動!《スクランブル・ユニオン》!除外されている光属性機械族の通常モンスターかユニオンモンスターを、3体まで特殊召喚できる!《X-ヘッド・キャノン》と《Z-メタル・キャタピラー》、それから《A-アサルト・コア》を特殊召喚!」

 

X-ヘッド・キャノン

レベル4 光属性 機械族

攻撃力:1800

 

Z-メタル・キャタピラー

レベル4 光属性 機械族

攻撃力:1500

 

A-アサルト・コア

レベル4 光属性 機械族

攻撃力:1900

 

「《X-ヘッド・キャノン》と《Z-メタル・キャタピラー》でオーバーレイネットワークを構築!召喚条件はレベル4の機械族モンスター2体!《ギアギガント(クロス)》、進撃だ!」

「機械族の定番来たな」

 

除外から再びフィールドへと呼び出された、《X-ヘッド・キャノン》と《Z-メタル・キャタピラー》たち。

今度は《XZ-キャタピラー・キャノン》に合体させるのではなく、歯車を背負った新たな機械の戦士を呼び出す素材となる。

 

ギアギガント(クロス)

ランク4 地属性 機械族

攻撃力:2300

 

「《ギアギガント(クロス)》の効果を発動!エクシーズ素材を1つ取り除いて、デッキか墓地からレベル4以下の機械族モンスターを手札に加える!オレはデッキから《Y-ドラゴン・ヘッド》を手札に加えるぜ!これで弾ができた!」

「嫌な予感しかしないな、おい」

「当たりだぜ!《ABC-ドラゴン・バスター》の効果を発動!手札を1枚捨てて、フィールドのカードを1枚除外するぜ!《天威の鬼神》を除外!」

「{ゴオォォォッッ!!!}」

「{グァァァアッッ!!?}」

 

手札をエネルギーに変えてビーム兵器にして放つ、極めて強力な破壊の一撃が《天威の鬼神》の胴体を穿ち致命傷を与えて行く。

そして五反田の攻撃は、これで止まらない。

 

「クッ!?こいつはマズイな……!」

「バトルフェイズ!全軍総攻撃だ!」

「ウオォォッ!!?」

 

東雲 圭史

ライフポイント:8000→6100→3800→800

 

「一気に0にはできなかったけど、だいぶ減らせたぜ!最後に《A-アサルト・コア》を《ABC-ドラゴン・バスター》に装備させる!これでターンエンドだ!」

 

《A-アサルト・コア》が《ABC-ドラゴン・バスター》に装備されるが、そもそも《ABC-ドラゴン・バスター》は《B-バスター・ドレイク》と《C-クラッシュ・ワイバーン》が《A-アサルト・コア》と合体しているモンスター。

2体目の《A-アサルト・コア》がどこに装備されるのかというと、パーツ毎にバラバラに分割されて《ABC-ドラゴン・バスター》の各所に装甲として配置されていく。

些か強引過ぎる気もしないでもない、そんな装備方法だった。

 

 

五反田 倫太

ライフポイント:7400

手札:0枚

フィールド:ABC-ドラゴン・バスター、ギアギガント(クロス)、A-アサルト・コア(ABC-ドラゴン・バスターに装備中)、前線基地、ユニオン格納庫

 

東雲 圭史

ライフポイント:800

手札:2枚

フィールド:なし

 

 

「俺の……ターン!ドロー!……お、よしよし!《儀式の準備》を発動!デッキからレベル7以下の儀式モンスターを手札に加えて、その後墓地から儀式魔法を手札に加える!デッキから《ライカン・スロープ》を手札に加えて、墓地からは《高等儀式術》を手札に!そしてそのまま《高等儀式術》を発動!デッキからレベル1の通常モンスターである、《ガード・オブ・フレムベル》1体と《異次元トレーナー》2体、《バニーラ》3体を生贄に捧げて儀式召喚!現れろ!《ライカン・スロープ》!!」

「{アオオォォォンンッッ!!}」

 

6体の生贄が捧げられ、人造の魔狼がフィールドに現れ、高らかに遠吠えを上げる。

日毎ミニチュアサイズでの登場が多いからか、随分と解放的な様子を見せている。

 

ライカン・スロープ

レベル6 地属性 獣戦士族

攻撃力:2400

 

「なんだよ、攻撃力2400か。それでオレの《ギアギガント(クロス)》を攻撃するのか?」

「実はこの世には、レベル6以下の儀式モンスター専用の装備魔法がある。《リチュアル・ウェポン》を《ライカン・スロープ》に装備!攻撃力と守備力を、1500アップさせる!」

「1500アップぅ!?」

 

《ライカン・スロープ》の全身に、選ばれし者(レベル6以下の儀式モンスター)しか装備できない鎧と剣が装備されていく。

この鎧と剣はまさしく強力であり、装備できるならば戦士族のハンバーガーですら《青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)》などの最上級モンスターを倒す事ができる様になるのだ。

 

ライカン・スロープ

レベル6 地属性 獣戦士族

攻撃力:2400→3900

 

「おっと、まだ終わらないぞ?最後の手札、《龍の鏡(ドラゴンズ・ミラー)》を発動!自分のフィールドか墓地からカードを除外して、ドラゴン族モンスターを融合召喚する!こいつ(・・・)の融合素材は、通常モンスターを2体!墓地から《プロトロン》2体をゲームから除外し、現れろ!《始祖竜ワイアーム》!!」

 

墓地から可能性を秘めた情報体たちが素材となり、上空から強力なドラゴンが現れる。

 

始祖竜ワイアーム

レベル9 闇属性 ドラゴン族

攻撃力:2700

 

「バトルだ!《始祖竜ワイアーム》で、《ギアギガント(クロス)》を攻撃!」

「うわぁ!?」

 

《始祖竜ワイアーム》がその(アギト)を開き強襲をかけると、回避や迎撃もできずに成す術なく破壊されてしまう、《ギアギガント(クロス)》。

これが【ギアギア】デッキならばこれでまた効果が発動するが、今回はそれはない。

 

五反田 倫太

ライフポイント:7400→7000

 

「追撃だ!《ライカン・スロープ》で《ABC-ドラゴン・バスター》を攻撃!!」

「うわわ!?」

 

《リチュアル・ウェポン》を装備した《ライカン・スロープ》が《ABC-ドラゴン・バスター》に襲いかかり、手にした剣で一刀両断する……かと思いきや、装甲となっていた《A-アサルト・コア》に防がれ、その装甲を破壊するに留まる。

僅かな間ショートの火花が散ると、そのまま《A-アサルト・コア》は爆散してその余波が五反田を襲った。

だが、それで《ライカン・スロープ》の攻撃は終わらない。

 

五反田 倫太

ライフポイント:7000→6100

 

「チッ、ユニオンモンスターの特性か。だが、《ライカン・スロープ》が相手に戦闘ダメージを与えた事で、効果発動!俺の墓地の通常モンスターの数×200ポイントのダメージを与える!墓地の通常モンスターは7体だから、1400ポイントのダメージだ!『シャドウ・ダンス』!」

「ま、まだまだぁ!!」

 

《ライカン・スロープ》の影が動くと、影の爪や牙が実体化して五反田を襲い、追撃のダメージを与える。

 

五反田 倫太

ライフポイント:6100→4700

 

「ダメージは喰らったけど、《A-アサルト・コア》がフィールドから墓地へ送られた場合の効果が発動!このカード以外の墓地のユニオンモンスターを1体手札へ戻す!オレは《Z-メタル・キャタピラー》を手札へ加えるぜ!」

「なら、もうできることもないし、これでターンエンドだ」

 

 

五反田 倫太

ライフポイント:4700

手札:1枚(Z-メタル・キャタピラー)

フィールド:前線基地、ユニオン格納庫

 

東雲 圭史

ライフポイント:800

手札:0枚

フィールド:ライカン・スロープ、始祖竜ワイアーム、リチュアル・ウェポン(ライカン・スロープに装備中)

 

 

「オレのターン、ドロー!……うーん、ここで来ちゃったかぁ。仕方ない、《前線基地》の効果を発動して、手札の《Z-メタル・キャタピラー》を特殊召喚するぜ」

 

Z-メタル・キャタピラー

レベル4 光属性 機械族

攻撃力:1500

 

「そうしたら、光属性で機械族のユニオンモンスターが特殊召喚された事で、《ユニオン格納庫》の効果を発動!装備可能で名前の違う光属性・機械族のユニオンモンスターをデッキから装備させるぜ!オレは《A-アサルト・コア》を装備させる!」

「またそいつか。確かにモンスター効果を受けなくさせる効果は厄介だけど、もう少し労わってやれよ。ウチの会社みたいに見えるぞ」

「デュエルで何の話してるんだ!?」

「……気にするな。ちょっと週明けが辛くなっただけだから」

「「……大人って…………」」

 

いつの時代も、ちょっと悲しいのが大人の世界。

それを垣間見た子供たちだが、五反田はデュエル中であるため、それを振り払い気を入れなおす。

 

「よ、よし!オレはまだ続けるぞ!《ABC-ドラゴン・バスター》の効果を発動!手札を1枚捨てて、フィールドのカードを1枚除外する!《ライカン・スロープ》を除外するぜ!」

 

手札の《大欲な壺》が墓地へと送られエネルギーへと変換される。そして放たれた《ABC-ドラゴン・バスター》の砲撃に飲まれ、フィールドから除外される《ライカン・スロープ》。

と、ここでデュエルを見守っていた森山が、ある事に気付いた。

 

「……あれ?リンちゃんリンちゃん。ボクちょっと気付いたんだけどさ。今の除外って、《ライカン・スロープ》じゃなくて装備してた《リチュアル・ウェポン》を除外して、残った《ライカン・スロープ》を攻撃すれば600ダメージになったんじゃない?そうすれば、《始祖竜ワイアーム》を攻撃するよりちょっとは大きなダメージになったよ?」

「…………あ」

「あ、本当だな。俺もよくやるぞ、そういうの」

 

うんうん。と、共感しながら頷く東雲を前に、固まっている五反田。

ついつい目の前の攻撃力が高いモンスターを排除してしまいたくなり、全体が見えなくなる現象。

デュエル中には割とよく見られる光景である。

 

「く、クッソー!いいや!バトルだ!《ABC-ドラゴン・バスター》で《始祖竜ワイアーム》を攻撃!」

「ダメージは受けるが、《始祖竜ワイアーム》は効果モンスターとの戦闘では破壊されないぜ」

 

東雲 圭史

ライフポイント:800→500

 

「《Z-メタル・キャタピラー》だと攻撃したら、逆にダメージ受けちまうしな……。ここはメインフェイズ2に入って……」

 

ここでふと、五反田の手が止まる。

墓地にある、《スクランブル・ユニオン》。このカードは墓地から除外することで、除外されている光属性・機械族の通常モンスターかユニオンモンスターを1体手札に加える効果がある。

召喚権は残っているとはいえ、ここで使うべきだろうか。

今除外されているカードは《B-バスター・ドレイク》と《C-クラッシュ・ワイバーン》の2枚。

先程使えなかったため、手札コストとして活用した《大欲な壺》や《スクランブル・ユニオン》の様に、3枚除外されている必要があるカードがこのデッキには多めに入っている。

となれば、ここは使わずに温存しておくという選択肢もある。

幸い、ライフポイントは五反田が上回っているのだ。

 

「……よし、このままターンエンドするぜ!」

 

 

五反田 倫太

ライフポイント:4700

手札:0枚

フィールド:ABC-ドラゴン・バスター、Z-メタル・キャタピラー、A-アサルト・コア(Z-メタル・キャタピラーに装備中)、前線基地、ユニオン格納庫

 

東雲 圭史

ライフポイント:500

手札:0枚

フィールド:始祖竜ワイアーム

 

 

「さて、状況はクッソ悪いが、とにかくドローするか。ドロー!……引きは悪くないな。今引いた《儀式の下準備》を発動!デッキから儀式魔法を1枚と、それに名前が書かれた儀式モンスターをデッキか墓地から手札に加える!《イリュージョンの儀式》と、それに名前が書かれている《サクリファイス》を手札に加えるぜ!そしてそのまま《イリュージョンの儀式》を発動!レベル1以上になるように生贄を捧げ、《サクリファイス》を儀式召喚する!《始祖竜ワイアーム》を生贄に、現れろ《サクリファイス》!!」

 

サクリファイス

レベル1 闇属性 魔法使い族

攻撃力:0

 

このデュエルで、2度目となる《サクリファイス》の登場。

だが、決定的に前回の登場と異なる点が、一つある。

 

「こいつの効果を止める手は、今はないよな?《サクリファイス》の効果を発動!《ABC-ドラゴン・バスター》をこいつに装備させて、攻撃力と守備力をアップ!」

「止められ……ない……ッ!」

 

今度は阻むバリアはなく、《ABC-ドラゴン・バスター》を吸収する《サクリファイス》。

その姿はどこか満足気な様子を見せている。

 

サクリファイス

レベル1 闇属性 魔法使い族

攻撃力:0→3000

 

「そしてバトルだ!《サクリファイス》で《Z-メタル・キャタピラー》を攻撃!……っと、行きたいけど、それをするとまた《A-アサルト・コア》の効果が発動されるのか。悩みどころだな」

「………………」

 

五反田の墓地にいるユニオンモンスターは、もう1体の《A-アサルト・コア》と《Y-ドラゴン・ヘッド》の2体。

《A-アサルト・コア》は、同名モンスターを手札に加える事への制限はない。

となれば、ここで《Z-メタル・キャタピラー》を攻撃したところで《A-アサルト・コア》の効果を発動されれば、結局次のターンで厄介な事には変わりない。

 

「仕方ねえな。ここはターンエンドだ」

 

 

五反田 倫太

ライフポイント:4700

手札:0枚

フィールド:Z-メタル・キャタピラー、A-アサルト・コア(Z-メタル・キャタピラーに装備中)、前線基地、ユニオン格納庫

 

東雲 圭史

ライフポイント:500

手札:0枚

フィールド:サクリファイス、ABC-ドラゴン・バスター(サクリファイスに装備中)

 

 

「俺のターン、ドロー!……うぐぐ、《Z-メタル・キャタピラー》に装備している、《A-アサルト・コア》の効果を発動!こいつを装備から解除して、特殊召喚する!《ユニオン格納庫》の効果はまだ使わない!」

 

A-アサルト・コア

レベル4 光属性 機械族

攻撃力:1900

 

「ここで墓地の《スクランブル・ユニオン》の効果を発動!このカードを墓地から除外して、除外されている光属性・機械族のユニオンモンスター1体を手札に加える!《C-クラッシュ・ワイバーン》を手札に加える!そして《前線基地》の効果を発動!《C-クラッシュ・ワイバーン》を守備表示で特殊召喚!」

 

C-クラッシュ・ワイバーン

レベル4 光属性 機械族

守備力:2000

 

「この特殊召喚で《ユニオン格納庫》の効果を発動!デッキから《A-アサルト・コア》を《C-クラッシュ・ワイバーン》に装備!」

「もうそいつ制限カードにしろ!」

 

3体目の《A-アサルト・コア》の登場に、流石にちょっと声を荒げる東雲。

ちなみに、制限カードにはその合体融合体の《ABC-ドラゴン・バスター》がなっている。

 

「《Z-メタル・キャタピラー》と《A-アサルト・コア》でオーバーレイネットワークを構築!ランク4!《ギアギガント(クロス)》もう一回進撃だ!」

 

攻撃力3000の《サクリファイス》を警戒してか、守備表示で召喚される《ギアギガント(クロス)》は、その頑丈そうな両手を交差させて防御体勢を整える。

 

ギアギガント(クロス)

ランク4 地属性 機械族

守備力:1500

 

「《ギアギガント(クロス)》の効果を発動!エクシーズ素材の《A-アサルト・コア》を取り除いて、デッキから《B-バスター・ドレイク》を手札に加える!最後にカードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

五反田 倫太

ライフポイント:4700

手札:1枚(B-バスター・ドレイク)

フィールド:ギアギガント(クロス)、C-クラッシュ・ワイバーン、A-アサルト・コア(C-クラッシュ・ワイバーンに装備中)、前線基地、ユニオン格納庫、伏せカード1枚

 

東雲 圭史

ライフポイント:500

手札:0枚

フィールド:サクリファイス、ABC-ドラゴン・バスター(サクリファイスに装備中)

 

 

「それじゃあ、俺のターン。ドロー!……なるほど、ここでこいつが来たか。魔法カード《トライワイトゾーン》を発動!墓地からレベル2以下の通常モンスター3体を蘇生させる!選ぶのは《異次元トレーナー》が2体と、《ガード・オブ・フレムベル》が1体だ!戻ってこい!」

 

墓地から蘇る、3体のモンスター。

その内2体は先程も見たボクシングジム経営していそうなゴブリンだが、他の1体は炎を身に纏う龍。

熱い炎で守る龍が、これからの動きを支えるキーカードとなる。

 

異次元トレーナー

レベル1 闇属性 悪魔族

守備力:2000

 

ガード・オブ・フレムベル

レベル1 炎属性 ドラゴン族

守備力:2000

 

「まずは《ガード・オブ・フレムベル》と《異次元トレーナー》でリンク召喚!召喚条件はチューナーを含むモンスターが2体!リンク召喚!《水晶機巧(クリストロン)-ハリファイバー》!」

 

2体のモンスターを素材に現れたのは、水晶なら装甲を持つ機械の戦士。

その効果は、次の仲間を呼び寄せる。

 

水晶機巧(クリストロン)-ハリファイバー

リンク2 水属性 機械族

攻撃力:1500

 

「《水晶機巧(クリストロン)-ハリファイバー》の効果を発動!このカードのリンク召喚に成功時、手札かデッキからレベル3以下のチューナーモンスターを1体特殊召喚する!来い!《ガード・オブ・フレムベル》!」

 

ガード・オブ・フレムベル

レベル1 炎属性 ドラゴン族

守備力:2000

 

「《ガード・オブ・フレムベル》を素材にリンク召喚!召喚条件はレベル1のモンスター1体!現れろ!《リンクリボー》!」

 

《ガード・オブ・フレムベル》がその炎を燃やし尽くして姿を変えると、そこには《リンクリボー》が現れた。

 

リンクリボー

リンク1 闇属性 サイバース族

攻撃力:300

 

「さあ、征くぞ!《水晶機巧(クリストロン)-ハリファイバー》と《リンクリボー》を素材にリンク召喚!召喚条件は効果モンスターが2体以上!現れろ、リンク3!《トポロジック・トゥリスバエナ》!!」

「{ガアァァァァアッッ!!!}」

 

続々と現れるモンスターたちから、まさにリンクする様に召喚された、電子世界の龍。

敵である五反田を見据えて咆哮を轟かせると、大気が震えて音が割れる。

 

トポロジック・トゥリスバエナ

リンク3 闇属性 サイバース族

攻撃力:2500

 

「最後に残っていた《異次元トレーナー》でリンク召喚!召喚条件はトークン以外のレベル1のモンスターが1体!リンク1!《サクリファイス・アニマ》!!こいつを《トポロジック・トゥリスバエナ》の左下に召喚する!」

 

《異次元トレーナー》を素材にして現れたモンスターは、新たなサクリファイスという名を冠するモンスター。

彼も例に漏れず他のモンスターを吸収する効果を持っているが、今はそのために召喚されたわけではない。

 

サクリファイス・アニマ

リンク1 闇属性 魔法使い族

攻撃力:0

 

「《トポロジック・トゥリスバエナ》のリンク先にモンスターが特殊召喚された時、効果が発動される!今特殊召喚されたモンスターと、フィールドの魔法・罠カードを全て除外する!」

「は!?除外!?」

「そして除外されたお前のカードの数×500ポイントのダメージを与える!」

「バーン効果もあるのかよ!?」

 

《トポロジック・トゥリスバエナ》の効果により、焼き払われるフィールド。

そして除外される魔法・罠カードには、装備されているモンスターたちも含まれる。

 

「今は俺のフィールドにいるが、《ABC-ドラゴン・バスター》もお前のカードだ!合計で5枚のお前のカードが除外され、2500ポイントのダメージを受けてもらう!」

「うわぁぁぁ!?」

 

五反田 倫太

ライフポイント:4700→2200

 

サクリファイス

レベル1 闇属性 魔法使い族

攻撃力:3000→0

 

「そして《サクリファイス》から装備しているモンスターが失われた事で、再び吸収効果を使える!厄介なユニオンモンスターを奪わせてもらおうか!《C-クラッシュ・ワイバーン》を装備!」

 

サクリファイス

レベル1 闇属性 魔法使い族

攻撃力:0→1200

 

「まあ、ライフポイントにも心許ないし、《サクリファイス》は守備表示にする」

 

サクリファイス

レベル1 闇属性 魔法使い族

守備力:0→2000

 

「どうせだから聞くが、さっきの伏せカードは何だったんだ?」

「《スクランブル・ユニオン》だったんだけど、除外されてるユニオンモンスターたちが足りなくて……」

「あー……。じゃあ、攻撃するか。《トポロジック・トゥリスバエナ》で《ギアギガント(クロス)》を攻撃!」

 

《トポロジック・トゥリスバエナ》の放つ攻撃により、爆散していく《ギアギガント(クロス)》。

これで五反田のフィールドはガラ空きだが、東雲はこのターンはもうこれ以上の攻撃はできない。

 

「ライフポイントは削り切れないな。ターンエンドだ」

 

 

五反田 倫太

ライフポイント:2200

手札:1枚(B-バスター・ドレイク)

フィールド:なし

 

東雲 圭史

ライフポイント:500

手札:0枚

フィールド:トポロジック・トゥリスバエナ、サクリファイス、C-クラッシュ・ワイバーン(サクリファイスに装備中)

 

 

「……お、オレのターン!ドロー!!」

 

ライフポイントの上では勝っているが、フィールドを見れば追い詰められているのは自分。

巻き返すために、気合を入れてドローをする五反田だが、果たして……。

 

「……モンスターを1体と、トラップカードを1枚セットして、ターンエンドするぜ……!」

「露骨過ぎるだろお前」

「リンちゃん!ちょっと情け無いよ!!」

「やめろぉ!!」

 

結果はあまり良くなかったらしい。

普通ならはリバースカードと宣言するところを、わざわざトラップカードと言い、しかも声が若干震えて目が泳いでいる五反田。

ブラフにしても酷過ぎる。

 

 

五反田 倫太

ライフポイント:2200

手札:0枚

フィールド:セットモンスター1体、伏せカード1枚

 

東雲 圭史

ライフポイント:500

手札:0

フィールド:トポロジック・トゥリスバエナ、サクリファイス、C-クラッシュ・ワイバーン(サクリファイスに装備中)

 

 

「俺のターン、ドロー。……あー、そうだな。とりあえず、今引いた《リチュアル・ウェポン》を《サクリファイス》に装備させて、攻撃表示に変更する」

「お、おう」

 

《サクリファイス》の異形の姿に合わせた状態で装備される、鎧と剣たち。

それに合わせ、守勢から攻勢へと体勢を変えると、その単眼がセットモンスター越しに五反田を見据える。

 

サクリファイス

レベル1 闇属性 魔法使い族

攻撃力:1200→2700

 

「そしてバトルフェイズだ!まずは《トポロジック・トゥリスバエナ》でセットモンスター……どうせ《B-バスター・ドレイク》だろうが、そいつを攻撃!」

「と、トラップカードはまだ使わない!《B-バスター・ドレイク》がフィールドから墓地へ行った時、効果が発動!デッキからユニオンモンスター1体を手札に加える!えーと……《W-ウィング・カタパルト》を手札に!」

 

破壊され爆散した《B-バスター・ドレイク》だが、その翼が最後にデッキから仲間を手札へと運ぶ。

……とはいえ、もうその仲間が活躍するタイミングは失われたが。

 

「トドメだ!《サクリファイス》で――――

「待って!トラップ!トラップあるぜ!あるんだって!」

――――ダイレクトアタック!」

「アアアアァァァァァァッッッ!!!??」

 

五反田 倫太

ライフポイント:2200→0

 

最後に五反田のフィールドに伏せられていたカード、それは魔法カードの《融合識別(フュージョン・タグ)》。

罠カード?そんなものはなかった。

来て欲しくない時に程、来て欲しくないカードが来るのもまた、デュエルである。

 

 

 




「今回の最強カードは、《リチュアル・ウェポン》だな」
「オレのモンスターが倒されるキーカードになったけど、装備するだけで攻撃力と守備力が1500アップって強すぎない?」
「とは言え、逆に言うとそれだけでしかないし、何よりレベル6以下の儀式モンスター限定の装備魔法だから、正直使い勝手が良いとも言えない。まあ、俺の《ライカン・スロープ》みたいに戦闘破壊で効果を発動するカードや、古い儀式モンスターたちを使ったファンデッキには相性が良いな」
「古い儀式モンスターって、オレはよく知らないけどどんなのがいるの?」

「戦士族のハンバーガーとかかな……」
「おじ……お兄さんは何言ってるの?」



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