なんかVtuberやれってさ   作:バールクス官房長官

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文の量が一定に保てない…。
書けば書くほど量が多くなってしまう…。誰か助けて(他力本願)


第六話 ママとマネの昔話

「そういえば」

 

ずっと忘れていた疑問をぶつける。

 

「どうしました?」

「もう一人初めましているんですけど、その人って…?」

「あぁ、忘れてましたねそういえば」

「むぅっ」

 

忘れてた発言に頰を膨らませる初めましての人。怒ってるんだろうけど、可愛らしく癒しにしかならない。

 

「この人は飯塚奈々さん。和嶋リゼですね」

 

和嶋リゼは、ここに集まった皆と同じ同期。優しく癒されるような声に、おっとりした性格。何事も拒絶するのではなく、真正面から真摯に向き合う様から、「リゼママ」と呼ばれる。なんというかこう、母性みいのが凄く、綾瀬スズネこと詩音も度々甘えていた。

中でも一番の特徴は機械音痴な所で、操作を誤り配信終了、なんてことはよくある。機材を最も壊したのが彼女であり、破壊王の名を欲しいままにしている。そのため配信はスタジオ限定で、社員が見張ることになった。

この時見張っていた人物こそが当時マネージャーだった浅城さん。こうして配信に出た彼は人気になり、今に至るわけだ。

 

「あとね、一つとんでもない秘密があるんですよ」

「何です?」

「聞いて驚け〜?この人ね、イイヅカフーズのご令嬢なんです」

「えぇ⁉︎イイヅカって言ったら、あの大手のとこですか⁉︎」

「えぇそうです。最初ビビったなー。大量の黒服で」

「博臣さん、あんまり言っちゃ…」

「あ、そうだった。これ言いふらしちゃ駄目ですからね」

 

言えるかそんなの。言ったところで信じられないわ。

いやぁ、ここはすごい所だな。まさか大企業の娘さんまでいるとは。

 

「あの…どうしてこれやろうと?」

「私、もともとこういうの好きだったの。それと、お父さんたちに何でも貰ってばっかりだったから、自分でなにかをやってみたいなって」

 

なるほど。

 

「へぇ、そうだったんだ」

「博臣さんは前に聞いたでしょ!」

「にしても、二人はほんと仲良しだよね」

「いつも浅城くんにくっついてばかりよね」

「あと、浅城さんには物怖じしないんですね。配信二人でずっとやってたから?」

「それもあるけど、それだけじゃないのよ。懐いた理由」

「何があったんですか?」

「実はね…」

 

橋本さんが語り始める。

 

 

 

《ここから浅城視点》

今から4ヶ月前。飯塚奈々は、ストーカー被害に遭っていた。

「ストーカー?沢田ぁ、いくら暇だからってひどい嘘つくなよ」

「嘘で言えるわけないでしょこんなの」

「ごもっとも。で、誰?狙われてるの」

「飯塚さん」

「うっわ…一番やっちゃダメな奴よそれは。黒服にシメられて終わりやんか」

「そうでもないのよそれが。絶対来ないでって言ってるみたい。目立つことは嫌だって…」

「あぁ、人見知りね。じゃ、いつも一人ってわけか」

「そういう事。だから、家まで着いて行って欲しいの。一番気を許してるの、あんただから」

「俺が?男が側にいたら、余計キレるんじゃない?」

「大丈夫よ。どうしたって彼氏とかには見えないから」

「ひっでぇ」

 

事態を受け、社は見張り役だった俺を同伴させることにした。

 

「しっかし、どっから身バレしたんだか。怖いねぇ」

「上の話だと、特定班ってやつか…もしくは、内部か」

「…まさかな」

 

俺が送り迎えを担当してからは流石に警戒したのか、姿も実害も無かった。

それから5日後。

 

「…ごめんなさい。毎日、私のせいで…」

「いえ、あなたの安全が最優先ですから。さて、何の話します?橋本が学園祭でバジリスクタイム踊って足挫いたのとか?」

「なにそれ…ふふっ」

 

などと話していると、もう家のすぐそばまで来た。今日も異常は無いようだ。

 

…と、そう思っていた。

 

「お、おい、待て!」

 

誰かが呼び止める。そこには小太りの中年男がいた。

 

「…どうかしましたか?」

「どうしたもこうしたもあるか!毎日毎日、リゼちゃんに付き纏いやがって!」

「こっちはストーカーに悩まされてるからって送迎任されてんだよ。さてはおめーがストーカーだな?」

「ぼ、ぼぼ、僕はストーカーなんかじゃない!ファンだ!ただ近くで見守ってただけだ!」

「それがストーカーだつってんだよ。毎晩写真と怪文書送りやがって…どんだけ怖いか分かってんのか?」

「う、うるさいっ!ねぇリゼちゃん、分かってくれるよね?」

 

じわりじわりとこちらに近づいてくる。

 

「ひっ…‼︎」

 

すっかり怯えてしまい、俺の後ろに隠れてしまった。服を掴む手も、震えている。

 

「そろそろいい加減にしろやテメェ。推し泣かせて何がファンだこの野郎!恥知れやゴミカスが‼︎」

「黙れ黙れ黙れェッ‼︎」

 

そう叫ぶと、男はナイフを取り出し、こちらに向かって振り回してきた。

 

「ぐっ…!」

 

左目に当たり、激痛が走る。よろけて一瞬飯塚さんとの距離が離れた隙に、男が彼女に向かって進む。

 

「一緒に行こう、リゼちゃん!」

「い、嫌っ‼︎来ないで‼︎」

「いいから!来るんだ‼︎」

「嫌っ‼︎」

「このっ‼︎」

 

そう叫びながらナイフを構えて突進する。やべぇ、刺す気だ!

 

「はぁぁぁぁぁっ!」

「うっ…‼︎」

 

男は掛け声と共にナイフを刺した。刺さっていたのは…。

 

「浅城さん⁉︎」

 

俺だった。腹のあたりにがっつり刺さっている。

精一杯の虚勢を張り、あいつに向かって笑ってみせる。アドレナリンがドバドバ出てきて、痛みを感じなくなってきた。

 

「ひっ‼︎わ、笑ってる⁉︎な、な、なんだこいつ‼︎」

「おいどうしたよォ‼︎まだ目と腹ァかすっただけじゃねぇかァ…!ぶつくさほざいてねぇでかかってこいやァァァァァッ‼︎」

 

死ぬかもしれない状況にありながら、俺はこの状況を楽しんでいた。元々、こう言うのが大好きなんだ。ぶつかり合って、ケンカするの。

怯んで動きが止まった隙を狙い、顔をニ発殴り、膝飾りをお見舞いする。体勢を崩し倒れ込んだ男に馬乗りになり、取り押さえる。騒ぎを聞きつけ、男数人が居酒屋から出てきた。

 

「お、おい、血出てねぇか⁉︎」

「相手ナイフ持ってるぞ!」

「俺いいから…警察呼べェ…‼︎」

「あ、あぁ!警察!警察だ!」

「あと救急車‼︎」

 

数分後警察が到着し、男は連行された。意識はそこで途切れ、そこからは何も覚えていない。その後、救急車で俺も運ばれたらしく、目を覚ました時には、病室だった。それもかなり広い部屋。

担当の医師から話を聞く。目はそこまでではないが、損傷により視力が少し低下しているとの事。腹は相当酷かったようで、今後腹に負荷のかかる事は控えろ、と言われた。簡単に言うと、腹筋の筋トレみたいなことができない、みたいな感じだ。

 

意識が戻ったその日に、飯塚さんが病室に来た。黒服達も皆息を切らしている。相当急いで来たようだ。ダメだろ、病院で走っちゃ。

 

「浅城さん‼︎」

 

飯塚さんは泣きながら、こちらに抱きついてきた。腹のあたりに。それはもう凄い勢いで。

 

「い゛っ…‼︎腹、腹はダメなんですって!」

「ごめんなさい…ごめんなさい…!私のせいで‼︎」

「ずっと言ってますけど、あなたの安全が最優先なんですから。それに、私があなたに怪我させたくなかった。そう思って自分から刺されに行ったんです。あなたが気に病むことはありませんよ」

 

そもそも悪いのはあのストーカーだし、と付け加える。

あの後ストーカーは、ストーカー規制法と殺人未遂で逮捕。懲役は免れないとのことだ。

まぁ、それはそれとして…。なんとかしろ、という目で黒服がこちらを見てくる。

 

「そろそろ泣き止んでもらえませんかね…」

 

 

 

「…って訳で、奈々ちゃんが博臣に懐いたんだ」

「いつ聞いても凄い話よね、これ…」

「じゃあ、1月半怪我で活動休止したのは…」

「えぇ、これの事ですね。あの時は大変だったなー。会社帰るなり皆にキレられるもんだから」

「そりゃそうでしょ。あんな無茶苦茶なやり方したらさ…。何なの?確実に捕まえさせる為に刺されにいくとかさ。僕らもキレたよ」

「しょうがねぇじゃん。ストーカーなら碌に動かねぇって話、よくあるだろ?」

「だめ…。もう、こんなことしたら…」

「二度もやれませんってこんなの」

「本当に?本当に分かってる?」

「分かってますって」

 

怒りながら話す飯塚さんと、笑って答える浅城さん。その二人以外で集まったところで、谷村さんがこっそり話す。

 

「まだ気づかないの?浅城くんは」

「みたいだねぇ」

「え?何にですか?」

「あなたも…?いや、来たばかりなんだし当然よね。奈々ちゃん見てみなさい。あの子、どう見たって浅城くんのこと好きじゃない」

「えぇっ⁉︎」

「古崎ちゃん、声大きい」

 

そうだったのか。まぁ、あんな劇的な助け方されればな。…こうしてみると、あの人なんにも気付いてねぇな。わかりやすいぞ?飯塚さん。

はてさて…浅城さんが気付くのは、いつになるのやら。

 

「あっ、そうだ。博臣さん、私達集めたのって…?」

「やべ、忘れてた」

「もう」

「じゃあ話しますね。実は、我々で映画を作ることになりました」

 

…え?映画??

 

「「「「「えーっ⁉︎」」」」」




何人か話し方が似ててややこしいなって書いてて思いました。
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