なんかVtuberやれってさ   作:バールクス官房長官

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長い間投稿できず間が空いてしまい、申し訳ございません。
仕事がひとまず落ち着いたので、また執筆を再開します。
それでもまた忙しくなるので投稿頻度は低いままとなりますが、どうかよろしくお願い致します。


第八話 マズいことになりまして

映像企画で集められた5日後のこと。今日から2学期が始まり、俺は高校に来ていた。

 

「なんでうちだけ夏休み他より短いんだよぉ。一生エンドレスエイトで夏休みになればいいのに」

「同感。学校あると深夜の配信アーカイブでしか見れないんだよね」

 

うちの高校は、近くの学校と比べても短い。3週あったかな?ってくらい短い。信じられるか?今までの出来事ほとんど、その夏休み中の事なんだぜ…?

 

「なんかそういう巻き戻せるマシンとかないかなぁ」

「仮○ライダー4号のファイズアクセルみたいな?」

「そうそう」

「あるわけねぇだろ」

 

そうやって愚痴をこぼすのは、伊坂篤と中谷環。高校ではずっと一緒の友達だ。二人揃ってミーム・スラングに詳しく、そういうの大好きな浅城、橋本ペアとは多分相性がいい。

Vtuber好きだった環が篤を沼に引き摺り込み、今では3人揃って立派なVtuberオタクとなっている。俺?元からだよ。

同じ話題で盛り上がれる相手がいるのっていいものだなって話してて常々思う。

思うよ?思うんだよ?けど、一つ恐れている事があり…。

 

「ねぇねぇ、昨日のスズちゃんのASMR聞いた?」

「聞いた聞いた。あれ良かったなぁ」

「良い声だよねぇ」

「…声といえばさ、なんか聞き覚えない?スズちゃんの声」

「え?…そういえば」

「古崎ちゃんぽくない?」

「あぁー、確かに」

 

これである。これを恐れていた。

身バレである。

バレるのはあまり良い事ではないから黙っているが、俺たちは同じ学校の生徒。いつか気づかれてしまうのではないかと内心ヒヤヒヤしていた。

 

「もしかして、ホントに古崎ちゃんなんじゃない?言動とかそっくりだよ」

「だとすると先輩って…」

「ん゛ん゛ッ゛‼︎」

 

やっべ。びっくりして変な声出たわ。

 

「どうした?」

「大丈夫?」

「あ、あぁ、大丈夫」

「そ?ならいいけど…。それでさっきの話、もし本当なら先輩は航なのかな?」

「かもなぁ」

 

うわうわうわ心臓バクバク言うとりますわ。汗もダラダラ出てきた。

どうしよどうしよどうしよ。

 

「なぁ、どうしたんだよ?」

「挙動不審だねぇ。怪しいぞ〜?」

「い、いやいやいや、そんな事ないぞ?俺、至って、普通」

「そうは見えんぞ?」

「何隠してるの?さぁ吐け吐け〜!」

 

うわっ、マズイ!

 

「あれ?先輩たち、何してるの?」

 

おおっ!詩音!いい所に‼

お前の答え次第じゃ有耶無耶にできる!頼むぞ‼

 

「おっ、いい所に」

「今ね、後輩ちゃんがVtuberの綾瀬スズネじゃないかなって話をね」

「うん!そうだよ!私が、綾瀬スズネですっ!」

 

このアホがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼

 

「終わった…」

「「………えぇっ!?」」

「オイオイオイ嘘だろえぇ!?」

「じゃあ航が?」

「タクミ先輩だよ!」

 

マズい!あいつ何でも喋っちゃうぞ!

 

「なぁラーメン食って帰ろうぜ!な!な!」

 

ギャーギャー騒ぐ2人をなんとか連れ出して、急いで学校を出るのだった。

 

「…あれ?私は?」

 

 

 

「で?どういう経緯なんだよ」

「前にやる気はないって言ってなかった?」

 

放課後。自宅にて尋問を受けていた。

 

「だってさ、あんな話聞いたらさ、嫌だとは言えねぇじゃん」

 

実は初めて配信に出た後、さっきの話は本当なのか、と聞いていた。

そしたら、あれは本当だ、本心だと答えていた。

ただ純粋に俺と一緒に居たかったって思ってくれてたと知って、多少なりとも心を動かされない奴はいるだろうか。いないだろう。

 

「相変わらず後輩ちゃんに甘いよねぇ」

「やっぱツラか」

「やめなさい」

「じゃあ胸?大きいもんね」

「お前らさぁ…」

「でも後輩ちゃんみたいな娘好きでしょ?」

「…まぁな」

「否定しなよ。イジっちゃうよ?」

「好きなものに嘘はつけん」

 

好きだもん実際。ああいうタイプ。

 

「うわー、いい事聞いちゃった。今度後輩ちゃんに教えよっ」

「おいテメェ」

「やめとけ。また喋んなくなるぞ」

「あぁ、あれね」

かつて同じようなイジリを受け、通話を切ったことがある。

「切ろうとしてたから煽ったら、『逃げじゃねぇぞコレは!こいつはなぁ!勇気の切断だ‼』って言ってさ」

「傑作だったよねアレ」

 

言いながら二人とも笑ってる。なにわろてんねん。

 

「なぁなぁ航、これ良くないですか!?」

 

そう言って、快活・元気って感じの美少女キャラのイラストを見せてくる。

こいつらホント…。

しかし次の瞬間、ふと真面目な顔になり、

 

「なぁ、体調とか大丈夫なのか?お前、いつも深夜の配信だろ?」

「今、新作のこともいろいろあるって…」

 

とか聞いてきた。オカンか。

 

「大丈夫だって。そんなに具合悪そうに見えるか?」

「見えるから聞いてるんだよ」

「気づいてねぇの?隈すごいぞ」

 

まぁ、実際大丈夫ではないだろう。映像事業関係の仕事が休日にあって、平日は平日で学校があるから、やるなら夜しかないって事で配信は夜になってしまう。例え今が良かったとしても、蓄積された疲労がいずれ莫大なものになるのは明らかだ。

いつでも寝れるし起きれるっていう状態の夏休みでもきつかった。

 

「キツいならちゃんと休めよ?無理が祟って倒れるとか御免だからな」

「そうそう。私だって配信見たいけど、それで苦しくなっちゃうのなんか嫌なんだからね」

「お前ら…」

 

こうやって気を使われるの、初めてかも。案外こいつらって、ふざけまくるだけに見えて思いやりとかが結構ある奴らなんだよな。

 

「まぁ、それはそれとして」

「ん?」

「ユリ姐ってさ、リアルでもあんな変態なの?」

「暮賀はホントに狂犬みたいな奴なのか?この前本人の前で上司のパワハラ暴露配信してたけど」

「亨くんはさ、ほんとにすぐ寝ちゃうの?ほんとに居眠り王なの?」

「あとさあとさ、リゼママ機械壊すとこ見た?」

 

次々とあれこれ質問を投げかけてくる。

まったく…。ちょっといい奴になったかと思えばすぐこれだよチクショウ!

夜まで二人は止まらず、根掘り葉掘りの質問攻めに遭うのだった…。




投稿していない間に盲腸になってました。皆さんも健康には十分気をつけてください。
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