翌朝。5時ちょうどに鎮守府内で鳴った起床ラッパで長門は目を覚ました。
「昨日あった事は夢ではなかったのか…。でも、いい朝だな。」
長門は一瞬自分の身体に目を落とし、そのあとに窓の外に広がっている景色を見た。ちょうど日が昇ってきたところで、沖のほうで少しだけ立っている波に太陽の光がキラキラと反射している。
ちょうどその時、部屋のドアをノックする音が聞こえ、まつりと陸奥が入ってきた。鎮守府の中は何人もの足音と、時折艦娘たちの声が聞こえてくる。
「長門、おはよう。昨日はよく寝られた?」
「あぁ。あまり疲れていないだろうと思っていたが、意外とぐっすり寝られた。」
「そう。それはよかった。ご飯の前に朝礼をするんだけど…」
まつりが陸奥にアイコンタクトを取ると、陸奥は長門に1着の畳んである服を差し出した。
「これ。私が今着ているような服と似ている服よ。もちろんあなたは私の姉さんだから私の服と似ていて当たり前なんだけどね。」
陸奥はウインクをして長門を着替えるように急かす。
長門はそれに応じるようにたった1分で着替えた。着替えた長門は自らの腰まで伸びた黒髪とマッチして、凛々しい姿と雰囲気を醸し出していた。
「こんなんで…、いいのだろうか…。」
長門が少し顔を赤らめてまつりと陸奥の方を振り向くと、長門の凛々しい姿を見て固まっていた2人の時間が動き出した。
「姉さん…、すごく似合っているわね。」
陸奥の言葉に同意するようにまつりもうんうんと頷く。
「そろそろ朝礼を始めたいから、一緒に行こうか。」
そう言ってまつりたち一同は部屋を出ていく。
部屋の壁にかかっている時計は5時30分を指していた。
鎮守府廊下にて
「随分と私が知っている呉鎮守府とは違うな。あの頃と何か違う時代に来てしまったようだな…。」
長門が呟く。
「そうね。私も初めてここに来た時は随分と驚いたわ。しかも、ここの提督はあの頃にはなかった女性の提督だものね。」
陸奥が長門の呟きに答える。
「ここについての話は朝礼が終わってから私がするわ。とりあえず朝礼からしましょ。」
まつりは外に出るドアの前で止まった。それにならって長門も立ち止まる。ただ、陸奥は止まらずにドアを開けて外に出ていく。
ドアの向こう側から陸奥の声が聞こえてくる。
「総員、休め!」
その陸奥の一言でそれまでざわざわしていた外は一瞬で静まった。
「じゃあ、長門。行こうか。」
まつりののその声に促されて長門は外に出る。
「総員、提督に敬礼!」
陸奥が再び艦娘たちに号令をかける。
グラウンドのようなところに集まっていた艦娘たちはまつりにむかって30度ぴったりの礼をする。
礼が終わり顔を上げた艦娘たちはまつりの後ろにいた長門を見て、様々な反応をした。
誰だあいつという顔をする者、もしかしてあいつは…と思ったような顔をする者、それはもう色々であった。
次話でこの続きを書きたいと思います。
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