壊れた立花響   作:(:_;)

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想像以上のUAに正直言って引いた。

でも正直言って嬉しかった。

続き書けと言われて書いた、ちょっとした後の話。


風鳴弦十郎、墓前にて

風鳴弦十郎、懺悔する

 

まだ夏の日差しが残る某日、都内の一等地に建てられた墓所の一角に風鳴弦十郎は佇んでいた。普段の彼と違うのは喪服を身に纏い、右手に柄杓入りの桶を持ち、左手に小さな花束を抱えている点だろう。

普段は特異災害対策機動部二課の司令官として従事しているが、ある年から毎年この日だけ必ず休暇を取ってはこの墓地へと赴いている。

 

目的の墓石を見るや否やその惨状に顔を顰めた彼は柄杓で汲んだ水を石へとかける。透明だった水は石に付いていた様々な塗料の色へと変色し、地面に垂れていく。何度も洗い流し、残った汚れも懸命に拭き落とす。汚れを落としきり、太陽の光を反射するほどに綺麗に磨かれた石にはとある少女の名前が刻まれていた。線香に火を点けて専用の容器に立てると共に、両手を合わせ祈る様に目を瞑る。

 

彼の祈りが懺悔なのか正体は本人以外知る由もない。が、少女の墓を建てたのは他の誰でもない彼である。何故彼が彼女の墓を建てるに至ったのか、それは数年前の死体遺棄事件まで遡る。

 

数年前のとある地方の山奥にて散策中の男性から白骨死体が見つかったとの通報があった。警察が現場を調べた結果、死体の近くには20本程の血まみれの包丁入りのカバンと胸部からは謎の金属破片が発見された。DNA鑑定の結果、死体の身元はかつてリディアン音楽院を閉鎖に追いやった大量殺人事件の重要参考人のものだった。参考人の死亡が確認されたことで一連の事件は収束とみなされ、捜査も打ち切りとなった。

 

その一方で発見された破片の正体を掴めなかった警察は特異災害対策機動部にも破片の研究を依頼。その結果、ツヴァイウィングの元メンバー天羽奏が装着していたギア【ガングニール】の破片であることが判明。参考人の彼女もあのライブの被害者であることが破片の正体など一部の事実を伏せ公表された。

 

世論では彼女の壮絶な人生に同情する声も上がる中、彼女に殺されたクラスメイトの遺族らは猛反発。既に死した彼女とその家族を相手取り裁判の開廷、有罪判決を求める署名運動を開始したものの、シンフォギアシステムを守らんとする国家ぐるみの策略によりその企みは頓挫された。

 

しかしそれで解決するほど人間は単純ではない。どうしても感情面で折り合いがつかないこともある。とある冬の日の深夜、彼女の家族は火災に見舞われた。寝静まった時間帯ということもあって発見と通報が遅れ、緊急車両が到着する頃には家屋は全焼。焼け跡からは複数の遺体が発見された。嘲笑っていた男は警察に取り押さえられ、現行犯として逮捕されたがその顔は満足げだったという。

 

事態を把握した弦十郎は彼女の実父の元へと飛び『我々に何かできることはないか』と接触するも、『関わらないでくれ』と言い残し行方をくらませてしまった。

 

せめてもの償いなのか、弦十郎は彼女ら立花家の墓をそれぞれ別所に建てることにした。あのライブの日、実験を行ってしまったという過ちを。その後、後手に回った事で彼女をはじめとしたライブの生還者への対応の甘さを。その原因を自分一人で背追い込んで。

 

墓参りを終えた弦十郎は管理人に頭を下げて墓地を去る。管理人が愛する家族をあのライブで失ったこと、彼が大量殺人事件の遺族に彼女の墓をリークしたことも承知の上で弦十郎はこの場所を選んだ。その理由も彼のみが知る。

 

墓を磨けば、密告されて汚される。永遠に終わることのないこのループは誰の心の穴も満たされないというのに、誰も止めない。止まらない。




最後がちょっと雑な感じです

多分親友の話を求められた気がするが、元から重い人をもっと重くする?

重量オーバーですね


※補足
一部タグを削除
前話の後書きを一部訂正


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