壊れた立花響 作:(:_;)
「…もしもし?」
『あ、未来?久しぶり』
「………」
『未来?』
「久しぶりじゃないよ…大丈夫?心配したんだよ…?」
『…心配?…誰が?』
「誰がって、そんなのもちろん私がだよ…!」
『……未来が、誰を?』
「響に決まってるでしょッ!!!」
『………』
「ニュース見たよ。私と響以外のクラスメイトを死んだのも、家庭科の園田先生を死んだのも…学校中のみんなを刺したのも全部、響がやったことになってる……………嘘だよね?」
『嘘じゃないよ。私がみんなを殺した』
「…どう、し、て…?響はいつも【へいき、へっちゃら】って言って笑って立ち向かってたのに…何で、そんなひどいこと、するの…?」
『【へいき、へっちゃら】ね…たしかによく言ってたけどさ、テニスの硬球を全身に打たれたり泥水かけられたりして平気だと本当に思ってる?だとしたら未来、そっちが異常だよ』
「………」
『あのライブで私の人生は大きく変わったよ。知らない人に突き飛ばされて気絶して。気付けば一人逃げ遅れて死にかけて。退院したらそれはそれで加害者扱いされて家族もボロボロ。まともな生活なんて無かったんだよ』
『それに、【そんなひどいこと】って言うけどさ………そうさせたのは未来じゃん』
「………ぇ?」
『実際そうでしょ?乗り気でもなかった私をライブ会場に連れ出したのは?いざ当日になればドタキャンで難を逃れたのは?どこの誰だか分かる?』
『親友だと言っておきながら私の電話番号を着信拒否にした上で自身の電話番号を変更、加えてSNSも全部ブロックするという荒業をしたのは?』
「違うの!それは私の知らない間にお父さんたちが勝手に!」
『それでも私の家の番号くらいは覚えてるでしょ?昔はそれで未来からかけてきてたんだから。それをしなかったのは、未来自身が私との繋がりを断とうとしてる証拠』
「そんなこと無いの!一度掛けようとしたら見つかって…それからずっと電話に近づかないようにって警戒されてて…それで…!」
『じゃあ聞くけどさ、何で私以外のクラスメイトとかとは交換した番号で連絡取り合ってたの?』
「それはっ…!」
『何か変だと思わなかった?直接未来の電話にかけてるなんて。実はクラスメイトの私物漁ってたらさ、委員長の携帯に未来からのショートメールが届いてたの見つけたんだよね』
『もしやと思って連絡帳のページを開いてみたらさ、案の定新しい方の番号が見つかったって訳………はははっ、ここまで真っ黒だとさ、呆れを通り越して笑えてくるよね』
「それこそ誤解だよ!委員長とだったら連絡は許されていたから、委員長を通じて響に伝言をお願いしたり様子を伝えてもらっていたの!」
『無駄だよ。委員長は両親をあのライブで失っているんだから、生き残った私の情報をバカ正直に話すわけないじゃん』
「…え?」
『…まさかそれも知らないとはね。委員長は園田と結託して校内の被害者を扇動して私にヘイトを仕向けたんだよ【私達の大切な人が立花響に突き飛ばされて殺された。他の人もきっとそうやって殺したに違いない】ってね。冷静に考えると現場にいなかったのに的確に事態を把握できるわけがない。防犯カメラの映像も一般人には見ることができないのにどうしてそこまで分かっているのか。色々疑問点はあるはずだけど、悲しみに明け暮れる彼女達を洗脳するにはちょうどよかったのかもね』
「…じゃ、じゃあ今までの連絡であった【家庭科の授業でみんなと調理実習】とか【体育の授業で大活躍】とかは…」
『全部でっち上げ。真相は【家庭科の授業で熱したフライパンで根性焼きのような大火傷を受け】、【体育の授業で全身にボールを浴びる】とかそんなもんだよ』
『………あれ、絶句?まあいいや、本題に入るね。何で私が電話を掛けたかにも繋がるんだけど…自称立花響の唯一無二の親友である小日向未来にお仕置きをしようと思ってね』
「………ぇ?」
『あれ、まさか自分だけは逃げられるとでも本当に思ってた?甘いよ小日向未来。本当は殺しに行こうかなと思ってたけどそれじゃあ生温いよね?こうやって事実を知った事で【私に殺されるなら】って救いになったら殺す意味がない。だから殺さない。殺す意味もない。じゃあどうすれば良いかって考えたら、思いついたんだよね…【立花響が自殺する瞬間を見届けさせる】っていうのをさ』
『でも実際に会うと私も冷静じゃいられなくなって未来を殺すかもしれないし、死のうとする私を止めにくるかもしれない。それじゃあ何も解決しない。だからこうして【電話先で自殺する瞬間を聞き届けてもらおう】という形に変更したんだよ』
『電話を切って逃げようとするなよ小日向未来。立花響の親友であるというのであればその最期の瞬間を聞き届けろ。逃げるのであればそれで良い。所詮はその程度の人間である証明になるからね』
『さて、長話もこの程度にしないと。肝心なところでコイン切れで落ちちゃったら台無しだ………じゃあね、小日向未来……ははっ、ははははっ、あはははははゲホゲホッ!』
『(ツーツーツー)』
「ごめんね…響…」