日輪を宿す暁   作:狼ルプス

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今話は短めです


風と日

「風の呼吸 壱ノ型・塵旋風・削ぎ!」

 

「日の呼吸 壱ノ型・円舞」

 

一夏は蝶屋敷の道場にて、傷跡だらけの男性、風柱・不死川実弥と木刀を打ち合っていた。不死川と一夏の周りでは、杏寿郎 ,甘露寺蜜璃,しのぶ,小芭内,真菰の面々が二人の打ち合いを見守っていた。

 

 

ーー日の呼吸 玖ノ型・輝輝恩光

 

ーー風の呼吸 参ノ型・晴嵐風樹

 

風と日をぶつけ合うように、二人は木刀を打ち合う。その剣撃はもはや目視するのは難しいほど速い剣速だった。

 

二人の打ち合いはこの場にいる者や柱以外からすると、次元が違ったのだ。

 

 

「テメェ、いい加減に本気出せやぁ!それがテメェの実力かぁ?」

 

「生憎と、本気を出せば怪我をさせかねません。今のあなたに合わせてやっている身、こちらとて真剣にやっているつもりです」

 

 

「不死川!流石に今のお前が本気を出したとしても、一夏に勝つのは無理だと思うぞ!」

 

「右に同じく」

 

「私も煉獄さんに同意です」

 

「左に同じく」

 

「え、えっと……煉獄さんと同じ…です」

 

杏寿郎の言葉に三名は静かにうなづき蜜璃は気まずそうに賛同する。それもその筈、歴史上、鬼殺隊員の中でトップに君臨している柱が手も足も出なかった上弦の鬼を、当時鬼殺隊・癸の一夏が無傷で討伐したなど、当初は信じ難い事だった。

 

 

「あの時、俺は、油断をしていた上弦の弐の隙をついたまでです。奴が初めから本気を出せば、俺はどうなっていたかわかりません」

 

「ごちゃごちゃ言ってねぇで本気出せや!本気でやらなかったらぶっ殺すぞ!」

 

ーー風の呼吸 弐ノ型・爪々・科戸風

 

鋭利な爪を思わせる4つの斬撃を放つ。

 

「(ぶっ殺すって……意外といい人なのはわかるが、流石柱になりたてで御館様に無礼なことを言っただけのことはある)」

 

そして一夏はその場から動かず木刀を鞘に納めるような構えをする。

 

ーー日の呼吸黒式 肆ノ型・日影

 

自身の間合いに入った不死川の攻撃を全てを無力化する。日の呼吸黒式は一夏が独自に改良した独自の派生である。

 

黒式・肆ノ型は義勇の拾壱ノ型を見て編み出した“凪" の超強化版である。違いは刀を鞘に入れた状態から繰り出す点だ。

 

「(っ!俺の斬撃を掻き消しただぁ?)」

不死川は一夏が何もしていない状態で技を無力化したことに驚く。そしてそれをみていた杏寿郎達も一夏の技を見て考察し始めた。

 

「今の技は、一夏の言う黒式か!」

 

「おそらくそうだろう」

 

「でも、どことなく義勇の拾壱ノ型に似てるね」

 

「確か冨岡さんの技を元にした型を創っているって言っていたわ。多分それだと思います」

 

「(冷静に不死川さんの斬撃を無力化するなんて…素敵!)」

……約一名外れている者もいた。彼らは再び二人の打ち合いに集中するが、二人は動く様子はなかった。

 

 

 

 

 

「(ちぃ!距離をとっても接近しても同じだぁ。こいつは一切の隙がねぇ。無表情な所は冨岡の奴と似てムカつくがなぁ)」

 

 

そして不死川と一夏はその場から動く様子はなく、自分が先に仕掛けようと動こうにも…動かなかった。否、不死川は動けなかったのだ。

多くの鬼と戦い、下弦の壱を討ち、風柱に登り詰めた不死川だったが...隙が一切無い一夏にどう動けばいいのか攻めあぐねていた。

 

「風の呼吸 伍ノ型・木枯らし颪!!」

 

攻めあぐねていた不死川だったが、このままでは埒が明かないと感じ攻撃を仕掛けた。一夏は迫り来る不死川の攻撃を前にしても常時冷静で、呼吸を整えていた。

 

「(前回と今回で、風の呼吸は大体わかった。組み合わせる技は…この型だ)」

一夏は、迫る風に、木刀を構える。

 

 

「日の呼吸改・円舞螺旋撃」

一夏はこの打ち合いで、円舞に風の呼吸の取り入れた技を完成させる。それは灼熱の竜巻であった。

 

 

 

風と日の竜巻のぶつかり合いで、一夏は追撃するように不死川に接近し、不死川の木刀を弾く。

 

一夏が弾いた不死川の木刀は綺麗な放物線を描き、道場の床にカラン、と音を立てて落ちた。

勝負は終わった。

 

 

「今回も俺の負けだ……」

 

「ふぅ」

 

稽古は、不死川が負けを認めて終わった。

 

「じゃあなぁ、次も頼むわ」

 

「はい!今日もありがとうございました、不死川さん。あっ、不死川さん。良ければこれ、もらってくれませんか?」

一夏はスマホの拡張領域から風呂敷に包んでいる菓子を取り出した。

 

「テメェ、どこから出しやがったそんな物」

 

「これです」

一夏はスマホを不死川に見せると納得するように溜息を吐く。

 

「それで、中身はなんだぁ?」

 

「おはぎです。昨日アオイ達と作って多く余ってしまったんです。不死川さんは…甘い物は、大丈夫ですか?」

 

「………問題ねぇ、ありがたく貰うわ」

一夏と不死川は偶に稽古に付き合う仲だ。不死川は一夏からおはぎの入った風呂敷を受け取るとその場から何処かに行ってしまった。

 

「うむ!流石だな一夏!」

 

「すごかったわ一夏くん!二人の打ち合い、私思わずキュンとしちゃったわ!」

 

 「お疲れ様、一夏。一夏との稽古のお陰でやっと目で追えるようになってきたよ」

 

不死川が居なくなってから杏寿郎と蜜璃、そして真菰が、労いの言葉をかけに近づいてくる。小芭内は木刀を片手にやって来た。

 

「次は俺の番だ。まさかあの程度でへばったとは言わないだろうな?」

 

「大丈夫です。ここにいる全員とやれる体力はまだあります」

 

「全く、無茶しないでよね」

 

「わかってるさ、心配するな、しのぶ」

 

「伊黒が終わったら次は俺だ!」

 

その後、一夏は、この場にいる全員と日がくれるまで鍛練を行い、有意義な時間を過ごした。

 

 

 




原作の不死川実弥の違い

性格は原作と変わらないが一夏の事は認めている。
 
偶に稽古をする仲。

一夏との打ち合いにより、現時点での実力は無限城編の痣を発現させた不死川と同じ。

中の人の繋がりで、一夏に使わせるとしたらどっち?

  • 神気合一
  • 冥我神気合一
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