日輪を宿す暁   作:狼ルプス

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目を覚ますヒノカミ

 

 

日柱・織斑一夏の継子、竈門炭治郎は長い長い夢を見ていた。

 

 自分に似た男の人、そして、一夏と同じ額に痣があり、自分と同じ耳飾りを着けた侍との、別れ際の夢──

 

 

 眠ってしまった妻に代わり、赤ん坊をあやす客人の侍に、炭治郎に似た男の人はお茶等を運ぶ。

 

 

 すると侍は、お茶に手を伸ばしながら

 

「これを飲んだら出ていく、ただ飯を食い続けるのも忍びない」

 

と言った。その言葉に、赤ん坊を受け取った炭治郎に似た男性は、悲しげに顔をしかめる。

 

 

「そんな!あなたは命の恩人だ、あなたがいなければ俺たちどころか、この子も生まれていなかった!」

 

侍は無言で茶をすする。

 

『それならば、この事を後世に伝える』と言い張る炭治郎に似た男性の言葉に、侍は『必要ない』と一蹴する。

 

 

「“炭吉”、道を極めた者が辿り着く場所は“いつも同じ”だ。時代が変わろうとも、そこに至るまでの道のりが違おうとも“必ず同じ場所に行きつく”。お前には私が、何か特別な人間のように見えているらしいが、そんなことはない。私は大切なものを何一つ守れず、人生において成すべきことを成せなかった何の価値もない男なのだ…」

 

 

 あぁ、そんなふうに、そんなふうに言わないで欲しい…どうか、頼むから自分のことをそんなふうに…悲しい、悲しい…

 

 

 

 

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涙を浮かべた目が、ゆっくりと開かれる。

 

 

「(夢…か……?ここは、俺は……?)」

 

 

 暫くぼーっとしていると、側で陶器の割れる音がした。

 

 

 

──バリン

 

「炭、治郎?」

部屋の扉の前で花瓶を落としたカナヲが驚いた様子で炭治郎を見つめ、そして弾けたように炭治郎に近寄り、手を握る。

 

「……大丈夫?戦いの後、二ヶ月間意識が戻らなかったのよ」

 

「そう…なのか……そう…か……」

 

「目が覚めて、良かった……」

 

そう言って、カナヲは涙を浮かべた。

 

 

 

 

その頃、一夏は蝶屋敷の屋根で瞑想を行なっていた。そして一夏の周りには鳥が集まり、肩や頭に乗っかっているものもいた。

 

「(手紙は送ったが……鋼鐵塚さんからはあれ以来一切返事が来ない。大丈夫だろうか……鋼鐵塚さん)」

 

杏寿郎との鍛錬の末、一夏が独自で編み出した七つの型は太刀が適していると判明した。太刀の見た目を描いた手紙と一緒にその件について送ったが、三日後に「今は無理だ。お前が満足する太刀を必ず打ってやるから待ってろ」の一言だけ返ってきた。それから一ヶ月半が過ぎ、未だ返事もないため心配していたのだ。

 

 

「おい、一夏!」

 

「伊之助…?そんなに慌ててどうしたんだ…」

 

遊郭の戦いから二ヶ月が経ち、伊之助は七日前に目を覚ました。突然慌てたように一夏の前に現れた伊之助は、ソワソワしながら、こう叫んだ。因みに伊之助はしのぶと一夏の名前はしっかり言える。理由は伊之助がしのぶや一夏の名前を呼んだ際、間違えた場合には、しのぶが伊之助を叱り名前を覚えさせたからだ、半強制的に……。

 

 

「蒼八郎が、目を覚ましたらしいぜ、いくぞ!!」

 

「…!炭治郎が目を覚ましたのか!」

 

「おう!」

 

それだけ言うと、伊之助と一夏は、急いで炭治郎の個室へと向かった。

 

 

 

────────

────────────────

 

 

 

 一夏達より、一足先に炭治郎の元へとたどり着いたアオイは、目覚めた炭治郎にわんわん泣きながらすがり付いた。

 

 

「意識が戻って良かった~~~~!!わたしの代わりに行ったから、みんな……ううっ!!」

 

泣きじゃくるアオイの背中をカナヲが擦る。

 

 

「ありが…とう…他の…みんなは…大丈夫…ですか……?」

 

その言葉には、炭治郎となんやかんやで縁のある隠の後藤が口を開いた。

 

 

「黄色い頭の奴は一昨日だっけ?」

 

「はい」

 

「復帰して、もう任務に出てるらしいぜ…………嫌がりながら」

 

 

 合いの手を入れるように、すみが答える。

 

 

「善逸さん、炭治郎さんが運ばれた翌日には目を覚ましたんですよ」

 

「音柱は自分で歩いてたな、嫁さんの肩借りてたけど…隠は全員引いてたよ、頑丈過ぎて……凄い引いてた。何故か怒っていた胡蝶様達の監視付きで診察していたが……」

 

「そうか…伊之助と一夏さんは……?」

 

「一夏さんは無傷です。ですが、伊之助さんは一時危なかったんです」

 

すみの言葉に、涙を拭いながらアオイが、伊之助達の状況を説明してくれる。

 

 

「伊之助さん、すごく状態が悪かったの…毒が回ったせいで呼吸による止血が遅れてしまって…本当に危なかったの・・・」

 

「そうか…じゃあ…天井に張り付いてる伊之助は、俺の幻覚なんだな…」

 

 

 その言葉に、その場にいた全員が上を見上げて、目を見開いた。

 

 

「うわーーっ⁉︎」

 

「キャアッ!」

 

 

 騒ぎの中、伊之助の高笑いが響く。

 

 

「グワハハハ、よくぞ気づいた炭八郎!!」

 

「俺…あお向けだから…」

 

 

 そんな炭治郎の上へ、まふっと伊之助が着地した。

 

 

「俺はお前よりも七日前に目覚めた男!」

 

「良かった、伊之助はすごいな……」

 

「へへっ、うふふっ、もっと褒めろ!そしてお前は軟弱だ、心配させんじゃねぇ!!」

 

そんな騒ぎの中、伊之助から少し遅れて、一夏が炭治郎の部屋へとたどり着いた。

 

 

「炭治郎!!」

 

「一夏…さん」

 

「良かった…本当によかった」

 

「す、みません。心配を……おかけ…して」

 

一夏はそのまま、寝てる炭治郎の頭を撫でる

 

「なんで謝る?謝る必要なんてないだろ?それに、無理をして話さなくてもいい。本当に、目が覚めてよかった。アオイ、俺はカナ姉を呼んでくる。あとは頼んでもいいか?」

 

「はい、わかりました!」

 

一夏はカナエを呼ぶため炭治郎の病室から退室する。その時、炭治郎は一夏の後ろ姿が、夢で見た耳飾りを付けた侍の姿と重なって見えた気がした。

 

 

 

 

その後、炭治郎は問題なく意識が戻り、しばらくは絶対安静で、様子をみて、リハビリを始めるそうだ。二ヶ月も眠っていると体はバキバキになり思うように動くことはできない。

そして一夏は蝶屋敷の仕事を終わらせ、縁側で休憩をとっていた。

 

「ふぅ……とりあえず一安心かな」

一夏はお茶を飲みながら、炭治郎が無事に意識を取り戻したことに安堵する。

 

「また無茶しないか心配でもあるけどね」

 

「はは、確かにそうだな」

 

視線を向けると、お盆を持ったしのぶがいた。

 

「お疲れ様一夏、これ…よかったら一緒に食べましょ。」

 

お盆の上に乗っていたのは、炭治郎が意識がない間、任務から帰る際に買ったカステラだ。

 

「カステラか、たまにはいいかもな」

 

「偶にって、これは一夏が買ってきたやつでしょ?本人も食べないと意味がないじゃない」

 

「それもそうか…善逸にはバレなかったみたいだな」

 

「ええ、棚には鍵をかけるようにしたから、つまみ食いするのは不可能よ、まぁもしやったらやったでキッツーーーーいお仕置きを“ご馳走”するけど」

一夏はカステラを一口食べながらしのぶの言葉に息を呑む。しのぶは怒らせると一夏でも手がつけられない

以前善逸は蝶屋敷にある菓子を黙って食べることがあったため、アオイに叱られた。対策として、善逸が蝶屋敷にいる間、菓子をしまっている棚には鍵をかけるようにしたのだ。

因みに任務の後、少し高めの菓子を善逸に奢ると、善逸は嬉しそうに菓子を平らげた。

 

「それにしても一夏…あんた、かなり髪が伸びたわね」

しのぶが一夏の髪を見ながらそう呟く。一夏の髪は腰の近くまで伸びていた。

 

「言われてみれば、全く気にしてなかったからな」

一夏は苦笑いをしながら自身の髪を触る。しのぶもつられ一夏の髪に触れる。

 

「しのぶ、どうした?」

 

「一夏の髪、ちゃんと手入れしてるからサラサラしているわね、冨岡さんとは大違い。なほ達が触りたがるのもわかる気がするわ」

 

「はは、冨岡さんは冨岡さんだよ。あの子達からはよく髪をいじられていたからな……カナ姉を含めて」

 

「ふふ、あの時一夏が姉さんの髪飾りをつけていた時は笑ったわ」

一夏は眠っていた際、何度かいたずらでカナエの蝶の髪飾りをつけられたことがあり、アオイや、しのぶには笑われた過去がある。

 

 

「そうだ!一夏がよければだけど、髪…切ってあげようか?」

 

「…そうだな、そろそろいいかもしれないな、頼んでもいいか?」

 

「任せなさい」

 

カステラを食べ終えると、しのぶは道具を取りに行くため縁側から離れていった。

   

しばらくすると何故かカナエと一緒に戻ってきた。

 

「なぁ、しのぶ…なんでカナ姉まで?」

 

「あらあら、いたらいけなかったかしら?」

 

「いや、そうは言ってない」

 

「一人じゃ時間がかかりそうだから姉さんにも頼んだのよ」

二人は過去に、カナヲを引き取った当初、髪を切っていたのを見たことがある。カナヲの今の髪型は二人が仕上げたものだ

 

「うふふ、それじゃあ始めましょうか、ちょっと切るのは残念な気はするけど……」

 

「きっと一夏なら短い髪も似合うはずよ。姉さんはただ一夏の髪をいじりたいだけでしょ?」

胡蝶姉妹はそのまま手際良く準備し、整えた後、一夏の髪を切り始める。二人は息が合いどんどん髪を切っていく。  

 

「(髪を切るなんていつ以来だろう。俺が過ごした時代以来だろうか…)」

 

そして時に髪を見ながら切る箇所を変える、数十分すると、姉妹は満足したのか鋏を止める。

 

「「出来た!」」

その声に一夏は目を開ける。

 

「えっと、どんな感じになったんだ?首元がスースーするんだが」

 

「はい、これを見ればわかるわ」

一夏はしのぶから渡された手鏡を覗く。

 

「これは…」

そこに映っていたのは、前髪はそのままにある程度短くなった一夏の姿だった。

 

「前髪はあえて残したわ、少し切ってはいるけど」

 

「うん、久しぶり黒一色を見たわ。やっぱり一夏は黒髪じゃないと……」

 

「あはは、しばらくしたらまた赫みかかるかもしれないが……けど、ありがとう。なんだかスッキリした気分だ」

 

「うふふ、とても似合ってるわよ、ね…しのぶ?」

 

「ええ、短い髪の一夏も素敵よ」

 

 

一夏は久しぶりの短い髪に慣れず、しばらく首周りがスースーしていたためくしゃみをすることが多かった。アオイや真菰、蜜璃達には好評価だったが、三人娘達からは少し落ち込まれてしまった。

 

 

 

 

そして髪を切って三日後に、髪先は再び赫みを帯びてしまったとさ。

 

 

 

 

 

 

 




一夏のプロフィールその伍

織斑一夏 18歳

身長 178cm

見た目は髪型はリィンと同じで髪先は赫みかかっている

生まれつき額に陽炎の形の痣がある。

使用呼吸 日の呼吸

階級・日柱

スペック 縁壱同等  透き通る世界の透視、日輪刀の赫刀化可能
 日の呼吸独自の型を編み出す

趣味  写真を撮ること 鍛練 音楽を聴く 個人鍛錬

特技 家事全般(原作と変化なし)

好きな物 蝶屋敷の皆んな しのぶの作る料理 仲間

お気に入り しのぶと撮ったツーショットと、胡蝶家、蝶屋敷のみんな、煉獄家、産屋敷家を含めた柱との集合写真 カナエとしのぶからプレゼントされた耳飾り 槇寿郎の日輪刀


女性関係 しのぶとは恋仲(四年近くの仲)

産屋敷夫妻とにちかとひなき、珠世を含め生存させるかさせないか

  • させる
  • 原作通り
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