真剣で彼に恋しなさい!   作:だいすけ

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第1話「参上」

 

 

 真剣で護衛に恋しなさい!

 

 第1話「参上する」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 神奈川県川神市。

 ここには交通の要所に設置されている『多馬大橋』と呼ばれる橋がある。            この橋は、何故か奇人・変態が多数出没することから、『変態の橋』と言われている。

 その中央で長い黒髪の少女が30を超える不良たちに囲まれていた。

 少女を囲む不良たちの近くには、多くの川神学園の生徒たちがそれを楽しそうな目で見ていた。

 ほぼ毎日のように行われる見世物のようなもののため、誰も助けようとはしない。

 しかし、動く者がいた。

 取り囲みの現場に、一人の少年―――『直江大和』が踊り出た。

 

 

 

「ここは俺が食い止める! だから、早く逃げてくれ! 時間がないっ!!」

 

 

 

 大和は必死に語りかけた―――

 

 

 

「………はぁ!!? 俺達に言ってんのか?」

 

 

 

 不良たちに。

 

 

 

「そうだよ! 早く逃げてくれ!!―――というか、この女の人が誰かわかってる?」

「ったりまえよ。『川神百代』だべ? 俺たちの地元、『ちば』まで情報はいってきてるぜぇ!!」

「………わざわざ他県から来たのかよ」

「クチャクチャ。だから、アイサツに来てやったのよ」

「う、噂ってのはたいていオヒレ、フカヒレがついてっからさ」

「たった一人で七浜の最強チーム『レッドドラゴン』をぶっつぶしたとか、生意気なガキをボールに見立ててダンクしたとか、いちいち嘘臭いんだよ」

「クスクス………女だからって手出さないとか思うなよ! ゴラァ!!!」

「俺達は原点回帰の本格派だからよぉ。女子供だろうとソッコーぶちのめす!!」

「クックック、お、お前は通学路で多くの生徒が見てる中、恥辱にまみれて、は、敗北していくのだ」

「テトリス、か。懐かしいな」

 

 

 

 百代がぽつり、と呟いた。

 

 

 

「あぁ? 何言っちゃってんのお前?」

「お前の携帯ストラップだよ」

 

 

 

 百代は、ガムを噛みながら携帯を弄る不良に目線を送った。

 

 

 

「それ、テトリスのブロックだろ」

「だから何だっらってぁ!! 関係ねーっだろっがぁ!!?」

 

 

 

 不良の一人が、百代の言葉の真意を解らずに苛立つ。

 まあ、百代の言葉の真意は普通想像出来ないし………仮に想像できたとしても、不良を苛立たせることには変わりないのだが。

 

 

 

「っつうか、何落ち着いてんだお前!! ムカツクぜ!!?」

「久々にやってみたくなった。協力してくれ」

「あぁ? 訳わかんねぇ!? クチャクチャ」

「こんな風にしてお前たちをブロックに見たてよう」

 

 

 

 宣言した瞬間、百代は不良の一人との間合いを瞬時に詰めていた。

 そのまま不良の一人の腕の関節をきわめ、人間の可動不可能である逆L字にして腕を折った。

 

 

 

「ぎっ!?」

 

 

 

 不良は折られた激痛により、腕が折られたことにようやく気がついた。

 

 

 

「い、いてぇぇぇぇ!! お、俺の腕がぁぁぁ!!!!」

「て、てめぇ!! 船橋君をやりやがったな!!」

 

 

 

 不良たちは一気にボルテージが上がった。

 同時に、仲間の一人がいつの間にかやられていたことに恐怖した。

 

 

 

「み、皆でヤっちまえぇぇぇ!!!!」

 

 

 

 不良たちが一斉に襲い掛かろうとした瞬間―――

 

 

 

「遅い!! お前ら赤子か!?」

 

 

 

 百代が苛立ちげに言葉を放つ。

 直後、激しい打撃音とともに不良たちは一瞬で倒れた。

 周囲の観客から、待ってました、とばかりにドッと歓声がわきおこる。

 

 

 

「あぁ~ん、今日もモモ先輩超かっこいい!!」

「この無敵さがたまらない系ー!!」

 

 

 

 女子生徒はキャーキャー騒いでいた。

 

 

 

「さすがモモ先輩、まさに覇王だぜー!!」

「日本では敵なしだー!!」

「いや、世界でもだろう!!」

 

 

 

 男子生徒も、キャーキャー騒いでいた。

 辺りに響く歓声が鳴りやまぬ中で、それをかき消す爆音が突如響いた。

 それを響かせる主は地上に非ず。

 大空にいた。

 4つの鋼の翼で舞う爆音と強風を引き連れて忽然と姿を現したのは、軍用ヘリであった。

 川神学園の生徒が見上げる中、上空30mで静止した軍用ヘリのハッチが開き『何か』が飛び出た。

 1m弱の『何か』はパラシュートはつけておらず、自由落下にまかせて落ちてくる。

 数秒後、地面に墜落した。

 白い煙が当たり一面を覆い、地面に何かが当たったにしてはあまりにも静かであった。

 やがて煙がなくなると、落下してきた正体がわかった。

 奇妙な出来事に異常なまでに耐性がある川神学園の生徒たちが思わず疑問を覚えてしまうほど、『何か』は予想外のものだった。

 

 

 

「「「「「・・・・え・・・・?」」」」」

 

 

 ずんぐりとした体躯。

 犬とねずみを足して2で割ったような容姿。

 つぶらな瞳。

 そう、何かとは・・・・

 

 

「ふもっふ!!」

 

 

 某テーマパークで有名なキャラ―――――『ボン太くん』であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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