これでもまだ足りないかなと思いますが、これが私の限界です。
多分続きません。
「個性を消せる…、素敵だけどなんてことはないね」
青白く、まるで死人の手の様なものを顔や腕、体に掴ませるようにして着けている男が呟く。
脳みそを剥き出しにした筋肉ダルマの化け物、脳無に組み伏せられ右腕をへし折られている男、イレイザーヘッドに向かって。
「圧倒的な力の前ではつまり、ただの"無個性"だもの」
嬉しそうに、見下すように男が言葉を続ける、と同時に脳無がイレイザーヘッドの左腕を押しつぶす形でへし折る。
彼、イレイザーヘッドの個性は視ただけで個性を抹消する個性、体の一部でも視ることができれば個性は消せる。
だが、脳無は彼の腕を道端に落ちている小枝を軽く折るかのように腕をへし折った、つまり脳無の素の筋力は
(オールマイト並みじゃねえか…)
最悪の答えに行きつく彼に追い打ちをかけるように、脳無はイレイザーヘッドの顔面を地面に叩き付けた。
そんなズタボロになったイレイザーヘッドの姿を見て、顔に付けた手のオブジェからはみ出るほど口角を上げ笑う。
「------死柄木弔」
するとズズズっと音がなる。背後から名前を呼ばれ、顔を少し傾け横目で確認すると、黒い霧の塊が浮かんでいた。
「…黒霧、13号はやったのか」
黒い塊が纏まり人の形を成していく姿に目を向けながら訪ねる。
黒霧には、この施設にいる生徒を個性で散らし、プロヒーローである13号の始末を任せていた。戻ってきたということは全て終わらせてきたのだろう。
「行動不能にはできたものの、散し損ねた生徒がおりまして……一名…逃げられました」
「………………………………は?」
その報告を聞いた瞬間、己の中の苛立ちが噴き出し始める。はー、はぁーと何度もため息を吐きながら、皮膚が赤くなり剥がれることを鑑みずに掻き毟りながら、這いずるような声色で言葉を並べる。
「黒霧お前…オマエがワープゲートじゃなかったら、粉々にしたよ…」
こうなったら、もはやゲームオーバー。こんなところにいつまでいてもいいことなどない。
「流石に何十人もプロヒーロー相手じゃ、敵わない」
手を首から離す。せっかく捨て駒を用意し、チートアイテムまで持ってきたというのに無駄になった。
「ゲームオーバーだ、あーあ…、
黒霧にワープゲートを開かせアジトに戻ろうとし……気付く。
広場の横に水難救助の演習で使用されるであろう、巨大な水難ゾーンに男二人、女一人の英雄の生徒たち。
自力で戻ってきたのだろう。そう思考し、ふとある考えが頭をよぎる。
あぁそうだ、せっかくここまで来たんだ。
「けどもその前に、平和の象徴としての矜持を少しでも」
あの生徒共をぶっ殺して…
「へし折って帰ろう!」
あの薄ら寒い笑みを消してやろうと
一瞬で三人の前に移動し、少女に向かって手を向ける。
一人、緑色のモジャモジャ頭が気づいたようだが動かない。
いや、動けない。
手を伸ばし微か数センチ。
あとほんの少し前に動かすだけで、少女の命は崩れ去る。
パンッ!パパァン‼
チャポンチャポン…
「………………………………………あぁ?」
しかし、死柄木の手が少女の顔に触れることは無かった。
触れようとした少女の顔が消えた。
まるで最初からいなかったかのように、忽然と。
「よう」
すると隣から、道端でたまたま会った友人に声をかけるような、軽い調子の声が聞こえた。
と直後、頬に強い衝撃を感じると共に真横に吹っ飛ぶ。
突如発生した痛みに驚愕しつつも、すぐさま体を捻ることによって、体制を整え地面に滑るように着地をする。
「あ、あれ?オイラ達、水辺にいたはずじゃあ…」
「け、ケロ?」
ふと離れたところから困惑の声色をさせる会話が聞こえてくる。
そこへ視線を向ける。
そこには先ほどまで、殺そうとした女と男がいた。
その姿を収めつつ、三人の中にテレポート系の個性でもいたのか、と考えつつ自分を殴り飛ばしたであろう人物に顔を向ける。
先ほどまで三人組がいた場所に一人。
パッと見でも身長は180以上はあるだろう、髪を後ろに纏め結い、黒の短ランからでも判るガタイの良さを持った男が腕を組み佇んでいる。
「待たせたようだな、
先程蹴り飛ばした死柄木など気にも止めず、移動した3人組に体を向けている。
その男の一言を受け、目から涙が溢れそうになるのを堪えながら緑谷と呼ばれた少年は、嬉しそうに男の名を呼ぶ。
「東…堂……君…」
緑谷が名前を呼ぶと同時に、ハッとした顔に変わる。
「ッ…危ない!!」
咄嗟に大声で叫ぶ、だが遅い。
間髪いれず音もなく。背を向けている東堂と呼ばれた男に迫る。
今から体を捻り避けることも、後ろに振り向き反撃することも不可能であろう。間に合わない。
自分をぶん殴ったクソを殺すため、首と背に必殺の両の手を突き出す。
「どうした?俺には触ってくれないのか?」
しかし、後ろから声がする。
おかしい、避けることなどできないはず。
いや、そんなことなどどうでもいい。何故、俺は背後を取られている。
瞬きほどの硬直の中、無意識に腕で頭を咄嗟にガードする、瞬間、先ほどよりも強い衝撃が襲ってきた。
今度は先ほどのようにはいかず、ただただ吹っ飛び、地面を転がるしかできなかった。
体が転がるのを止め、痛む体に眉にしわが寄るのを感じながら起き上る。
込みあがる怒り、漏れ出る殺意が一週回って静まっていく。そうして冷静になった頭で、先ほどは怒り任せに自分で行ったが、次は脳無に行かせようと考えながら、ゆらりと再び視線を定める。
先ほどまで行われていた十秒にも満たない戦闘。自分たちでは目で追えないスピードで近づいてきたヴィランを二度も吹っ飛ばし、何でもないように佇んでいる。
やっぱりすごい、東堂君は。
そんな感想を抱いている僕に、賛同するかのように蛙すっ…梅雨ちゃんと峰田君が声を上げる。
「葵ちゃん…とってもすごいわ…」
「東堂のやつ!二回もヴィランの事吹っ飛ばしやg(パンッ!)うげぇ!!!」
「あ、ごめっ」
すると突如、峰田君の上に東堂君が現れ、峰田君が下敷きになる。潰れされたカエルのような声を出しぷるぷるしている。
あぁきっと峰田君の頭に生えているモギモギを使って移動してきたのだろう。
東堂君は謝りつつ、すぐに体をどけ大丈夫かと声をかけているが、峰田君が大丈夫なわけないだろ!と、手足をバタバタさせながら文句を叫んでいる。
そんな光景を見ていると、先ほどまで死の気配に息がつまっていたのが嘘であるかのようだ。
すると、峰田君とすぐ隣にいる蛙吹さ…梅雨ちゃんから視線を外しこちらに振り向く。
「
ふっと笑みを浮かべ、東堂君は僕の名前を呼びつつ目の前に立つ。そして…
ブンッ!!! ベチーーーン!!!!
「「えええええええええええええええええええええええぇ!!!」」
すごい力で頬にビンタされた
アニメ呪術廻戦、盛り上がってますね。
五条先生の御尊顔をお目にかかれた第七話の予告で、東堂のジャーマンスープレックスを目の当たりしてしまい、テンションがバク上がりした結果勢いで書き上げた一品です。暖かい目でご覧いただけると幸いです。