~拝啓、出席番号17番様~   作:不動 大師

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第四節、第五節

意識をしてはいけないと思えば思う程、人とは意識してしまう生き物なのだろう。私は思いを風化させると決めたその日から、もう17番の事が一日中頭から離れなくなってしまった。彼女の一挙手一投足、どんなに細かな日常生活の場面ですら愛おしいと思ってしまう程思いが募っていったのだ。恋に落ちるとは、よく言ったものだ。現に私は、自力では戻れない程、17番と言う底なし沼に浸かっていた。私の恋慕と、Tの恋慕の違いは、体育のバスケットボールの時にもよく表れていた。私は得意では無いので、稀にシュートを打ち、さらに稀に入る。と言った感じだった。一方Tは、運動能力、行動力がある分、シュートの回数は多い。だが、コントロールやゴールに着するまでの道のりが悪いため、まず成功することが無い。そして、他のメンバーに美味しい所は持ってかれるといった所存だ。実は、Tが17番に恋慕するのは三回目であった。周りの人間は、「シーズン3政策決定」だの、「エピソード3」だのと笑っていた。敵手が存在すると言う事だけで、毎日気を張っていた私だったが、事情を知らない人に話を振られると気が気でない私はただふざけるしかなかった。「スターウォーズ化していってるな」と。「それは何の逆襲なんだ」と。段々と陰で小馬鹿にされてきた案件が、次第に体育の教科担にも気づかれることとなっていった。私は、女性に対し互いに一人の人間として誠実に対等に接してきた。安直な事を言うならば、私は「男性だから」「女性だから」と言う差別はしなかった。だから私は、男子からも女子からも対等に仲良くしてもらえた。Tは、女子と言う女子にいい顔をしようと必死だった。すると当然の如く、男子からは疎まれていった。Tは気になっている女子には積極的に名前呼びで話しかるため、始まりは非常に分かりやすい物だった。

 

おっと、すまない。17番への思いではなく、延々Tに関する愚痴を話してしまった。私には、積極性が無く自分に自信が全く持てていなかった。私とTは人知れない所で、戦っていた。戦いの結果は、ドローだろう。私は結局思いを伝えないまま、高校を卒業するつもりだ。Tは、思いを伝えはするが日頃の今までの行いが行いなだけに、断られるだろう。17番は、以前言っていた。「告白された時に、気持ちは嬉しいって言うのはあくまで相手を気づ付けないために言うだけで、実際は好きでもない人に告白されても、ちっとも嬉しくない」だそうだ。この言葉を聞いてしまったから私は、とどまってしまったのかもしれない。いや、そんな事もないか。私は臆病なのだ。私は、Tの事が嫌いになり切れなかった。それは、私と違い失敗を恐れない姿勢が心の奥底では敬い、羨ましかったのかもしれない。私はTの事を嫌っていたのではなく、妬んでいたのだろう。私は私とTの関係を、【こころ】の私とKの様だと言った。それは、間違っていなかったと思う。お互いに何も上手く事が運びはしないだろう。だから、絶対に伝わる事のない思いを今ここで伝えようと思う。

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