~拝啓、出席番号17番様~   作:不動 大師

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第五節、エピローグ

おっと、すまない。17番への思いではなく、延々Tに関する愚痴を話してしまった。私には、積極性が無く自分に自信が全く持てていなかった。私とTは人知れない所で、戦っていた。戦いの結果は、ドローだろう。私は結局思いを伝えないまま、高校を卒業するつもりだ。Tは、思いを伝えはするが日頃の今までの行いが行いなだけに、断られるだろう。17番は、以前言っていた。「告白された時に、気持ちは嬉しいって言うのはあくまで相手を気づ付けないために言うだけで、実際は好きでもない人に告白されても、ちっとも嬉しくない」だそうだ。この言葉を聞いてしまったから私は、とどまってしまったのかもしれない。いや、そんな事もないか。私は臆病なのだ。私は、Tの事が嫌いになり切れなかった。それは、私と違い失敗を恐れない姿勢が心の奥底では敬い、羨ましかったのかもしれない。私はTの事を嫌っていたのではなく、妬んでいたのだろう。私は私とTの関係を、【こころ】の私とKの様だと言った。それは、間違っていなかったと思う。私が私である限り、TはKであり続けるのだから。この終わらない連鎖を断ち切るにはと考えました。お互いに何も上手く事が運びはしないだろう。だから、絶対に本人には伝わる事のない思いを今ここで彼女に宛てて、自分の中で気持ちに踏ん切りを付けるために、Tと和解のために伝えようと思う。

 

拝啓、17番様。実りの秋を迎え、日々肌寒くなっていく折。

 まず初めに、あなたのハツラツ、爛漫とした笑顔に何度救われたか分かりません。厚く御礼申し上げます。突然の手紙でさぞ、驚いたでしょう。あなたにずっと伝えたかった事があります。高校時代、よくTの行いについて、私は大分悪く言っていました。でも、私は心苦しかったのです。そう、私はTと同じでした。Tに対して言ったことは、全て自分に対して言っているような戒めの様なものだったのです。

 17番さん、私はあなたの事を愛してしまっていました。あなたの良い所も悪い所も全部ひっくるめて愛しいと、そう感じていました。この思いに、嘘偽りは一切ありません。返事は十中八九、NOでしょう。そう分かっていたから、今まで伝えることが出来ませんでした。「なぜ今になって」と、思うでしょう。私はあなたの事を今でも愛しています。でも、この決して実ることのない片思いに疲れてしまいました。このままでは私は、いつまでも先に進むことが出来ないと思ったからです。私の一方的な思いで迷惑をかけたくはないと思ってたからでもあります。私は、いつでもあなたの幸せを心から祈っています。

                  敬具

11番

 

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