ヘスティアファミリアで頑張ります!   作:プラス九

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28.招待状

 

 ベルは朝食が終えるとギルドへと足を運んでいた。ヘスティアはバイトに向かい、ルインもディアンケヒトファミリアに受診に向かうと聞いていた。緊急事態とはいえ十八階層に到達したことを話した場合、担当アドバイザーからの説教が長引くことは目に見えてしまったので、先延ばしになってしまった。きっと、これも怒られると思いながらも、無事を伝える為にいつもより重く感じる扉を開ける。ギルドに入るとすぐに笑顔のエイナと目が合い、遠い目をしながらゆっくりと近づいていった。

 

「……という訳で、これからは勉強量は増やさないといけないけど、問題ないよね?」

 

「えっと、これ以上増えると、頭が追いつかないかなぁなんて……」

 

「ルイン君は退院したその日に、担当アドバイザーに顔を出していたみたいで、ベル君の無事を、まさか同僚から聞くことになるとは思わなかったなぁ〜」

 

「うっ、わかりました。ご指導の程宜しくお願いします」

 

 笑顔なのに威圧感が隠せていないエイナのペースに乗せられ、少し悲しそうな顔をしてみると案の定、ベルは簡単に折れて勉強を厳しくしていくことに決まる。

 

「まあ、おふざけはこれぐらいにして、最近ヘスティアファミリアについて聞き回っている怪しい集団がいるみたいだから、ファミリアに戻ったら伝えてくれる?」

 

「僕達をですか?」

 

「そうなの。理由は全くわかっていないけど、複数の人から報告があって。ほら、ルイン君は一般の人に顔が広いじゃない」

 

「確かによく色々と手伝ってますね」

 

「それで聞かれた人が怪しく思ってギルドに伝えにきてくれたの。ただ、人想像がどれも違うから複数人が動いてることしかわかってないけど。それに、最近通り魔事件も多いみたいだし、ベル君達はレベルアップしていてもまだまだ駆け出しなんだから気をつけてね」

 

「と、通り魔ですか?」

 

「そうよ。素行の悪いことで有名な冒険者が数人路地裏でね。狙ってなのか、偶然なのかも分かってないから、夜はあまり出歩かないように!その件でギルドもガネーシャファミリアも少しピリついているしね」

 

 ベルは、知らないところで恐ろしいことがあったという事実に思わず息を飲む。その様子を見てエイナは笑みを溢し、話題を変える為にそのまま勉強会を始めることにした。

 

 数時間後、ベルはようやく解放され、痛む頭を押さえながら歩いていた。

 

「あんたがベル・クラネルかい?」

 

 見知らぬ女性二人に声を掛けられる。昨日喧嘩をしたアポロンファミリアを名乗る二人からヘスティア宛の手紙を渡された。

 

「ご愁傷様」

 

 最後に一言だけ呟き、立ち去る二人を見た後、ベルはホームへと戻っていった。

 

 手紙を受け取ったヘスティアは、アポロンからのパーティの招待状と話していた。眷族を一人同行させるという、今までになかった内容にヘスティアはベルとルインを見る。どちらを連れて行くべきか。

 自分の乙女心はベルと叫ぶ。しかし、主神としてはどちらも選べない。どうするべきか、一人悩んでしまう。

 

「一人ならベルが行くべきですね」

 

「いや、僕はこういうのに慣れてないからルインの方がいいよ」

 

「僕もパーティなんて行ったことないよ。こういうのは団長が行かないと」

 

 ベルは言葉を詰まらせ、ルインの言い分が通ったようだった。それならと、ヘスティアはベルを連れて行くことに決める。パーティ用の衣装や馬車の手配はルインの知り合いに頼むことになり明日三人で行くことになった。

 

「そう言えば、ギルドで言われたんですけど、僕達を調べている人達がいるみたいです」

 

 ベルは、話がまとまった頃合いで、エイナに注意されたことを二人に説明していく。ヘスティアは思い当たる様子を見せ、ルインも何か考えている。

 通り魔の話をするとルインは何かに気付いたように顔を上げた。

 

「ベル、リリルカさんにも伝えてあげて」

 

「え?どうしてリリに?」

 

「リリルカさんは、ヘスティアファミリアのパーティだし。素行の悪い冒険者が被害者なら仲間割れも考えられるよ。もし、それぞれが同一犯なら狙いはリリルカさんかも」

 

 ベルは、思いもよらない考えをルインから聞き驚く。最悪を想定する大切さはこの間体験したばかりだ。もし、杞憂ならそれで問題ないから、ルインの意見通りにすることにした。場合によっては解決までホームに匿うことをヘスティアから許可も取り、明日早速、声をかけようと思った。

 

 翌日、ルインの案内のもと服屋にヘスティア達は向かっていた。途中、ヘスティアからの提案でミアハとナァーザも誘い五人で訪れ、ルインを除く四人分の正装を中古ではあるがかなり安く購入することができた。その後の馬車の手配も問題なく終わり、ベルは改めてルインの人脈に驚かされる。それも、入団当初から見返りもなく手伝っていたことから出来たことはベルも知ってはいたが、仲良く話している店主とルインを見ると凄いとしか思えなかった。満足気に帰るナァーザ達を見送り、ベルはリリのもとへ向かうことにした。

 

「ごめんね、リリ。突然会いに来て」

 

「いえ!ベル様が会いに来て、リリが迷惑に思うことなんてありません!」

 

 下宿先のノームの店を手伝っているリリを呼んでもらい、迷惑にならないように店の隅で話す。通り魔事件についてはリリも知っていたみたいだったが、ヘスティアファミリアの件については初耳だったようだ。そこに、ベルがルインの考えも伝える。

 

「もし、リリが良かったらほとぼりが済むまでホームに来てもいいからね」

 

「ベル様、ありがとうございます。ですが、もしリリが目的なら、リリがいないことでこの店に迷惑になるかもしれません。ですから、今回は断らせて頂きます。心配して頂いたのに申し訳ありませんが……」

 

「ううん。そうと決まった訳でもないし気にしないで。でも、おかしなことがあったらすぐに言ってね」

 

 ベルも無理強いは出来ないと思い、注意する様に伝えてホームへと戻ることにした。

 




ルインによりリリへの注意が強くなります。
パーティへは原作通りベルに行ってもらいます。アイズや命が行くので、団長は理由にならないかもしれませんが、他所は他所、ウチはウチということで。
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