ヘスティアファミリアで頑張ります!   作:プラス九

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29.太陽神の宴

 

 翌日、ベルとヘスティアは手配した馬車に乗りアポロンファミリアのホームに訪れた。同乗していたミアハ達と共に案内された会場へと入っていく。会場を見渡すとタケミカヅチとヘファイストスの姿を見つけ合流することにした。

 タケミカヅチの連れてきていたのは命だった。綺麗に着飾っていたが、かなり緊張した様子だったので、仲間を見つけたベルは互いの緊張をほぐす為に何気ない会話を始める。

 

「やあやあ!みんな集まってるみたいだね。俺も混ぜてくれよ」

 

 何食わぬ顔でヘルメスが合流する。ヘスティア達、神々は警戒するように睨みつけるが、その様子を眷族達は不思議そうにそれぞれの主神を見ていた。

 

「おいおい、共にベル君達を助けに行った仲だろう?そんな邪険にしなくたっていいじゃないか」

 

「よく、素知らぬ顔でボク達の前に来れたね」

 

「それについては申し訳なく思っているよ。例え知らなかったとはいえ、助けられたかもしれないからね」

 

 悪びれないヘルメスに、ヘスティアは思わず睨みつけてしまう。その様子に苦笑いをしながらヘルメスは、神だけに聞こえるような声で近づいて話す。

 

「この話はまた後でしよう。君達の子に要らぬ不安を持たせるのは本意ではないんだ。せっかくのパーティだ。今は楽しもう」

 

 ヘスティア達はそれぞれ自分の眷族の方へ目を向ける。不思議そうにみているベルや、心配そうにしている命、判断を任せるように頷くナァーザが目に入る。

 これ以上は、連れてきた子に申し訳なくなる為、ヘスティア達は了承するしかなかった。

 警戒心は解かずに何もなかったように接することで、パーティを台無しにしない。だけど、必ず何かしらを聞いてやる。四人の神は口にはしないが、同じ思いでいた。

 直後、タイミングよくアポロンからの挨拶が始まった。ベルはアポロンからの視線を感じ、警戒する。その後、ヘルメスからアポロンについて聞かされるが、視線の意味を理解できなかった。

 

「おっと、大物の登場だ」

 

 ヘルメスの呟きを聞き、その方向へ目を向ける。フレイヤがオッタルを連れてこちらに向かってきた。

 

「……やあ、フレイヤ。何しに来たんだい?」

 

「別に挨拶に来ただけよ。知り合いが集まったているんだもの。楽しそうじゃない」

 

 フレイヤは、その場にいる神に目を向ける。ヘルメス達男神は直後に痛みに耐えるような声を上げていたが、ベルは美しい女神に思わず赤面する。フレイヤは気にせずにベルの頬に手を添える。

 

「今夜、私に夢を見せてくれないかしら?」

 

「させるか!!」

 

 すぐにヘスティアが、その手を払い、ベルに厳重注意をする。ヘスティアの機嫌を損ねてしまった為、フレイヤは席を外そうとするが、何かを思い出したように立ち止まる。

 

「ヘスティア。もう一人の子をしっかり見てあげないとダメよ」

 

「どうしたんだい、急に」

 

「いえ、私も勘違いしてしまうくらいだもの。貴方のことだから心配はしていないけど」

 

「何を言って……?」

 

「もう行くわ。じゃあ」

 

 フレイヤは、ヘスティアの疑問には答えずにそのまま離れていく。入れ違いでロキとアイズが合流するが、すぐにヘスティアと喧嘩が始まる。その様子を気にもせずベルはアイズに見惚れてしまうが、ヘスティアに抓られ冷静になるが、またも喧嘩を始めたので早々にアイズと離れることになった。

 

 その後、ベルはヘルメスの計らいによりアイズと踊ることができ、楽しいひと時を送ることができた。

 

 パーティも佳境を終える頃合いにヘスティア達のところにアポロンが訪れた。初めは、形式的な挨拶や酒場で起こった喧嘩の話などを話していたが、アポロンが大々的に被害を訴えるところから場の空気が変わった。

 

 初めに手を出したヴェルフの主神であるヘファイストスが抗議するが、アポロンは一貫してヘスティアを責め立てる。戦争遊戯を提案するが、ヘスティアは断りベルを連れて会場を後にした。

 ヘスティアが去った後も、関係のない神達は盛り上がっていた。

 

「なあ、アポロン。一つ忠告してもええか?」

 

「なんだい、ロキ。まさか、噂の通りヘスティアのところと仲良しなのかな?いくら大派閥の主神だからといって口を挟まないで欲しいんだが」

 

「戦争遊戯も、お前が欲しがってる子のことも興味ないから安心しいや。ただ、ドチビんとこのもう一人の眷族についてや。そいつに戦争遊戯以外で何かあったらうちの子がお前のとこ潰すで。ウチでも止められんから、そこだけは気い付けてや」

 

 ロキはそれ以上は話さずアイズを連れて去っていく。その様子を見ていた者達は、近々波乱があることをどこか感じることができていた。

 

 パーティが終わり、馬車を使わずに歩いているフレイヤの元に、ヘルメスが一人近づいていった。見える範囲にはオッタルの姿は確認出来ないが、闇に紛れて眷族が護衛をしているのは、変わらず余裕のある雰囲気で判断できる。

 

「あら、ヘルメスどうかしたの?」

 

「冗談はよしてくれ。こうして歩いてるのは俺の訪問を予想してだろう?」

 

「ええ、そうだけど。それで?何が聞きたいの?」

 

「ヘスティアのもう一人の眷族について。貴方なら気にもしないと思っていたんだが、どうも予想が外れたみたいでね」

 

「あの子のことね。そうね、途中までは貴方の予想通りよ。でもね、気付いてしまったから見守ってあげようと思えたのかしら」

 

「気付く?彼は何か違うというのかい?」

 

「そうね。地上の可能性を見せてもらえたことかしら。ああ、貴方の求めてるものとは違うけど」

 

 それ以上は答えるつもりがないのか、オッタルが姿を現しフレイヤを連れて闇に消えていった。ヘルメスはその真意を掴むことが出来ず、フレイヤ達の気配が無くなったのを確かめて舌打ちを残して闇に紛れていった。




ルインが絡んでいなければヘスティアとロキは相変わらず仲は悪いです。
ヘルメスがいる現場を見ればロキも状況把握ぐらいは簡単にできると思いますので、周りに対するパフォーマンスも考慮しています。
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