ヘスティアファミリアで頑張ります!   作:プラス九

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  三話です。


3.ルインの実力

 

 椿が病室にたどり着くと、ルインを抱きしめて泣いているヘスティアの姿があった。

 

「ヘスティア様、それだと身支度も出来んではないか。お主がルインだな?手前は椿という」

 

 ヘスティアを無理矢理引き離し小脇に抱える。ヘファイストスファミリアの説明と治療費の対価に装備を買い取ったことを伝える。

 

「そうですか。装備は直せそうですか?」

 

「いや、正直に話すが、あれはもう直らん」

 

「……僕が、もっと腕が良ければ、もっと手入れができたら……」

 

 ルインは、悲しそうに俯く。椿はその様子を真剣な眼差しで見つめる。

 

「あれらは、使い手をしっかり守った。それが武具であろう?お主が後悔していたら浮かばれぬ、感謝してやれ」

 

 ヘスティアは、宝物の秘密を知られるのではないかと、ドキドキしていたが、椿の優しさに感謝した。ルインも鍛治士からの言葉に気持ちを切り替えて、返事を返す。

 

「しかし、手前はお主の戦い方に少し興味が出てきた。お主さえ良ければ、明日共に潜らぬか?手前の武具の実験に付き合うと思ってくれ、魔石やドロップアイテムは全て譲る」

 

 駆け出しのルインには勿体ない誘いなので、二つ返事で了承し、ヘスティアを連れてホームへと戻った。

 

 翌日、ベルに一緒にダンジョンに行こうと誘われたが、予定があると断り、待ち合わせ場所に向かった。

 待ち合わせ時間に余裕があったが、椿は先に到着していた為、ルインは謝罪をするが、椿は豪快に笑い飛ばす。

 ギルドに行き、椿から試供品の鎧を渡される。ルインは頑なに拒んだが、椿に報酬の前払いと言われ渋々受け取ることになった。

 

「お主には、これを使ってもらいたい」

 

 椿より渡された剣は、昨日使っていた物より上物で恐々としながら受け取る。

 

「これは、新しい発想で作った剣だ。手前の予想では酷く脆いと予想しておる。どれくらいで壊れるか見たいから気にせず使ってくれ」

 

 そうは言われてもと、ルインは受け取った剣をマジマジと見つめる。ヘスティアによると、椿はオラリオ一と言われる鍛治士であり、ベルから聞いた話だと、その装備はウン千万はくだらない。それ程の業物を壊すのは余りに恐れ多い。刃を見つめ、自分にでき得ることを確認して、椿の期待に応えられるよう気合を入れた。

 

「なあに、基本は一対一になるよう手前が間引くから、安心せい!それで折れるまで進めば良い」

 

 気楽に話す椿に、どれ程の価値があるかわからないルインの緊張感は伝わらずダンジョンへ向かうことにした。

 

 椿は、目の前の光景に思わず笑みを浮かべていた。椿自身も試しにと、ゴブリン相手に振るってみたが殺し切れずに折れた。直ぐ様、別の剣により対処したが、例の剣を真似て作ったものではLv.5の力を以てしてもゴブリンすら殺し切れなかった。

 しかし、隣にいるルインは問題なく折ることもなく振るう。それに加えて、駆け出しがこんな業物を使って良いのかと心配する程だった。椿も、初めは一層か二層辺りを予定していたが、全く問題無く使うルインに気を良くし、気付けば第七層へと辿り着いていた。全階層、全てを回りモンスターに出会わなくなれば下に降りることを繰り返していた為、魔石やドロップアイテムでバックパックで埋まった。ルインがキラーアントを仕留めたのを見て帰還することに決めた。

 帰りの道中は、特にモンスターと出会うこともなく雑談しながら帰ることになった。話題はルインについてが殆どだったが、椿のレベルアップの経緯を聞いたルインの目は、輝きに満ちていた為、椿であっても思わず照れてしまう。ギルドに到着し、かなりの換金額に恐縮しながら受け取ったルインは、嬉しそうにホームへと帰っていった。

 

 翌日、ルインの使用した剣を真剣な眼差しで確認していると、椿の専属契約しているロキファミリア首脳陣の一人、ガレス・ランドロックが姿を現した。

 目的は、ガレスの装備の整備依頼、そして、先日の遠征についての打診の為である。

 

「装備に関しては相分かった。少し話が変わるが、最近手前にもお気に入りが出来てな」

 

「ほう、お前が気にいるなら相当の手練れと思うが」

 

「いや、三日ほど前に冒険者になった駆け出しだ」

 

「そんなものがおったのか。それはうちに欲しかったものだ。どこのファミリアだ?」

 

「ほう、ガレス、お前がそれを言うか?あやつはこんなことを言っておったな。オラリオ中の探索系ファミリアを巡って断られたと。勿論、ロキファミリアにもな」

 

「何?そんな話聞いてはおらぬが……」

 

「こうも言っておった。ロキファミリアだけが、小人族が理由で断られたと。お前のとこの団長は、手前の記憶では小人族だったと思うが?」

 

「それは……。この件は、受け付けた者に厳重に対処する。すまぬが、その小人族に詫びを入れてくれぬか?」

 

「……それがファミリアとしての回答で良いのだな?」

 

 椿は、今までの軽口を変え重々しく言葉を発する。

 

「言っただろう?手前のお気に入りと。それがロキファミリアの総意なら、手前はお主らの遠征に一切関わらん。まぁ、ファミリアとしては協力してやるから角は立つまい」

 

「……わかった。すまぬが、一度ファミリアに持ち帰ってもよいか?」

 

「……手前の納得する答えを用意出来るとよいがな」

 

 真剣な眼差しに、ガレスではこれ以上、交渉出来ないと察して、ホームへと帰還した。よりにもよって、種族への差別が理由ではどう足掻こうとも好転出来ぬと、内心愚痴を零しながら。




 ベルがリリにサポーターを売り込まれてるころですかね。

 ロキファミリア初登場はみんな大好きガレスでした。
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