ヘスティアファミリアで頑張ります!   作:プラス九

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30.襲撃

 

 翌日になり、いつも通りルインは朝の準備を始める。昨晩、予定より早く帰ってきたヘスティアはかなり不機嫌だったので、起きたら機嫌が戻っていることを願いながヘスティア達が起きてくるまでに作業する。

 

 慣れないパーティで疲れたのか、起きてこない二人はそのままにして外に出る。ルインは、不穏な気配を感じて周りを見渡すが、姿を見つけることは出来なかった。念の為、近所の人達に手伝いついでに気を付けるように話していく。話を聞いた人達は、ルインの話を信用して周りに広めながら静かに避難していく。避難の手伝いもしながら周囲を警戒するが、ホームから離れるほど気配は薄くなっていく。心配のし過ぎかと思い始めた頃に、大きな破壊音が響き渡った。ホームの方向から聞こえた為、焦りながら向かっていく。

 

 辿り着いた時に目にしたのは跡形もなく破壊されているホームの姿だった。周りの静止も聞かずに、ルインは瓦礫と化している教会に近づいていく。ベルとヘスティアが生き埋めになっている可能性を否定出来ず、必死に地下室への入り口を探す。

 突然のことで慌ただしかった周囲も、教会が破壊されてから被害は遠ざかっていったのでルインを止めようとするが、手を動かし続ける。少ししてからベル達が襲撃者から逃げている姿を目撃した人が現れ、ようやくルインは手を止めてその場に座り込んだ。安心して力が抜けたのか動くことが出来ずにいたルインを安全なところに運び出して、周りも一息つくことが出来た。

 

 近隣住民は怒りを抑えることが出来なかった。ルインが一早く気付いてくれたので怪我人こそ出はしなかったが、破壊の影響はかなりあった。それに加えて、自分達の為に動いてくれたルインのファミリアを攻撃されたことが何よりも彼らは許すことが出来なかった。混乱も落ち着き始めるような時間になっても動きを見せないギルドに対して暴徒のように詰めかけるのにも時間は掛からなかった。

 

 ギルド職員達も早朝から慌ただしくしていた。ヘスティアファミリアが襲撃されたことを聞き、状況把握の為に動いているところで、一般住人達が大量に抗議の為に集まって来たからだ。初めのうちはガネーシャファミリアが介入してくれて落ち着かせてはいたが、時間が経つにつれ人数が増えていき抑えることが難しくなっていた。主神のガネーシャによる説得にあたっていたが、とある人物の登場で状況が変わることになる。

 

 ロキファミリアの【勇者】が武装した姿でギルドの前に現れた。剣呑な雰囲気から、誰しも息を飲んで様子を伺う。

 

「僕からの要求は、この件の容疑者が誰か。ギルドとしてどう対応するつもりか。その説明を求める。ここに集まっている者はそのつもりで来ているからね。……ああ、それとこれは個人的に動いていることだから、ファミリアにペナルティが来るなら、ファミリアを動かして実力行使も辞さないからそのつもりで」

 

 フィンから告げられたことにより職員達の緊張感が何倍にも高まっていく。アポロンファミリアとソーマファミリアが関わっていることなどの現在わかっている内容を、ペナルティについては事情聴取を行わなければ決めることは出来ないが、厳罰を約束する旨を公表する。

 誰もが納得は出来なかったが、これ以上は難しいと判断しようとする中、ヘスティアファミリアとアポロンファミリアの戦争遊戯が決定したことが発表された。

 

 フィンはそれを聞いてからすぐにその場を後にし、住民達もルインの為にできることを探す為に動き出し暴動は治まっていった。

 

 ヘスティア達は戦争遊戯を受諾してから急いでホームへと戻っていた。余裕が無かったので、逃げ回ることしか出来なかったが、ルインの無事を確かめなければならなかった。

 跡形もなくなっていたホームに辿り着いた時に、保護されていたルインを見つけることができて一安心する。ルインもヘスティアとベルの無事を確認できて、ようやく落ち着きを取り戻した。

 怪我をしていたのはベルのみだった為、手当てをしながら途中救援に来てくれていたヴェルフとリリが来るのを待つことにする。

 しばらくして、ヴェルフだけがホームに辿り着き、リリがソーマファミリアに攫われたことを知ることになる。

 

「リリルカさんを助けに行かないと」

 

 誰よりも早くルインが提案して、同じことを言おうとしていたベルや現場を見ていたヴェルフも同意する。すぐに動こうとするが、ヘスティアが待ったを掛けた。

 

「サポーター君のことはボクに任せて欲しい。だから、ベル君もルイン君も戦争遊戯の準備をして欲しいんだ。ヴェルフ君は有難いけど、ヘファイストスに迷惑をかけるわけにはいかないから気持ちだけ受け取るよ」

 

 ヘスティアの言い分に納得は出来なかったが、戦争遊戯に勝利出来なければ意味がなくなってしまう。自分に何が出来るかを考え、それぞれが動くことにした。

 

「一週間まではボクの方でなんとかするさ!君達は安心して準備に専念するんだ!」

 

 ヘスティアの発破を受け、それぞれが決心を改めてるように頷いた。




ダンまちの世界観は冒険者とギルドが力を持ち過ぎて一般人は何も言えないような空気感があるように思いますが、切っ掛けが有れば団結してもおかしくないかと。
ギルドもトップはある意味神ですから、板挟みになる職員が不憫に思えてしまいますね。
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