モテるせいで俺の胃がヤバい。   作:杜甫kuresu

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デレデレしてるモスティマ書きたい!!!!!!!!!!
書けばいいじゃん!!!!!!(ドン!!!!!!!!!)

その結果がこれだよ。


食べたいもの

 俺は、ハーレムものが苦手だ。理由は単純に見てて疲れることが大きい。

 例えばAとBとCに恋愛的な好意を寄せられてるとして、いやいやいやキツいって。普通にヤダって。人だからそれぞれ欠点とかいい所とか有るけど、それを度外視してきつい。

 

 つまり何が言いたいかと言うと、俺の胃が持たない。だからと蹴り飛ばすには魅力的な提案が馬鹿のように並んでいて、辛い。なまじっか主人公に感情移入するのでキツい。

 

 

 

 

 

「うおっ、何で俺がロドスアイランドのドクターなんだよ…………」

 

 現在、胃が壊れている。医者なのに胃薬の使用を勧められた、そんな理不尽有る? 無い。

 分かっている、アークナイツは比較的人間らしい距離感を保っているキャラが多い。別に自動ハーレムでもない、しかし…………。

 

 これは呪いだ、俺はおかしな事にモテていた。死ぬ。

 理論がさっぱり分からない。何らかの神の見えざる手を疑っている、ニャルラトホテプ辺りだろ俺は詳しいぞ。

 

「いつもそれ言ってるよね。やっぱり仕事は辛い?」

「違うよ。其処じゃない、敢えて言うならお前が居ることだよモスティマ」

「うわっ。傷ついたなー」

 

 全然そんな風には見えない薄ら笑いが帰ってきた。コイツ…………。

 当然のように、青髪のサンクタモドキは居た。

 

「つーか机に座らない。子供じゃないんだから」

「はいはい。細かいなぁ、ドクターは」

 

 何か俺がわがままを言ったみたいな空気感を出すな。座るのをやめなさい。

 このオペレーター、モスティマ。俺の胃がやばい理由その1。ちょっと顔が良くてちょっとミステリアスな女だからって油断しちゃいけない。ジャケットと笑顔の裏にはこわーいものが一杯詰め込まれてる。この際夢とか詰め込んでいかない? 平和だと思いますよ。

 

 端的に言って、過去が重そう。かなり、気を遣う。ラテラーノの国家機密で能力が未知数で堕天使っていう属性がもう地雷てんこ盛りなんだよな、眺めてる文にはキャーカッコイイーって言えるけど目の前に出てきたらどうしようかなってなる。

 なった。現在進行系^~。

 

「そう言えばお前、次の出立は何時?」

「うーん。後数週間後? どっか出かけようよ、せっかく時間空いてるし」

「え。ああうん、別良いけど」

 

 即答してしまったが? いやでも、コイツが人と出かけたがるなんて滅多に無さそうだし、良い兆候だから仕方ない。

 俺の即答に満足したのか、手を合わせてニコニコしてる。何考えてるかはやっぱり分からない。

 

 自分で言うのも何だが、まあ大抵のことはハイハイ言ってしまう性格なのが不味い。ただアレだ、野菜と覚える作業は勘弁してくれ、肉とフィーリングで行きてるんだ俺さ。

 この通り急に予定を立てられてももう

 

『何か適当に日にち空けないとな~』

 

 とか思ってる。はっきり言ってお人好しなんだろう。

 

「じゃあ何時空いてる?」

「ちょっと待ってくれ、今計算する書類が有る。落ち着け、行くから。行くって言ったからには行きますから」

「そんな急かさないよ、何ですぐ子供扱いするのさ」

 

 何で? 何でだろうな、具体的には次元の壁を通じて色々見えちゃうからですかね?

 

 手持ち無沙汰にしても何なので、最近常設したお菓子カゴを簡潔に指し示す。お前用だぞぶっちゃけ。

 モスティマは交渉成立と見たのか、飴を取って舐め始めた。それ龍門の激辛麻婆豆腐味だったけど大丈夫かね…………案の定顔が固まってらっしゃるわ。

 

「これは嫌がらせかい?」

「俺は好きなんだよ、取り敢えず何食べてもいいからちょっと待っててくれ。分かったか?」

「分かってるってば」

 

 仕草が色っぽい女が至近距離に居たら落ち着かないんだよな。

 

 

 

 書類終わり。

 

「はいはい、終わりましたよ。で、日付か?」

「そう。どうせだし、今停まってる炎国でからーいもの食べようよ」

 

 炎国っつ―とアレかな、韓国相当のやべー国。ニェンの出身らしいな、アイツ俺に馬鹿みたいに辛いもの食べさせてくるからちょっと苦手。悪いやつじゃないけど。

 

 舌を出して手をぶらぶらさせてくるモスティマ。お前、それは辛いと言うより幽霊じゃねえか? 普通に可愛いからキレそう。俺は別に男として何かが欠如してるわけでもないから、普通にこういうのにぐっと来てしまうんだよな…………卑しか女ばい……。

 

「どうしたのドクター、胸なんて抑えて」

「限界(オタク)です」

「心臓病とか?」

 

 ちげーよ。分からねえと思うけどちげーよ。

 何とかダメージコントロールに成功した俺は、炎国で何が食べたいかについて考えることにする。

 

「炎国の料理、何だかんだあんま食べたことねえな…………ニェンのアレは料理とは言わない」

「何でご飯だけなの。観光スポットも行こうよ、せっかくなんだから」

「チーズダッカルビ食べたいな、チーズダッカルビ食べよう」

 

 あっ。っていうか…………。

 

「俺胃がヤバいんだったな…………炎国の料理はちと厳しいか……?」

「あー……そりゃ仕方ないね、ご飯食べる前に帰る?」

 

 すらすらーっと配慮が口に出る女。ズルい女だぜ、強引なのかそうでもないのかパニックになる。

 

――しかしわざわざその質問をしたってことは、元々は飯もきっちり食いに行く予定だったんだろうな。こいつのことだ、適当に話をしてても目星ぐらいは多少有るんだろう。

 うーむ、仕方ないな。

 

「いや、食べるよ。一日ぐらい無理しても胃は壊れない!」

「別に無理しなくても良いけど?」

「…………」

 

 不思議そうに首を傾げて俺の顔を覗き込んできた。どうやら無意識に「食べたかった」のだと、あんまり自覚がないようだった。ぼんやり虚しい気持ちになる。

 言葉に出ているニュアンスに自覚がないらしい。分かってたと言えば分かっていたことだが…………とはいえ、やりたいことが口をついて出ないのはモノ寂しいと俺は思う。

 

 別に人生観を変えろとか思ってないけど、俺は分かってるつもりで話を進めたくなる。性分というやつだ、お節介極まりないが全く治らない。

 

「俺が無理したい気分なの、偶にあるだろ。そういう日」

「えー。どうかな…………無いかも」

「畜生人外勢が!」

 

 偶にはやってられない日もあるやろがい!

 

「ふふ、相変わらず騒がしいね。ドクターは」

「お前が静か過ぎるから騒がしくしてんだよ」

「そっか」

 

 多分そうでもないんだけど、音だけでも煩くしないとコイツの世界は殺風景すぎる。そういうエゴ。

 

「まあ取り敢えず今日の昼飯でも食べるか。お前もまだだろ?」

「そうだね、今日は何食べるの」

「麻婆豆腐」

「それ本当に大丈夫なのかい?」

 

 そんなニヤけづらで指摘されなくても、全然大丈夫ではないのである。

 でも、食いたいもの食いたいからな…………。

 

 そう。これだよ。

 

「お前は何食べたいの」

「えぇ? 私?」

 

 自分を指差して苦笑い。何だか困ってるような風でも有ったが、俺は無言の圧をかけた。

 コイツは何がしたい、が口に出なさすぎる。頭が良いってことなのかもしれないが、何かなぁ…………。

 

「分かんないや。ドクターのオススメは?」

「いや、そうじゃなくてだな」

「私はドクターが食べて欲しいものが食べたいなぁ」

 

 口元に指を当てて、いつもよりちょっぴり深く。湿っぽい瞳を細めた笑顔。

 

 静かに俺のライフポイントが消え去る音がした。

 ズルいぞ、やはりズルい女だ…………コイツ一匹でこのザマなのにまだまだ相手しなきゃいけない…………寿命使い切る……。

 何か有ったかな、食べてほしいもの。

 

「えーっと…………うーん? じゃあ、スターゲイジーパイ!」

「それじゃ罰ゲームだよ」

 

 モスティマが呆れたようにカラカラ笑う。いやだって、他のものってあんまり分からないし…………。

 

「でもそれがオススメなら、それを食べてみようかな。変わり種も経験だ、君が言うなら尚更興味がある」

 

 こういう事を突然言って俺が黙るのは、半ば恒例行事である。




冷静になると、モテるのって胃が痛そう。好意を寄せられるの疲れる。
気が向いたら続いて、ちゃんとハーレムします。
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