「よっと」
俺は神様に次の世界へ移動させてもらった。
「今度は…森…っていうより町外れの場所だな」
少し離れた場所に町らしきモノが見える。ここは近くの森のようだ。さて、取り敢えず移動するか。町に行けば何か情報が得られるだろう。
「って考えてたんだがな」
さっきから、後ろから殺気がビンビン感じる。振り返ると、そこには1人の男がいた。
「へへへへ。こんな時間にまさか人がいるとはな。久々の飯だ!」
「飯だと?人の事を寄りにもよって飯扱いか」
この男…人間じゃねぇな。
「テメェ何モンだ?」
「へっ!今から食われる奴が気にする事じゃねぇ…よ!!」
男は俺に近づいてくる。速い!?
「チィ!」
俺は横に避けた。
「へ〜…鬼の俺様の速さを避けるか」
「……」
鬼だと!?けど。確かに見れば男のデコには角が生えてるな。
「さっさと俺様に食われやがれ!」
再び鬼は俺に襲い掛かってくる。
「はぁ…相手にすんの面倒だな」
鬼「な、なんだと!」
「おっと悪い。聞こえたか」
鬼「ふざけやがって!!」
「ふざけてるのはお前だよ」
鬼「お前…!殺して…」
俺は懐中時計を取り出して、ボタンを押す。
「幻世【ザ・ワールド】‼‼」
鬼「……」
「相変わらずだなこれは」
俺は懐中時計を見ながらそう呟く。これは、ここに来る前の幻想郷で知り合った奴の中の技の1つだ。本来は俺が覚える事や扱う事は不可能なんだが、そこは神様のおかげでな。
「さて…お前の技使わせてもらうぞ…咲夜」
咲夜【ええ。私の力を存分に使って】
俺はナイフを取り出して鬼目掛けて投げる。投げたナイフは鬼のギリギリ手前で止まる。
「ホント卑怯だよなこの技。ま、他の連中の技もだけどな」
俺は後ろを向き歩き出す。
「幻符【殺人ドール】」カチッ
懐中時計を押し、再び時が動き出した。
鬼「…やる!!ぎゃあああああああああああ!!!!!」
四方八方から飛んできたナイフが、見事全て鬼に命中し、鬼はミンチへと変わった。
「さて、これからどうするかな」
そんな事を考えていたら…
鬼「う…うぅ…」
「嘘だろ!?あんだけされて生きてんのかよ!?ってか徐々に再生してやがる!」
おいおい!ミンチになってなんで生きてんだよ!鬼の生命力はどうなってんだ!?
鬼「へ…へへっ…俺達…鬼はなぁ…腕や足を…斬られた程度じゃ…死なねぇんだよ…頸を斬られない…限りなぁ!!」
「恐ろしいな…」
鬼の奴は元通りになり、俺に襲い掛かる。
「けど、わざわざ自分から弱点を言うとはな!」
鬼「はっ!何も持ってないお前に、俺達鬼の頸が斬れるか!!」
「それはどうかな?」
俺はポケットから一本の刀を取り出す。
「さくら…俺に力を貸してくれ」
そう…これはさくらが使っていた霊剣・荒鷹だ。決戦に行く前に必ず戻ると言って俺に預けていった物だ。
鬼「普通の刀で俺達鬼が殺される訳ないんだよ!」
確かに普通の武器じゃ厳しいのはさっきので分かった。殺人ドールでミンチにしても再生するんだからな。まぁ、宝具で塵も残さなきゃ流石に殺れると思うが、流石に町の近くじゃな。
「さて、それはどうかな?」
俺は荒鷹を抜き構える。
「……」
俺に…力を!
『大丈夫ですよ』
するとそんな声が聞こえた。見ると横から俺の手を優しく握る手が現れた。
「お前は…」
見ると、本来ここにはいない筈のさくらの姿があった。
「さくら…」
さくら『大輔さん。貴方に預けた霊剣・荒鷹。貴方ならきっと使いこなせます』
「無理だ。俺には破邪の血は通っていない」
さくら『確かにそうですが、私や皆さんを含めた霊力が貴方にはあります』
霊力…
「そうか」
さくら『はい。それに、荒鷹が貴方の事を認めています。きっと貴方の力になるでしょう』
すると荒鷹が光っていた。
さくら『大輔さん。私達が戻るまで、どうかこの子達をお願いします。皆貴方の事を認めていますから』
「さくら…」
俺は泣きたいが我慢する。泣くのはあいつ等が全員戻ってきてからだ!
「ありがとうな」
さくら『いえ…』
そして徐々にさくらは消えていく。
さくら『大輔さん。離れていますが、私達の気持ちはいつでも貴方と一緒です』
「もちろんだ!お前たちを必ず救出するからな!」
さくら『はい!待っていますね…』
そしてさくらは消えた。
「…さて」
俺は鬼の方を向く。何故か鬼は俺から距離を取っている。
鬼「なんだよ…なんだよそれは!」
鬼は霊力に反応している。今なら殺れるかも知れない…
「いくぞ…」
鬼「クソッ!」
鬼は森の奥に逃げていく。
「技を借りぞ…さくら」
俺は居合抜きの構えから刀を構える。
『「破邪剣正…」』
鬼「はあっ!…はあっ!…はあっ!」
『「桜花放神!!!」』
さくらの技を放ち、鬼に向かっていく。
鬼「た…助け…あああああああああああああああ!!!!」
見事命中し、鬼は塵1つ残さず消滅した。
「はあっ!…はあっ!!…」
桜花放神…宝具を使うより体力とかが消費される…
「はぁ…はぁ…はぁ……ふぅ…」
俺は地べたに座り、呼吸を整え落ち着く。
「さくらや直仁の奴、よくこんなの撃って平然としてられるな」
まぁ恐らくだが、霊力の量の違いなんだろうな。
「俺の場合、霊力より気を多めに使ったのもあるだろうな」
取り敢えず之からどうするか考えないとな。
「あらあら…一体何があったのかしら?」
振り返るとそこにはロングヘアーの女がいた。はぁ〜…また面倒な事のなりそうだな。