第3次スーパーロボット大戦J   作:YSK

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第09話 デビルガンダムの行方

 

──託された希望──

 

 

 第六の使徒(ラミエル)が現れたことに対応し、出撃しようとした初号機だったが、地上に現れるのにあわせて第六の使徒から狙撃され、大破する羽目になってしまった。

 

 第三新東京市の防御ビルをあっさり貫き、初号機のATフィールド、装甲をものともせずダメージを与えたそのパワーから、どの機体がくらってもまともに耐えられない威力と判明する。

 超火力&超射程の荷電粒子砲に対処するため、一度作戦を立て直すこととなった。

 

 協議の結果、使徒の射程を上回る距離から、ポジトロンスナイパーライフルによる超遠距離射撃ということになり、日本中の電力を集め、相手の射程外からATフィールドをぶち破り、撃破することになった。

 

 一度はエヴァに乗ることを拒絶するシンジであったが、多くの人の言葉と、戦う理由を知り、再びエヴァに乗ることを決意する。

 

 

剣児「よう、シンジ。ちょっと話いいか?」

 

シンジ「剣児さん?」

 

剣児「ああ。いきなりなにもわからず乗せられた者同士、少し話をしようぜ」

 

シンジ「え? 剣児さんも、そうだったんですか?」

 

剣児「おう。いきなりだぜ。怪物が出たら、神社に来いって言われてよ」

 

シンジ「……」

 

剣児「そうやって、否応なく戦いにまきこまれたのは俺だけじゃねえ。ジュドーも、剣人もそうだ。先輩の統夜だって似たようなもんだって聞いたぜ。それに、お前はまだましかもな。あの人や、アムロはまきこまれる時に、親父がいなくなってる」

 

シンジ「え?」

 

剣児「みんな、いろんなもん抱えて戦っているのさ。でも、乗るのが嫌になるってのは否定しねえよ。お前は優しいからな。辛いのもわかる。だから、強制はしない。あとは俺達に任せてくれてもいい。なに、どうにかなるさ。俺のマッハドリルがあるからな!」

 

シンジ「……」

 

剣児「じゃ、俺は先に行く。待ってるぜ」

 

シンジ「……」

 

シンジ(みんな、勝手だ。でも。でも僕は……)

 

 

 悩み、悩んだシンジは、待つ仲間の前に姿を現し、初号機に乗りこんだ。

 

 

 こうして、ヤシマ作戦の決行時間が迫る。

 

 相手は目的地とされる第三新東京市の地下にあるジオフロントを目指し、下部から突き出したボーリング装置を掘り進ませている。

 それが地下へ到達する前の深夜0時が、作戦の決行時間である。

 

 その瞬間が迫ったその時、空間を引き裂いてデュナンの子が現れた。

 

 

健一「ジュエリオン!?」

 

ジュエリオン「ふふっ。聞いたぞ。それがそのまま進むと、人類は滅亡するのだろう?」

 

豹馬「なにをしに来た! お前は健一から狙うんじゃないのか!?」

 

ジュエリオン「ああ。狙うさ。だが、お前を邪魔した結果、人類が滅ぶというなら願ったりだろう!」

 

豹馬「ちっ。そうきたかよ」

 

十三「そりゃ、人類が滅ぶのみたけりゃ邪魔しない手もないわな」

 

剣人「ええい。こんな時に!」

 

鉄也「いいか、シンジを守れ。俺達がなぜここにいるのか、わからせてやる!」

 

剣児「おう。シンジ。お前は撃つことだけを考えればいい! こっちは任せろ!」

 

シンジ「は、はい!」

 

 

 シンジの乗るエヴァンゲリオン初号機を狙い、デュナンの子が攻撃を仕掛ける。

 それからポジトロンスナイパーライフルを守るため、ロンド・ベル隊はその防衛に入った。

 

 第六の使徒の射程に入れば容赦なく砲撃されるという状況の中攻撃をしのぎ、いよいよ強力な電力を集めた一撃が放たれた。

 

 

 ゴッ!!

 

 

ミサト「や……ってない!」

 

マヤ「外れました!」

 

 

 砲撃同士が干渉したのか、一撃目は使徒からそれ、外れてしまった。

 

 スナイパーライフルは砲身を冷却するため、次を撃つまでしばらくの時間がかかる。

 その短いながらも長いチャージタイムを、敵は見逃してくれない。

 

 デュナンの子がさらなる猛攻を仕掛け、この作戦を失敗させようとする。

 が、それを許す統夜達ではない。

 

 

ブライト「予定を前倒しにする。防御シフトだ!」

 

凱「おう!」

 

 

 万一第一射を外したことも想定済みであった。

 第二射までに、相手が撃ち返してくることも考え、射手であるシンジを守るため、零号機の盾だけでなく、バリアを持つ機体が初号機を守るよう配置されていたのだ!

 

 

凱「うおぉぉぉ! 第一弾、プロテクトウォール!」

 

チャム「いっけー! 第二弾、オーラバリアー!」

 

ショウ(頭の上で言うならまあいいか)

 

アル「第三弾、ラムダ・ドライバにございます!」

 

宗介(なぜ今回だけ無駄に音量を上げる。他と同じく気合を入れたのか?)

 

 

 同じ妖精枠として対抗したからとは言えない。

 迫るデュナンの子からの攻撃に、バリアを重ね防御してゆく。

 

 

シンジ「みんなっ!」

 

凱「大丈夫だ。君は狙いをつけることだけを考えろ! 俺達が、絶対に守る!」

 

シンジ「は、はい!」

 

ジュエリオン「……身をていして守る、だと!」

 

 

 すべての攻撃からシンジを守り、陽電子砲の再チャージが完了した。

 

 

日向「第2射、いけます!」

 

マヤ「射撃用諸元、再入力完了。以降、誤差修正はパイロットの手動操作に任せます!」

 

青葉「目標に再び高エネルギー反応!」

 

ミサト「まずいっ……!」

 

 

 二射目を放とうとした瞬間、第六の使徒からも初号機にむけての砲撃が放たれた。

 バリア担当は予定と違い、周囲からの攻撃を防ぐのに使われている。

 

 そうして広げた分強度が弱まり、威力を軽減はすれど、その一撃は殺しきれず、初号機へ届かん勢いだった。

 

 唯一直接荷電粒子砲から初号機を守れたのは……

 

 

シンジ「綾波っ!」

 

レイ「……」

 

 

 とっさに間に入れたのは、唯一フリーで盾を持っていた零号機だった。

 

 

シンジ「早く、早く!」

 

 

 ぶれる照準を必死に合わせ、シンジは引き金を引いた!

 

 

 激しい閃光と共に、スナイパーライフルから放たれた弾丸は、第六の使徒を貫く!

 

 断末魔と共に砕け散るそれ。

 

 

 第六の使徒殲滅がなった瞬間であった。

 

 

シンジ「みんな!」

 

ショウ「全員大丈夫だ」

 

宗介「よくやった」

 

シンジ「綾波は!?」

 

レイ「大丈夫よ。ダメになったのは、盾だけ……」

 

シンジ「よかった。綾波も、無事だ……」

 

レイ「ごめんなさい。こんな時、どうすればいいか、わからないの……」

 

シンジ「笑えばいいと思うよ。みんなと同じように」

 

凱「ああ。その通りだ」

 

レイ「……」

 

 

 綾波レイは、シンジへ微笑んだ。

 

 

ジュエリオン「……」

 

健一「ジュエリオン。見たか、あの姿を。今の守りあう姿を見て、君はなにも感じないか?」

 

ジュエリオン「……ふん。興がそがれたわ」

 

 

 そう吐き捨てるように言い、新たな兵を出すことはなく、彼女の姿は消えた。

 残ったのは、最初に出したデュナンの子のみ。

 

 それを掃討し、この作戦は終了するのだった……

 

 

──燃ゆるホンコン──

 

 

 ホンコン・シティ。

 ユーラシア大陸の東の端に突き出た天然の深い港湾を抱える自由貿易地域である。

 

 今回統夜達ロンド・ベルはデビルガンダム細胞の行方を追うドモン一行からの連絡を受け、ここに来ていた。

 

 ドモン達の調査の結果、このホンコン・シティで行われる闇オークションにデビルガンダム細胞が出品されるとの話があるとわかり、その摘発への協力と、万一に備えての協力要請があったのだ。

 

 上層部の協議の結果、ホンコンのコネクションが行う違法オークションを摘発する際、シャッフル同盟が協力し、本当にデビルガンダム細胞があった場合の万一に備え、ロンド・ベルが控えるということになった。

 

 

ルネ「摘発というと、私の出番だね」

 

 

 対特殊犯罪組織シャッセール所属のルネにより、国際的な警察権の行使が可能となる。

 そこにシャッフル同盟とミスリルの陸戦隊。さらにウルズチームの三名も加わり、マシンロボの一行も控える万全の態勢と言ってよかった。

 ぶっちゃけ生身だと過剰と言ってもいい。

 

 摘発は、デビルガンダム細胞が出品され、現物が確認された時。

 

 

ブライト「わざわざオークションがはじまるのを待つんですか?」

 

大河長官「理由は二つある。その闇オークションを取り仕切り、デビルガンダム細胞を手にしている可能性があるのは、ホンコン・シティのトップであるウォン・ユンファだからだ」

 

ブライト「ホンコンを取り仕切っている男ですか。それは簡単に手は出せませんね」

 

テッサ「デビルガンダム細胞という目玉商品を出すならば、本人もやってくるでしょう。そこを、捕らえたいそうです」

 

大河長官「明確な証拠を示せなければ、しらを切られる可能性もある。それだけは避けねばならないからね」

 

 

 その上、オークションが開催されればデビルガンダム細胞は確実にこの地に運ばれ、ありかを示される。

 現行犯はもちろんのこと、デビルガンダム細胞がどこに保管されているのかを確認するためでもあった。

 会場ならば現物を見せるだろうし、モビルスーツ形態になっていたとしても、どこかでデモンストレーションを行うはずだ。

 どこにあるのかがわかれば、回収も容易になるというわけだ。

 

 保管場所。もしくはデモンストレーション会場がわかれば、即座に突入だ。

 

 

凱「二つ目の理由は?」

 

大河長官「もう一つは、それほどの代物が出品されるとなれば、コネクションの連中も多く現れるということだ」

 

ブライト「どういうことですか?」

 

アイザック「こちらから説明しよう。どうやらドレイク軍は裏社会にはびこるコネクションの支援を受け、活動を広げているようだ」

 

ブライト「なんだって!?」

 

アイザック「君達と死闘を繰り広げたあのガウルン。ヤツが懸け橋となり、武器や食料などを融通してもらっている」

 

大河長官「そういうことだ。異界よりやってきた彼等が地球を不自由なく飛べるのも、支援者がいるからだ。今回のオークションは、その支援者となるコネクションも参加する。その者達をうまく捕まえることができれば、間接的にドレイク軍も弱体化させられるということなのだよ」

 

ブライト「なるほど……」

 

大河長官「もちろん、一番の目的はデビルガンダム細胞の確保だ。それ以外は、逃がしてもなんとかなる」

 

テッサ「逆に言えば、むこうもデビルガンダム細胞の確保だけは避けようとしてくるでしょう。その気になればあれ一つで、自滅覚悟の大逆転も可能な代物ですから」

 

ドモン「その通りだ」

 

 

 気を引き締めなければならない。

 統夜達は大きくうなずいた。

 

 そして、闇オークションに潜入し、デビルガンダム細胞が出品されたことを外に伝える者が必要である。

 

 その役目は、裏でも名が通るJ9が務めることになった。

 彼等の合図とともに、先ほどの最強摘発チームがなだれこむのである。

 

 

プル「潜入捜査! かっこいい!」

 

 

 一部の子供達に潜入捜査という単語が刺さりまくり、目をキラキラさせたが、遊びではないので連れて行ってもらえるわけはなかった。

 さすがに今回はアーガマにて機体に乗り万が一に備える役回りである。

 

 絶対抜け出していこうとするので、厳重な監視つきで。

 

 

プル「ちえー」

 

ジュドー「オークション、行きたかったな」

 

 

 無事、配置につき、J9がオークションへ潜入する。

 

 その闇オークションにはそうそうたるコネクションの面々がそろう。

 この面子だけで、今回のそれに相応の品物が出品されることがわかった。

 

 オークション会場には、ガウルンの姿もあった。

 

 アイザックからの報告に、宗介は銃の弾数を確認する。

 

 

マオ「やる気?」

 

宗介「ヤツを捕縛することは不可能だ」

 

クルツ「確かにな」

 

 

 最後に現れたのは、このホンコン・シティのトップ、ウォン・ユンファ。

 ホンコンを支配する彼が現れたことで、ここにデビルガンダム細胞が出品されるという話の信憑性がさらに高まる。

 

 こうして、そうそうたる面子をそろえ、闇オークションがはじまった。

 

 

 オークションそのものは、滞りなく進んでゆく。

 

 ついに今回の目玉。デビルガンダム細胞のお披露目となったその時。ホンコン・シティに激震が走った。

 

 

 警報が鳴り響く。

 

 このタイミングで、ネオジオン・ムゲ帝国同盟軍がホンコン・シティに攻めこんできたのだ。

 

 

 ムゲ帝国の機体に混じり、上空より降り立つ巨大な黒いガンダム、サイコガンダムマークⅡ。

 その出現のおかげでオークションは続行不能となり、その時点で摘発チームは突入。参加者の逮捕を優先した。

 

 外の襲撃も気にはなったが、ここで捕らえねばならない者も多かったからだ。

 

 しかし、デビルガンダム細胞のありかはわからず、その所有者とされるウォン・ユンファには逃げられてしまう。

 もちろん、混乱に乗じてガウルンも宗介からの逃走を成功させる。

 

 

ガウルン「あーあ。デビルガンダムが手に入れば、愛しのカナメちゃんを核にしてやろうと思ったのによ」

 

宗介「今度こそ終わりだ」

 

 

 追い詰め、引き金を引こうとしたその瞬間。運悪く二人の間を遮るよう天井が崩れ、通路がふさがれてしまったのだ。

 

 

ガウルン「悪いなカシム。ツキはまだ俺の方にあるようだ」

 

 

 ガウルンの声だけが響き、ヤツはそのまま去ってゆくのだった。

 

 

宗介「くそっ!」

 

 

 そして外では、ニュータイプ達の新たな邂逅が起ころうとしていた。

 

 ホンコン・シティに現れたサイコガンダムマークⅡ。

 それを見た瞬間、ニュータイプの少年達はそこにいる少女の存在を感じとる。

 

 

ジュドー「これは……!」

 

アムロ「この感じは……」

 

プル「え?」

 

ジュドー「プル?」

 

プル「ゾクッとした! 嫌な、嫌なものが、来る……!」

 

 

 ムゲ帝国の機体に混じり、クロッペンと共に現れた巨大なモビルアーマー。

 そこに大きな力を感じるニュータイプの少年達。

 

 特にプルは、なぜか大きな嫌悪感を感じた。

 

 出撃の命令を待たずアーガマを飛び出すプル。

 続いて、ホンコン・シティを守るため出撃するロンド・ベル。

 

 彼女は一目散に、現れたサイコガンダムへと飛び進んでゆく。

 

 ジュドー達は、なかば暴走したプルを追う。

 

 

 ぶつかりあうサイコガンダムマークⅡとキュベレイマークⅡ。

 

 その瞬間、二人のパイロットに衝撃が走った。

 

 

プル「なに、これ!?」

 

プルツー「なんだ、この感じ。このざらつきは!」

 

プル「ねえ。あなたは、あなたは誰なの!?」

 

プルツー「っ!? 誰だ。私の心に触れてくる奴は!」

 

プル「わたし!?」

 

プルツー「わたしだと!?」

 

 

 互いの存在を感じとり、驚く二人。

 互いにクローンという存在であったが、その存在を知るのは初めてのことだった。

 

 

プルツー「気持ちが悪いの、消えちゃえ!」

 

 

 広義の意味で同一人物である二人の攻撃は、互いがどこを狙っているかがわかるかのように、ぶつかりあい、相殺されてゆく。

 

 

プル「なんでわたしのすることがわかるの!?」

 

プルツー「それはこっちのセリフだ! 不愉快な奴め!」

 

ジュドー「なんだこの感じは」

 

アムロ「ジュドー、わかったぞ。あれは、プルだ。もう一人のプルなんだ!」

 

ジュドー「どういうことさ!?」

 

ムウ「そうか。クローンだ! だから、互いの存在がわかる!」

 

 

 通信を聞いたムウが答えた。

 

 そう。彼には同じ人間がもう一人いるという経験があった。

 ゆえに、すぐにわかった。

 

 

プルツー「クローンだって!? あたしの!?」

 

プル「わかった。だからなの。あの子は、わたしのいっとう激しところを持った子だ。聞いて、わたしは、エルピー・プル。あなたは!」

 

プルツー「うるさい! お前の声など聞きたくない! 不愉快だ!」

 

プル「わかるよ。人はね自分を見るのが不愉快なの。でもね、自分自身をやめることはできないの! お願い話を聞いて!」

 

プルツー「うるさい。うるさい! わたしはプルツー。お前じゃない!」

 

 

 巨大な機体の姿が変わる。

 モビルアーマー形態からモビルスーツ形態へ。

 

 本当のサイコガンダムマークⅡの姿が、そこに現れた。

 

 

シン「変形した!?」

 

ルナマリア「なんだ、ガンダム!?」

 

プルツー「サイコガンダムマークⅡだよ!」

 

 

 しかし、動きに精彩を欠き、頭痛を訴えた彼女はホンコン・シティで暴れるだけ暴れて撤退してゆく。

 

 

クロッペン「ちっ。しょせんはクローンか。もう少し役に立つかと思えば。撤退する!」

 

 

 彼女の撤退と共に、戦線が崩れたのを認識すると、クロッペンも隊を下げた。

 

 こうして、ホンコン・シティの戦いは終わる。

 

 

 闇オークションに集まったコネクションの面々を捕らえることには成功したが、その主催者。ホンコン・シティを差配する黒幕、ウォン・ユンファと最大の目的であったデビルガンダム細胞の存在を確認することはかなわなかった。

 

 唯一の収穫は、ここからドレイク軍に新たな兵器が回るということがなかったことくらいだろう。

 

 闇オークション主催の現行犯をおさえられたウォンは国際指名手配されることとなり、その栄光は終わりを告げた。

 追われる身となった彼がなにをするかは……

 

 

 ゴゴッ。

 

 

 戦いも終わり、一息ついたところで、大地が揺れた。

 

 それはまだ、ホンコンでの戦いは、終わっていない証だった……

 

 

──デビルガンダム、再び──

 

 

ブライト「なにが起きた!?」

 

トーレス「異常なエネルギー反応を確認」

 

サエグサ「場所は、ランタオ島です! 反応は、デ、デビルガンダム!?」

 

ブライト「なんだと!?」

 

 

 かつてマスターアジアが地球の自然を癒そうとデビルガンダムを利用し、旧分艦隊と決着をつけた場所。

 その時と同じ場所に、再びデビルガンダムが現れたのだ。

 

 

シーラ「あれが、デビルガンダム……」

 

エレ「なんて禍々しい。まさに、悪魔の姿……」

 

グレート・ウォン「わたしはグレート・ウォン! このままデビルガンダムで、世界を終わらせてあげましょう!」

 

 

 デビルガンダムを起動させたのは、逃げ場を失ったウォン・ユンファだった。

 

 自身は再生させたグランドマスターガンダムに乗り、デビルガンダムの横で高笑いをあげる。

 

 

トレース「どうやら逃げきれないと悟り、イチかバチかの賭けに出たようですね」

 

ブライト「あのデビルガンダムに核の反応はあるか?」

 

サエグサ「どうやらとりこまれた人間はいないようです」

 

シーラ「核、とは?」

 

ブライト「あれの性能を完全に引き出すには強い肉体を持つ人間が必要不可欠なんだ。特に女性の方が適正が高いと聞くが、いないのならば、この戦力でも十分に倒せる」

 

シーマ「では」

 

ブライト「補給が済み次第デビルガンダムを叩く。総員準備を急げ!」

 

 

 ホンコンでの戦いはまだ終わっていなかった。

 ロンド・ベル隊はオークション摘発チームを回収し、急いで補給を済ませ、ランタオ島へとむかう。

 

 

グレート・ウォン「ふふふふふ。はーっはははは!! このまま、世界など。地球など!」

 

 

 高笑いもひと段落し、いよいよホンコン・シティの方へと動き出そうとしたその時だった。

 

 

???「待てい!」

 

グレート・ウォン「誰だ!」

 

 

 逆光と共にそこに現れたのは、鋼の体を持つ青年。剣狼と共に一足先にやってきたロム・ストールであった!

 ケンリュウと合身し、デビルガンダムとグレート・ウォンの乗るグランドマスターガンダムの前に立ちふさがる。

 

 

ロム「これより前には進ません!」

 

グレート・ウォン「ぬう。だが、たった一人で……」

 

???「待てい!」

 

グレート・ウォン「なにぃ!?」

 

 

 別の高台に逆光をもって現れたのは、銀のおさげ髪を持つ格闘家。東方不敗であった!

 マスターガンダムを呼び出し、ケンリュウの隣へ並ぶ!

 

 

東方不敗「デビルガンダム。貴様にそれを使わせるわけにはいかぬわ」

 

グレート・ウォン「ぬぅう。マスターアジア。貴様まで。だが、たったふた……」

 

???「待てい!」

 

グレート・ウォン「またですか!!」

 

 

 高台に現れる五つの影。

 キング・オブ・ハート、ドモン・カッシュ。

 クイーン・ザ・スペード、チボデー・クロケット。

 ジャック・イン・ダイヤ、ジョルジュ・ド・サンド。

 クラブ・エース、サイ・サイシー。

 ブラック・ジョーカー、アルゴ・ガルスキー。

 

 黄金の光と共に、今の世界を守るシャッフル同盟の五人が現れた!

 

 五人で愛機を呼び、ケンリュウ、マスターガンダムと並ぶ!

 

 

グレート・ウォン「シャッフル同盟までも……だが、こちらにはデビルガンダムの軍ぜ……」

 

???「待てい!」

 

グレート・ウォン「もういいかげんにしてください!!」

 

 

 さらに誰かが出ようとしたところを、強引にとめさせた。

 さすがのグレート・ウォンも、これ以上名乗りを聞いている余裕はなかったようだ。

 

 

ブライト「だが、補給までの時間は十分稼いだ。総員出撃!」

 

グレート・ウォン「し、しまった!」

 

 

 無事補給を終えたロンド・ベルの面々が出撃を果たす。

 

 

 いかにデビルガンダムとはいえ、コアに誰もおらず、成長もしていない状態での戦いではロンド・ベル相手に勝ち目はなかった。

 

 勝っているのはデスアーミーの数だけで、それも次々と破壊されてゆく。

 

 

グレート・ウォン「こ、これが地球最強と言われる部隊……!」

 

 

 追い詰められたデビルガンダムに、ドモン達の拳が迫る。

 

 

東方不敗「ドモンよ!」

 

ドモン「はい!」

 

 

 とどめは、ドモンと東方不敗による二人同時の石破天驚拳。究極石破天驚拳だった。

 

 

グレート・ウォン「ばっ、馬鹿な!」

 

ルネ「おっと。あんたはそこまで。これ以上暴れようと思うんじゃないよ」

 

グレート・ウォン「くっ……!」

 

 

 行動不能となったグランドマスターガンダムに乗りこんだのは、警察権を代表してシャッセール所属のルネだった。

 

 

グレート・ウォン「ぐっ……がっ、があぁぁぁ!!」

 

ルネ「なにっ!?」

 

 

 だが、追い詰められたグレート・ウォンは苦しみ、その顔は溶けるように崩れ落ちた。

 その中身はゾンビ兵。これは、ウォン・ユンファのコピーだったのだ!

 

 

ウォン「……ふふふふふ」

 

 

 本物のウォンは、船に乗りホンコン・シティから逃げる最中だった。

 まさかデビルガンダム本体を囮にして逃げるとは誰も思わないだろうとのことで、自身の偽物をデビルガンダムに作らせ逃げたのだ。

 

 

ウォン「まだです。わたしはまだあきらめない。これがある限り、まだやり直せますからね。どうにでもなります!」

 

 

 その手には、デビルガンダム細胞の入ったケースがあった。

 大部分は失われてしまい、再び使えるようになるまでは多くの時間が必要であるが、それでも再起は可能である。

 

 それだけ強力な品物なのだから。

 

 だが、ウォン・ユンファの命運もそこまでだった。

 

 彼は物陰から飛び出してきたコブラにかまれ、悲鳴をあげる間もなく絶命してしまうからだ。

 

 そこに、近づく影が一つ……

 

 

 ホンコン・シティから逃亡を図ろうとしたウォン・ユンファの船は、追ってきた警備艇により発見され拿捕された。

 そこにはすでに息絶えたウォンの死体があり、彼の手元には空になったケースが落ちていたそうだ……

 

 

 デビルガンダム細胞をめぐる戦い。

 それはまだ、終わっていないようだ……

 

 

 そしてもう一つ。

 ホンコンシティでの争いの最中。

 

 

ガウルン「運よくカシムからは逃げられたとはいえ、どうしたもんかね……」

 

 

 宗介の銃から逃げられたものの、ガウルンは瓦礫の山にふさがれた通路からどう出たものか。という状態に陥っていた。

 

 ぼごんっ。

 

 途方にくれていると、瓦礫が崩され、そこから別の誰かが現れた。

 どうやら同じくこの場から脱出するために、瓦礫を破壊したようだ。

 

 

ガウルン「へえ」

 

???「ハハハハハ。これはこれは、ここで君に出会えるとは、これは我が主の導きであろうな……」

 

 

 それはある種、運命の出会いであった。

 

 

 第9話 終わり

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