第3次スーパーロボット大戦J   作:YSK

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第13話 ネルフの長い長い一日

 

──決戦! 第三新東京市 前編──

 

 

 ネオジオンが地球より撤退したことにより、ドレイク軍との地球支配を目的とした覇権争いの三つ巴は崩壊した。

 その流れのまま、地球連合は、ドレイク軍と決着をつけるべく準備をはじめる。

 

 連合軍の準備が整うまでの間に、ネルフはエヴァンゲリオン3号機の起動実験を進めようとしていた。

 

 大がかりな実験となるため、どこかの勢力からの襲撃の可能性を考慮し、実験場付近はエヴァ2機が護衛(アスカは3号機に乗るので護衛はシンジとレイ)し、他は別の場所で待機ということになり、起動実験は開始された。

 

 杞憂は見事に的中することになり、その実験場へ迫る影が現れた。

 

 ドレイク軍から放たれた刺客。トッド・ギネスとガウルンだった。

 これ以上ロンド・ベル隊の戦力が増強されるのはむこうとて望まないのは当然だった。

 

 その迎撃に出る統夜達。

 

 そこへさらに、ガルディとグローバインのギャンドラーまでもが現れた。

 

 ドレイク軍もギャンドラーもロンド・ベルがいないところで出会ったなら殴りあうくらいの仲であるが、今回はそこにロンド・ベルがいる。

 しかも、現れた大物達の獲物にかぶりはない。

 

 ゆえに、互いの獲物をとりあわない限り、助けもしなければ邪魔もしない。三つ巴の戦いであるはずなのに、実質的にロンド・ベル隊は二対一の戦いをせざるを得ない状態となった。

 

 名だたるライバルが多くそろったこの戦いは、非常に激しいものとなった。

 

 トッドは一度倒れてもハイパーライネックと化し、ガウルンに手加減など一切ない。

 ガルディもグローバインと共に、ロム達を大きく苦しめた。

 

 それでも、全員に手痛いダメージを与え、撃退に成功する。

 

 今までで一番厳しい戦いだったかもしれないが、彼等は勝ったのだ。

 

 

 ほっと一息をついたのもつかの間。ネルフからの緊急通信が入る。

 

 

 なんと3号機の中に潜み、その機体を乗っ取り第9の使徒と化した3号機と、のちに最強の拒絶タイプと称されることになる第10の使徒が同時にネルフを襲撃、ネルフ本部のあるジオフロントにまで侵入されてしまったのである。

 このままでは最深部であるセントラルドグマにまで到達され、使徒により未曽有の大災害が引き起こされてしまう。

 もしくは、ネルフ本部の自爆により使徒をまきこんでの地図を大幅に書き換える事態となるだろう。※万一使徒がセントラルドグマまで侵入された場合、ネルフ本部は敵をまきこんで自爆する設計になっている。

 

 今戦いが終わったばかりとはとても言っている場合ではない。

 

 補給も修理も満足にできないまま、ロンド・ベル隊はネルフ本部のあるジオフロントへと急行する。

 

 

──決戦! 第三新東京市 中編──

 

 

 ロンド・ベル隊がジオフロントへむかった時から、少しだけ前に戻る。

 

 

 第三新東京市。

 警報と共に、そこに住む人達は皆シェルターへと避難している。

 

 そこへ、大きな地響きを響かせながら第9の使徒となった3号機が歩いていた。

 

 その進行を遮るようにして立つ人影が二つ。

 初号機と零号機。

 

 起動の爆発で一時現場が混乱し歩き出した3号機は見逃したが、先回りしてその前に出たのである。

 

 

シンジ「アスカ!」

 

ミサト「ダメよ、シンジ君。エントリープラグは完全に外部からの信号を拒絶しているわ」

 

 

 同じく起動実験場から司令部に戻ってきたミサトがシンジに声をかける。

 

 

ゲンドウ「あれは使徒だ。速やかに倒せ」

 

シンジ「嫌だよ。アスカが乗っているんだよ!」

 

ゲンドウ「かまわん。そいつは使徒だ。我々の敵だ」

 

シンジ「でも、できないよ……! 殺すなんてできないよ!」

 

ゲンドウ「お前が死ぬぞ」

 

シンジ「……っ!」

 

ゲンドウ「……パイロットと初号機のシンクロを全面カットだ。制御をダミーシステムに切り替える」

 

リツコ「しかし、ダミーシステムにはまだ問題も多く……」

 

ミサト「危険です、碇司令!」

 

ゲンドウ「今のパイロットよりは役に立つ。やれ!」

 

リツコ「……はい」

 

 

 シンジが使えぬとみるや、ゲンドウはダミーシステムの起動を強行しようとした。

 

 しかし……

 

 

シンジ「……嫌だ」

 

ゲンドウ「なに?」

 

シンジ「僕が死ぬのも、アスカが死ぬのも、どっちも嫌だ!」

 

マヤ「ダミーシステム、起動しません!」

 

リツコ「違う……! コアユニットがダミーを拒絶しているんだわ!」

 

冬月「初号機になにがおきている」

 

ゲンドウ「……」

 

シンジ「アスカは殺さない。僕が、助ける! みんななら、きっとそう言う!」

 

 

 仲間との交流を経て様々な影響を受けたシンジは、アスカを守るという選択をとったのだった。

 

 

シンジ「エントリープラグを引き抜くよ。少しだけ、我慢してよねアスカ!」

 

マコト「っ! 直上に反応!」

 

シゲル「パターン青! 使徒です!」

 

ミサト「もう一体ですって!?」

 

シンジ「っ!?」

 

 

 第9の使徒が迫り、初号機と格闘をはじめようとしたその時だった。

 

 上空からもう一体、別の使徒。第10の使徒が現れたのだ。

 

 それは現れるのと同時に、目を光らせ、都市を爆撃する。

 

 

 ドゴオォォン!!

 

 

 激しい光と爆音。

 その一撃で地表は吹き飛び、ジオフロントの中にあるネルフ本部、ターミナルドグマはむき出しとなった。

 

 

シンジ「こんな、時に!」

 

 

 第9の使徒と格闘を続けるシンジが苦々しい声を上げる。

 

 第10の使徒は、初号機など無視してターミナルドグマへと降りてゆく。

 

 

ミサト「他のみんなは?」

 

マヤ「現れたギャンドラーとドレイク軍を相手にしています!」

 

ミサト「こんな時に!」

 

???「なら、助っ人が必要だね!」

 

 

 本部の近くに、エヴァンゲリオン2号機が現れた。

 乗っているのは、真希波・マリ・イラストリアス。通りすがりのエヴァパイロットである。

 

 彼女が助っ人に入り、第10の使徒に立ち向かう。

 しかし、圧倒的な強さであるそれに、普通の状態ではかなわない。

 

 ゆえに彼女は、2号機の裏コード、『ザ・ビースト』を発動させる。

 

 さらにターミナルドグマへ降りた零号機が、自爆覚悟の攻撃を行う。

 

 

 それらの決死の攻撃だったが、第10の使徒には通じず、綾波レイは零号機ごと第10の使徒に捕食されてしまうのだった。

 

 

シンジ「綾波ー!」

 

リツコ「まさか、使徒がエヴァを捕食するなんてあり得ないわ!」

 

マヤ「変です! 使徒の識別信号が零号機に切り替わります!」

 

ミサト「やられた! パターンが使徒でなくなった以上、これで奴がセントラルドグマに侵入しても本部は自爆しない!」

 

 

 第10の使徒の咆哮。

 

 その影響でさらに地表は崩れ、初号機と第9の使徒はターミナルドグマへと落下することになる。

 落下の衝撃はATフィールドで緩和することができたが、瓦礫と煙で一時期第9の使徒の行方がわからなくなった。

 

 ケーブルも切れたので、初号機は内部電源へと切り替わる。

 

 このままでは、動けなくなる。

 

 そうなったところで、救援要請を受けたロンド・ベル隊が到着する。

 

 

ブライト「現状は!?」

 

ミサト「第9にアスカが。第10にレイがとらわれてしまったわ」

 

 

 第10の使徒の隣に、第9の使徒が姿を現す。

 

 

ブライト「なんてことだ」

 

剣児「どちらもまだ死んだと決まったわけじゃない。シンジ、取り返すぞ!」

 

シンジ「はい!」

 

 

 戦艦からのケーブルに切り替え、シンジも隊列に加わる。

 ただ、ロンド・ベル隊も先の戦いから回復は不十分である。わかりやすく言えば、精神ポイントは回復したが、HPとエネルギー、弾薬は80パーセントといったところである。

 

 さらにロンド・ベル隊が到着したところで、デュナンの子が現れた。

 

 

ジュエリオン「あれ一機ならばなにもせずとも終わったというのにな。お前達が来たのなら話は別であろう。あのまま、終わっておけばよかったものを」

 

豹馬「また懲りずに送りこんできやがって」

 

 

 こうして、第9の使徒と第10の使徒。

 二つにとらわれた少女を救い出す戦いがはじまる!

 

 

 ロンド・ベル隊は疲弊しているが、それでも二人を助けたいという気持ちは強かった。

 

 特にシンジは、絶対に助けるという強い想いをもって立ち向かった。

 その想いのもと、シンジと初号機は、疑似シン化第1覚醒形態へと覚醒する。

 

 ヒトを超えた状態となったシンジは、第9の使徒からアスカの捕らわれたエントリープラグを引き抜き、第10使徒の中からレイを救い出した。

 

 その変化に人へと戻れるのか心配されたシンジであったが、それは杞憂であった。

 二人を救い出し、自身も無事、帰還する。

 

 使徒二体が撃退されると、デュナンの子も追加なく去っていった。

 

 

トーレス「敵の全滅を確認しました」

 

シンジ「アスカ、綾波!」

 

マヤ「どちらも生命活動を確認。無事です!」

 

ミサト「二人は助かったか。といっても、ネルフは全然無事じゃないけど……」

 

 

 ミサトがため息をつく。

 

 ジオフロントの天井である地表は吹き飛び、大穴が開いている。

 ネルフ本部のあるターミナルドグマもひどいもので、戦いの余波でボッロボロになっていた。

 

 特に第10の使徒の攻撃力はすさまじく、最下層のセントラルドグマへむかうメインシャフトまでむき出しになっている状態だった。

 

 

ミサト「ここでさらに使徒のおかわりなんてことになったら終わりね」

 

マコト「そうですね。流石に今日はこれ以上……」

 

 

 ビーッ、ビーッ。

 

 

ミサト「今度はなにぃ!?」

 

マヤ「ドレイク軍が来ます!」

 

ミサト「なんですって!?」

 

冬月「疲弊したロンド・ベルを叩きに来たか? ここで戦われるのは困るな」

 

マヤ「いえ、狙いはここです! この下にある生命の源を渡せと言っています!」

 

冬月「なんだと!?」

 

 

 通信回線が開かれる。

 

 

カーメン「はじめましてネルフ、そしてロンド・ベルの皆さま。私の名はカーメン・カーメン。ドレイク軍を援助するコネクションの代表にして、ドレイク軍の地球側オブザーバーにございます。今回はドレイク殿にかわり、あなた方への交渉役として選ばれました」

 

アイザック「カーメン・カーメンだと!?」

 

お町「知っているの?」

 

アイザック「最近台頭してきたヌビア・コネクションのトップだ。厄介な相手が出てきたものだ」

 

ゲンドウ「地下にお前達に渡すものなどなにもない」

 

カーメン「ハハハ。腹芸をする必要はありません。私は知っている。そこになにがあるのかを。なぜなら、私も文書(もんじょ)を持っているからだ」

 

ゲンドウ「っ!」

 

カーメン「ゆえに、私はすべてを知っている。そこになにがあるのかを。宇宙でそれが、なんと呼ばれているのかも。渡すのです。生命の源を。『ハイリビード』を!」

 

ロム「っ!」

 

ミサト(やっぱり……!)

 

 

 死海文書外典。

 それが、先ほどカーメン・カーメンの言った文書の正体だ。

 それは、かつてこの地に現れ、火星やアフリカに遺跡を造り、その力に『ハイリビード』と名づけた者達(フューリーでなくグラドスやマシンロボの祖先のこと)が残した文章。

 宇宙に伝説の力を広めた者達が残した遺産。

 

 生命を新たなステージへ至らせる方法を描いた説明書の写本こそが、ゼーレが望む計画のもとである。

 

 それと同じものを、カーメン・カーメンは所有していると言っている!

 

 

ゲンドウ「そこまで知っているのなら、我々がうなずくわけもないと知っているはずだ」

 

カーメン「ハハハ。わかっていても聞かねばならぬ時もある。体面は必要なことは知っているだろう? では、交渉は決裂。あとは力で奪うのみ。そうドレイク殿に伝えておこう。健闘を祈る。ハハハ。ハハハハハハ」

 

 

 高らかな笑い声をあげ、カーメンとの通信は終わった。

 

 

リツコ「使徒の次は人に狙われているというわけね」

 

ゲンドウ「いずれにせよ、ここを渡すわけにはいかん」

 

ブライト「皆、いけるか?」

 

甲児「もちろんだぜ」

 

アスカ「私も行くわ」

 

シンジ「アスカ。大丈夫なの?」

 

アスカ「あったりまえよ」

 

 

 ちなみに零号機はさすがに食われたので、レイは今戦いに参加できない。

 

 

ミサト「じゃあ、徹底抗戦ということ……」

 

ロム「待て」

 

ミサト「な、なに? ハイリビードがここにあったとか、私は知らなかったからなにも言えないわよ」

 

ロム「……剣狼が告げている。何者かがすでに、地下へ侵入していると!」

 

リツコ「なんですって!?」

 

マコト「あ、ありました。セントラルドグマに侵入者です! この反応。なんだこれは。機械? 人間……?」

 

リツコ「いえ。これはロム君達と同じ。ギャンドラーだわ!」

 

ロム「こいつは……!」

 

 

 画面に映し出されたのは、メインシャフトを降りるギャンドラーの集団だった。

 

 その先頭に立つのは、ガデス。ギャンドラーの首領であり、ハイリビードを求める、ロム達の父の仇である!

 

 

冬月「なんてことだ。こうなれば……」 

 

マヤ「駄目です。自爆装置作動しません。破壊された模様です!」

 

冬月「なんてことだ」

 

ゲンドウ「……」

 

 

 上にはドレイク軍。下にギャンドラー。

 

 

ミサト「これは二手に別れるしかないみたいね。どちらに奪われても終わりなんでしょうから。今、ぱぱっと組み分けしたわ」

 

ブライト「それでいきましょう。どちらも厳しい戦いになる。だが、負けてはいられん。ここが正念場だ。総員、ハイリビードを守れ!」

 

一同「おおー!」

 

 

 二手に別れ、ロンド・ベル隊はハイリビードを守るため戦いにおもむくのだった。

 

 そう。この一大事に分岐である!

 

 

──分岐選択──

 

 

『地上にてドレイク軍を迎撃する』

 アーガマ隊(ZZガンダム、ガンダムSEED DESTINY、0083、νガンダム)、オーラバトラー隊、ウルズチーム、ダンクーガ、J9

 

『地下にてギャンドラーを撃退する』

 ナデシコ隊、マシンロボ、Gガンダム、ガオガイガー、鋼鉄神ジーグ、コン・バトラーV、ボルテスV、ダイモス、エヴァ

 

『フリー』

 統夜達、マジンガーチーム

 

 

──決戦! 第三新東京市 後編──

 

 

 ジオフロントに開いた大穴から二つのオーラバトルシップがターミナルドグマへと降下し、オーラバトラーを展開する。

 その数は無数。ここで確実に生命の源、ハイリビードを手に入れんとすべての戦力をかけているかのようだった。

 

 ドレイク・ビショット軍は地球全体の戦力に比べれば決して大きくはない。

 ネオジオン・ムゲ帝国同盟が現れ、地球連合軍と争っていたからこそ、その戦力は拮抗できていた。

 それが今崩れ、ただ待つならば間違いなく滅びる。

 

 覇王たるドレイクには、それは受け入れがたい事実であった。

 

 しかし、地球にはその戦力差を逆転させる力が眠っていた。

 

 生命の源。ハイリビード。

 地球の生命を生み出したとされる、奇跡の力。

 

 オーラマシンは生命の力、オーラ力をエネルギーに変える。不死さえ実現させるというそれが手に入れば、オーラシップもオーラバトラーも無類の力が手に入るだろう。

 それこそ、リスクなしですべての機体がハイパー化さえしうる。

 

 そうなれば、たとえ数で劣っていようともう怖いものはない。地球を得たも同然である。

 

 ゆえに、ドレイク軍はすべての戦力をもってその力を手に入れるつもりでいた。

 

 

 同じ時、セントラルドグマ最奥に、ギャンドラーのボス、ガデスはいた。

 黒き月の中に納められ、目覚めの時を待つ大いなる力、ハイリビードの封じられた赤き十字架にはりつけにされた巨人を見る。

 

 ガデスは薄く笑い、そこに手を伸ばす。

 

 はりつけにされた白き巨人は崩れ、その中から光が現れた。

 

 

ガデス「ククッ。これだ。これが我が望みをかなえる力!」

 

 

 ガデスの中から、年老いた男が現れた。

 巨大な姿。それは鋼の鎧だったのである。

 

 真の姿を見て、驚きを隠せないガルディ、グローバイン。

 ちなみに今回、ディオンドラとデビルサターン6は連れてきていない。信用されていないからだ。

 

 光を受け入れるのと共に、その年おいた男はみるみる若返ってゆく。

 

 

ガデス「なんという力だ。力が蘇る! それ以上に沸き上がる!」

 

 

 ここにきているギャンドラーの数は少ない。一部幹部さえ連れてきていない始末だ。

 

 だが、それでもガデスは勝利を確信する。

 たった一人ですべてを倒せるとさえ思える。

 

 それほどの力が体中にみなぎっていたからだ。

 

 それも当然である。その力は星に命を与える大いなる力。無限のエネルギーを秘め、命の源となる、世界の命と言っていいものなのだから。

 

 

ガデス「これで世界は、ワシのものだ!」

 

ロム「待てい!」

 

 

 そこに現れたのは、ロムとロンド・ベル隊であった。

 

 

 すべてをかけ全軍を展開するドレイク軍と、少数ながらもハイリビードを手に入れたギャンドラー。

 

 対するは、連戦につぐ連戦を乗りこえてきたロンド・ベル隊。

 機体の損傷もエネルギーの補給も補うことはできず、連戦の疲れさえ癒せていない。しかも、戦力は半分。

 

 幾度ものピンチを乗り越えてきた彼等であったが、今回ばかりは厳しいとしか言いようがなかった。

 

 

 ドレイク軍との戦いに多くの言葉はいらず、すぐ戦いははじまるが、地下での戦いは、すぐにははじまらなかった。

 

 

ガデス「来たか、キライの息子よ」

 

 

 ハイリビードを手にし、勝利を確信するガデスは、余裕をもって語りだす。

 

 

ガデス「貴様にいいことを教えてやろう……」

 

 

 そこで語られるのは、衝撃の事実。

 先の戦いで傷ついたままこの場にはせ参じたガルディ。

 

 彼はロムの兄だったのだ!

 

 ロムが幼いころ死んだとされたその人。

 彼は幼いころガデスにさらわれ、ガデスを実の父のように慕うよう洗脳されていたのである!

 

 この事実を告げられたことで、ガルディの洗脳はとけ、彼は真実を思い出した。

 ガデスと同じく彼の体を覆っていた巨大な鎧は砕け、真の姿が明らかとなる。

 

 ガルディ・ストール。

 

 それがガデスの右腕として暴れまわったガルディの真の姿であった。

 

 正気を取り戻したガルディは、ガデスに切りかかる。

 

 しかし、逆にその攻撃を受けとめられ、その体はガデスにとりこまれてしまった。

 

 

ガデス「ワシと共に生き、永遠の命を得ることを許してやろう。光栄に思うのだな!」

 

 

 その非道に、グローバインが吠えた。

 

 元々そりのあわなかった組織であり、ジェットにたびたび勧誘を受けていたことも幸いし、彼はそのままロンド・ベルの味方となる。

 

 

 こうして、地上と地下で、地球を揺るがす戦いがはじまった。

 

 先ほどガウルン達との三つ巴の戦いが一番厳しい戦いだと言ったが、今回はそれを超えるものとなった。

 

 ギャンドラーとドレイク軍の先行隊との戦いにはじまり、第9の使徒と第10の使徒。さらにデュナンの子との連戦。そこから大きく消耗しての部隊分割による決戦。

 これで苦戦しないなどありえるはずもなかった。

 

 エネルギーを自力で回復できる機体はある。

 だが、弾薬の補給や人の疲労は簡単には回復しない。

 

 あれだけの激戦と連戦を重ねては、流石のパイロット達も大きく疲労していた。

 

 わかりやすく言えばHPやエネルギーや精神ポイントは全員半分以下であり、唯一充実しているのは気力のみという状態なのである。

 

 さらに敵はすべての戦力を総員してしかけてきたドレイク軍とハイリビードを得て究極の状態となったガデスと、部隊を分割しておらず万全でも苦戦は必至の相手である。

 

 上下からの猛攻に、戦士達は次々と膝をついてゆく……

 

 

ロム「くそっ……!」

 

豹馬「もう、弾が……!」

 

ジュドー「ライフルのエネルギーがもう!」

 

甲児「くそっ。ミサイルも撃ち尽くしちまったか」

 

 

 最初は弾数99と表示されていたカイザーのギガントミサイルも今やゼロ。

 ここまですっからかんになるのは、さすがの甲児もはじめての経験だった。

 

 上部も下部も、限界が、近づこうとしている。

 

 ドレイクはそのさまを見て、にやりと笑う。

 ガウルンにより連れてこられたカーメンにより聞いた文書の情報通り、使徒の襲撃にあわせた、疲弊を狙った連戦の策は見事にはまっていた。

 

 同時に地下のガデスも自身の勝利を確信する。

 

 

テニア「ど、どうしよう統夜!」

 

統夜「諦めるな! こんなところで。俺達は、こんなところで負けてはいられない! 俺達が倒れたら、誰がみんなを守るんだ!」

 

 

 ──!

 

 

甲児「そうだぜ! こっちにはまだ二本の腕がある! いくらでもぶん殴ってやるから覚悟しやがれ!」

 

 

 ──ッ!

 

 

ドモン「ああ、その通りだ。このくらいのピンチ、今まで何度もあった。俺達はそれを何度も乗り超えてきたじゃないか!」

 

 

 ──トクンッ!

 

 

統夜「その通りだ。みんな、諦めるな!!」

 

 

 ──ドクンッ!!

 

 

 その、諦めない心。

 それに、応えるものがいた!

 

 

ガデス「な、なんだ!?」

 

 

 勝利を確信し、高笑いを上げていたガデスが驚きの声を上げる。

 

 その体が光り輝き、その身に宿した力が抜けてゆくのをガデスは感じた。

 

 ガデスの中から、光が離れてゆく。

 同時に、ガデスに吸収されたガルディも分離される。

 

 

ガデス「ま、待て! それは、ワシのものだ!」

 

 

 手を伸ばすが、光はその手をすり抜け、統夜の乗るグランティード・ドラコデウスのもとへとむかう。

 

 

ドレイク「なんだ、なにが起こっている!?」※

 

 

※ドレイク軍と統夜が戦っている場合、ドレイクの目の前で地下よりハイリビードを召喚し、地下の場合はそのままハイリビードを奪う形になる。

 

 

統夜「おおおおおおっ!!」

 

 

 統夜達の想いに、その光が応えたのだ。

 

 グランティード・ドラコデウスの頭部。そこに、その光が収まった。

 それは、本来これがあるべき場所。

 

 神核と呼ばれる、グランティードのコアであったもの。それがハイリビードと呼ばれる力の正体なのだ。

 

 そこに、本来あるべきものが収まった。

 

 すなわち、この状態こそが、グランティード・ドラコデウスの真の姿。

 そう。

 

 

『シン・グランティード・ドラコデウス』

 

 

 なのである!!

 

 

統夜「その力を、見せろ、グランティード!」

 

 

 シン・グランティード・ドラコデウスを中心に、太陽のようにまばゆい光が輝いた!

 

 光が広がり、壁も大地さえも貫通し、ジオフロントすべてを包み、仲間達を包んでゆく。

 

 

ブライト「なんだ、この光は……?」

 

アムロ「統夜さん……?」

 

ジュドー「なんて暖かい光なんだ……」

 

甲児「傷が、ダメージが消えていく?」

 

健一「エネルギーが、回復している」

 

 

 あたたかな光に包まれ、その機体の傷や消耗が消えてゆく。

 それどころか、疲労さえなくなっているように感じられた。

 

 

剣人「な、なにが起きているんだよこれ?」

 

豹馬「弾の数まで戻ってやがる。まるで、時間が戻ったみたいだぜ……」

 

 

 光が収まる。

 

 それが消えた後、ロンド・ベル隊のすべてがこの連戦がはじまる前の状態であるかのように戻っていた。

 機体の傷も、消耗も、人の疲れも、なにもかもがなくなってしまったのだ。

 

 それは、時間が逆行したと言ってもいいほどに……

 

 

 さらに、セントラルドグマに、零号機が援軍として現れた。

 

 

シンジ「綾波!?」

 

レイ「零号機が直ったわ」

 

アスカ「ええー!?」

 

ロム「これが、ハイリビードの力……」

 

豹馬「ええい。ごちゃごちゃ考えるのはあとでいい。これでまだ戦える。仕切り直しだ!」

 

剣児「ああ!」

 

 

 ちなみに、ゲームではこの戦いに限り、毎ターンHP、エネルギー、SP、弾薬すべてが30パーセントずつ回復する(元からの回復持ちは累計で回復)

 

 

ドレイク「これが、生命の源の力。これがあれば、我が願いもかなう! もうひくことはまかりならん! 全軍、突撃せよ!!」

 

ガデス「おのれ。その力はワシのものだ。返せ。返せー!」

 

 

 ここにきて、疲弊が消えてしまえば、あとは勢いが違う。

 

 それどころか、さらなるダメ押しの追加があった!

 

 

弓教授「甲児君。聞こえるか!?」

 

さやか「お父様!?」

 

甲児「弓教授! ひょっとして!」

 

弓教授「ああ。今、カイザースクランダーの調整が終わった。すぐ、君の元へ送る!」

 

甲児「待ってたぜ!」

 

 

 弓教授の言葉と共に、戦場へカイザースクランダーが現れた。

 

 上部のジオフロントで戦っている場合、太陽を背にして合体する!

 下部のセントラルドグマの場合、シャフトを潜り抜け現れたスクランダーが一直線にカイザーの背中に突き刺さり、下からライトアップされた皇帝の姿を見せる!

 

 

甲児「いくぜ統夜!」

 

統夜「ああ!」

 

 

 完全体となったマジンカイザーとシン・グランティード・ドラコデウスが背中あわせで構えをとった!

 

 消耗の消えた地球最強の部隊に、さらなる力を得た玉座機と、神をもこえ、悪魔さえ倒せる魔神の皇帝。

 ここまでそろった状態の彼等に、勝てるものなどあろうはずもない!

 

 

 すべてを押し返し、ドレイクも、ガデスも、倒れる時が来た。

 

 

ガルディ「ロム!」

 

ロム「ああ。兄さん!」

 

 

 ガデスから分離し、ハイリビードの光によって復活したガルディとロムが、二本の剣を使い、ガデスにとどめをさす(2人の連携攻撃で、運命両断剣ではない)

 

 

ドレイク「……ここまで、か」

 

 

 カーメン・カーメンの旗艦は笑いながら沈み、黒騎士の乗るハイパーガラバも落とされ、最後の抵抗もむなしく墜ちるウィル・ウィスプと共に、ドレイク・ルフトの野望は潰えるのだった……

 

 

 こうして、激闘に次ぐ激闘であった第三新東京市の決戦は終わりを告げる。

 

 

 第13話 終わり

 

 

 

──おまけ──

 

 

『シン・グランティード・ドラコデウス』

 

 元々頭部に納められていた力の源、創世神フューレイムの力が宿る神核を取り戻し、真の力を取り戻したグランティード・ドラコデウスのこと。

 その姿は、エヴァンゲリオン初号機が覚醒した姿にも似ているという(むしろ初号機が似ているというのが正しいのかもしれない)

 

 その力はすさまじく、時間停止どころか時間逆行さえ可能にし、機体の損傷やパイロットの疲労などをすべてなかったことにした。

 

 とはいえ、神核のあった場所には前回の争乱のおり回収された世界を地獄に変える『ジ・ヴォーダ』が眠っていたため、この戦い後それが目覚め、神核となったそれと干渉しあう結果となってしまった。

 ゆえに、覚醒直後のような時間逆行などを自由に使うことは難しくなってしまった。

 

 ただ、どちらかの干渉を少なくし、一方の力を強く出すことは可能となり、『ジ・ヴォーダ』モードと『フューレイム』モードの二つのモードを使うことができるようになった。

 

 サブパイロットの乗せ換えと同じく、インターミッションでモードが選べるようになった。早い話、換装である。サブパイロットとの相性やステージの状況にあわせ、モードを選択しよう。

 

 この『シン』は、真であり、神でもあり、さらに新、心、深、など、様々な意味がこめられているらしい。

 

 

『ジ・ヴォーダ』モード

 これは、統夜達が作り出した新たな伝説。

 破壊を司るジ・ヴォーダの力を強く出したスタイル。射程無限とまではいかなくなったが、時間と空間を超え、その存在の根源までさかのぼって相手を消滅させるインフィニティキャリバー・オーバーワールドの使用が可能となる。

 さらに射程内ならば隣接せずともインフィニティキャリバー・オーバーワールドで援護攻撃をすることができる。

 主に射程と攻撃力が上がるモードである。

 外見的には大きな変化はく、頭部の神核は赤い輝きのままである(シン化エヴァの赤い輝きにイメージが重なる)

 

『フューレイム』モード

 これは、歴史を作った、起源にして古の伝説。

 創造を司るフューレイムの力を強く出したスタイル。毎ターンのエネルギー回復が60%となり、HP回復までも備えて継続戦闘能力は他の追従を許さないほどになる。

 さらに神核に収まったフューレイムの力ことハイリビードを開放することにより、味方のHP、エネルギー、弾数、SPを最大まで回復することが可能となる(気力はそのまま)

 これは統夜のコマンドでなくターン終了などのコマンドに表示され※、1シナリオに1回しか使えないが、行動済みも未行動にすることもできる ※統夜が行動済みでも使えるということ

 ちなみにこちらのモードの場合、修理、補給装置も搭載される。

 外見的には頭部の神核が緑に輝く(Gストーンやサイコフレームの輝きにイメージが重なる)

 

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