第3次スーパーロボット大戦J   作:YSK

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第05話 宇宙で試作二号機を追跡するルート

 

──ガンダム星の海へ──

 

 

 奪われたガンダム試作二号機を追うアーガマは宇宙へとあがり、ジオン残党が潜むと思われる暗礁宙域を目指していた。

 

 一方、地球を脱出したガトーも、アーガマの目指す暗礁地域にある彼等の秘密基地。茨の園(ガンダム0083/用語)へと帰還し、次の目的のため動き出していた。

 

 そうして暗礁宙域に近づいたアーガマは、ガトーの仲間であるシーマ艦隊(ガンダム0083/艦隊名)による襲撃を受ける。

 

 ここにガトーがいると確信したコウは、地上用のチューニングしかされていないガンダム試作一号機で無理やり出撃し、機体を大破させることになってしまった。

 

 

シーマ「バランサーがイカレてるのかい、このガンダムは?」

 

ニナ「コウ!」

 

シーマ「とどめだよ!」

 

 

 シーマにとどめをさされそうになる直前、アーガマより飛び出したジュドーとムウにより救われ、コウはアーガマへと帰還することになる。

 

 

ムウ「ウラキ少尉、生きてるか!?」

 

コウ「ニナ、すまない。僕は、一号機を……」

 

ムウ「生きてるならいい。連れて行くぞ」

 

ジュドー「はいよ!」

 

統夜「俺達が援護します。その間にウラキ少尉を!」

 

 

 コウと試作一号機を回収し、統夜達はシーマ艦隊へ反撃する。

 

 数人新人がいるが、統夜達は何度も死線を潜り抜けてきた精鋭。

 数で勝るシーマ艦隊といえど、その勢いを殺すことはできなかった。

 

 

シーマ「聞いてはいたが、これほどとはね……!」

 

 

 シーマ艦隊が劣勢になったところで、暗礁地域とは別方向からジオン残党に援軍が現れた。

 地上の時と同じく、所属不明の部隊が別方向から襲ってきたのだ。

 

 ただ、今回はどこの所属かわかった。

 黒いカラーリングのキュベレイマークⅡとガザCがそれと共に現れたからだ。

 

 アクシズと呼ばれる小惑星へと脱出した、ジオンの兵力である。

 

 

シーマ「アクシズの奴等、もうここまできたのかい……」

 

 

 この援軍は、シーマにさえ予想外のものだった。

 

 

???「さて、地球人の実力のほどを見せてもらうとするか」

 

 

 そして、その戦いを遠い場所から見つめる者がいる。

 一応ここでは謎だが、先に答えを出しておくとムゲ帝国所属、ザール艦隊の司令官であるクロッペン(ダルタニアス/人物)である。

 

 戦いの中、ジュドーは黒い機体(キュベレイ)になにかを感じたが、共鳴や共感をする前に、アクシズの機体もシーマ艦隊も撤退してゆく。

 

 その鮮やかな引き際の理由は、暗礁宙域にあったアジト、茨の園へと到達した時明らかとなる。

 そこはすでにもぬけの空であったからだ。

 

 一行は消えたジオンの残党。デラーズフリートの行方を探るため、ひとまず月へと進路をとった。

 情報収集と、ガンダム試作一号機を宇宙用に換装するために……

 

 

──月面都市──

 

 

 アーガマは補給と試作一号機の宇宙用への換装のため、月に寄港していた。

 第一次地球圏争乱の折、グラドス軍により占拠され、多くの被害を受けたが、今では立派に復興を遂げていた。

 

 その賑わいは、争乱の前とほぼ変わらないと言ってもいいだろう。

 

 換装や補給のため、アーガマに乗る者達は街への上陸を許可された。

 久しぶりの休暇に沸き返るアーガマクルー達だったが、コウは一人、試作一号機を大破させたショックに沈んでいた。

 

 自身のふがいなさに打ちのめされたコウは、月の街をさまよい歩く。

 

 そこで前を見ずに歩いたコウは若者にぶつかり、因縁をつけられぼこぼこにされてしまう。

 

 そこで彼は、ケリィ(ガンダム0083/人物)という男に助けられるのだった……

 

 

 一方、ジュドーは街で不思議な少女と出会う。

 彼女。エルピー・プル(ガンダムZZ/人物)はこの前の戦闘で黒いキュベレイに乗っていた少女なのだが、ジュドーもプルも、それがその時の相手とは気づかなかった。

 

 どこかで会ったことがあるとは感じても、まさかあの戦場に相手がいたとはつゆほどに思っていなかったのである。

 プルに気に入られたジュドーは、彼女に振り回されつつも、一緒に街をめぐってゆく。

 

 共に店をめぐりチョコレートパフェを食べたり(統夜達とバッティングしてメルアと仲良くもなった)、他にも買い物などをした。

 

 ちなみにだが、なぜこの街にプルがいるのかといえば、彼女の気まぐれである。

 彼女はシーマ・ガラハウがガーベラテトラの受け取りとジオンの生き残りに声をかけるため月に降り立った時、勝手についてきて勝手に街中を探索して回っていたのだ。

 

 その中で感じた、どこかで会ったことのある不思議な気配。それが、ジュドーだった。

 

 あと、ガーベラテトラを回収したところでシーマはプルが抜け出したことを知らされ、生き残りの勧誘どころではなくなり、プルを探して回る羽目になっている。

 

 

シーマ「なんであたしが迷子の小娘を探さなきゃいけないんだい!」

 

 

 探せるのが月にいる彼女の隊しかいないのだから仕方がない。

 そしてその子はスポンサーから回された大切な『備品』なのだから、無碍にあつかうわけにもいかなかった。

 相手がムゲだけに。なんつって。

 

 もっともその探し物は、シーマが勧誘にむかうはずだったケリィのところへジュドーと共にいるので、いくら探しても見つかるわけがないのだが。

 

 ジュドーはコウがボコられたところでケリィと出会い、彼の住処に運ぶのを手伝った。

 そして、同じジャンク屋として意気投合したのである。

 

 目を覚ましたコウはジュドーから事情を聞いていたケリィに「逃げるくらいならやめてしまえ」と言われる。

 

 その問いに、コウが反論できずにいると、奥からプルの声が響く。

 好奇心の強い彼女は奥に格納庫を見つけ、そこで修理されようとしている一機のモビルアーマーを発見したのだ。

 

 

プル「うわー、なにこれ!」

 

コウ「これは、モビルアーマー? こいつ、動くんじゃないか……!?」

 

ケリィ「近寄るな! こいつはガラクタだ。俺の道楽のな。おいっ! 近づくなと言ったろう!」

 

コウ「この基盤、熱損耗してます。交換しないと」

 

ジュドー「あとこっちもだな。パーツ探してこないと」

 

ケリィ「一体なんのつもりだ! 俺には人を雇う余裕なんてないぞ!」

 

 

 先ほどやめてしまえと言ったせいか、ここでジャンク屋をやらせてほしいと考えているのかと思ったのだ。

 

 

コウ「いえ。少しだけここにおいてもらえませんか? 少し、考える時間をください」

 

ジュドー「なら、俺も手伝うよ。動かないままこいつをほっておくのも忍びないしね」

 

ケリィ「……どいつもこいつも。勝手にしろ!」

 

プル「わーい。ジュドー。わたしはなにすればいいの?」

 

ジュドー「そうだな。とりあえず、そこの工具を持ってきてくれるか?」

 

プル「はーい」

 

 

 こうしてコウとジュドーは、見つけたヴァルヴァロの修理を勝手に手伝うことにするのだった。

 もちろんプルも手伝うが、彼女の場合はただいじっているだけなので役には立たない。が、楽しそうなのでよしとしよう。

 

 ちなみにだが、コウが艦から降りて頭を冷やしているというのはジュドーからこっそりアーガマに伝えられた。

 出港までには答えを出して戻るからとのお願いは、ブライトとムウのため息とともに認められることになる。

 

 

プル「ねえ、これ直したらどうするの?」

 

ケリィ「どうもしないさ。今のところはな」

 

プル「えー。ならなんで直すの?」

 

ケリィ「こいつは、俺と同じなのさ。俺はまだ終わっちゃいない。そう言っている。だから、直すんだよ」

 

プル「よくわかんない」

 

ケリィ「わからなくてもいい」

 

コウ「わかります。俺も、同じ気持ちです。だから、こいつを直してやりたい。もう一度、飛び立たせてやりたい……!」

 

コウ(そうだ。それは、俺も同じなんだ。試作一号機。お前ももう一度、ニナがきっと直してくれる! 一緒に立ち上がろう!)

 

ジュドー「パーツ持ってきたぞー。って、なにしてんのさ?」

 

プル「わかんなーい」

 

 

 こうしてコウは、答えを得た。

 ヴァルヴァロの修理を終えたコウ達は、宣言通り出港の当日、アーガマへと戻る。

 

 プルの方はいつの間にかいなくなり、ケリィに別れを告げて。

 

 ジュドー達が去った後、シーマがケリィに接触した。勝手に出て行ったプルが、飽きたと言って勝手に帰ってきてやっと本来の仕事に戻れたからだ。

 なんとケリィは、ジオンの残党だったのだ!

 

 ジュドー達の素性を知らないケリィは、修理したヴァルヴァロと共に作戦に参加しようとする。

 だが、機体はともかく、隻腕のケリィは必要ないと言われてしまった。

 

 ヴァルヴァロと共に戦うことを望むケリィは、ヴァルヴァロを発進させ、みずからの価値を示すため、アーガマに決闘を挑むのだった。

 

 

ケリィ「ガンダムを出せ。出さねば街を攻撃する!」

 

 

 その声と、現れたヴァルヴァロの姿に驚いたのはコウとジュドーだった。

 

 ジオン系のモビルアーマー。

 こうなる可能性は十分あり得ると気づいていた。だが、あえて想像から外し、考えないようにしていた。

 

 それでも事実は変わらない。

 ケリィ・レズナーはジオンの残党であり、試作二号機を強奪したガトーの仲間であるという事実は!

 

 戦いたくはない。だが、戦わなければならない!

 

 

 宇宙用に換装し、フルバーニアンとなった試作一号機に乗ったコウと、Zガンダムに乗ったジュドーが出撃する。

 

 現れたガンダムに乗っているのがコウとジュドーと知り、ケリィも驚きを隠せない。

 だが、戦うと決めた彼は、必要の時だと感じたヴァルヴァロは、引くことはなかった。

 

 さらにガーベラテトラに乗りかえたシーマと、プルの乗ったキュベレイマークⅡ。おまけのモビルスーツも姿を現し、月の上は戦場と化す。

 

 戦いの最中、ジュドーはキュベレイに乗るのがプルだと気づいた。

 組みつき、接触会話をはじめると、むこうからも驚きの声が返る。

 

 

ジュドー「プル、そんなところに来ちゃいけない。こっちに来るんだ!」

 

 

 ジュドーの説得に、プルの心が揺れる。

 もう一押しでいけると感じたが、もう一歩のところでプルは無理矢理撤退させられてしまった。

 

 

 戦士としての自分を取り戻したコウとケリィ。

 その二体の戦いは熾烈を極める。

 

 そんな中、シーマ艦隊は他のアーガマ搭乗ロボットに押されはじめる。

 

 ガーベラテトラは受け取ったばかり。状況が劣勢と見るや、シーマは即座に撤退を選択した。

 同時に生き残ったヴァルヴァロにもついてこいと指示を出す。

 

 元々シーマはケリィを拒絶するつもりはなかった。いらないというのは、部下が勝手に言ったことなのだから。

 

 目的を終えたシーマ艦隊は、月から撤退してゆく。

 

 

コウ「ケリィさん……」

 

ジュドー「プル……」

 

 

 新たな力を手に、アーガマの試作二号機追跡は再開される。

 

 

──蒼く輝く炎で──

 

 

 アーガマは今、コンペイトウと名を改めた、旧名ソロモンにむけて進んでいた。

 

 もうじきここで、ある式典が行われる。

 ガンダム試作二号機に搭載された核弾頭が使われるとすれば、ここ以外にないと判断されたからだ。

 

 その式典とは、地球、プラント、さらに和平をとりつけた他の星々との和平が成立したことを記念とする、平和式典のことだ。

 ボアザン(超電磁マシーン ボルテスV/用語)。キャンベル(超電磁ロボ コン・バトラーV/用語)。さらに星はすでにないが、バーム(闘将ダイモス/用語)、フューリー(オリジナル)。そして、グラドス(蒼き流星SPTレイズナー/用語/今回は名前だけ)

 

 それらが手を取り合い、共に歩むことを祝う場。

 

 そんな場所に核が撃ちこまれたとなれば、せっかく積み上げた和平は崩れ、再び太陽系を大混乱に陥れる争いとなるだろう。

 

 それだけは絶対にさけなければならない。

 

 ついでに言うと、ナデシコC(機動戦艦ナデシコ The prince of darkness)やオーブ代表のカガリ(ガンダムSEED DESTINY/人物)もその式典に参加しているので、撃ちこまれたらホントに大惨事である。

 

 ゆえに、その式典を守る護衛の数は、途方もない数であった。

 さらに核が盗まれたことにより、さらなる護衛の強化もされていた。もっともこれは、核が盗まれたというのは秘密で、重要な式典をさらに安全にするためというのが表の理由であるが。

 

 

 式典を守るため、アーガマはガトーを追う。

 

 そして、ついにジオン残党、デラーズフリートに追いつくことに成功する。

 

 

ガトー「なぜこんなに正確に、この位置がわかった」

 

 

 追いつかれたガトーが驚きの声を漏らす。

 アーガマは指示を受けて移動しただけだが、実はその裏にある女の裏切りがあることを、ガトーもアーガマ隊も知らない。

 

 ガトーを行かせるため、アーガマ隊を邪魔するよう、再びケリィとプルを擁する部隊がアーガマ隊の前に立ちふさがる。

 この部隊を突破し、式典会場へ迫るガトーをとめなければならない!

 

 

ジュドー「プル!」

 

 

 邪魔しないでくれと説得しようとするジュドーだったが、プルから返ってきた反応は予想外のものだった。

 

 

プル「ジュドー・アーシタ。お前は、敵だ!」

 

 

 なんとプルは精神操作され、ジュドー達を敵だと思いこまされてしまっていた。

 あの天真爛漫でわがままだった少女は見る影もなく、暴力的な機動でジュドーへ襲い掛かる。

 

 その変わり果てた姿に、ジュドーだけでなくコウも憤る。

 

 

コウ「ケリィさん。これが、こんなことが、あなたが本当にやりたかったことなのか!」

 

ケリィ「っ!」

 

コウ「あんな年端も行かない少女の心をもてあそんで。平和を願う人達を巻き添えにして。こんなことが、あなたのやりたかったことなのか!!」

 

 

 さすがのケリィも、これには動揺が隠せなかった。

 それでも彼は、友のため、戦いをやめることはできない。

 

 しかし、その動揺はケリィに迷いを生み、隙を作った。

 コウはヴァルヴァロの動力部にビームサーベルを突き立て、巨大なモビルアーマーを航行不能にする。

 

 修理を手伝ったのだ。どこが弱点なのか。それを知っているゆえできた芸当だった。

 

 

ケリィ「ヴァルヴァロ。動け! なぜ動かない!」

 

コウ「もう、休ませてあげましょう。こいつも、最後に空を飛べて、満足だったはずです」

 

ケリィ「……」

 

ジュドー「帰って、あの人と静かに暮らしなよ。俺は、戦うことだけが人生じゃないと思うから」

 

 

 一方のプル。

 諦めず、何度も声をかけると、前の反応が頭痛と共に返ってきた。

 

 

ジュドー「プル、忘れたのか? 俺だよ。ジュドーだ。一緒にチョコパフェ食べただろ?」

 

プル「チョコパフェ、食べたい!」

 

ジュドー「っ! そうだ。あの甘くてトロっとした味、思い出すんだ!」

 

プル「ぐっ……なに、を、ふざけたことを……!」

 

 

 走る頭痛に頭を手で押さえ、プルがうめく。

 

 

プル「ふざけ……ううっ、あっ、あの、舌触り。全身に流れる甘さ……うぅ!」

 

ジュドー「そうだ。器いっぱいのアイスクリームとまわりを囲む生クリーム。そこにかかったチョコレートソースを思い出せ!」

 

プル「うぅ。食べたい……違う。お前は、敵……」

 

メルア「敵じゃありません! 一緒にチョコパフェを食べました! 思い出して! あの時のことを! 味だけじゃなく、楽しかったことを!」(グランティードのサブ、もしくはバシレウスに乗っている場合発言)

 

プル「チョコパフェ……美味しい。楽しい……!」

 

ジュドー「そうだ。思い出せ! プル!」

 

プル「ジュドー。お前は……わたしは……っ! 頭がっ!」

 

ジュドー「プル!」

 

プル「やめろ。私の中に、頭の中に入ってくるな!」

 

ジュドー「思い出せプル! 本当のお前をー!」

 

プル「ああっ。あああああー!」

 

 

 プルが頭を抱え、天を仰ぎ見る。

 彼女の頭の中で、光が瞬いた。

 

 

プル「ジュドー……?」

 

ジュドー「俺がわかるのか!?」

 

プル「ふふっ。もちろんだよ。へんな、ジュドー……」

 

 

 というが、彼女はそのまま気絶してしまった。

 そのまま彼女は、機体と共にアーガマへと回収される。

 

 ケリィを無力化し、プルを退けても事態は変わらない。

 むしろプルとケリィは足止めという役割を十分に果たしていた。

 

 ガトーはひたすらに、目的地を目指す。

 

 

ガトー「いける!」

 

 

 と思ったのもつかの間。

 

 むかう式典側の方から統夜達へ援軍が現れる。

 式典の警備をするため集められたエースが現れたのだ!

 

 

豹馬「ここから先は行かせないぜ!」

 

 

 待ち構えていたのは、旗艦をナデシコCとする、コン・バトラーV、ボルテスV、ダイモス、さらにシンとルナマリア(ガンダムSEED DESTINY/人物)、あとカガリ(ガンダムSEED DESTINY/人物)の護衛としてやってきていたアスラン(ガンダムSEED DESTINY/人物)の混成部隊だった。

 

 

ガイ「ここから先は、通さん! くぅ。一度言ってみたかった……っ!」

 

リョーコ「まぁたバカなことを……」

 

健一「お前達が来るのはわかっていた。おとなしく抵抗はやめ、投降するんだ!」

 

ガトー(こっちも我々が来るのを正確に把握している。やはり、情報が漏れていた!)

 

ガトー「だが、ここで散るわけにはいかん!」

 

 

 最初は突破しようと考えたガトーであったが、スーパーロボットをふくめた幾人ものエースパイロットに囲まれ、さらに後続からアーガマ部隊に迫られては、厳しいものがあった。

 

 奇跡的にこの包囲網をかいくぐることに成功できれば、「ソロモンよ、私は帰ってきた!」展開もあり得るだろうが、それが本当に起きるとゲームオーバーでやり直しとなるので、実現はできない。

 

 作戦の失敗を確信したガトーは、部隊に撤退を命ずる。

 ガトーの方も、試作二号機を失うこととなるが、なんとか生存。撤退に成功する。

 

 試作二号機を取り返すことはできなかったが、平和式典に核が撃ちこまれるという最悪の事態を避けることはできた。

 

 あとは、無事式典がはじまれば……

 

 

トーレス「た、大変です!」

 

ブライト「どうした!?」

 

トレース「ネオジオンと名乗る軍勢が、地球、およびプラントコロニーに攻撃を開始したようです!」

 

ブライト「なんだと!?」

 

トレース「アクシズからの勢力のようですが、規模があり得ないほど大きいようです。間違いなく、アール博士の言っていたムゲ帝国と組んでます!」

 

ムウ「まさか、今回のこれ、ここに地球とプラントの戦力を集めさせるための囮だったんじゃないか?」

 

 

 情勢を聞き、ムウが声を上げた。

 

 この推測は当たりである。

 ジオン残党の真の目的は、式典の核攻撃ではなく、地上への降下を邪魔されないため、軍の目をここにひきつけるためのものだった。

 

 情報が洩れていても、問題はなかったのである。

 

 

ムウ「リークされた情報も、戦力をこちらにむけさせるためわざと流されたのかもしれないな……」

 

 

 彼等は知らないが、あとで情報を流した女もその事実に気づき、「やってくれたね」と悔しがり、そのまま姿を消すことになる。

 

 

 こうしてこの式典に戦力と意識がむいている間に、ネオジオン・ムゲ帝国同盟軍は地上への降下作戦を開始。

 前のジオンの時とは違い、物量もあるネオジオン・ムゲ帝国同盟軍により、不意をつかれた連合は大した抵抗もできず、地上は一気に占拠されるかに思われた。

 

 

サエグサ「た、大変です!」

 

ブライト「まだなにかあるのか!?」

 

サエグサ「地球にネオジオンとは別の、正体不明の勢力が現れました!」

 

ブライト「なんだそれは!?」

 

サエグサ「わかりません。今までにない機体群です。ただ、味方ではないようです。我々の方とも、地球に降りたネオジオンとも敵対しているようです。戦っています!」

 

ブライト「地球は一体どうなっているんだ!」

 

サエグサ「わかりませんよ!」

 

 

 わけのわからない情報に、アーガマ内でも混乱が広がる。

 

 

ムウ「こりゃ一度、地球に戻らないとどうしようもないな」

 

 

 唯一わかるのは、こうなっては式典を行っている場合ではない。ということだった。

 地球もプラントも、再びなにものかからの侵略を受けているのだから。

 

 式典は延期され、各星の要人は安全な場所へと避難することになった。

 

 

 地上に降下したネオジオン・ムゲ帝国軍と突如として現れた謎の軍勢。そして連合軍の戦い。

 

 戦いは混乱を極め、ネオジオンが完全に支配下に置けたのは最初からジオンの勢力が強いアフリカ大陸のみだった。

 他は三つの勢力がひしめき合い、混沌と化し、混乱を続けている。

 

 

 連合軍にとって、この謎の勢力の出現は幸運だったのか不幸だったのか。それはまだわからない。

 ただ、一つ言えるのは、こうして混乱した状況を打破できるのは、軍の常識にとらわれず、独自の裁量をもって地球を守る部隊しかないということである。

 

 そう。再びあの分艦隊が再編される運びとなったのだ!

 

 

 第5話 宇宙ルート 終わり

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