──べラリオスを探せ!──
地上に残った統夜達は、アール博士が地球にやってきた時使い、基地の近くに埋まっていた宇宙船、アダスルでビルドベースへ帰ってきた。
無事戻ってきた統夜達を、剣鉄也と珠城美和司令が出迎える。
鉄也「どうやら少しは強くなったようだな」
剣児「当然だろ」
戻ってきた剣児の顔つきを見て、鉄也はどこか満足そうにうなずいた。
剣児「そっちはどうだったんだ、先輩」
鉄也「様子見程度のハニワ幻神が現れたくらいだ。むこうもなにか準備を進めているのだろう」
剣人「邪魔大王国か。教科書に載ってるようなヤツが甦ってくるなんてな」
美和司令「ようこそ、ビルドベースへ。あなた達のことは聞いています」
アール博士「ならば、話が早いですな。我々は、五十年前に落下したべラリオスを探したいのです。地球では隕石の落下として観測されていると思いますが、なにか心当たりはありませんかのう?」
美和司令「五十年前のあれですね」
アール博士「知っておるのか!?」
司馬博士「うむ。ちょうど邪魔大王国と戦っている最中、この九州に一つの隕石が落下したという報告があった」
アール博士「なんと!」
司馬博士「報告はあったが、あの時ここは戦いの最前線。ろくな調査もできず、そのまま放置され忘れ去られたようじゃ。ワシらもふくめて、な」
アール博士「それなら見つかっていないのも納得がゆく。さあ、剣人くん。さっそくそこへ行こうぞ!」
剣人「今からかよ。少しくらい休ませろって」
アール博士「相手は待ってくれんのじゃ。一刻を争う。さあ、行くぞ!」
剣児「なら、俺も行くぜ!」
美和司令「いえ。邪魔大王国のこともあります。ビルドベース防衛の要であるジーグと何名かはこちらに残ってもらいます。メンテナンスもしたいですしね」
剣児「そんなー」
戻ってきたのは統夜達グランティード、バシレウス。甲児達マジンカイザー組(甲児+ボス組とさやか)、ミスリル組の宗介、クルツ、マオ。GGGの凱、氷竜、炎竜、ボルフォッグ。
そして、新たに加わったアトラウスのパイロット剣人、ガンパーの弾児。彼等と共にジャンク屋で暮らしていた白鳥早苗とリィナをふくむ子供達(畑田之介、軽井まなぶ、おちゃめ)である。
勇者チームとミスリル組は、剣児達ジーグチーム(剣児、つばき、鏡)と同じく今回の一件を上に報告するためビルドベースに残ることとなった。
なので、べラリオスの探索はアトラウスの剣人。ガンパーの弾児。統夜&ヒロインズ、マジンカイザーとボスボロット、さやかのビーナスかアフロダイ(乗り換えした場合)で行くことに。
ちなみにアール博士はボロットに乗せてもらっての出発である。
落下現場。
弾児「剣人、崖の下にでかい穴がある。見えるか」
剣人「おう。あれがそうか。反応はっと……」
アール博士「この反応! 間違いない。そこがべラリオスが落ちた場所じゃ」
甲児「おお。やったな!」
剣人「なら、さっそく探……」
統夜「っ! いや、待て。来る!」
???「ふふふふふ」
そこに現れたのは、大火焔偶に乗る、邪魔大王国三幹部の一人、阿魔疎(あまそ)だった。
剣人「お前は!?」
阿魔疎「俺は阿魔疎。さっそくビルドベースから戦力をわけるとは愚かなことよ。お前達の命もここまでだ!」
大火焔偶からハニワ幻神が吐き出される。
同時にビルドベースから通信が入った。
あちらも同じように襲撃を受けていると。
先に片付けた方が救援にむかう。
そういうことになった。
アール博士「ムゲ帝国以外にも、このような輩が地球にもおるのか。これはなんとしてもべラリオスを目覚めさせねばいかんな」
剣人「今はそんなこと言ってる場合じゃないだろ。くるぜ!」
アール博士「おお。頼んだ」
べラリオス探索はひとまず置いておき、現れたハニワ幻神の相手をする。
現れたハニワ幻神をばったばったとなぎ倒した。
阿磨疎「ふはは。まだまだいくぞ!」
剣人「次から次へと、きりがねえ!」
倒しても倒しても阿魔疎の大火焔偶からハニワ幻神が湧いて出る。
統夜「……おかしい」
最初に気づいたのは、統夜だった。
剣人「なにがだよ統夜さん」(剣人は16歳。今度高校卒業予定の統夜より年下なのでさんづけ)
統夜「ハニワ幻神に意思を感じないのは前からだけど、今、周りからもなにも感じない」
剣人「ま、まわり?」
弾児「どういうことだよ?」
統夜「こいつのコントロールシステムは特殊で、俺の意のままに動いて、周囲の状況を教えてくれるんだ」
サイトロン。
それは時間も空間も超越し、言葉なく声を響かせ、意思を感じ、互いを通じ合わせるもの。
知らぬものを知らせ、知るものとして頭に入ってくる。
これを用いることで、自分のやりたいことを機械にさえ寸分たがわす伝えることができるのだ。
同時にそれは、周囲のことも使用者に知らせてくれる。
時に、未来の情報さえ。
統夜「そのおかげで、相手がなんなのか。どんなものなのか。そういうのがぼんやりとわかる」
弾児「ニュータイプみたいなもんか?」
統夜「似ているかもしれないけど、あっちは機械の補助なしに発現する天然ものなので少し違うかな。それはともかく。今、この場でそれを全く感じないんだ。目の前にはいる。でも、ハニワ幻神も、みんなも、ここにいるとは感じられない……」
甲児「どういうことだよ?」
統夜「ここには誰もいない。なのにいると錯覚している。つまり俺達は今、現実じゃなく夢か幻を見せられているのかもしれない」
剣人「なんだって!?」
統夜「邪魔大王国のトップ妃魅禍(ひみか)はそういう術も使うって資料にあった。可能性はあると思うんだ」
剣人「幻か」
弾児「幻ならいくら倒しても減らないわけだな」
甲児「でも幻だとして、どうすんだよ。きりがねえぞこれ」
ボス「そうだ。幻なら、自分をぶん殴れば目が覚めるんじゃ!?」
統夜「いや、相手は俺達を倒そうとしている。意図してでも、自分から倒されるのは危険だ」
ボス「でも、やってみないとわからんだわさ!」
アール博士「こ、こら、今ワシも乗……」
ボス伝統の自爆!
敵をまきこんで。
ちゅどーん!
甲児「ボスー!」
直後、ボスの自爆に巻きこまれ倒れたハニワ幻神が同じように補充された。
さらにハニワ幻神と同じようにボスの乗るボロットも現れ、統夜達に襲い掛かる!
統夜「ボスー!」
甲児「ボスがとりこまれたー!」
皮肉にも、これでこの場が統夜の言った通りの場所だと証明されてしまった。
ここは夢か幻であり、倒されると敵の仲間にされてしまう。
剣人「だからって、どうすんだよこれ!」
統夜「そこまでは、俺にも……」
流石の統夜も、魔法みたいな術は専門外だった。
サイトロンが発現しないここでは、その術がどのようなものかも調べられない。
剣人「くそっ! どうにか、どうにかしねーと!」
剣人が強く念じたその時だった……
???「ガオオォォォ!!」
幻の中に、咆哮が響いた。
────
阿魔疎「ふふふ」
一転現実。
そこでは邪魔大王国幹部阿魔疎が経緯を見守り笑っていた。
別に幻にとらわれているとわかったところで痛くもない。術を破るには、術を操るこちらをどうにかしなければならないのだから。
阿磨疎「いいぞいいぞ。このまま妃魅禍様の術に飲まれて魂をとられちまえ。これが成功すれば、俺も褒めてもらえるに違いない!」
これは、ジーグ以外に手ごわい敵が現れた故練られた策。
術により相手の心を殺し、手下としてビルドベースを内部から崩すだけでなく、今後戦うであろう他の勢力を相手にする時の戦力にしようとしたのだ!
そのための準備であり、敵がまた集まるのを待っていたのである!
阿魔疎「順調順調」
そうほくそえんでいたその時だった。
???「ガオオォォォ!!」
そこに、咆哮が響く。
直後、阿魔疎の乗る大火焔偶に衝撃が走る。
巨大な爆発が起き、ぐらりと揺れた。
阿磨疎「ぐおぉ! なにが起きた!? このダメージ。これでは、妃魅禍様の術が!」
この大火焔偶は妃魅禍の術の中継局として使われていた。
それが破壊されたとなれば……
剣人「はっ!」
ボス「だわさっ!?」
統夜「ボス、大丈夫か!?」
ボス「な、なんとか」
甲児「あんまり無茶するなよ。心配したぞ」
ボス「すまん……」
剣人「現実に戻ってきたのか?」
弾児「みたいだな」
阿魔疎「おのれ!」
剣人「誰かがあいつをぶっとばして術を解いてくれたのか」
弾児「いったい誰がだ?」
アール博士「ひょっとすると!」
そう。ここには彼等が探しに来た彼が眠っているはずなのだ。
ならば……!
???「グオオォォォ!!」
咆哮が響く。
アール博士「やはり!」
アール博士が喜びの表情を見せる。
そこにいたのは、巨大な虎のような姿をした機械の獣だった!
弾児「でかくて白い……虎?」
剣人「あれがべラリオス? アーガマで見せてもらったのと、形が……」
アール博士「いや、誰じゃこれー!?」
全員「違うのー!?」
みんな驚いた。
確かに博士はべラリオスは地球のライオンを元にしたメカライオンだと言っていた。
ならば、その姿はライオンに似てなければおかしい。
白い虎ではおかしい!
???「ガオオォォォ!!」
さらに別の方向から咆哮が響く。
穴の上にあった崖の上。
そこに、もう一体別のメカライオンがいた。
それこそが、阿魔疎の乗る火焔偶を攻撃し、剣人達を幻から救い出した存在。
アール博士「おお。あれじゃ。あれこそが、べラリオス!」
弾児「確かに、ライオンの形してるな」
剣人「アーガマで見せてもらったヤツだ」
べラリオス「ガオオォォォ!!」
もう一度、べラリオスは天にむかって咆哮を放つ。
すると、空に光の十字が瞬いた。
アール博士「あ、あれは!」
アール博士は知っている。
天に輝くのは、エリオスの紋章。
エリオス王家の証である!
その真下にいるのは、剣人の乗るアトラウス。
なぜべラリオスが彼等を救ったのか、アール博士は理解した。
これこそが、その理由に他ならないからだ!
アール博士「べラリオスの目覚め。あの紋章。剣人くんが、間違いない……!」
剣人「どうしたんだじいさん」
アール博士「剣人さま。合体を。今こそ合体を!」
剣人「け、剣人さまだって!? じいさん頭は確かか?」
アール博士「正気です! そんなことより早く合体を! キーワードは『クロス・イン』。そのようにお叫びくだされ!」
剣人「ど、どうしちまったんだ、こりゃ」
アール「剣人さま、早く!」
剣人「わかったよ。弾児、いくぞ」
弾児「おう!」
剣人「クロォォォス・イィィィィン!!」
剣人の叫びと共に、アトラウス、べラリオス、ガンパーの三機が合体する!
剣人「ダルタァァァァニアスッ!!」
カティア「胸にライオン。ガオガイガーみたいね」(カティアサブパイロット時)
シャナ=ミア「胸にライオン。まるでガオガイガーのようですね」(シャナ=ミアサブパイロット時)
テニア「胸にライオン。ガオガイガーみたい」(テニアサブパイロット時)
メルア「胸にライオン。ガオガイガーみたいですね」(メルアサブパイロット時)
クド=ラ「胸にライオン。あのガオガイガーみたい(クド=ラサブパイロット時)
阿魔疎「が、合体しただと!? 聞いてないぞ!」
剣人「さあ、これでいける!」
甲児「現実に帰ってくればこっちのもんだ。覚悟しろ!」
阿魔疎「おのれー!」
ボス「ところで、あの虎はなんなんだわさ? あれもハニワ幻神なのか?」
統夜「いや、違うと思う。あれにはハニワ幻神と違って意思がある。ギャレオンみたいな、意思が。サイトロンがそう教えてくれた」
甲児「なら、べラリオスの友達か? まあ、一緒に戦ってくれてるみたいだから、今はいいだろ」
統夜達の反撃がはじまる。
数は劣っていても、エリオスの最終兵器が目覚めたのだ。
術を破られた阿魔疎では勝ち目がなかった。
阿魔疎は負け惜しみを言いながら撤退していった。
剣児「みんな、大丈夫か!?」
阿魔疎撤退後、ビルドベースに残っていた剣児達も駆けつけた。
剣人「ああ。こっちは片付いたぜ」
甲児「そっちも無事だったか」
剣児「怪しい術で幻を見せられたけどな」
剣人「あっちも同じか」
ビルドベースの方も、同じような術がかけられ、剣児は夢の中に閉じこめられたそうだ(鋼鉄神ジーグ原作第5話)
なんとか夢を抜け出し、ハニワ幻神を撃退してこちらにやってきたというわけである。
???「ぐるるるる」
鏡「あれは……」
剣児「なんだ?」
剣人「ああ、そいつは……」
援軍に現れたジーグに、共に戦った謎の白い虎が近づく。
さすがに毎回謎の虎と言うのもなんなので、名を先に明かしておこう。この虎の名は、破瑠覇(バルバ/鋼鉄神ジーグ/登場キャラ)である。
破瑠覇「グオオォォォ!!」
剣児「っ!?」
有無を言わさず、破瑠覇はジーグに襲い掛かった。
あまりのことに不意をつかれ、ジーグはその一撃に倒れる。
剣児「ぐっ……く……」
鉄也「草薙!」
つばき「剣児ー!」
皆が一斉に、破瑠覇へかまえた。
だが、破瑠覇は他の者に一切興味を示さず、そのまま背をむけて去って行ってしまった。
剣人「な、なんだったんだあいつ。結局敵なのか? どうする?」
統夜「いや。ジーグを攻撃した時、敵意は感じられなかった」
だからこそ、この場にいた誰もが反応できなかったのだ。
先ほどの態度はむしろ、失望。
あの不意打ちにも対処できず倒れるなんてと、がっかりしているようにも感じられた。
鏡「やはりか……」
鉄也「なにか知っているのか、美角(鏡の苗字)」
鏡「剣児が目を覚ましたところで話そう。今は、ビルドベースに戻った方がいい」
なにかを知る鏡により、気絶した剣児をつれ、一同は一度ビルドベースへ戻るのだった……
──破瑠覇を従えろジーグ!──
美和司令「どうやら無事、べラリオスを見つけることができたようですね」
剣人「べラリオスが見つかったのはいいんだけどよ……」
アール博士「ささ、剣人さま。今までの非礼、お許しくだされ」
剣人「だから、なんなんだよ!」
アール博士「何度も言っているでしょう。あの時現れた十字の紋章。べラリオスを目覚めさせた事実。あなたさまこそ、私が探し求めていたもう一つのもの。亡きパルミオン皇帝陛下の血を引くお方。エリオス王家の王子だと!」
剣人「冗談じゃねえ。俺は楯剣人だし、おやじは船乗りだ。今行方不明だけどよ。それだけだ。みんな、とっとと飯でも食いに行こうぜ」
アール博士「ああっ。お待ちくだされ。剣人さま。剣人さまぁ!」
司馬博士「まあ、いきなり衝撃の事実を告げられてはのみこむこともできんじゃろうて」
アール博士「そうですな。ゆっくりと納得していただくしかあるまい」
さやか「剣人君が王子ということは、行方不明のお父さんが博士の言うハーリン皇子なのかしら?」
アール博士「そういうことになるのう」
おちゃめ「じゃあじゃあ、ひょっとして剣人おにーちゃんにも羽生えるの!?」
田之介「いや、つのが出るかも。かっけー!」
おちゃめ「羽のがかっこいいでちゅ」
田之介「つのだよ!」
甲児「いや、どっちも生えない……生えないよな?」
統夜「いや、俺に聞かれても」
アール博士「我等エリオス人は地球人と全く変わらぬゆえ、生えたりはせんよ」
おちゃめ「なんだー」
田之介「ちえー」
アール博士「……」
シャナ=ミア「どうしました?」
アール博士「いや、地球は不思議な星だと思ってな。ここは、ボアザン星(超電磁マシーン ボルテスV/用語)とバーム星(闘将ダイモス/用語)とも和平を結べたという。かつてあの二つの星は、何千年もの間いがみあう星であった」
シャナ=ミア「……」
アール博士「だというのに、この星を通じてその二つは手をとりあい、子供達には彼等を偏見で見る目もない。これは、とんでもないことだ」
シャナ=ミア「そうですね。この星は、本当に素晴らしい星だと思います」
もちろん。地球も最初はそうではなかった。
地球至上主義のブルーコスモスが台頭したり、他星といがみ合ったりもした。
だが、それらをすべて乗り越え、力をあわせて戦ってきたからこそ、そうして手を取り合う今があるのだ。
アール博士「それゆえ、絶対にエリオス星と同じ目にあわせてはならん……!」
アール博士は、心の奥でそう誓うのだった。
剣児が目を覚ましたことが知らされ、皆がもう一度集まる。
剣児「それで鏡。あいつは一体なんなんだ? なにか知ってるみたいなこと言ってたって聞いたぜ」
鏡「あれの名は破瑠覇。銅鐸を守護する者と考えればいい。主として認められるなら、共に戦ってくれるだろう」
銅鐸とは、ジーグのエネルギー源のことである。
そして妃魅禍達は、この銅鐸を狙いビルドベースを襲っていると言ってもよい代物だ。
剣児「つまり、あの時の俺は全く認められなかったってことか」
鏡「そういうことだ。次に現れた時、素手のジーグで力を示せ」
剣児「わかったぜ。次は、ぶっとばしてやる!」
甲児「問題は、いつ来るかってことだな。他の奴等と戦っている時に来られたら迷惑ってもんじゃないぜ」
剣人「確かにな」
べラリオス「ガオオォォォ」
そうしていると、外からべラリオスの咆哮が聞こえてきた。
まるで外に出てほしいと願うような声。
それに従い、統夜達は外に出る。
剣人「いったいどうしたんだ?」
統夜「……べラリオスが来いと言っている気がする。ひょっとすると、案内してくれるんじゃないか?」
弾児「そういえば、あの二体は一緒に出てきたな。地球に落ちてきてから、なにかあったんじゃないか?」
剣人「べラリオス、破瑠覇ってヤツのところへ案内してくれるのか?」
べラリオス「ガウ!」
剣人「どうやらそうみたいだ」
剣児「なら話は早い。行こうぜ!」
美和司令「待ちなさい」
剣児「とめてくれるなばあちゃん!」
美和司令「あなたが行くことをとめはしません。ただ、行く人数を考えなさいというのです」
剣児「……どういうことだ?」
美和司令「あなたが動けば邪魔大王国も動くでしょう。破瑠覇との戦いに集中できるよう、それを抑える役が必要です」
剣児「ああ、そういう」
美和司令「邪魔大王国が動いたらすぐそれを抑えに行くもの。さらにビルドベースを守るため残るものに別ける必要があります」
まず、べラリオスと共に破瑠覇のもとへむかうのはジーグチームとダルタニアスチームとなった。
これは、ジーグ側で万が一があった時のためである。
そしてひとまずともにむかい、邪魔大王国が現れた際剣児達を進ませるため残るのはグレートマジンガーを除いたマジンガーチームと統夜達とミスリルのウルズチーム。
最後にビルドベースに残り、こちらも攻めてきた時のため防衛するのがグレートマジンガーをふくむ勇者ロボチームとなった。
防衛のためビルドベースに残るチームは、様子を見て抑える側へ援軍としてゆくという流れである。
この予測は当たった。
べラリオスに導かれ破瑠覇のもとへ行こうとすると、邪魔大王国の軍勢が追ってきたのである。
ジーグ潰すべしと邪魔大王国の三幹部すべてが現れ、それを先行した統夜の部隊とビルドベースから出た勇者ロボチームで挟む。
一大攻勢の様相を呈してきた中、剣児は破瑠覇との戦いへとむかう。
べラリオスが案内したのは、彼が落下したところからほど近い、巨大な洞窟だった。
そこでは、まるで待ちわびたかのように破瑠覇が控えていた。
破瑠覇「グルルルル」
剣児「待たせたな。今度はこっちからいかせてもらうぜ!」
破瑠覇「グオオォォォ!!」
見届け人はダルタニアスチーム。
あとは、剣児が破瑠覇を従えられるかである!
破瑠覇は強い。
しかし、つばきの祈りと、それに応え、彼女を守ろうとする剣児の強い意志が、その強さの上をいった。
幾度もの殴り合いの末、ついに破瑠覇は剣児のことを認める。
剣児「待たせたなみんな!」
新たな力を得たジーグは三幹部がそろう戦いの中舞い戻る。
そして破瑠覇と合体し強大な一撃を放つ『バルバジーグ』を用いて、そこに集ったハニワ幻神達を一掃するのであった!
壱鬼馬「おのれえぇぇ! 覚えておれー!!」
こうしてべラリオスを見つけ、破瑠覇を従えた統夜達。
邪魔大王国の一大攻勢を退け、地上はひと時の休息の時間が訪れた……
ほんの、短い時間の間だが。
──浮上──
べラリオスを見つけ、破瑠覇を仲間にしてしばらく。
この二体の巨大な獣は仲が良いらしく、その時の拠点となっているビルドベース、アダルス付近で一緒にいるのがよく見受けられた。
邪魔大王国の攻勢がひと段落ついたところで、統夜達は一度GGGのあるGアイランドシティへと戻っていた。
ひさしぶりの、登校である。
今の話題は、宇宙で開かれようとしている式典のことだった。
宇宙では地球、連合、プラント、さらに和平をとりつけた他の星々との和平が成立したことを記念とする、平和式典のことだ。
ボアザン(超電磁マシーン ボルテスV/用語)。キャンベル(超電磁ロボ コン・バトラーV/用語)。さらに星はすでにないが、バーム(闘将ダイモス/用語)、フューリー(オリジナル)。そして、グラドス(蒼き流星SPTレイズナー/用語/今回は名前だけ)
それらが手をとりあい、共に歩むことを祝いの場。
平和の式典。それが宇宙で開かれようとしているのだ。
統夜(奪われた核が使われるとすると、ここの可能性が高いよな)
かなめ「そういえばさ、シャナ=ミアさん達はあの式典には出ないの?」
シャナ=ミア「式典には今のフューリーの代表が出ることになっています。今の私は、ただのシャナ=ミアなので、式に出席する理由はありません」
出ないのはそれだけでなく、シャナ=ミアはまだフューリーとしての影響力が高いため、民に選ばれた代表をないがしろにさせてしまう可能性もある。
そういう悪影響を避けるため、今は表に出ない。というのもあった。
同時にロゼ=リア、クド=ラ、さらにカティア、テニア、メルアも現在政治とはかかわりのない学生としているため、式典への出席予定はなかった。
これは、統夜もである。
かなめ「ああ、そうなんだ」
シャナ=ミア「そういうかなめさんだって、式典に出るの辞退しているじゃないですか」
かなめ「だってわたしが行くとあれも行くのよ。迷惑になっちゃうじゃない」
ちゅどーん!
廊下の方で、なにかが爆発した音が響いた。
かなめ「あんのバカ。いい加減やらかすのやめなさいっての!」
テッサ「元気ですねぇ」
シャナ=ミア「そうですね」
すっかり日常になったその光景に、二人はくすくすと笑った。
そんなひと時の日常の中。
大きな異変が起きる。
統夜達の通信機が、一斉に鳴り響いた。
緊急事態を伝える通信。それが入ったのだ。
東京に、正体不明の機体が突然現れたのである……!
何事かと統夜達は東京へ急行する。
そこには、バイストン・ウェル※(聖戦士ダンバイン/用語)から追放されたオーラバトラー(ダンバイン/機体総称)とオーラシップ(ダンバイン/戦艦の総称)の姿があった。
アの国の王となったドレイク・ルフト(ダンバイン/人物)のウィル・ウィプス(オーラシップ名)とナの国の女王シーラ・ラパーナ(ダンバイン/人物)のグラン・ガラン(オーラシップ名)。
その二つと、周囲をとりまくオーラバトラー達が、今にも戦いださんとにらみ合いを続けている。
※バイストンウェル
海と大地の狭間にあるとされる異世界で、その天空は海へと繋がっているという。
地上での生を終えた魂の行き着くところであり、一種の死後の世界とも言われている。
中世ヨーロッパほどの科学技術、文化を有しており、オーラ力というあらゆる生物が持つ生体エネルギーで、バイストン・ウェルそのものを支えているとされる。
甲児「なんなんだこいつら。一体どこから出てきやがった!」
相対しているゆえ、この二隊は敵同士というのはわかる。
だが、わかるのはそれまででそれ以上のことはわからない。にらみ合いをしている状態では、下手に手を出すわけにもいかなかった。
浮かぶその疑問に、オーラシップから現れたある部隊が答えをくれた。
忍「おう。お前達! ひさしぶりだな!」
オーラシップ、グラン・ガランと共に、行方不明になっていた獣戦機隊のダンクーガ(超獣機神ダンクーガ/機体名)がそこにいた。
統夜「獣戦機隊!?」
亮「詳しい事情はあとで話す。まずはあいつらをどうにかするのを手伝ってくれ」
甲児「どうにかするって、あいつらは何者なんだよ。せめてそのくらい教えてくれ」
雅人「あいつらは海と大地の狭間にあるとされる世界の住人だよ。目の前にいるドレイクって男がその世界を征服しようと戦争を起こしていたんだけど、あまりにひどくて全員がその世界を追い出されたんだ」
忍「そいつをどうにかしようとしているのがこっち側だ。このままじゃ地上も同じ目にあう。手伝ってくれ」
甲児「そういうことか。わかったぜ!」
鏡「いいのか? いきなりあいつらを信用して」
甲児「あいつらは俺達の仲間だからな。信頼はできるぜ」
忍「新顔か。まあ、俺達を信用できないならあっちの味方をすりゃいい。あんなのが入りこんでいる方なんざ俺はお断りだがな」
鏡「なに? どういうことだ?」
忍「すぐわかるさ。どうせすぐ出てくる」
???「おいおい。ひどい言い草じゃねえか。こっちもこう見えて聖戦士サマなのによぉ」
宗介「この声! お前は!」
ドレイクのオーラシップ、ウィル・ウィプスから現れた新たな機体。
それは、新参の鏡ですら知っている男の機体だった。
彼等を大いに苦しめた強敵。
ガウルン「おう。久しぶりだなぁ。カシム」
宗介「ガウルン!!」
忍「あの世界。バイストン・ウェルってところはいろんな原因で呼ばれるんだよ。あいつも自爆の瞬間、あっちの世界に呼ばれたのさ」
ガウルン「その通り。空気のいいとこは療養にいいってのはホントの話なんだな。おかげで不治の病もこの通り。怪しい広告に出てもいいくらいに元気になったぜ。これでまた、お前と遊べるなぁ」
統夜「しぶとい」
甲児「まったくだぜ」
忍「知ってるなら話がはええ。あいつが平気で仲間入りしている。その意味くらいわかるだろ?」
鏡「……ああ。わかった。あれを平気で受け入れるということは、それも同じということか」
忍「わかったんなら手を貸せ。あの世界を追い出された今、今度の目的は間違いなく地上だ!」
バイストゥン・ウェルから地上に飛ばされ、しばし戸惑っていたドレイクであったが、大体の事態を把握した彼は、地上を掌握することを決定する。
目の前のシーラに組しようとする統夜達も敵と捕らえ、戦いを開始しようとするのだった。
シーラ「獣の聖騎士達が仲間というのなら、信頼できるのでしょう。お力を、お貸し願えますか?」
甲児「もちろんだぜ!」
さやか「甲児君。鼻の下伸びてるわよ」
ウィル・ウィプスから黒騎士も現れ、グラン・ガランを守るため、ショウ・ザマも迎撃に出た。
地上に現れたオーラバトラーはバイストン・ウェルにいた時よりもオーラの出力が上がっている。
そのオーラバリアは非常に強力であるが、強力なバリアを相手にするのはもう何度目の話。
最初こそ面食らったものの、大きな問題もなく叩くことが可能だった。
むしろ急に出力が上がってしまったオーラバトラー側の方が戸惑うくらいである。
同じくガウルンも、地上に出てきたおかげかラムダ・ドライバの出力が不安定となる。
改めて機体の調整を行う必要があると判断したドレイク軍は、ある程度剣を交えると東京から去ってゆくのだった。
突然の来訪者から、東京は守られた。
しかし、この事態が起きていたのは東京だけではなかった。
バイストン・ウェルすべてのオーラマシン(オーラシップ、オーラバトラー)が地上に追放されたということは、この地球の各地にそれらが出現したということなのだ。
突然現れた正体不明の軍勢。
さらに、宇宙で行われようとしていた式典への襲撃を囮とし、ジオンの残党がネオジオンを名乗り地上へと電撃的な降下作戦を行っていた。
式典のため戦力や意識をそちらに集中させていたため、手薄となった防御網を軽々と突破されてしまったのだ。
それにより、元々ジオンの影響が強かったアフリカは占拠されてしまうが、同時に現れたバイストン・ウェルの軍勢により、そこ以外の侵攻は不完全なものとなった。
ネオジオンもバイストン・ウェルの軍勢も、互いを正体不明の敵とみなし、各地でぶつかりあうことになる。
こうして、地球連合、バイストン・ウェルの勢力。ネオジオン・ムゲ帝国の三勢力+αが入り乱れた、新たな争乱がはじまろうとしていた……
この混沌とした事態を再び抑えるため、連合は再びあの分艦隊を再編する。
地球の平和を守るために!
第5話 地上ルート 終わり