──使徒出現──
新たに現れた第四の勢力により、地球の混乱は、さらなる広がりを見せた。
デュナンの子の狙いがロンド・ベルに絞られるようになったといっても、混乱がおさまるわけではないのだ。
その混乱の広がりは、まだ終わっていなかった。
箱根に建設された新たな東京。
第三新東京市。
ある日突然、そこを目指して進む、正体不明の怪物が現れた。
それは使徒と呼ばれ、怪物は第四の使徒と呼称される。
それに対抗するため開発されたのが、エヴァンゲリオン。
ロンド・ベル隊は、その初号機と共に使徒の迎撃にあたることになった。
夜、第四の使徒を迎撃する。
その時、邪魔大王国から阿魔疎(あまそ)と、ドレイク軍の黒騎士が現れた。
どちらも使徒の偵察目的でなく、手柄を求めての無断出撃だったようだ。
正体不明の怪物である使徒を見てどちらも戸惑うが、手柄のため利用してやろうと、どれもを利用するためロンド・ベル隊へ戦いを挑む。
阿魔疎「なんだあの怪物は。不気味な奴だ」
剣児「いや、お前がそれ言うのか」
邪魔大王国が出したハニワ幻神を見て、初号機パイロット、碇シンジは使徒の援軍が現れたのかと思い驚く。
シンジ「使徒が、増えた!?」
ミサト「いいえ、シンジ君。敵ではあるけどまた別の勢力よ。あっちはロンド・ベルにまかせて目の前の敵に集中しなさい!」
シンジ「わ、わかりました」
使徒とエヴァンゲリオンを見て、統夜はなにかを感じる。
統夜「……」
豹馬「どうした統夜」
統夜「いや、あのエヴァンゲリオンと使徒って怪物。なんだろう。よくわからないんだけど、知っている気がする」
豹馬「なんだそりゃ」
甲児「むしろいつものサイトロンでなにかわからねえのか?」
統夜「今回はうまくいかないんだ。もっと安定して使えればいいんだけど、難しいもんだな」
戦闘中使徒にやられそうになった初号機が暴走するというハプニング(?)もあったが、無事撃破することに成功する。
この後、様々な思惑もあり、第四の使徒を撃破したエヴァンゲリオン初号機と、そのプロトタイプ、零号機が仲間に加わった。
もちろん、パイロットの二人&葛城ミサトも。
使徒が何者なのか。なにが目的なのか。それらのことは全く説明されなかった。
唯一明かされたのは、使徒が目指す先場所に到達した時、未曽有の大災害が起き、人類は滅亡するということだけだった。
その目的が明らかにされるのは、もう少し先の話である。
────
トゥアハー・デ・ダナン。
ミスリル司令部。
テッサ「特務機関NERV(ネルフ)ですか」
カリーニン「まだ機能していたのですね」
テッサ「知っているのですか?」
カリーニン「正しくは、その背後。出資している機関の方ですね」
カリーニンはかつて一度ミスリルを離れ、敵対した組織アマルガムに所属していたことがある。
そこは地球の裏に潜んでいた巨大な死の商人、ロゴスの後継組織であった。
そのロゴスが滅ぶ時、多くの甘い汁を吸っていた有力者も滅ぶ。
その中にこのネルフを裏で差配してきた組織、ゼーレもふくまれおり、その構成員も滅びたはずだった。
それゆえ、その下部組織であるネルフも機能不全に陥っていると考えていたようだが、そうではなかったようだ。
カリーニン「なんとか生き延びていたのか、なんらかの手段で死を偽装したのか。いずれにせよ、ゼーレの方も生きていると考えた方がよさそうですね」
ちなみにだが、その死んだと思われた最高幹部達は、身体を捨て、電脳化して生き永らえている。
テッサ「ネルフの目的は使徒の撃退にあるとして、そのゼーレの目的は?」
カリーニン「人類補完計画。というものを考えているとか。私も名前だけで、詳細はわかりません」
テッサ「……名前からではどのような計画か判別できませんね」
カリーニン「調べてみましょう」
テッサ「いずれにせよ、使徒もゼーレも一筋縄ではいかない相手のようですね……」
──おまけ──
セカンドインパクトについて。
エヴァンゲリオン新劇場版原作において未曽有の大災害を引き起こしたセカンドインパクト。この世界でも、それにあたるものは15年前に発生している。
ただ、被害は地球の環境が激変するほどではなく、南極にあった遺跡が犠牲になったのみにおさえられたようだ。
そうなった詳しい理由は不明だが、この時期にはすでにフューリーの先発隊である統夜の父、エ=セルダや、狂気の天才、メイオーの木原マサキが全盛期でいた時代なので、環境の激変を嫌った誰かが被害をおさえる行動を起こした可能性は否定できない。
──その名はギャンドラー──
Qパーツ。
最近突然発見された、高エネルギーを内包したオーパーツである。
今のところ四つ見つかっており、それらは各国の研究所でバラバラに研究されていた。
そのうちの一つ。日本の研究所にて、今回の話ははじまる。
高いエネルギーを持ち、それをとりこむことですごい力を発揮できるとなれば、バイオネットなどのコネクションに狙われた。
世界情勢が混沌としてきた今、再び狙われる可能性が考えられ、研究所には護衛がついた。
コスモレンジャーJ9。
アムロの護衛を終えた彼等の次の仕事とは、研究所で研究されるQパーツを護衛することだったのだ。
キッド「暇だなー」
お町「暇ねー」
ボウィー「おれちゃん達がいるから、むしろ誰も来ないんじゃないのー?」
アイザック「それならそれでよいことだろう」
J9は裏社会で名の売れた始末屋である。
その彼等が護衛しているとわかれば、小悪党はおろか大悪党さえ諦めるほどだ。
アムロの時はアムロがそこにいるというのが極秘であったため、J9がいることも秘密であったが、今回は違う。
逆に彼等の名を前面に押し出し、外へのけん制としているのである。
その名はてきめんで、こうして彼等は暇をしていることになったのである。
ボウィー「あーあ。このままじゃ腕がなまっちゃうよ。誰か来ないものかなー?」
びーっ。びーっ。
侵入者を知らせる警報が鳴り響く。
キッド「……」
お町「……」
ボウィー「冗談だったのに……」
お町「予想通りとはいえ、今の会話のあとだと、あまりよい気がしないわね」
キッド「まあ、気にしてもしかたがないさ。お仕事お仕事」
アイザック「……おかしい」
お町「どしたの、アイザック?」
アイザック「今回の侵入者。一筋縄ではいかんやもしれん」
お町「ちょっとやめてよ。仕事の前に不吉なこと言うの」
アイザックの予測は当たった。
凄腕の始末屋とはいえ、彼等は人間。
プロの傭兵にもまけない実力者ではあるが、今回ばかりは相手が違った。
攻めこんできたのは、鋼の体をもつ生命体。
宇宙犯罪組織『ギャンドラー』だったのだから。
その鋼の体に並の銃は通じず、戦うならば同じ鋼の巨体を持ち出すしかない。
しかし研究所内でバズーカをぶっ放すわけにも、30メートルを超えるブライガーに乗るわけにもいかなかった。
今この状態でギャンドラーの妖兵コマンダーに対抗するには、人知を超えた修行を積んだ格闘家か、サイボーグでもなければ難しかっただろう。
アイザック(これはいかんな。Qパーツはともかく、研究所の放棄は視野に入れた方がよいかもしれん)
このような存在が来るとわかっていれば、生身でも相応の対処がとれるよう準備をしておく男だが、今回は違う。
さすがのJ9も、困ることはある。
それでも仕事はきっちりこなす予定なのは流石だが。
最後の手段もやむなし。そう考えたその時だった。
???「まてい!」
デビルサターン1「ま、まさか!」(6体合体してデビルサターン6になる。分離しているので研究所にたやすく乗りこめた)
逆光をお供にやってきたのは頼れるあの男。
ロム・ストール!
さらに今回はロムだけでなく、彼の仲間でもあるブルー・ジェット、ロッド・ドリル。妹のレイナ・ストールとそのお供、トリプル・ジムも一緒だった。
一瞬その登場にJ9も面食らったが、敵ではないと判断し、その助っ人を最大限有効利用する。
戦力さえ整っていれば、J9も一騎当千の戦士。
ロム達と共に攻勢に転じ、侵入したギャンドラーは研究所の外へとたたき出された。
ちょうどその時、襲撃の一報を聞いたロンド・ベルも現れる。
ショウ「こいつらあの時の!」
デビルサターン1「おのれぇ! こうなったら研究所なんぞ破壊して、それからお宝を奪ったるわ!」
外で待機していた大型の妖兵コマンダーを呼び出し、さらにデビルサターンも六鬼合体を行う。
デビルサターン6「ワイ等が合体して、デビルサターン6や!」
豹馬「が、合体した!」
デビルサターン6「ワイ等は6体。そっちは5体。ワイ等の勝ちやな!」
豹馬「ま、負けた……」
十三「いや、なにではりあっとんねん」
ちずる「豹馬……」
さらに研究所からJ9の乗るブライガーと、ケンリュウと合身したロムとその一行が姿を現す。
忍「あいつは……!」
ブライト「今回こそ何者なのか、話を聞かせてもらおう。終わってからな」
忍「わかってるよ」
ギャンドラーの前には研究所から出たJ9とロム一行。後ろには救援に現れたロンド・ベル。
すでに挟み撃ち状態になっていたギャンドラー一行に、勝ち目はなかった。
デビルサターン6「今回は偵察ってやつに来ただけや。覚えとれー!」
と、彼等はあっさり撃退されるのだった。
戦闘後。
ブライト「さて、そろそろ君達が何者なのか、話してもらえるか?」
ロム「そうだな。奴等も本格的に活動をはじめたようだ。君達にならば話しても大丈夫だろう」
ジェット「いいのか、ロム?」
ロム「ああ。お前達がここに来るまで、剣狼の導きで彼等とは何度か共闘した。彼等ならば信頼できる」
ドリル「お前がそう判断したのなら、いいんじゃないか」
まず、ロム達は自分達が何者なのかを語った。
彼等はクロノス星よりやってきた、鋼の体を持つマシンロボ。
ロムとレイナはクロノス族。
ブルー・ジェットとトリプル・ジムはジェット族。
ロッド・ドリルはバトル族。
ロム達は天空宙心拳の使い手であり、先ほど研究所を狙った宇宙犯罪組織ギャンドラーが狙うあるものを守る使命を帯びている。
そのため、それを守るため地球へやってきたのだという。
ミサト「そのあるもの、とは?」
ロム「無限の命を司るとされるエネルギー源。我々はハイリビードと呼んでいる」
ドリル「奴等は伝説を聞きつけ、地球に眠るそれを狙い、この地にやってきたのさ」
剣人「なんで地球に眠っているのに、そっちの星で伝説とか、守る使命とかになってんだ?」
ジェット「それには理由がある」
ロム「かつて、ある星系が死を迎えようとした時、ある水の惑星に眠る力を持ち帰り、その星系を救ったという言い伝えがある。その力の源が、ハイリビード」
統夜「地球から別の星になにかを持って帰った……」
忍「どこかで聞いたことある気がするな……」
マオ「火星の遺跡ね」
甲児「ああ、グラドスの!」
火星に残されていた遺跡。
それは何万年もの昔、星の危機に瀕した古代グラドス人が地球にやってきた証であり、地球よりなんらかを持ち帰り、自身の星を救ったという証拠だった。
そのなにかがきっかけとなり、地球とグラドスのルーツが同じということになったのである。
そうして星を救った力。
それが伝説となり、いつしか宇宙に広まったのだ!
ロム「それがハイリビードの伝説。奴等宇宙犯罪組織ギャンドラーは、それを手にすることが目的だ」
ドリル「もちろんそれが最終目的だが、途中にお宝を手に入れるというのも忘れないだろう」
ブライト「なるほど」
つばき「でもそれだと、それはもうそのグラドスってところに持っていかれて、地球には残ってないんじゃ?」
ロム「そうじゃない。彼等が持ち帰ったのは、その力のほんのひとかけら。それで一つの星系が救われた。ゆえに、ハイリビードの本体を手に入れれば、無限の力が手に入ると言われる理由なんだ」
剣児「確かにそれなら、とんでもないことだな」
これで彼等が共に戦っても自分達の目的を明かさなかったのも納得ができた。
下手に事実を知らせれば、今度は知った者がハイリビードを欲する可能性があるからだ。
ミサト「私達は信頼に値すると判断してもらえた。と?」
ロム「ああ。君達なら、共に地球も、ハイリビードも守れる」
ブライト「ともに戦おうということか?」
ロム「ああ。ギャンドラーの魔の手からだけでなく、それ以外からもこの星とハイリビードを守るには、君達に力を貸すのが一番と感じた」
もちろん大歓迎である。
新たな敵が増えた分、新たな味方は貴重なのだから。
シャナ=ミア「ハイリビード……」
統夜「どうしたシャナ=ミア?」
シャナ=ミア「名前は違いますが、私はそれに、心当たりがあるかもしれません」
ロム「なにか知っているのか?」
シャナ=ミア「はい。その伝承から考えて、それはかつて、私達フューリーが地球へまいた生命の種。新たに命を生み、命を育てる生命の源のことかもしれません……」
シャナ=ミアの言葉を聞き、第一次地球圏争乱に参加していた者達はそういえばと手を叩いた。
改めて説明することになるが、シャナ=ミアや統夜が半分属する種族、フューリーは今から四十億年近く前にこの地球へやってきた異星人である。
まだ溶岩の塊でしかなかった地球に命の種をまき、それが実るまで眠りについていた。
それからの経緯は第一部を改めて読んでもらうか、思い出してもらうかしてもらうが、効果を考えれば、その時地球へまいた命の源。それがイコール、ロム達がハイリビードと呼ぶ不死さえ可能とする無限のエネルギーであっても不思議はないのだ。
シャナ=ミア「もっとも、地球にそれを降ろしたのはフューリーですが、今、それが地球のどこにあるのか。それはわかりません」
小介「もう四十億年以上前の話ですからね。地球の内部もどれだけ動いているか、予測もつきません」
ジュドー「でも、ただの伝説ってわけじゃなく、実物がホントにあるのは確かってことか」
シャナ=ミア「はい」
ロム「どうやら君達に話したのは間違いではなかったようだな。剣狼の導きに間違いはなかった」
ロムは大きくうなずいた。
テニア「ところで、剣狼に導かれたっていうけど、剣狼って、なに?」
当然の疑問でもあった。
剣狼とは、ロム・ストールが父キライ・ストールから受け継いだ剣のことであり、天にかざすことによりケンリュウやバイカンフーを召喚し、合身することができるものなのだ。
この世にただ一刀しかなく、時を超え、次元を超えて存在し、多くの勇者を導き、奇跡をもたらしてきたと言われている。
ハイリビードを守る一族に伝わるものであり、そのために勇者を導いてくれるのである。
ゆえに、ガウルンと戦う統夜達の前に現れ、多くのピンチを救ったのである。
アイザック「元の持ち主がいるというならば確認しておこう。Qパーツと呼ばれるものとハイリビードは違うものなのだな?」
シャナ=ミア「はい。Qパーツも大きなエネルギーを秘めていますが、命を生むものとは性質が違うと思います。それがなんなのかまではわかりませんが」
凱「別なのか」
ルネ「余計に守らなけりゃならないものが増えたってことでもあるね」
アイザック「ならばまだ、研究が必要ということになるな」
やれやれと、アイザックは肩をすくめた。
ここで襲われたQパーツは一度、別の場所へ送られることになった。
ほとぼりが冷めるまで、しばらく隠しておこうということである。
ゆえに、J9がいては逆に目立ってしまうため、その護衛はお役御免となり、彼等はそのままロンド・ベルと合流することになった。
ミサト(命の源……まさか、ね……)
話が終わった後、ミサトはなにかを思う。
だが、確信もなにもない上、最重要の機密のため、それを口には出せなかった。
なにはともあれ、ロム一行とJ9が仲間に加わった!
──フューレイム──
シャナ=ミア「そういえばトウヤ」
統夜「うん?」
シャナ=ミア「ロムさん達が言ったハイリビード。まだそれと同じとは限りませんが、フューリーが生命を生むために地球に降ろしたそれは、元々、グランティードの頭部に納められていた神核なんですよ」
統夜「そうなのか?」
シャナ=ミア「はい。フューリーの世界を作ったとされる創世神フューレイム。その力そのものと言われる結晶。世界さえ生み出すと言われた命の力。それが、地球におろされた生命の源の正体です」
統夜「じゃあ、グランティードを使えば、それを探せるのか?」
シャナ=ミア「いえ。グランティードそのものは一度破壊されています。神核は回収したようですが、それ以外はすでに元のものではありません。なにより、地球にはその力が満たされている状態ですから……」
統夜「ああ。探そうとしても、地球そのものが反応してしまうってことか」
シャナ=ミア「はい。神核が残っているなら、その存在を認識できれば、グランティードの収まるべき場所に、戻すことは可能でしょうが……」
統夜「結局見つけないと意味がない。か」
シャナ=ミア「そうなりますね」
統夜「なら、地道に手がかりを探すしかないな。まあ、見つからない方が平和かもしれないけど……」
シャナ=ミア「そうですね。見つかってしまった方が逆に大変かもしれませんから」
統夜「そういえば、もし見つかって、それを地球からとったら、この星は大丈夫なのか? これがあるから、本体そのものは残していったのかもしれないし」
シャナ=ミア「それは大丈夫でしょう。地球はすでに一つの命として芽吹いています。それが失われても、この輝きが失われることはありません。きっかけとしての役目は、もう終わっていますから」
統夜「それを聞いて安心した。何事もないのが一番だけど、いざという時があるからな」
シャナ=ミア「そのようなことが起きないよう、努力するしかありませんね」
統夜「そうだな。そうならないよう頑張ろう」
シャナ=ミア「はい。がんばりましょう!」
二人は顔を見合わせ、ふふっ。と笑った。
──ムゲ帝国所属ザール艦隊登場!──
地球連合軍だけでなく、バイストン・ウェルの軍勢にデュナンの子を名乗る軍勢まで現れ、ネオジオン・ムゲ帝国同盟の地球侵略は思うように進んでいなかった。
アフリカ大陸を得たものの、そこから先は三つ巴の争いとなり、様々な場所で戦いを繰り広げるだけにとどまっている。
それゆえ、地球侵攻を進めるため、ムゲ帝国側も本格的に人員を派遣することを決めた。
宇宙で情勢を見守っていたムゲ帝国所属ザール艦隊が動いた。
地球へ降下するザール艦隊。
地球侵略軍総司令官クロッペンがロンド・ベルの前に現れた。
改めて宣戦布告をし、一応の降伏勧告を行うクロッペン。
もちろん、これに従うとは敵も味方も思ってはいない。
統夜達はその勧告を拒絶し、クロッペンの顔見せとなる戦いがはじまった。
途中、第五の使徒と呼ばれる怪物の乱入により、ザール艦隊はロンド・ベルをそこに残し撤退してゆく。
使徒という怪物。さらに自分達相手に互角に戦い抜いた戦いぶりを見て、クロッペンはロンド・ベル隊は手ごわい相手であると再認識する。
クロッペン「宇宙で見た時より、さらに手ごわくなっている。たやすく地球は手に入らぬようだな」
彼は、先行して地球に降りたネオジオンも利用し、地球侵略を進めることを決める。
そこで、ハマーンから新しい道具がクロッペン側に貸し出されることになる。
ネオジオンが作り上げた、巨大モビルスーツ、サイコガンダムマークⅡとそのパイロットとなるクローン兵。プルツーを。
クロッペン「ふん。クローンか。宇宙でよこしたのはまるで使えなかったではないか」
ハマーン「あれより戦闘用に調整してある。それに、サイコガンダムを動かすための駒が必要だろう。そちらに無駄な損失を与えぬためですよ。司令官殿」
クロッペン「コックピットに座る戦闘用のパーツということか。まあ、クローンはしょせん道具。よかろう。存分に使いつぶしてくれる。行くぞ」
プルツー「……」
こうしてネオジオンの戦力も加え、クロッペンは地球侵略に本腰を入れる。
部下とさらにハマーンより預けられたプルツーとサイコマークⅡを使い、連合を粉砕するのだ。
クロッペンもその部下もクローンであるプルツーを道具のようにしか思っていない。いかようなことがあろうと、また生産される生体パーツ程度なのだ……
一方。
マシュマー「地上の制圧、奴等に任せてしまってよろしいのですか?」
ハマーン「かまわん。やりたいというのだ。好きにさせよ」
マシュマー「これ以上は、我々の立場が……」
ハマーン「問題ない。奴等に期待することは、連合軍を消耗させること。勝つことなどはなから求めていない」
マシュマー「奴等では、ロンド・ベルには勝てぬと?」
ハマーン「そういうことだ。無駄に我々が消耗することはない。しばしの時を待ち、すべてが消耗したところで我等がのみこむ。それまではすべて好きにさせればいい」
ハマーンは気づいていた。
最初の降下作戦で地球を制圧できなければ、あの部隊が再結成されると。
二度の争乱を裏から勝利に導いた一つの部隊。
それを打ち破るのはたやすいことではない。
ハマーン「せいぜい、我等の露払いとして活躍してもらうとしよう」
マシュマー「はっ!」
クロッペンが去った扉を見て、ハマーンはにやりと笑った。
しょせんはひと時の同盟。
いずれは目指すものの違いから対立するのは目に見えている。
それが双方勝手に潰しあってくれるのだ。わざわざ邪魔をする必要もなかった。
新たに現れた多くの新勢力。
これより、本格的な戦いがはじまる。
第8話 終わり