サインしたらロドスに引き込まれたんだが!?   作:トリスハイボール

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はい、というわけで後編です。

え?予想より投稿早いじゃんかって?
戦闘描写難しすぎて、ほとんど割愛しちゃった(ノ≧ڡ≦)☆

はい、すいません…危機契約でファウストさんが出てきて心がやられてしまったんです…

それでは後編どうぞ_(⌒(_´-ω-`)_


水使いと医師・後編

特殊オペレーター・レッド…ケルシー先生の命令を忠実にこなし、隠密行動に長けている事から「赤いフードの死神」とか呼ばれているみたいだが、今俺の目の前で目をキラキラさせている様子だけ見ると、どう見ても無邪気な子供なんだがなぁ……

 

「さて、今から俺は訓練所の中を逃げるから、レッドは俺を追いかけてくれ。で、さっきも言ったように、姿を消して追いかけてくるのは無しだからな?」

 

「わかった、しっぽ、追う」

 

どんなに姿を消したり気配を殺しても、俺には無意味だから逃げるだけなら問題ないんだが、アーツ造形の活用法を教えなきゃならんから、そうもいかないんだよな…

 

「じゃあ、レッドは俺が動き出してから十秒たったら、追いかけてきてくれ。そっちの三人はしっかり見てろよ?」

 

 

頷いたのを確認して、軽く準備運動を済ませて走り出す。姿を隠さないように頼んだとはいえ、彼女の機動力はロドスでも随一(『戦場機動』の項目が「卓越」なのはレッドとファントムのみ)だからな。

なるべく距離を取らないと、アーツを使う前に距離を詰められてしまう恐れがあるからな。さて、そろそろ十秒経つ頃だから減速を…

 

「ハンティング、始める」

 

「っ!?」

 

そう聞こえた瞬間、俺は全力で逃げていた。少しでも速度を落とすと今にも死神の釜に刈り取られそうな予感かしたんだ。

走りながら後ろを見ると「赤いフードの死神」の異名のとおり殺気を纏ったレッドがこちらに駆けてきていた。

 

(さっきまでの雰囲気とは随分違うが、ここまで変わるものなのか。逃げる獲物を狙うハンターとしての性か、それとも……)

 

「ふっ!」

 

「…っ」

 

距離が15m位のタイミングで、訓練室の柱の間にアーツ造形で壁を造る。かなりの速さで追いかけているから、止まろうとしてもすぐには止まれないだろ。

アーツの壁を交わすにも、迂回しなきゃならないから、どのみち時間稼ぎになる。

この間に距離を離しておいてっと…

 

「逃がさない」

 

「マジかよ…」

 

3mくらいの壁飛び越えてきやがったぞ…戦場機動「卓越」は伊達じゃねぇな。まぁ、アーツ造形の使い方を見せることは出来たから、よしとするか…

 

「レッド、ありがとうな~もうその殺気しまっていいぞ?」

 

「……」

 

着地してずっとこっちを見ているレッドに声をかけたんだが、何も反応がないな?今の着地でどこか痛めたか?

 

「レッド?」

 

ヒュン…

「っ!?」

 

あぶねぇな!?いきなりナイフ飛んできたぞ、オイ。

レッドのほうを再び見ると、ナイフを構えてこちらに走ってきていた。

 

「どうしたんだレッド!?」

 

「……」

 

「無言かよ!?」

 

本能的に動いているかハンターの血に呑まれたのか?死神の名に相応しく、喉や首、眉間なんかの急所を捉えにきてる。どうにか交わしたり受け流して致命傷は避けてるが、無傷とはいかんぞ…

 

「くっ…スチュワード!ケルシー先生かドクターを呼んできてくれ!このままじゃ持たない!」

 

「わ、分りました!」

 

なるべく急いでくれよ、暗殺任務をこなすレッドとタイマン勝負なんてキツイぜ。アーツを展開する余裕も、隙も無い。距離を空けることも出来ないから、受け流し続けるしかない。アレは使いたくねぇんだがなぁ……

 

 

ガッ!!(躓く音)

「うおっ!」

 

「……」

 

 

 

**************

 

 

突然入ってきたスチュワードから、レッドが暴走した旨を聞き訓練室に急ぐ。私の声なら抑えが効くし、万が一の場合はMon3trを出す準備もできている。

 

「ここです!」

 

スチュワードと共に訓練室に入ると、訓練を受けていたであろうラヴァ達が立ち尽くしていた。

だが、肝心のレッドと教官であるスクアの姿がなかった。

 

「ケルシー先生!」

 

「レッドはどこだ?」

 

「あ、あそこで…」

 

そう言ってグレイに指さされた方を向いた瞬間……

 

キィンッ!!

 

レッドの持っていたナイフが宙を舞った……

呆然とするレッドの前には、『蒼い短剣』を構えたスクアが立っていた。

 

(レッドが、負けた……?)

 

 

 

**************

 

 

 

獲物の末路、いつも同じ……。そのハズだった。

 

「…?」

 

ナイフの感触が、違う…喉に刺したはず、なのに違う…

刺したところ、血の匂いじゃなくて、水の匂い、する…

 

「もうどうなっても知らねぇぞ」

 

「っ!?」

 

レッド、咄嗟に飛び退いた…スクアの首、水、纏ってる…

 

「躓いた時に咄嗟に防いじまった。ま、喉を刺されるよりマシか…さて、そろそろ正気に戻ってもらおうか?ウルフハンター」

 

纏ってた水、剣になった…スクアの雰囲気、変わった…

でも、関係無い…レッドは獲物、仕留めるだけ…

 

「術師相手に距離を取っていいのか?」

 

「……」

 

「未だ無言か?ならこっちから行くぞ」

 

水の弾、飛んできても交わす…距離を詰めて、今度こそ…

 

(影からっ!)

 

「見えてるって、言ったよな?」

「あっ…」

キィンッ!!

 

ナイフ、弾かれた…レッド、勝てなかった?…スクア、蒼い水の剣、レッドの鼻先にもってきた。

 

「なんで、何処にいるか、分かる?」

 

「お?正気に戻ったか。俺は水を探知できるから姿を消しても分かるんだ。それより大丈夫か?」

 

「レッド、大丈夫…スクアは?」

 

「多少の掠り傷はあるが問題ないよ」

 

レッド…仲間、怪我させた。ケルシーに怒られる…

 

「ほら」

 

「?」

 

「約束通り、尻尾触っていいぞ」

 

「レッド、怪我させた…」

 

「気にするなって。今日は医療アーツの訓練を他でやってるから、このキズはそれの練習に利用するさ。だから気にするな」

 

「スクア」

 

!ケルシー、来てたの?

 

「お〜ケルシー先生、スチュワードに呼ばれて来たんだろ?とりあえずレッドの暴走は収まったし、俺にも大きな被害はないから、レッドは怒んないでやってくれ」

 

「お前はそれでいいのか?」

 

「レッドに協力を頼んだのは俺だ、レッドは悪くねぇよ。」

 

「分かった。今回はお前の顔に免じておこう。慣れない教官役で疲れてるだろうからな。とにかく教え子の所に行って治療をしてこい、心配してるぞ」

 

「そうさせてもらいます」

 

ケルシーに言われて、スクア、みんなのとこ、行った。ケルシー、怒ってるかな?

 

 

「レッド、体に異常は無いか?無いのであれば、スクアと戦ってみた感想を聞かせてくれるか?」

 

「ケルシー、怒ってる?」

 

「本当は怒るつもりだったんだが、スクア本人に怒らないでほしいと言われたからな。さぁ、今日は部屋に戻るぞ」

 

「わかった…」

 

ケルシー、怒ってなかった。レッド、負けたけど、楽しかった…。でも、しっぽ触れてない……頼めば触らせてくれるかな?

 

「あんなに楽しそうな顔のレッドは初めて見たな」

 

 

 

**************

 

 

 

 

「ワルファリン~、グロリアに教え終わったなら、治療してくれ~」

 

「レッドとの大立ち回りを演じておきながらのその余裕…お主、まさかとは思うがここまで計算しての行動か?」

 

「まさか、ラヴァ達にはアーツ造形に技術を使った、相手に距離を詰められないようにする方法を教えてたんだよ。んで、レッドが隠れていたから、実践的な動きを見せようってことにしただけ。まさか、レッドのハンターとしての本能を刺激するとは思わなかったがな…」

 

「あの暴走は予想外だったわけか。妾はそれで納得できるが、後ろのやつらは聞きたいことがありそうだぞ?」

 

「でしょうね」

 

スチュワードやグレイは心配そうに見てきてるが、ラヴァは目をキラキラさせてる…お前そんなキャラだったっけか?さて何から話したものか…

 

「あ~今日は疲れたから、質問は一人一回ずつな」

 

予防線張っておかないと、根掘り葉掘り訊かれそうだからな。今日は勘弁してくれ。

 

「レッドさんとの攻防の中で出した、あの蒼い剣は何ですか?」

「どうして、レッドさんの猛攻を交わせるんですか?」

「あの剣、あたしも出せるようになりたい!!」

 

三者三様、スチュワードとグレイは純粋な疑問。ラヴァは、憧れみたいなものか?かっこいいものを見て心躍らせるなんて可愛いとこあるじゃねぇか。

 

「よし、順番に答えていくぞ~。さっきの攻防の中で出したこの剣は、俺のアーツ制御訓練の最終形だ。圧縮したアーツを剣の形に造形したものだ。前に圧縮した水で的を貫通させて見せただろ?あの圧縮した水を剣に造形させたものだ。だからある程度の頑丈さも、殺傷性もある。

次に、レッドの攻撃を捌き続けることができた理由は、国際トランスポーターとして仕事であちこち移動してると、変な連中に絡まれるからある程度の戦闘技術は磨いた。アーツ対策を施した連中は、直接力でねじ伏せてやるのが手っ取り早いからな」

 

俺がアーツ使いだと知って襲ってきた連中を、腕っ節で叩き伏せたのはいい思い出だ。利用できるものは何でも利用するのが俺のやり方でもある。距離を詰めれば勝てると思ってたんだろうが、先頭のヤツの顔面を凹ませてやった後の表情はいつ見ても笑えるぞ?

そこで、引き下がるかどうかの交渉をするんだが、それでもなお襲い掛かってくるバカ共は容赦なく再起不能になってもらって放置だ。

 

「最後に、この剣を出せるようになりたいなら、アーツ造形をしっかり会得してからだな。本来は武器型アーツユニットとの同調で扱えるようになるのが一般的だから、アーツ操作だけでやろうとすると並の努力じゃ足りないから、そこだけは覚えておくように」

 

まあ、圧縮まで会得出来れば応用しだいで、色んなことが出来るようになるからな。

ってか、グロリアの治療スピードも早くなってるな。ワルファリンの教えのおかげか?もう傷が塞がった。

 

「よし、治療も済んだから今日はこれで終わりな。心配かけたから今日の昼飯は奢ってやるぞ〜」

 

そういって食堂へ向かった。

 

 

 

 

後日、訓練室でアーツ制御に励むラヴァの姿があった。

また、宿舎でレッドには尻尾を触られ、ワルファリンには血を吸われ、ぐったりしているスクアが居た。




スクアの尻尾を約2時間モフり続けたレッドに感想を聞いてみたいと思います。

レッド「スクアのしっぽ、滑らか。首に巻いたら、気持ちよかった。プロヴァンスと、いい勝負」

との事です。では、モフられまくったスクアの声です。

スクア「あれからレッドに尻尾を狙われるようになった…30分くらいなら良いんだが、流石に2時間は無理だ」

現場からは以上です。
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