サインしたらロドスに引き込まれたんだが!? 作:トリスハイボール
はい、恥ずかしながら生きておりました...
CoD:BOCWが楽しくて完全にすっぽかしてました。
「スクアとスカイフレア。新旧とはいえ、王の杖所属の術師同士の対決と言うことで、ロドスのオペレーターたちの注目を集めている対決が始まろうとしている。
スクアは、知ってのとおり術師オペレーター達の教官役を担ってくれているほどの実力者。ましてや、スカイフレアの才能を見出し王の杖に推薦した当人だ。アーツの制御能力・戦闘経験・瞬時の判断力。どれをとってもスカイフレア以上だろう。炎のアーツを得意とするスカイフレアにとってかなり不利な戦いになるのは目に見えている。それはスカイフレア自身が一番よく分かっていることだろうが、何かしらの策があってのことだと思いたいものだ」
「というドクターの見解を貰ったところで、そろそろ始まりそうな予感がするから、画面を切り替えるよ~」
『さて、そろそろ準備はいいか?勝敗の付け方はどちらかが負けを認めるまで、ってとこか』
『ええ、依存はありませんわ』
準備ができたことを確認し、スクアがコインを上に投げる。弧を描いて、宙を舞うコインが地に落ちた瞬間が開始の合図というのは全員が瞬時に理解したことだろう。
訓練室を静寂が包み込む。動いているのは投げられたコインだけ。
・
・・
・・・
チャリン
コインが落ちた瞬間、スカイフレアは攻撃のためにアーツ詠唱を始めていたがその場から距離を取る。その瞬間、両者の間に大きな水の壁が形成された。
「スクアのアーツがいきなり両者の間に壁を作ったね。スカイフレアの速攻を防ぐためかな?」
「いや、速攻を防ぐためならば自身から近い位置に形成するはずだ。だが、スカイフレアの近くに形成してる。恐らくアレは目晦ましだろう」
「目晦まし?」
「1対1の戦闘において何より重要なのは、相手よりも有利になれる状況を作り出すことができるかどうかだ。分かりやすく例えるならば、同じ高さに居る敵を狙撃するのと高台から狙撃するのとでは、圧倒的に後者が有利だろう?スクアはあの水の壁を形成することで、スカイフレアの意識を逸らすだけでなく、詠唱の中断、自身の居場所を絞らせないことに成功し確実に有利な状況を作り出した」
大きく後ろに下がったスカイフレアは水壁に炎のアーツを展開し、水壁を蒸発させた。
「え!アーツの詠唱、中断されたんじゃないの?」
「攻撃用ではないとはいえ、アーツで形成された水壁を一瞬で蒸発させるとは…」
蒸気の立ち込める中でスカイフレアは1本の柱にアーツを放つ。すると、その影からスクアが飛び出してアーツを放った。
しかし、不規則に動くスクアのアーツをスカイフレアは見切って躱した。着地タイミングを見計らい火球を飛ばすと躱しきれずスクアは炎を包まれる。
「先手を取ったのはスカイフレア!火球がスクアにヒットした!!」
「飛び上がった場合は空中での挙動や着地前後に必ず隙が生じる。その隙を付くのは簡単だが、アーツを躱しながら狙えるのはロドス内でもほんの一部だろうな。だけど…」
燃え盛る炎を見ながらスカイフレアは杖を構える。この程度で負けを認めるとは思ってないからだ。
追撃のアーツを唱え始めた刹那、背後から指を背中に突き付けた。
「え!スクアがスカイフレアの後ろに!?アーツを食らったはずじゃ!?」
「やっぱり本体じゃなかったか」
『いつから後ろに…』
『柱に向かってアーツを放った時には後ろに居た』
『っ!じゃあ、あの影は…』
『水で作った
「ドクターはアレが本体じゃ無いって分かってたの?」
「位置が割れているとはいえ、あまりにも無謀に飛び出していたからな。牽制にアーツを放つ余裕は十分にあったのにも関わらずだ。それにさっきも言ったように空中に飛び上がるのは隙が大き過ぎる。スクアがそんなリスクを負う行動はしないだろうと思った訳だ」
『さてどうする?この状態では一撃は貰うのは必至だが、負けを認めるか?』
『あら、私がそんなに簡単に諦めるとお思いかしら?』
『ま、諦めるわけねぇよな。仮にも俺の推薦で王の杖に入ってるんだから満足させてくれよ?』
『もちろんです…わっ!!』
直後、スカイフレアの周囲に火柱が上がりスクアを後退させる。その隙を逃さぬよう連続して火球を打ち出すが、スクアの元に辿り着く前に打ち消されてしまった。
「スカイフレアの攻撃が全く通用してないね」
「火球のスピードや数は多いが、素直すぎる。攻撃のバリエーションを増やさないと当たらないだろうな」
スカイフレアの火球を全て防いだスクアは再度壁を作って後退した。反撃もしてこないスクアに痺れを切らしたのか、スカイフレアは杖を高く掲げアーツを収束し始めた。
『日輪の炎に、灼かれなさい!!』
先程までの火球とは比較にならないほど収束されたアーツは、もはや隕石に匹敵するほどの熱を放っていた。
【メテオフレイム】はスクアの水壁をいとも容易く打ち破りまた水蒸気が立ち込める。
「また水壁を蒸発させた!」
「いや、今度のはただ蒸発させただけじゃない。隕石の勢いが完全に死んでない。多少弱まってはいるがそれでもまだ十分に強力だ」
迫る隕石に対峙しているスクアは指を銃の形にすると、指先にアーツを集中させ…
『貫け』
指先から放たれたアーツは隕石を貫き、次の攻撃に備えていたスカイフレアの肩を掠める。
貫かれた隕石は霧散し、スカイフレアは肩の痛みに顔が歪む。
『い、今のは…』
『圧縮した水でお前の隕石の核を貫いた。炎のアーツを圧縮した隕石とはいえ、圧縮させる中心。つまり核があるからな。それを正確に破壊すれば内部から崩壊するって訳だ』
視界が晴れるとスクアがスカイフレアの目の前に立っていた。
『フーロに回避詠唱を教わって移動しながらアーツを出せるようにしたんだろ?で、今の隕石はエルストの真似か?筋は悪くないが、アイツらに教わった技術や策は何一つ俺には通用しないぞ。それともまだ隠し玉でもあるのか?』
目線を逸らし押し黙るスカイフレア…
「スクア、勝敗はどうするんだ」
『コイツは負けを認めようとしないだろうから、力の差を見せようかなと思ってさ。丁度いい具合に室内が湿ってるし、ドクターも知っておきたいんじゃないか?俺の全力をよ…』
そう言ってスクアはコンソールを操作して、訓練用ホログラムを呼び出す。その数は同時に出すことが出来る最大数だった。
『見ておけよドクター。そして、スカイフレア!!これが俺の全力だ!!』
スクアの体が淡く光り出すと、訓練室に無数の水で形作られたサーベルやメイス、短剣にナイフといった様々な武器が浮かび上がった。
『水の真の恐ろしさを知れ』
その一言で、水の武器がホログラムに襲いかかっていく。100以上出現していたホログラムがすべて消えるまでの時間は僅か5秒程であった。
「……凄まじいな」
『良かったなドクター、俺がロドスの味方でよ』
画面越しに見せられた表情は笑っていたが、こちら側のギャラリーはエクシア含め全員が絶句していた…
OTZ...