駄文注意
「ふん!」
「たあ!」
「…。」
俺は勇者と、王国一の天才魔術師との戦闘を開始した。
何処からともなく湧いて出てくる兵士を処理しつつ、二人の攻撃をいなし、躱しながら反撃をする。
リツ・クシェルトは、箒にまたがり後方支援。
シャトレーセは近接で攻めてくる。
流石は戦いなれているな。
『炎魔法!』
『ファイヤ・レイン!!』
空に魔法陣が形成され、そこからは大量の火球が生成され、地上に降り注ぐ。
それでもなお、剣をこちらに振り続けてくる勇者。
正気ではない。
俺は剣を弾き、距離を取るため後ろに飛ぶする。
そして地面に着地したその時
ガチッ
突然俺の四肢に黒い枷がかけられ、体が動かなくなる。
俺は上を見た。
するとそには24人ほどの魔術師たちが、純白のローブをはおり、箒にまたがり空中に浮遊していた。
「遅くなってすいません」
男がリツ・クシェルトに近づく。
「全くだよ、まあ、結果良ければ全て良し、だね。」
やはりアイツら。
第一魔術師団の奴らか。
この枷、よくよく見れば第一魔術師団の紋が刻まれている。
俺を動かなくさせるほど強力な束縛力にも納得がいく。
そしてシャトレーセが、俺のもとに近づいてくる。
「ああ、ようやく捕まえた。
これからお前は私のものだ。
私から離れることは許さないし、もう絶対にさせない。
なに、はじめは嫌だろう。でも大丈夫、きっとやり直せるさ、お前と、私ならな」
光の灯っていない瞳で俺を見下しているシャトレーセをにらみつける。
「ほら、速く撤収するよ。」
俺の体が宙に浮き始めた。
その時
パキン
俺の四肢に取り付けられていた枷がゴトリと地面に落ちる。
枷を見ると、きれいに両断されていた。
そして、俺の目の前には、東洋の剣を持った銀髪の男に仮面を被っている男が立っていた。
シャトレーセはいきなり目の前に現れた男に驚き、後ろに下がる。
「な、なんだい、君は」
リツ・クシェルトや、その他第一魔術師団は、あの枷が破られたことに驚きを隠せていなかった。
なお、それは俺も同じである。
「そうですね…、通りすがりの剣士、とでもいいましょうか」
男はフフフと笑った。
「なにやら面白そうなことをしているようなのでね、混ぜてもらいに来たのですが」
「悪いが、こちらは遊びではない、失せろ」
シャトレーセは男を睨みつけた。
それに対して男は、シャトレーセが持っている剣を見て、何かに気がついたようだった。
「あれ?もしかしてあなた、勇者ですか?あ〜、これは失敬、余りにそうとは見えなかったもので」
「なんだと!」
シャトレーセは顔に青筋を浮かべ、男に剣を向ける。
「怖いですねぇ、っと、ナルゲルさん、怪我はありませんか?」
俺はとっさに剣を構えた。
「何者だ」
男はフゥ、とため息を付き、言った。
「だから、通りすがりの剣士ですよ」
そういった瞬間。
シャトレーセは男に斬りかかった。
が。
「「「「!?」」」」
この場にいる俺含め、全員が困惑していた。
シャトレーセの斬撃は空を切り、男はいつの間にか彼女の後ろに移動していた。
全くもって動きが見えなかった。
「はは、元気ですね」
シャトレーセはすかさず後ろに剣を振る。
が、すでに男は消え、今度は俺の後ろに立っていた。
「退屈しのぎにもなりませんね」
そういった刹那、空から肉片が降ってきた。
白いローブ、第一魔術師団のものだ。
空を見ると、さっきまでいた24名の魔術師達は消えていた。
「さっさと逃げたらどうですか?」
男は言った。
確かに、この機を逃す訳にはいかない。
俺は足を魔力で強化し、走り出した。
◆◆◆◆◆◆
「お前、何者だ」
私がそう問うと、男は言った。
「同じことを3度も言わせないでくださいよ。」
箒にまたがり、空に浮かんでいるリツは魔法陣を形成し、男に向けて指を指した。
「君のその実力、只者ではないね。
もう一度聞くよ、君は、何者だい?」
男はでかいため息を付き、言った。
「…、昔は『三賢者』なんて呼ばれてましたね」
リツはそれを聞いた瞬間、ぶるりと震え上がった。
「ま、まさか、生きていたのか」
三賢者、聞いたことがある。
今から140年ぐらい前、魔王をも超える邪悪な存在。
『魔神』を倒した三人組を指す言葉だ。
まさか、ただの童話だと思っていた。
「お、通じましたか、良かったです」
リツは今度は動揺した様子で問うた。
「…、そんなあなたが、何故こんなところに」
「これもさっき言いましたよね、通りかかっただけですよ
それ以上理由はありません。」
「ふう、ここにいてももう面白いことはなさそうですね、帰るとしますか。」
男は背を向け、歩き出したのだが、数歩進んだところで何かを思い出したような素振りを見せ、シャトレーセに
顔を向け言った。
「光の力を、こんなことに使うのはオススメ出来ません、最も、こんな下らないことにはね」
「…、どういう意味だ」
男はフ、と笑い言った
「不要なとき以外、ましてや私欲のために使用していては、いずれ『没収』されますよ?」
「私は優しいですからね、忠告しといてあげますよ。」
そう言って男は何処かに消えていった。
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