不信のナルゲルは信じない   作:雪ノ助

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気分がようやく乗ったので書きました。
前回の投稿が一ヶ月前ってマジ…?
モチベが上がりませんでした(言い訳)


7話 氷結 (1)

昨日の出来事から一夜明け、昼頃。

チベット フローズンの暗殺に向けて、情報を収集する事にした。

 

チベット フローズン

 

年齢28歳、使用する魔法は『氷結魔法』。

あの少年が言った通り、『三賢者』について嗅ぎ回っているようだ。

余り揉め合いになりたくは無いものだ。

『氷結魔法』はその名の通り、物体を凍り付かせるのが能力。

揉め合いになり、体の何処かを凍らされたのではたまったものではないし、情報によれば優秀な魔術師でもあるという。

ならばどうするか。

俺は床に落ちていたカバンから、一本短剣を取り出し、鞘から抜いた。

上質でも無ければ質が悪いわけでもない鉄出できた短剣は銀色に光っている。

窓から爆薬でも投げ込むか?

幸い、ここナルバでは爆薬などの危険物は簡単に手に入るため、出来ないことではない。

しかし相手は魔術師。

咄嗟に体に魔力を流し、爆破を耐えられたら逃げるしかない。

確実性がないので却下。

毒は…これまた同じく魔術師相手じゃ確実性がない。

これも却下。

ならどうするか

俺は短剣を鞘にしまい、カバンに入れベッドに寝転がった。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

フローズン邸にて…

 

 

ここ、フローズン邸にあるとある部屋にて、一人の男が椅子に腰を掛け、本を読んでいた。

本の表紙にはには『リルスラーン伝記』と書いてある。

 

 

「この本にも書いていない」

私はため息を一つ付き、椅子の背もたれに背を預ける。

かつていくつもの国や地域を消した約200年前に存在したとされる三人組。

古今最強の魔術師と呼ばれた

『光の王』を筆頭とした『三賢者』を追い、早9年。

いくつもの本や伝記を読み漁りわかったことは、三人は『男性であったこと』。

『それぞれが凄まじい力を持っていたこと』

『光の王は今は亡き『光の民』と言う希少な血族だったこと』

『3人のうち1人は、時間を操って戦っていたこと』

だけであり、居場所や身元までは謎に包まれている。

そして今回の本にも書かれていなかった。

「なあ」

後ろからはっきりとした女性の声が私を呼んだ。

後ろを見ると、全身に黒い衣服を着、フードまで被り顔を隠した女性が立っていた。

「何でアンタは、そんな『三賢者』に拘るんだ?」

そう言えば、調べ始めてから誰にも語っていなかったな。

「喋ってもいいけど、君は信用しかねるからね」

女性はククッと笑い私もフッと鼻で笑う。

「なあ、面白い話があるんだ」

不意にそう言われ、少し耳を傾ける。

「『不信のナルゲル』って知ってるか?、すげぇ強い冒険者兼暗殺者らしいんだが、そいつがなんかやらかして隣の隣の私の故郷の国からこの国まで逃げてきてて、居場所はわからないが実はこの街に居るらしいんだ」

「それがどうかしたのかい?」

彼女は面白そうに続ける。

「そいつの身元が妙でな?、元々貴族の『リバティ家』の長男だったらしいんだが、恋人や親友にも嵌められ、終いには家族に売られたらしいんだ。」

なんの変哲もない、不幸な男の話の様に聞こえる。

そんなものに興味は沸かない。

「面白いのはこっからだ、その後奴隷商に引き取られる前に持ち前の魔法で脱走したらしいんだ、で、そっから4年、行方不明になってたそうだ。

その後突然冒険者界や裏社会に突然姿を表した。

戦闘技術や暗殺の技術は素晴らしいほどに完成されているらしい、が、ヤツ自身、その技術をどこで覚えたか、どうして知ってるか自体、覚えていないらしいんだ」

「!?」

四年間の失踪、記憶の喪失、謎の戦闘技術。

全て何処かで聞いたようなくだりだ。

「アンタなら、わかるんじゃないのか?」

「…、!?」

そうだ、聞いた、いや、読んだことがある。

私は部屋にある本棚の中から目当ての本を探し始め、『リブース伝記』と書かれた本を見つけたそばから引き抜き、先程座っていた椅子に座り、必死にページをめくり、ようやく見つけた。

『私は旅の途中、奇妙な男に出会った。

その男の戦闘技術、魔法の技術は素晴らしいものであり、魔物に襲われていた私を親切にも救ってくれて、夕飯まで馳走になった。

しかし男は奇妙な事に、その技術を誰に教わったのか分からないようだった。

そこで私は、その男、名を『リカル』と言った男の身の上を聞いた。

リカルはとある村の若い木こりだった。

しかし村が突如魔物に襲われ、生き残ったのは彼だけだったという。

彼は歩いているうち、森に迷い込んでしまい、助けを呼ぶ手段もないため、途方に暮れていた。

その時、森の奥から白髪、白眼の男が現れて、そこからは覚えていなく、気づいたらとある街の近辺に立っていたと言う。

体は見違えるほど逞しくなり、覚えた覚えのない技術が出来るようになっていた。

しかし、彼は一つ、『光の王』と言う単語だけを覚えていた。

その後彼は街へ行き、自分が住んでいた村のことを訪ねたが、その村は4年も前に魔物の襲撃にあい壊滅したと言われたらしい。

そこで彼は、自分は今までの四年間、失踪していた事に気づいたようだ。

奇妙な話だ。

『光の王』、150年前に存在した魔術師が現在も生きているというのだろうか。』

この供述から、私は『三賢者』の生存を確信したのを覚えている。

しかし、その『不信のナルゲル』が遭った現象と、この話に出てくる『リカル』と言う男が遭った現象は似すぎている。

何か有るな。

「なるほど…『不信のナルゲル』、追って見る価値はありそうだ」

「だろう?」

私は『リブース伝記』を閉じ、本棚にしまう。

「しかし驚いたな」

「?、どうした」

「君がこんな情報を、私に教えてくれるなんて珍しいじゃないか」

彼女はまたもやアハハと笑い言った。

「実は、私も奴を追ってるんだ。あんたにこの事を言ったのはアンタにも、『不信のナルゲル』を追ってもらいたくてね」

「ほう、君が興味を持つなんてね」

彼女は前髪から黒ずんだ目を覗かせ言った。

「そう、興味があるんだ、アイツには、昔からな…」




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