青年の異世界珍道中〜ひぐらしのなく頃に〜   作:クロイツヴァルト

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第四話

 

 「……ここは」

 

 とある家屋の寝室

 

 「…巻き戻ったのね」

 

 周りを見渡し少女は呟く

 

 「…私はまた殺されたのね……いったい後何回殺されなければいけないの?」

 

 「梨花!」

 

 布団の中で苦悩する少女梨花に声をかけたのは宙に浮いた紫の髪に頭から二本のツノのようなものを生やし着物のような物を着た少女が梨花の下に来る。

 

 「…羽入」

 

 梨花に羽入と呼ばれた少女は梨花の言葉に不安そうな表情をする。

 

 「それで……今は何月何日なのかしら?」

 

 「昭和50年の6月19日なのです」

 

 羽入の言葉に梨花は少しだけ表情が動く

 

 「今回はかなり猶予があるわね。」

 

 「待って、6月19日ってもしかして…わた流しの日?」

 

 「そうなのです!戒翔が皆でお祭りに行こうと誘いにきたのです!」

 

 梨花の言葉に反応するように突如興奮する羽入の言葉に梨花は面食らう

 

 「待って、戒翔って誰?」

 

 梨花の疑問に羽入は希望を確信した様な表情で梨花に告げる。

 

 「梨花、この世界は今までとは大きく違うのです。戒翔が…あの人がいるのなら今度こそ生き残れるかもしれないのです!」

 

 「待って、待ちなさい!何を勝手に盛り上がって決めてるのよ…そもそも戒翔って誰よ。」

 

 「園崎戒翔…園崎姉妹のお兄さんなのです。」

 

 「…………はい?」

 

 羽入の勢いに狼狽える梨花に羽入は追い打ちの様に更なる爆弾を投下する。

 

 「魅音と詩音には男の兄弟…しかもお兄さんとか存在しないはずよ。」

 

 「はいです。戒翔はこの世界で初めて現れたのです。」

 

 「魅音達のお兄さん…」

 

 「戒翔は凄いのです!戒翔ならどんな事でもなんとかするのかもです!」

 

 「…やけにその戒翔ってやつを推すわね…どう言うこと?」

 

 「一目惚れというか…ほぼ毎日のように僕に話しかけてくれるのです…姿は見えないはずなのですが気配を感じると言って僕に挨拶してくれたりもするのです!」

 

 「はい?見えない筈の羽入の気配を感じただけなのに話しかけるですって?」

 

 羽入の言葉に梨花は表情が固まる。それもそのはずで今まで梨花にしか見えず会話も出来ない相手をどう知覚し話しかけると言うのだろうか…下手をすれば虚言癖と言われてもおかしく無いのだから。

 

 「梨花ー!戒翔君がきたわよー!」

 

 「戒翔がきたのですー!あうー!」

 

 梨花の母親の声に反応して羽入は梨花を置いて玄関の方へ飛んでいく。

 

 「ちょ、待ちなさい羽入!まだ状況の整理が…」

 

 「お、梨花ちゃんおはよう!今日はよろしくな!」

 

 慌てる梨花をよそに戒翔が居間にいる梨花の所に姿を見せる。

 

 ーーーーーーーーーーーー

 

 「お、梨花ちゃんおはよう!今日はよろしくな!」

 

 「か、戒翔おはようなのです」

 

 「ん?どうした、いつもみたいに抱きついて来ないじゃないか…どっか調子でも悪いのか?」

 

 当初俺がこの雛見沢に来た時は多少警戒していた梨花ちゃんであったが交流している内に懐かれ、出会い頭に突進のような抱きつきをして俺がそれをいなすのが一連の流れのようにここ最近だがなっていた。

 

 「そ、そんな事無いのですよ。にぱー☆」

 

 「…まぁ、そんな時もあるか。それで梨花ちゃんは祭りの時に回りたい所はあるか?内の義妹達は屋台に行きたいって言って、沙都子は林檎飴を食べたいってさ」

 

 「沙都子!?」

 

 「つい昨日の事だろう?沙都子や悟史に義妹達と一緒に回るって」

 

 「そ、そうなのでした。つい忘れてたのです」

 

 「……本当に大丈夫か?なんかいつもの梨花ちゃんじゃ無いみたいだが」

 

 「き、気のせいなのですよ!」

 

 「そうか?まぁ、今日は梨花ちゃんの舞を楽しみにしてるよ。また後でな!」

 

 「はいなのです!」

 

 その後、戒翔は梨花ちゃんの両親と軽い挨拶と雑談をしてから梨花ちゃんの家を後にする。

 

 ーーーーーーーーーーーー

 

 「び、びっくりしたわ…いきなりすぎるわよ。しかも沙都子に悟史…それに義妹達って誰よ!?」

 

 「戒翔は悟史と沙都子の友達なのです。ついでに言うと村八分にならないように村のみんなに根回しもしたのです。」

 

 「はいっ!?」

 

 「で、戒翔の義妹はなんと魅音と詩音のお二人なのです!」

 

 「魅音達に兄弟というか長男なんていなかったはずよ!?」

 

 羽入の言葉に梨花は驚くほかになかった。今までの時代で悟史達の待遇に魅音達に兄がいるなどなかったのであるから

 

 「ちょっと情報量が多すぎるわ…とにかくその戒翔って奴が沙都子達の待遇を改善してくれたってのは分かったけど…魅音達の兄ってのが訳わからないわ」

 

 あまりの情報量に梨花は放心気味に呟くしかなかった。

 

 「梨花、驚くのは無理もないのです。ですが、戒翔がいれば惨劇を回避できる筈なのです。死守同盟では魅音や詩音を出さずに戒翔自身が矢面に立って警官のマークを受けているのです。」

 

 「…今までは魅音や詩音が暴れて警察に警戒されていた筈…それをそいつが受けている…」

 

 羽入の言葉に梨花は考え込む。

 

 「梨花ー!ご飯よー!」

 

 「は、はーい!今行くのです!」

 

 そして母親の言葉に急いで返事をする。

 

 「戒翔、次にあったら真意を問いただしてやるわ!」

 

 なぜか別の方向に旗違いの恨み節を告げる梨花なのであった。

 

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