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天界の内戦が終わりを迎え。荒れ果てた天界の復興に一部天使とルシファー勢力の捕虜を遺し、女神ウテナと大天使ミカエル率いるルシファー討伐部隊がレオ達と共に人間界に帰還を果たした。
天界に向かった魔王と勇者が、天使を仲間に帰還した事にユグナ女王は驚くも束の間。
レオ達はユグドラシルに帰還するや否や、ジドラと合流するとメンデル国の王都フェニスへと足速に転移魔法で移動。ギリガン王に事の報告を告げに王の間を訪れる。
「……貴様が……まさか、腕を失うとは」
左腕を欠いたレオの姿にギリガン王は、漸く声を振り絞ったのだった。戸惑いと唖然を浮かべる彼にレオは、
「何だ? 意外そうだな。戦闘に身の安全の保障など何処にも無いだろ」
そう告げた。簡単に答えるレオの姿にギリガン王は、眩暈を感じながらもウテナとミカエルに視線を向ける。
魔王レオと勇者リアはとんでもない偉業を成し遂げた。それは人類史上類を見ない程の偉業だ、後世に語り継がれるべき歴史の転換点とでも言うべきか。
そんな言葉をギリガン王は呑み込み、確認するように問う。
「女神様は我々人類に手を貸してくだる。そう捉えて良いのですな……?」
「細かく言うならばのう。魔族にも手を貸すじゃ」
一瞬だけ上手く事が進めば天界の兵力を魔族の戦に使えるかと考えたが、やはりそう上手くはいかない。
と、ギリガン王は企みを呑み込んで、
「実は先日……魔王城から混沌の矢が放たれのだが、それは空に浮かぶ奇妙な結界によって阻まれ事なきを得たのだ。……アレは女神様の加護で間違いは?」
「うむ。紛れもない妾の加護じゃ、人間界全域の空に急ぎ展開したが、どうやら間に合ったようじゃのう」
流石は神。あの破滅を簡単に防ぎ人類を延命させた。
これには心から感謝しなければならない。
「一人間として改めて礼を」
そう言って玉座から立ち上がり、ウテナに頭を下げるギリガン王にレオは意外そうな表情を浮かべていた。
「お前が他人に頭を下げる光景を目にする日が来るとはな。……セオドラも喜んでいるんじゃあないか?」
「黙れ! 余とて礼儀知らずではないわ! 第一貴様に掛ける礼節は存在しないが、女神様は別……!」
茶化すレオに眼を見開き叫ぶギリガン王。そんな二人のやり取りにミカエルは笑みを零した。
「もっと殺伐とした仲かと思っていましたが、存外仲が良いようですわね」
ギリガン王はミカエルの言葉に非常に嫌そうな顔を浮かべ、そんな彼にレオは一つ問うた。
「俺達魔族はいつでも出陣できるが……騎士団は如何だ?」
「……魔物の影響により武具と兵糧の調達に遅れが生じている。三日だ。三日だけ待ってくれ」
攻勢に出るには三日の期間を有すると語るギリガン王に、レオは笑みを浮かべる。
「ふむ、俺達が天界に向かっている間にいろいろと準備は進めていたようだな。しかし三日はある意味都合が良いか」
「そうですわね。騎士団の方々との連携に細かい詰め合わせ……いろいろ準備は必要かと」
三日で格部隊の連携をある程度調える必要が有る。少数精鋭ならばそこまで問題にはならないが、大軍の連携ともなればそう簡単にいかない。
それにすぐに人間が天使を味方として受け入れられるかどうか。
リアとナナがセリナ達を連れて方々に駆け回っている。円滑に事を運ぶために、レオはそれはリアにしかできない事だと考えていた。
彼女の信頼度の高さと誠実さが人々の心を動かす。だからレオはその件に関して何も心配はしていなかった。
報告と今後の方針について話を終えたレオは、充てがわれた部屋へと赴き、早めの睡眠を摂るのだった──