IS〈インフィニット・ストラトス〉 紅蓮の錬金術師   作:焼酎ご飯

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生傷の絶えない焼酎ご飯です(`・ω・´)
仕事中に足に重いものを落として青痣を作りました。超痛いです


今回も話が進みま…すん


今までチェックを手伝ってくれていた友人が諸事情で手伝えなくなったので、誤字脱字などが加速しているかもしれませんが、多めに見ていただけるとありがたいです。誰か手伝って~・゜・(ノД`)・゜・


天使

 

 

「これにてHRを終了する」

 

二日目の授業時間が終了する。

特殊な武装や戦術のような内容であれば興味を引かれるのだが、初歩の初歩ということもあり、条約や規定といったルール的な部分の解説が多い。

教科書を全て読み終えてしまった今、授業が退屈で仕方がない。

この無為な時間を如何に過ごすか…

 

 

 

…"あの"研究について練るのもいいかもしれませんね…

 

 

 

「キンブリー、お前のISが先程企業の人間と共に到着した。このあとすぐについてきてもらう。異論はないな?」

 

 

無意識に口角が上がる

 

 

「えぇ…ありません…」

「ならさっそく向かうぞ。山田先生、アリーナの準備を頼む」

「わかりました。それではお先に失礼します」

「せんせー、それって私たちも見に行っていいですか~?」

 

 

今日は黄色くない布仏さんが問いかける。

さすがにこのような提案が下りることはないだろうと反応を見るためにそれとなく周囲を見渡す。

ギラギラとした視線が私と織斑千冬に向けられていることが分かる。

…よく考えればそれもそのはずだ。IS学園の生徒ならロールアウト直後の専用機体があるのなら、実際に見たいというのは当然だろう。

生徒の何人かは鼻息荒く、食い気味に身を乗り出している。

セシリア・オルコットもチラチラと様子を伺っていることが分かる。

だがそれが普通の反応というものだ。

件の一夏はというと、授業で燃え尽きたかのように、窓の外に視線を向けて黄昏ている。

魂が抜けたかのように…と一般的には比喩するのかもしれないが、魂の存在…魂のみの状態というものを経験した私には笑い話にもならない…むしろ笑い話か…

そしてその虚空を見つめる視線に勘違いした篠ノ之箒が何やら頬を赤らめているが、私の知ったことではない。

他の生徒の反応に少し圧倒されるものがあるというのは事実だが、直に専用機が与えられる者の反応とは思えないほどの無関心というのはどうかと思う。

 

 

「無論許可しない。お前たちがいったところで無用な混乱を生むだけなのは目に見えている。代表決定戦まで待つことだ」

 

 

バシッ!

 

 

織斑千冬は一夏の頭を出席簿で殴打し、教室を後にする。

正気に戻った一夏を尻目に教室を後にし、アリーナへ向かう。

 

 

 

 

 

 

 

IS学園特有の機械的な廊下を歩く。

HRが終了した直後ということもあり、アリーナへ向かう廊下に人の姿は少ない。

 

 

「…キンブリー、お前に聞いておきたいことがあるのだが、お前の専用機の開発企業、つまりはローゼンタールのことだが、ドイツが本社の企業で間違い無いな?」

 

 

いきなりなんだというのだろうか?

さすがにそんなことすら確認していないなんてことはないだろう。

 

 

「えぇ、間違いありませんが…何か問題でもありましたか?」

 

 

全く意図の読めない質問に、素直に聞き返す。

 

 

「問題というわけではない。コンテナとともに本社の人間ということで二人の男が来たのだが…二人共日本人だったものでな、ドイツ本社からの派遣だというのに本国の人間を一人も寄越さないということに少し疑問を持っただけだ。ローゼンタールの人間にドイツの科学は世界一とかいう人間はいないのか?いたら嫌でも来ると思うのだが」

「そんなサイボーグいるわけ無いじゃないですか。HELLSINGや二部のあの辺の話はあまり私の国の人間には言わないほうがいいですよ。私はなんとも思いませんが、人によっては不快に思う人もいるでしょうし」

「む、それもそうか、留意しておこう」

 

 

この教師は…ドイツにいたことがあるはずなのだが…

あぁ…なるほど、ハルフォーフ大尉のせいですかね…彼女と趣味が合うのなら、ナチスだのなんだのの話をそれほど重大に捉えるということもないだろう…

 

 

それにしても…日本人が二人、一人は川尻さんという可能性があるが、二人共日本人ということには確かに少し違和感を感じる。

 

 

「話を戻します。ローゼンタールに日本支社があるという話も聞きませんし、確かに少し変な気もしますね。ですが私が本社に出向いた時に対応したのも日本人でしたし、日本に来る人間として日本人が選ばれたんじゃないですか?ISに関わる仕事で日本人が多いというのは仕方のないことです。実際彼らの仕事は優秀ですし、日本人は優れた人種なんじゃないですか?」

「随分とへつらうな…まぁ私も日本人だ、ここは素直に受け取っておこう。確かにIS関係に日本人が多いというのはその通りだな。国家機関に属さないこのIS学園でも事実として日本人が多い…大して不思議ではないかもしれんな」

 

 

まぁ実際はあなたとあなたの友人の天災のせいですがね…

 

 

「そうですよ。へつらったつもりもありませんし、事実を述べただけですよ。…こちらからもお聞きしたいのですが、その二人のことを知っているということは、もう私の専用機はご覧になったんですか?」

「いや、コンテナはスキャンをかけたが中身を実際に確認したわけではない。さて…着いたぞ」

 

 

アリーナに直接つながるカタパルトが設置されたドックに到着する。

重厚な扉が鈍い金属音とともに開かれる。

扉の先には見知った白いスーツの男と、白衣を纏った金髪の男が運び込まれたであろうコンテナの前にいた。

 

 

「おぉ、キンブリー大佐殿!お待たせしてしまい申し訳ございません!この度は機体の調整に時間がかかってしまい―――――」

 

 

深々と何度も頭を下げる川尻さん…こちらが申し訳なってくるほどの低姿勢だ。

 

 

「頭を上げてください。元はといえばこちらが新しい注文をつけてしまったのが原因…むしろこの早さで完成させていただいたことに感謝しています」

 

 

実際のところ決闘前に届けばいいと考えていた故に、これほど早期に追加注文をフィードバックさせた状態で完成させたのだ。

文句のつけようがない。

 

 

「フレシェットなんて産廃を注文するとはなぁ、しかもあんな意味不明な機能まで…あんたも相当もの好きですねぇ大佐殿」

 

 

粗暴な声が私に向けられ、声の主である白衣の男へ視線を向け、そこで少し驚かされる。

彼の顔左半分は禍々しい刺青が入っており、その長身の体躯も合わさり尋常ではない威圧感を受ける。

 

 

「そうですかね?ものは使いようですよ…ところであなたは?」

「ま、一応自己紹介しときますか。"木原数多"、オーギルの制作プロジェクトの副主任だ。大佐殿の素敵データの収集と機体の可動データのために本社から寄越されたってわけだ。そーいうわけでお願いしますわ」

 

 

何から何まで凶悪な印象を受ける彼…白衣がなければ万人が研究員とは信じないだろう。

 

 

「織斑先生ー、アリーナ内外のセッティング完了しm…ひっ!?」

 

 

山田先生がドックに入り、短い悲鳴とともに尻餅をつく

一見すれば危ない人に見えないことは確かだが、それほど驚くものだろうか?

 

 

「おーおー傷つくね~…俺の顔になんか付いてんのか?あ?…っとによぉ…こんなんにISが使えるなんてなぁ…ホントムカつくわ~…コr―――――

 

 

「それ以上の発言は控えてもらおう。こちらに非があったのは事実だが、そこまで威圧する必要はないだろう。最悪この学園から出てもらうことになるが?」

 

 

青筋を立てながら笑みを浮かべる彼と、涙目になり震える山田先生の間に織斑千冬が割って入る。

まぁ彼女なら当然の対応だろう…まるで食い殺さんという勢いでしたし…

そしてなるほど…木原数多、エンピオ大尉より重症の方みたいですね。

女尊男卑というよりは、ISの構造そのものに不満があるようですね。

まぁそれもそうだろう、ISの技術者であるということはつまりISの力を誰よりも理解しているということになる。

その力に触れることができないというのは、彼のような性格の人間には苦痛に他ならないでしょう。

 

 

「ハッ、ブリュンヒルデさんに言われちゃ仕方ねぁな…すんませんね」チッ

「立てるか?山田先生」

「あ、ありがとうございます織斑先生」

 

 

「川尻さん?あぁいうのは止めたほうがいいんじゃないですか?…川尻さん?」

「……~…t…手…~……美しい…手…~…」

 

 

反応がない彼の方へ目を向ける。

そこには光の無い瞳で教師二人を見つめる彼の姿が

 

 

「どうかしましたか?川尻さん」

「はっ!?私は一体…手?」

「手?…大丈夫ですか?」

「だ、大丈夫です。私はノーマルです。…木原さん!そういう発言は社の信用に関わるので勘弁してください!そしてお二方、本当に申し訳ございませんでしたァァァァァ!!」ゴンッッッ!!

 

 

風切り音が聞こえる程の勢いで地に額を打ち付けた川尻さん。

これが日本でいう土下座…日本の謝罪というのはここまで恐ろしいとは…ここまでされれば大抵のことは許してしまうだろう。

 

 

「構いません、頭を上げてください。それよりアリーナの使用時間も有限ですので、機体の準備を開始してください」

「…」

 

 

死んだんじゃないだろうか?

頭をつけた状態から微動だにしない…

 

 

「はっ!?…あ、ありがとうございます!!それではさっそく準備に掛からせていただきます!!木原さん、オーギルの機動準備お願いします」

「あいよー」

 

 

土下座を解除した彼の額からは血が滴っているが、そんなことに構うことなく準備を進めていく。

額から血を垂れながしながらの営業スマイル、最早ホラーである。

 

 

「さてキンブリー大佐、あなたに頼まれていたISスーツですが、こちらになります」

 

 

と、彼は私にペリカンケースを差し出す。

そう、私が頼んでいたものの一つがISスーツだ。

男性モデルを確認したのだが、あれを私が着るぐらいならISに乗れなくてもいいと思える程のデザインだ…一夏は…いや、考えても気分がいいものではない。

 

 

「こんなものまですみませんね」

「いえ、ニーズに応えるのもまた我々の仕事です。さっそくお着替えになられてはどうでしょうか?その間準備しておきますので」

「それではそうさせていただきます。織斑先生、それで構いませんね?」

「あぁ、さっさと支度してこい」

 

 

ドックのすぐ隣のロッカールームに入りペリカンケースを開く。

ケース内から取り出したのは若干裾が締まったダークブルーのカーゴパンツに白いノースリーブのようなISスーツ

これらをスーツと呼ぶにはいささか無理があるかもしれないが、元々ISスーツには連動率の増加や生存率の増加といった機能的な面は少ない…メーカー側の主張では大きく関わってくるとの話だが、実際のところそうでもない。

それゆえ多少構造に無理があろうとも、ISの運用に差し支えることはない。

 

 

イシュヴァール殲滅戦時の格好に酷似しているということもあり、心なしか気分が向上する。

 

 

着替え終え、ロッカールームからドックへ移動すると、ドック内に入った瞬間騒々しいモーター音が鳴り響き、コンテナがガルウィングのように開き、内部があらわになる。

 

 

複数のケーブルに繋がれ、固定器具により椀部と翼が固定されたオーギルが姿を現す。

まるで鎖に繋がれた天使のような姿をしていた。

 

 

「…天使…みたいですね」

「随分と象徴性の強いビジュアルだな。それにフルスキンの装甲とは珍しい」

 

 

教師ふたりはオーギルに釘付けになっている。

そしてやはり天使を彷彿とさせるこの機体…兵器が天の使いに見えるというのはなかなかに趣があると言えよう。

 

 

「はっ、天使ねぇ…こいつの武装見たらそんなことも言ってられねぇけどな…っと、準備できたぜ大佐殿よぉ」

 

 

彼はオーギルの横に立ち、コンソールを操作すると、ケーブルが次々と外れ落ち、固定器具が鈍い金属音とともに解除される。

オーギルはゆっくりと膝を折るような姿勢に姿勢を変え、頭部パーツと胸部パーツを開き空洞を覗かせる。

 

 

「そんじゃちゃっちゃと始めてくれ。俺もこんな場所には長居したくないものでして」

 

 

どこまでも煽っていく彼…まぁ人を煽りたくなるという気持ちはわからなくもない。

あれはある種の性癖に近しいものがあるかもしれません。

 

 

「わかりました、それでは失礼して…」

 

 

オーギルの装甲に手をつき、軽く飛び跳ね、ISに背中を預けるようにフルスキン装甲の中に入る。

 

 

「ホント羨ましいねぇ~、そんじゃ装着始めるんで色々挟まないでくださいよー」

 

 

胸部装甲が閉じ、装甲が全身を包む。

圧迫感はなく、むしろ心地よさすら感じる。

 

 

この感覚…あぁ胸が高鳴る、血湧き肉躍る…あの圧倒的な暴力がついに私の物に…

 

 

上官を爆殺し、賢者の石を手に入れたあの時にも似た感覚に身を震わせる。

 

 

頭部装甲が下がり、真っ白な機体のカメラアイが紅く発光する……紅く……血のように…

 

 

ここに私の専用機、破壊天使"オーギル"が完成した瞬間だった。

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

狂犬か…こいつは…

私は山田先生の手を取り立ち上がらせる。

 

 

「あ、ありがとうございます。織斑先生」

「何、気にすることはない」

 

 

木原数多と名乗ったどう見ても堅気には見えない白衣の男は、忌々しそうに我々に背を向け、コンソールを操作し始める。

女尊男卑の社会が蔓延しつつある今、女側の横暴が目立つことは多々あるが、男側がここまで露骨に敵意をむき出しにしてくるのは珍しい。

ここがIS学園であり、私がブリュンヒルデであるということも認識していてこれだ。

それにしても、本社から寄越されたこの二人…ローゼンタールもよくこんな変な奴らを送ってきたものだ。

片や白衣の男はIS学園の教師に噛み付き、片や白スーツの男は気色の悪い視線を送ってきたかと思うと、血だらけになるまで土下座してくる始末だ。

そんな奴らが作り出したISだ…いったいどんなゲテモノが出てくるのかと思いきや…

 

 

「…天使…みたいですね」

 

 

まさにその通りだった。

コンテナの中には純白の天使が拘束されていた。

ケーブルやボルトが解除され、機体は若干前のめりになり、迎え入れるかのように装甲を展開する。

いつの間にか着替え終えていたキンブリーがそれに飛び入る。

 

どう見てもISスーツに見えなかったが、まぁそれはいい…前々から思っていたが奴の身のこなしや、時折見せる形容しがたい気配…ただものではないのだろう。

だがあの年齢で大佐というくらいだ、むしろ凡人である方がおかしいというものか…

 

数秒後、機体が起動し、赤いカメラアイが発光すると同時に天使は宙へ浮かぶ。

 

 

「聞こえるかー大佐殿ー、あー返事しなくていいわ、異常なんてあるわけないよなーハイそれじゃあさっそくテスト開始してくれ張り切ってどうぞ!あー帰りてぇ」

「と、言うわけらしいんで織斑先生、アリーナに出て大丈夫ですか?」

「あ、あぁ、今ハッチを開けよう…山田先生、計測、解析の準備を」

「は、はい!え、えっと…キンブリーさん以外の皆様もコントロールルームへ移動お願いします」

 

 

機体に目を奪われていたということもあり、反応に遅れる…こんなことではいかんな。

おそらく山田先生も同様の理由で遅れたのだろう…それほどに視覚的に惹かれるものがある。

ハッチが開き、キンブリーはアリーナへ飛び立つ。

我々四人はコントロールルームからキンブリーが配置についたことを確認する。

 

 

「キンブリーさん、こちらも準備完了しているのでいつでも開始していただいて構いませんよー」

 

 

山田先生がマイク越しに準備が完了した埋を伝える。

 

 

「はっ、解析ねぇ…武装一つでも解析できたらマジで泣けてくるレベルだが、まぁこの機材なら無理だろうな」

「木原さん!一々喧嘩腰にならないでください!ホントすみません、これは彼の癖のようなものでして―――――

「まて、そんなことは今更どうでもいい…解析できないとはどういうことだ?」

「それは実際に見た方g…そら、始まった」

 

 

私は振り返り再びアリーナへ目を向ける。

だがその瞬間、私は自分の目を疑った。

 

 

 

キンブリーがいた場所、そこには、銀の光を翼から放出するオーギルの姿があった。

左右へ広がる機械的な翼は、姿形を変え、光が収束したかのような不定形でありながらも、翼と形容するに難くなかった。

視界を満たす程の巨大な翼の造形は、もはや神々しさすら感じる。

 

 

「ふわぁ…き、きれい…」

「な、なんだあれは…どうなっているんだ…」

「おいおい、データを集めるんじゃなかったのか?モニター見逃してていいのかよ」

「へ?あ、す、すみません。いますぐ―――――

 

 

バツッ…バツン…ジジジ…

 

 

電気信号が途切れる不快な音が鳴り、モニターがノイズを断続的に響かせる。

 

 

「ッ!?アリーナ内の全カメラ通信途絶!」

 

 

山田先生の張り詰めた声が響き、モニターを注視する。

カメラの映像を映し出すはずのモニターは全て砂嵐が映し出され、一切の映像情報が遮断される。

ガラス越しのアリーナでは、依然としてオーギルが翼を広げ、その光を増していた。

 

 

「いったい何が…山田先生!原因は!?」

「す、少し待ってください!……わ、わかりました!アリーナ内…アリーナ全体から強力な電波障害が発生しています!おそらくはオーギルから発せられている光が原因かと!」

「…木原数多といったな…この電波障害はあれが原因か?」

「おぉ怖い怖い、そんなに凄まれたら漏らしちまいそうだわ……ま、そのとおり、あれはオーギルに搭載された機能なわけだが、今は前見たほうがいいぜ?前」

 

 

威圧を込めた私の問いに、木原数多はおどけるように嘲笑うと、獰猛な笑みを浮かべながら肯定する。

癪ではあるが、奴の言葉にアリーナへ視線を戻す。

青空を覗かせていた天使の舞うアリーナ

眩しいまでの神々しさを放つその景色だが、中央で舞う天使の光が止む。

 

 

 

 

 

次の瞬間、視界を埋め尽くすほどの爆炎と衝撃波のような爆音が響き渡り、コントロールルームの強化ガラスをビリビリと揺らす。

 

神々しい光を放っていたアリーナは一変、合切を破壊し尽くす煉獄へと姿を変えた。

 

そしてその煉獄の中央では、銀の翼をした天使が、紅い目を爛々と輝かせ、狂ったような…まるで悪魔のような笑い声を上げていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

機動テストが終了し、興奮冷めやらぬまま、鼻歌交じりに自室に向かう。

ポケットに手をいれ、"ある物"を取り出す。

チェーンで繋がれたハンターケースの銀時計だ。

何の因果か、オーギルの待機状態は銀時計だった。

国家錬金術師時代に持ち歩くことはあまりなかったが、こうしてみると懐かしさのようなものを感じる。

銀時計を眺めながら、そんな思いにふけっていると、自室前に到着する。

 

 

「さて、掃除といきますか」

 

 

自室に入り扉の鍵を閉める。

ISのセンサーを起動しようと、銀時計に意識を向けようとした瞬間、携帯に着信が入る。

 

 

「もしもし?」

『こちら谷本…大佐、聞こえるか?』

「良好ですよ谷本さん…それで?どうかしましたか?」

『暇だ、どうにかしてこの状況を打開したい…三人で漫画を読みに向かっていいだろうか?』

「残念ながら今日のところはご遠慮下さい」

『ん、そうなんだ。まぁ毎回押しかけるのもなんだし、なんかごめんね~』

「いえいえ、こちらこそ…それではまた明日」

『またねー』

 

 

また測ったかのようなタイミングで連絡を入れてくるとは…

それにしても、軍以外で大佐と呼ばれるとは…あれも何か元ネタがあるのだろうか?

 

 

若干クールダウンしつつ改めてセンサーを起動、センサーで部屋の隅々をチェックする。

当初の予想通り、テレビやエアコンなど、あらゆる場所に盗聴器やカメラが設置されていた…早期にISが手に入って本当に良かった。

こんな空間で過ごし続けなければいけなかったと考えるだけで身の毛がよだつ。

脱衣所に入り、死角を探し出し、"片翼"を展開する。

数秒後、展開を終了し部屋に戻る。

そして全ての盗聴、盗撮機器を探し出し、ペリカンケースの一部から錬成した絶縁体で構成された袋の中に放り込んでいく。

 

 

「ふぅ、掃除完了…さて…」

 

 

袋をチェストにしまい、錬金術で密閉する。

これでひとまず安全な空間が確保された。

そして唯一持参したノートパソコンと数冊の手帳を取り出し、机に広げる。

 

 

ISという最高の暴力は手に入った今…次に求めるものは…

 

 

 

 

 

 

 

「さっそく"石"の研究を再開するとしましょうか…」

 

 

 

 

 

 

 

そう…あの最高の快楽を生み出す完全なる物質、"賢者の石"を…

 

 

 

 

 

 




はい、まだ決闘が始まりませんゴメンナサイm(_ _)m

次こそは…次こそは!!

今回も誤字脱字の嵐かもしれません…


コメント、感想、誤字脱字の指摘、ご意見等ございましたら是非お願いします……いつでも待ってます!
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