IS〈インフィニット・ストラトス〉 紅蓮の錬金術師   作:焼酎ご飯

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毎度どうも怪我しております焼酎ご飯です。

ISを先に上げると言ったな…あれは嘘だ。

今回の迷走具合と進展のなさは異常です。

まぁいつものことなんですけどね





動揺

「う~ん…なんか腹の調子悪いなー」

「大丈夫か一夏?確か部屋に正露丸が合ったはず…今からじゃ間に合わないか」

「今時正露丸って…いや確かに正露丸は虫歯にも効く程の万能薬だ。けどあれを飲むと痛みを収めるとかじゃなくて、その根源を…いや、朝からこんな話は止めよう。イツツ…」

 

 

俺、織斑一夏は原因不明の腹痛を抱えており、朝からそうそうテンションダダ下がりであった。

一応重要機関である学園で出される食事だ、間違っても食べ物が原因ではないだろうが…別段冷えるような格好で寝たわけでもない。

原因は分からないが、多分問題ないだろう。

 

 

「あまりに酷いようなら今のうちに保健室に行ってこい。このまま授業を受けていたとしても地獄だぞ?千冬さんには私から言っておくが」

「いや、これ以上勉強に遅れる訳にもいかないし、そろそろ波も過ぎると思う。それに千冬姉に言ったら逆に怒られそうな気がする…」

「ねぇねぇ織斑くん!転校生の噂聞いた?…って大丈夫?」

「お、おう大丈夫大丈夫。それで、転校生?…ん?今の時期に転校生?」

 

 

となりの席に着くと話しかけてくる彼女は谷本さん。

正直こんな感じで普通に話しかけてくれるのはありがたく、未だに珍獣扱いの俺には貴重な精神安定剤だ。

というか転校生?

入試会場を間違えた結果入学することになった俺が言うのはなんだが、通常入学はもちろん、途中転入はかなりハードルが高かった気がする。

 

 

「そうそう、これまた噂によると中国の代表候補生なんだってさ」

「ふーん、中国か…」

「あら、わたくしの存在を今更ながらに危ぶんでの転入かしら?」

 

 

少し黄昏そうになっていたところにいつの間にか現れ、ドヤ顔でポーズを取っている彼女は件の人物と同じく代表候補生のセシリア・オルコットだ。

もし本当に危ぶんで転校してきたとするのなら、代表を代わって欲しいところだ。

 

 

「いや、対抗意識で入ってくるのなら一夏かキンブリーに対してだろう。お前は結局全敗してるじゃないか」

「ぐ、ぐぬぬ…あ、あれは油断しただけで…」

「なんにせよこのクラスに転入してくるわけではないのだろう?騒ぐほどのことでもあるまい」

「ちょっと!流さないでもらえます!?」

 

 

転入初日に見た机を叩くあのポーズを取っているセシリア。

思い返してみると何かと会話中にポーズを取る彼女だが、そのどれもが中々様になっているのでオーバーリアクションでもまぬけに見えない。

それはさておき、確かにセシリアが言うように、彼女が油断していなければ俺なんて間違いなくボッコボコにされていただろう。

代表候補生ということは、そのレベルの生徒が転入してくるのだ。

不本意なクラス代表ではあるのだが、気にならないわけがない。

 

 

「どんなやつなんだろうな」

「む…気になるのか?」

「そりゃあ俺だってクラス代表なわけだし」

「少しは代表のことも気にしているようだな。来月にはクラス対抗戦があrーーーーー

 

「そう!そうですわ一夏さん!クラス対抗戦に向けてより実践的な訓練をしましょう!訓練の相手はこのわたくし、セシリア・オルコットが務めさせていただきますわ!なにせ専用機を持っているのはクラスで私と一夏さんだけなのですから!………キンブリーさんは何処かに行ってらっしゃいますし……つまりはそういうことですわ!!」

 

 

胸の前に手を置き、どこかの漫画の5部とか7部でありそうなポーズを取りながら声高らかに宣言するセシリア……様になっているところを見ると、やっぱりイギリス人の血というのは変なポーズに対する適応のようなものがあるのだろうか?

だがまぁ練習を手伝ってくれるというのはありがたい話だ。

箒が言っていたように、来月にはクラス対抗戦というものが行われる。

成り行きでなったとは言えクラスを背負っているのだ…簡単に負けるわけにはいかない。

 

 

「ま、やれるだけやってみるか!」

「やれるだけでは困りますわ!一夏さんには勝っていただきませんと!」

「そうだぞ。男たるもの弱気でどうする」

「"フリーパス"の為にも頑張ってねー」

 

 

…そう、そうなのだ。

このクラス対抗戦に優勝したクラスには、副賞として学食デザート半年フリーパスが送られるのだ。

それが故に彼女たちは目をギラつかせており、負ければ最悪袋叩きに遭うかもしれない。

いや多分そんなことは無いと信じたいが、セシリアや箒が稽古をつけてくれる以上、是が非でも勝たなければならない。

 

 

「今のところ専用機を持ってるクラス代表って一組と四組だけだから余裕だね!」

「おう!…あれ?四組も専用機mーーーーー

 

「その情報、古いよ」

 

 

四組も専用機持ちの代表がいるという事実に対して、何を根拠に余裕と言っているのかと戦慄していると、入口の方からどこかで聞いたことがあるような声が聞こえた。

 

 

「二組も専用機持ちがクラス代表になったの。そう簡単には優勝できないから」

 

 

腕を組み、片膝を立てて格好つけて登場したのは…

 

 

「鈴…?お前、鈴か?」

「そうよ!中国代表候補生、凰鈴音。今日は宣戦布告に来たってわけ」

 

 

そう、そこに現れたのは小学校高学年から中学までの幼馴染である凰鈴音だった。

突然現れた鈴に驚くことはもちろんのことなのだが、代表候補生の間では決めポーズのようなものが流行っているのだろうかとふと思う。

あと何故だろうか、鈴が現れたその時から再び腹が痛くなり始めた気が…

 

 

「イツツ…って久しぶりだな!あと何格好つけてるんだ?そんなところでポーズとってたら扉に挟まるぞ?…うぐおぉぉぉ」グギュルルル

「ふふん、久しぶりね…あんた大丈夫なの?もしかして昨日の叫びがーーーーー

 

「おい」

「ん?なによ?」

 

 

バシンッ!!

 

 

鈴が後ろからの声に振り返ると同時に、無慈悲な暴力と化した出席簿が振り下ろされる。

 

 

「もうホームルームの時間だ。教室に戻れ」

「ち、千冬さん…」

 

 

さすが千冬姉だ…叩いていい感じの人間なら一切の容赦がない。

鈴は前から千冬姉の事が苦手っぽかったし、若干いたたまれない。

現に今も頭を押さえて涙目になっている。

 

そんな涙目になっている鈴とは裏腹に、彼女が叩かれた瞬間、朝から俺を苦しめていた腹痛が綺麗サッパリ消え去ったのだ。

千冬姉の覇気的なアレがアレしてアレになってなんやかんやで治まったというあれだろう…とかいうふわっとした当たりを付けるが、実際のところ摩訶不思議である。

 

 

「織斑先生と呼べ。さっさと戻れ、そして入口を塞ぐな。邪魔だ」

「す、すみません……って…え?」

「随分とまぁお厳しいようで…どうも、昨日ぶりですね」

 

 

千冬姉に続いて教室に入ってきたのはもうひとりの男性操縦者のキンブリーだ…数日あっていないだけだが、この環境のせいか随分と久しぶりに感じると同時に、同じ男が戻ってきてくれたことにすこぶる安堵する。

そして件の鈴はというと、キンブリーを見たまま固まっている。

 

 

「昨日ユリウスを連れてた親切な人…え?制服着ていて…男?ってことは……も、もしかして」

「なんだお前たち、面識があったのか?まぁいい、今はホームルームが先だ。さっさと帰れ」

「は、はひぃ!!お二方共すみませんでしたぁ!!」

 

 

顔を真っ青にしてガタガタと震えだしたかと思うと、裏返った声の謝罪の後に猛ダッシュで教室を後にした鈴。

結局あいつは何がしたかったのだろうか…というか何があったのだろうか?

高校デビューとかそういうのだろうか?

だがまぁ素の鈴は昔と変わっていなかったということは素直に嬉しかった。

 

 

「キンブリー、あいつに何かしたのか?」

「いえ何も…強いて言うなら彼女の愚痴を聞いたぐらいでしょうか。むしろ何かしたのはあなたなのでは?」

「あれは”指導”だ…ではHRを始める。お前も席に付け」

「了解しまsーーーーー

 

「い、一夏さん!?今の方とはどういう関係ですの!?」

「…えらく親しそうだったな?今のは誰だ?」

 

 

バシンッ!

バシンッ!!

 

 

「聞こえなかったのか馬鹿どもが…私はたった"今"席に付けと言ったのだが?」

 

 

早速熱烈な"指導"が炸裂し、俺への質問ラッシュは回避される。

その後いつも通り授業は開始されたのだが、箒とセシリアによって三回程打撃音が響き渡ることとなった。

俺への疑問が原因なだけに、彼女たちには悪いことをした気がする…

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前のせいだ!」

「あなたのせいですわ!」

「いやまぁ原因は俺にあるかもしれないけど…まぁ話ならメシ食いながら聞くからとりあえず学食行こうぜ」

「む…お前がそう言うなら、いいだろう」

「そ、そうですわね。行って差し上げないこともありませんわ」

 

 

午前の授業が終わり、昼休みに入ったとたんに教室には理不尽な抗議がこだまする。

以前同様に彼は不遇の様相を呈している。

セシリア・オルコットと織斑一夏の様子を見るに、当初のわだかまりは解消されたのだろう。

私は学校を開けていた期間の授業資料に目を通し終えると、昼食を済ませるべく席を立つ。

 

 

「あと…キンブリー、お前も行かないか?ちょっと聞きたいこともあるし」

「私ですか?」

「そ、そういえばわたくしもキンブリーさんに少しお話したいことが…」

「ふむ、断る理由もありません。では向かうとしましょう」

 

 

明らかにオルコットの態度が違う…

女尊男卑という考えそのものに変化があったのだろうか?

まぁどちらでも構わないといえば構わない。

むしろ明確な敵意が有る人間がいなくなったというのは、少しばかり張り合いに欠けるものだ。

 

 

 

 

 

~~~

 

 

 

 

 

「そういえばキンブリーはなんで千冬姉と一緒に教室に入ってきたんだ?」

「職員室に寄っていました。学園を離れていた間の授業資料の受け取りの必要があったので」

「…何日も授業参加できてなかったって…大丈夫なのか?」

「えぇ、とりあえず今学年においては改めて学ぶ必要がある知識はおそらくありません」

「…ん?……まぁ大丈夫ってことならいいか。ってかそうだよ!お前が休んでる間になんやかんやで俺がクラス代表を押し付けられたんだが?」

「押し付けなどとは人聞きの悪い。私の目的は決闘そのものにありましたし、軍という特殊な場所に身を置いている以上長期間継続される役職には就けません」

「なーんか釈然としないな…んお?」

 

 

彼の質問に答えながら食堂へと続く廊下を歩いていると、その先についさっき見かけたツインテールの少女の姿があった。

そのツインテールを揺らしながら落ち着きなくその場をうろついている。

 

 

「お~っす鈴、そんなところdーーーーー

 

「!!あ、その…すみませんでしたァ!!」

「り、鈴!?どうしたんだ!?」

 

 

食堂に着くやいなや凰鈴音はそのツインテールから風切り音を発生させ、腰を九十度に曲げて謝罪を繰り出してきた。

その声に多くの視線が集まり、あらぬ誤解を生みかねない状況を作り出す。

 

 

「凰鈴音さん、とりあえず頭を上げてもらえますか?この場でのその行動はほかの方の迷惑になります。もちろんそれは私も例外ではありません」

「す、すすすすすみません!直ぐにどきます!」

「え、えぇ~…鈴、朝からどうしたんだよお前…」

「どんな奴か気になっていたのだが…なんだか可哀想になってきたな」

「え、えぇ…そうですわね…」

「どうしたオルコット?顔色が悪いようだが…一夏に続いて腹痛か?」

「いえ、その…彼女を見ているとわたくしも他人事ではないと思えてきまして…」

「とりあえずみんな注文して席つこう!…な?」

 

 

適当な定食とコーヒーを注文しテーブル席へとつくと、凰鈴音はトレイに乗せたラーメンをガタガタと揺らしながら向かいの席に座る。

適当に食事を口に運びながら彼女を観察していたのだが、額に汗を浮かべ未だに震えている。

この動揺の原因は大方予想できているのだが、ここまで大袈裟に慌てられるとーーーーー

 

ーーーーー見ていて愉快だ。

このまま食事を取りながら優雅に眺めるというのも一興ではあるかもしれない…

だが先のように周りの目というものがある故、このあたりでやめさせておくべきだろう。

 

 

「さてと…凰鈴音さん?」

「ひょわい?!」

「大方見当はついていますが、あなたのその呆れかえるまでの低姿勢の理由はなんなのか、説明していただけますか?」

「え…あっと…まさかあなたがゾルフ・J・キンブリー大佐だとは露知らず、先日は…えっと、無礼な振る舞いをしてしまい……本国からはあなたには決して悪印象を与えないようにと念押しされていたので…その」

 

 

説明している彼女は目に見えて縮こまっている。

これではまるで私が悪いみたいではないか…

 

他の三人はいたたまれなくなったのか、彼女を心配そうに見つめている。

 

 

「まぁだいたい予想通りですね」

「えっと…キンブリーと鈴は知り合いなのか?」

「いえ、昨日お会いしたばかりですよ。それも私が一方的にです。さて凰鈴音さん?あなたが私に無礼を働いた…とのことですが、私はそのような記憶が一切ありません」

「え?でも昨日私はあなた自身にあなたの愚痴を零しちゃったし……それにせっかく送ってもらったのに無愛想に降りちゃったし…」

「あれは本国の人間に対する愚痴だったと記憶しています。それにあそこまで送ったのは私の勝手です。そもそも、あなたの国が私に対して負い目を感じていたとしても、それはあなたが被るような責ではありません」

「あれ?えぇっと…そうなの、かな?」

「はい、そういうことにしておいてください。あなたも別段私に気を使う必要はありません。気負いするべきはあなたの国の一部人間だけで、あなた個人ではありません」

 

 

コーヒーをあおりながらそう答える。

これは私の本心でもある。

彼女の本国が気にしているのは、正体不明のISによる襲撃事件…そのISの登録情報が中国より強奪されたISだったという、私がここにいる理由ともなったあの事件のことである。

あの襲撃事件に私が関わったのは事実だが、最早私個人などではなく国家間の問題へと昇華している。

故に彼女のような末端の人間が、最早事件との関係性が薄い私にゴマをすったところで何の意味もなさない。

むしろそのような立ち回りをされたのではあまり心地いいものではない。

 

 

「えぇっと…それじゃあ、その…わかりました」

「別にタメ口でもいいんじゃないのか?なんか同級生に敬語使ってる鈴とか変な感じするし、キンブリーも別にそれでいいだろ?」

「えぇ、構いませんよ」

 

 

わざとらしく笑みを浮かべる。

それに安堵下様子で、見るからにダダ漏れだった彼女の緊張は徐々に溶けていく。

 

 

「じゃぁ…その、わかったわ。よろしくねキンブリー」

「えぇ、こちらこそよろしくお願いします」

「うんうん、よかったよかった。スケールでかくて何のことか一切わからなかったけど」

「私にも教えられてないし、多分国家機密みたいなものなんだと思うわ」

「中国より秘密裏に強奪されたISが、ドイツの軍事関係施設を襲撃したという内容の事件があったんですよ。ISが強奪されていたということ隠蔽していたことが問題だったみたいですね」

「ふ~ん……ん?さっき国家機密ってーーーーー

「はぁああああああああぁぁぁぁぁ!!??それって大問題じゃない!!あいつらそんな馬鹿なこと起こしておきながら私に偉そうに命令してたわけ!?っていうかそんなこと話しちゃっていいの!?」

 

 

机を叩いて激昂する凰鈴音。

同じ席についているほかの三人は、その声と振動に驚いている。

当然そのようなオーバーリアクションを取れば視線も集まるわけで、「麺が伸びますよ」とすでに伸びきったラーメンを指差し座らせる。

 

今思うと麺類というのはあまり馴染みが少ない…夕食時に食べてみるのもいいかもしれない。

 

 

「まぁ貴女の言うとおり国家機密レベルのお話でしょう。ですが物的証拠は国が持っていますので、ここで私がいくら宣おうとも、さして問題ではないでしょう」

「えぇ~そんなものなの?…はぁ、もうなんでもいいわ…疲れた……ううぇ、伸びててマズイ」

「えっと…なんかすごいことになってたんだな…そ、そんなことより、改めて久しぶりだな鈴!ちょうど一年ぶりぐらいになるのか。元気にしてたか?」

 

 

肩を落としてもそもそとラーメンを食べるげっそりとした彼女に、露骨に話を切り替えて場の沈みきった空気を盛り上げようとする織斑一夏。

今の時点で明らかに元気ではない相手に元気にしていたかというのはどうなのだろうか?

 

そして伸びているとはいえマズイと聞くとやはり食べる気がしなくなる。

…私はこんなに食事に重きを置く性分だっただろうか?

 

 

「あーうん、元気元気。あんたも元気そうね」

「あー…うん、元気だよ………その~…い、いつ日本に帰ってきたんだ?」

「別にいいわよ、無理に気を使わなくて。なんかごめん、空気悪くしちゃったわね。…っよし!いつまでも沈んでるのは私のキャラじゃないわよね!」

「お、おう!その調子だ!やっぱりいつも通りのお前が一番好きだぞ!」

「ふぇ!?あ、ああああんた急に何言い出すのよ!?」

 

 

織斑一夏が発したある言葉に、真っ赤になって相手を指差す凰鈴音。

この反応で全て察してしまえるのは、私の洞察力が優れているからというわけではないだろう。

むしろここまで露骨な反応を見せれば誰であろうと察することができるか……張本人である彼以外には。

 

 

「ン゛ンンッ!一夏、そろsーーーーー

 

「あ、あのキンブリーさん…少しよろしいですか?」

 

 

わざとらしい咳払いで、気になって仕方なかったであろう会話に篠ノ之箒が割って入ろうとする。

だがそれは先程から落ち着きの無かったセシリア・オルコットによって遮られる。

 

 

「えぇ、先の件でしょうか?」

「その通りですわ。その、このような場で言うのもどうかとも考えましたが……クラス代表決定の際の侮辱、本当に申し訳ありませんでした」

「侮辱?…侮辱…あぁ、あれですか。いえ、私はあれを侮辱と受け取ったつもりはありません」

「えぇ?!で、ですがわたくしは男性そのものを…」

「種として女性が優れているというのは事実でしょうし、自身の尊厳をけなされたわけでもありません。あの時決闘を受けたのは決闘そのものに興味があったに過ぎません。あなたが謝罪する必要はありませんよ」

「そ、そうでしたの…ですが私自身が考えを改めた以上、やはりあの発言は不適切でしたし…」

「ふむ…では謝罪として受け取っておきます。しかし随分と真面目ですね」

「これは私なりのケジメでございますの。もしわたくしが同様の罵倒を受けたと考えればそれは耐え難いものですし…それに今更ではありますけど、許していただけるのでしたら皆さんとは良い関係を築いていきたい思っておりますの」

「良いんじゃないですか?自身の行動を見据え意思を決定するというのは素晴らしいことだと思いますよ」

「…はい!えっと、ありがとうございます!………じ、実は…もう一つお話しておくべき事が…」

 

 

吹っ切れたような笑顔を見せたかと思うと、再び表情が曇る。

 

 

「先程の凰さんが言ってらっしゃったーーーーー

 

「鈴でいいわよ。ほかの二人もそう呼んでちょうだい」

「あらそうですの?では鈴さんと呼ばせていただきますわ。…その鈴さんがおっしゃっていたように、決して貴方にはご迷惑をおかけしないように…との通達が先程本国より入りまして」

 

 

英国となればあの”サイレント・ゼフィルス”で間違いないだろう。

同じEU圏のいざこざに対する強請や、機体の情報開示を求める為に明かしたと考えるのが無難だろうか?

些かカードを切るのが早すぎる気もするが、軍や国としても犯人の特定は早急に解決すべき問題でもある。

 

それにしても、同じ欧州においてもどうしてあそこまで食文化に差が出るのだろうか?

英国といえばあまり良い食文化ではないという話だ…食事を食べ終えたところでふとそれを思い出す。

…どうやら日本に来てから私の中で食事に対する認識が変化したようだ。

自身の新たな事実に驚きながら、その変化をもたらした食事の食器を重ねる。

 

 

「なるほど、理由は察しました。まぁいずれにせよ鈴さん同様あなたが気をもむようなことではありません」

「わ、わかりましたわ。あと、ありがとうございます……はあぁぁぁぁぁぁ~本っ当に助かりましたわ」

「あんたも大変ね~それで?あんたのところは何やらかしたの?」

「あんたではなく、わたくしにはセシリア・オルコットという名前がございましてよ?」

「じゃあセシリア」

「そ、そう簡単に呼ばれてしまいますと…まぁ構いませんわ。実のところわたくしも何があったのかは知らされていませんの」

「…サイレント・ゼフィルス」

 

 

私がこの単語を呟くと、四人のうちセシリアの動きだけが固まる。

専用機を与えられている身であるならば、やはり少しは知っているようだ。

他三人は理解していない様子で、一様に首をかしげている。

 

 

「ま、それに関することとだけお伝えしておきましょう」

「なんだ?そのサイレント…ヒル?とかいうのは?」

「い、いえ。あまり公に言えることではありませんので…キンブリーさん、あなたはどうしてそのような情報を?」

「仕事の際に空を見上げてみると飛んでいたので…さて、では私はこの辺で失礼します。皆さんもお急ぎになられたほうがよろしいのでは?」

 

 

反応見たさに重要機密暴露したところで、本来の目的であった食事を済ませ、トレイを手に持ち席をたつ。

周囲を見渡してみても、未だに食事を取っている生徒は多くはない。

 

 

「へ?あ!…じ、時間は!?」

「やべぇぞ鈴!ちょっとでも時間が遅れたら、どこからともなく千冬姉が現れるんだ!」

「えぇ!?なにそのステージギミック!?なんでこんな時に限って伸びきったラーメンなのよ!」

「もごもご…一夏ァ!私は食べ終わったから先に出るぞ!」

「わ、わたくしも失礼しますわ!そう何度も叩かれてはかないません!」

「え!待ってくれよ!っていうかキンブリーはいつの間に食ったんだよ!」

「…い、一夏…私はもう無理よ…ここは任せて先に行きなさい…げふぅ」

「任せるって何がだよ!?あぁもう残りは俺が食っといてやるからお前が先に行け!ウオォォォォォォォォォ!!」

 

 

食堂から響く熱い応酬。

彼らが授業に遅れるということはなかったが、そんな叫び声をあげていれば別の意味で制裁をくらうことになるのは言うまでもなかった。

 

 

 

 

 

 




なんかやっつけ感がすごいですね。

正直今回の話は自分でも何がしたかったのかわからなくなっております。
(どうしても書きたい描写がこの辺だったような気はしているのですが…)


今回も誤字脱字の嵐かもしれません…m(_ _)m


コメント、感想、誤字脱字の指摘、ご意見等ございましたらいつでもお待ちしております^^
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