IS〈インフィニット・ストラトス〉 紅蓮の錬金術師 作:焼酎ご飯
キンブリーさん好きな人多くてよかった₍₍ ◝(・ω・)◟ ⁾⁾
「―――だったというわけで、それがすっごく臭いんですよ!」
ヴゥゥゥゥゥォォン…キキッ
「キンブリー少佐、ハルフォーフ大尉、施設に到着しました。」
「え、えぇ分かりました。それではハルフォーフ大尉、向かうとしましょうか…」
「もう到着してしまったんですか…話し足りない感はありますが、仕方ありませんね…私の話は参考になりましたでしょうか?」
(((二時間近くもぶっ通しで喋っててまだ喋り足りないだと!?)))
隊員は微妙にやつれた顔で苦笑いを浮かべながら降車し始める。かくいう私も久方ぶりに疲労を感じていた。
「えぇ十分に参考になりました。時間ができたら私も何か楽しんでみようかと…」
「よければ私が何かお貸ししましょうか!?いえ、是非そうさせてください!」
「では時間のあるときにお願いしますので、今はさっさと施設に入ってください」
「ハッ!了解しました!」
敬礼を終え、ハルフォーフ大尉は小走りに移動し職員らしき人間の指示を受けて施設内へ入っていった
ISの研究施設というにはあまりに普通すぎる建物だ…おそらくカモフラージュの意味もかねてのことなのだろう…今回の護送にISを使用しなかったのがその例のようだ
「…キンブリー少佐、何かありましたか?あなたがそんな顔をしているなんて珍しいですね」
降車してきたエンピオ中尉がこちらへ歩いてくる。その顔はどこかにやけている
「エンピオ中尉…いえ、彼女のことで少し疲れただけですよ」
「ハルフォーフ大尉ですか…やっぱり疲れるってことは女尊男卑思考に凝り固まった腐れアマだったってことですか?」
「いえ、そういった意味では全く逆でこちらに敬意を払う大変素晴らしい方でしたが…まぁなんと言いますか、趣味を極めた人間は周りが見えなくなるようです…」
「なにがあったかよくわかりませんが、あなたを疲れさせるなんて只者ではありませんね…」
「まぁ一つのことにあそこまで熱意を込めれる人はなかなか私の好みですよ」
「おや?あなたにしては珍しく色話ですか?」
「そういう意味ではありませんよ、それはさておき…さ、みなさん施設内外の警備位置についてください」
「「「了解!」」」
◇◇◇
施設内にはたくさんの計測器のようなものに接続されたISを纏ったクラリッサの姿があった
ISの研究スタッフであろう白衣を着た職員数人が計測器をせわしなく操作している
そこへスピーカーから事務的な内容を伝える声が響く
『シュヴァルツェア・ツヴァイク、アクティブ・イナーシャル・キャンセラー(以後AIC)機動テストを開始します。搭乗者クラリッサ・ハルフォーフ大尉、機体に異常は感じられませんね?』
「ハイパーセンサー、ネットワーク良好、PICが起動していないようですが仕様ですか?」
『PICはAICの処理向上のため、処理機能を全てAICに使用しているため、今回は使用制限をかけています。また、負荷軽減のためバススロット内の武装は実装されていません。今回の測定はあくまでAICの実装テストであるため、測定の妨げになるシステムは一時的に排除しています。PIC以外に機体不調はありませんか?』
「問題ありません」
『前方を通過する金属球をAICを使用して一定時間停止させてください。発射にはレールガンを使用します。チャージが完了し次第発射されます』
「了解しました」
『それではテストを開始します』
施設内が微かに振動し、小さな砲のような物がせり上がってくる
あれがレールガンだろうか…
やはり何度見てもこの世界の技術は目を見張るものがある…レールガンといえば弾丸を音速の三倍で飛ばす兵器だったはず…それがあの大きさでまとまっているとは…
「AICに興味がおありで?」
「む?」
白衣を着た開発スタッフと思われる男がニヤニヤと気味の悪い不健康そうな笑みを浮かべながら話しかけてくる
「あぁ…いえ、ISそのものがあまりお目にかかることがないもので…こうして間近で見るのは初めて何ですよ。ところで先程から話に上がっているAICというのは?」
「なるほど、そういうことでしたか。ではわかりやすく解説致しましょう!AICとはISの基本システムPIC、つまりは浮遊、加減速を司る部分をさらに発展改良させたシステムのことです!まぁすぐに実験が始まるので実際に見ていただいた方がいいかもしれませんねぇ…我々自慢の第三世代兵器ですので、是非とも見ていってください」
「ふむ…」
私は再び大尉達の方へ意識を向ける…レールガンのチャージが完了したのか、金属が高速で擦れあうような不快な音があたりに撒き散らしている
そして次の瞬間 バシュッ…という発射音が辺りに響く
しかし着弾音が聞こえることはなかった
『AIC起動確認、効果持続中…現状態をしばらく維持していてください』
「了解しました」
発射された弾丸はどこへ行ったのかと目を細めたが、弾丸は直ぐに見つかった
発射されたはずの弾丸は壁に埋まるでもなく、大尉の数メートル前で空中停止していた
「驚きましたか?さきほど言っていたPICの性質を利用し、任意の対象を空中停止させられるといった代物です!」
「なるほど、これはすごい…持続時間やエネルギーの問題はないのですか?」
「えぇ、特に燃費が悪いわけでもありません。ただ一つ欠点を挙げるとするなら、操縦者の意識を常に対象へ向けている必要があるということですかね~」
「なるほど…ISにあまり詳しくない私でも、これほどの物が存在するのなら知っていてもおかしくないと思うのですが…」
「いえ、まだトライアル段階ですので、ここにあるシュヴァルツェア・ツヴァイクとシュヴァルツェア・レーゲンという機体にしか搭載されていないので、軍内部でもあまり公にはなっていません。今日見れたのはなかなか運がいいですよ、少佐殿」
「えぇ、確かに面白いものが見れました」
確かにこの技術はすごい…言ってしまえば対象を遠隔で自在に操れるということになってしまう…そうなれば1対1の戦闘においては先手を取れば勝利が確定されてしまう程の驚異だ…
依然として浮遊し続ける弾丸に視線を注いでいた私だったが、突然インカムに通信が入る
施設外の隊員からのようだ
「っと、失礼」
『(ザザッ…ザ…)少佐、不審車両の接近を確認しました。地元の人間かとも考えましたが、このあたりの山に民家はありません。どう対応しますか?』
「ふむ、警戒しておくに越したことはありません。こちらへ向かってくるようなら停止を促し、数人で不審物のチェックといったところでしょう」
『了解しました』
インカムの通信が切れる
しかし、このインカムという物にしたって本来私からすればありえない技術のはずなのですが…やはり人間なれるものですね…
「おや、なにかありましたかな?」
「いえ、不審車両が見受けられたようなので、それの対応についてです」
「あぁ、なるほど…まぁ確かに警戒しておくに越したことはありませんね、最新の第三世代兵器ですからね。でもまぁここを襲撃するような阿呆は――――――
ズドォオオオオオオオオオンッ!!!!
凄まじい爆音と共に天井に大穴が空き何かが瓦礫と共に施設内へ降ってきた
施設ないの人間は一瞬何が起こったのかわからなかったらしく施設内が一瞬静まり返る
ドォンッ…ドガガガガガガガガガッ!!
重い銃声とともに施設内に絶叫が響き渡る
それと同時に再びインカムに通信が入る
『(ザザッ…ザッ…)少佐! ISだ!! 不審車両の中はISだ!! こっちの隊員はほとんど死んだ!!こちらは数人の歩兵と戦闘中!!』
銃声とともに切迫したエンピオ中尉の声がインカム越しに聞こえる
「…えぇ、天井をど派手に壊してこっちに入ってきました…ダリオ・エンピオ中尉、生存してる隊員と共に歩兵の撃破をお願いします。こちらはなんとかしましょう。」
『なんとかってどうするつ(ブツッ)』
インカムの通信を切り、改めて周囲の様子を確認する
砂煙の中、研究スタッフと思われる人々の絶叫がこだまする
「な、なにがあったんですか!?天井が…この銃声は少なくとも対人兵器では…」
「どうやら所属不明のISが侵入したようです」
「ISだって!?いったいど――――――
ズダァンッ!!グチャっ…
先程まで私に状況説明を求めていた研究員の頭が弾け飛び、吹き出した血しぶきが服にかかる
上着の替えは持ってきていないんですがねぇ…
倒れ伏す研究員だった物を横目に、私は銃声が止んだことに気がつく
「そこの男、こちらへ来い!」
声の方に目をやると深緑のISを身にまとった女がハルフォーフ大尉の頭にライフルを押し付けている
あのISは…確かラファール・リヴァイヴ…ハルフォーフ大尉は…そういえばPICと武装が使えなかったんでしたっけ…しかもあの目は…なるほど、人の死を知らないようですね…
「しょ、少佐、私は…申し訳ありません…」
「おい、そこの男!聞こえないのか!」
「分かりました、だから発砲しないでください」
私は両手を挙げ、二人の方向へ歩みを進める
「待て、そこの無線機を拾え」
女が示した先には体に大きな穴がいくつも空いた研究員だったものが血だまり倒れており、その手には無線機が握られている…私は血に濡れた無線機を拾い上る
「その無線機をお前たちの本部へ合わせてこちらへ持って来い」
「分かりました、少々お待ちください」
私は無線機を”両手”で操作し、ハルフォーフ大尉の少し後ろから、相手に向かって無線機を投げ渡す
ISの左腕だけを解除した女は無線機を受け取る
「よし、貴様のISは当然貰い受けるが、キサマらにはまだ利用価値がある。運がよければ生きて帰れるかもな」
女は無線機を耳に当て、通信のスイッチを押す
私は無意識に口元を釣り上げ笑みを作っていた
スイッチが押し込まれた瞬間、紅蓮の爆発が女の腕を飲み込む
爆発によって女の左腕が吹き飛び辺りに血肉が飛び散る
爆風で女は頭から機材に衝突する
「ア、ァ…ガア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ッ!!!???」
「なっ!?」
「ふ…ふふはは…は、はははははははははははっ!! いい! 実にいい! 爆音とともに人体が破壊される音! その痛み!本能的恐怖が起こす絶叫!!これこそが私が求めていた物!! 」
「ぐぎ…き、きさまぁぁぁァァァァァァァァァァァァァァァッ!!」
相手は痛みのショックで気絶することもなく、残った手にライフルを展開しこちらへ向ける
しかし、そのライフルは放たれることなく突然地面から発生した爆発によって粉々になり、女は爆風で壁に叩きつけられる
「素晴らしい!! 腕を失っても尚立ち向かってくるその意思!! 実に素晴らしい!!」
「…グ、ガフッ…ガハッ…」
ISの保護機能によって吹き飛んだ腕以外の傷は受けていないものの、爆破の衝撃によって女は血を吐き出す
「残念、もう終わりですか…これで終わりです」
すっと手を合わせ、地面に手を合わせる
女が倒れている近くの壁、床、機材に錬成反応が起き、ぼこぼこと盛り上がっていく
「何か言い残すことはありますか?」
「…グ…糞が…」
次の瞬間視界は紅蓮に染まり、爆音が幾度となく響き渡る…あたりには瓦礫と熱風そして人肉が焼ける不快臭がが辺りに四散する
「くはは、ははははは!…いい!やはりこうでなくては!………さて…ハルフォーフ大尉、怪我はありませんか?」
「き、キンブリー少佐…あなたはいったい…何を…」
「おや?やっぱり気になりますか…まぁ教えてさしあげてもいいのですが、今は外に展開されている歩兵の排除が先です」
「大丈夫ですよ少佐、なんとか終わりました…ま、生き残ったのは私だけですが…って敵のISはどうしたんです?本当に何とかしてしまったとか?」
振り返るとそこには肩から血を流してはいるものの、五体満足のダリオ・エンピオが扉を開けて入ってきた
「お疲れ様です、エンピオ中尉。ISの方はなんとかなりましたよ?こちらも生き残ったのは私とハルフォーフ大尉だけですが」
「おいおい、本当にやっちまうとは…それで?どんな方法で倒したんです?」
「…はっ!?そうです少佐、さっきのあれはなんだったんですか!?」
目に生気が戻ったハルフォーフ大尉はISを解除して私に問いかけてくる
「まぁ詳しい話はまた今度というわけで…」
「撃退した方法についてはどう報告するつもりなんですか…ですが命を救っていただいたことに変わりはありません。感謝しますキンブリー少佐!」
「まぁ私は正当防衛を行使しただけなんですけどね…それにしても少しやりすぎましたね…操縦者は別として、ISは無事でしょうか?」
「あぁ、それなら問題ないと思いますよ?ISのコアはおそらく先程のようなレールガンが直撃したとしても壊れるようなことはありません…」
「なるほど…おや、確かにISは無事なようですね」
ほとんど原型をとどめていない人間の消し炭と、その近くには所々に傷が入った空っぽのISが倒れている
私の爆破を受けて全損どころかかすり傷で済むとは…まったく、恐ろしい技術です…
試しに構成材質を確かめてみようとISの装甲に触れてみる…
ISの装甲が淡い光を放ち、一瞬消えたように見える…
光が止むと、目の前には鎧のように鎮座するラファール・リヴァイヴの姿があった
「おや、何か触ってしまったかもしれませんね…ハルフォーフ大尉、これは一体どういった現象なんですか?」
「もしかして何か壊しちまったんじゃないですか?」
振り返るとヘラヘラと笑うエンピオ中尉となぜか大口を開けて驚愕しているハルフォーフ大尉の姿が
「もしかして本当に壊してしまったのでしょうか?」
「…な…な…」
「…な?」
「なんでISを起動できたんですかーーーーーっ!?」
「「…は?」」
その日ISを起動できる二人目の男性が発見された…
というか私だった
というわけでテンプレですね…ごめんなさい
今回はなかなかキンブリーさんが楽しそうにできたので良かったです
ISの操縦者が初めの爆発であそこまでダメージを受けたのはシールド内で爆発したから的な感じです
色々とわかりにくいところがあるかもしれませんが、今後共よろしくお願いします。
ご指摘、ご感想お待ちしております…評価してくれてもいいのよ[壁]д・)チラ