IS〈インフィニット・ストラトス〉 紅蓮の錬金術師   作:焼酎ご飯

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今回は前回の「いい音」のクラリッさん視点です
台詞など同じところが多いので、手抜きと言われたら言い返すことができません\(^ω^)/




死屍

「「「いってらっしゃいませ!!お姉さま!!」」」

「あぁ、行ってくる」

 

 

私は本日行われるISの機体テストに向かうため、シュヴァルツェ・ハーゼ基地を出るころだった

たくさんの部下が整列して私に敬礼している

部下に慕われるのはやはり嬉しいものがあるが、あのお姉さまというのは実際に呼ばれるとなるほどむず痒いものがある

 

ボーデヴィッヒ隊長は別件で見送りできないとのことだったが、今日の機体テストの件は彼女も喜んでくれた

今日でやっと私のシュヴァルツェア・ツヴァイクに第三世代兵器が搭載される…

AIC…隊長、ラウラ・ボーデヴィッヒ少佐のシュヴァルツェア・レーゲンにも搭載されている機能…

これで名実ともにボーデヴィッヒ隊長の機体の姉妹機としてあの機体が完成する…とても喜ばしいことだ

私は少し浮かれながらも基地を出ると、私を護送する予定の車両が到着していた

すぐにそこに向かうと、ひとりの男性が私に対応してくれる

 

 

「初めまして、クラリッサ・ハルフォーフ大尉ですね?」

「ハッ!お初にお目にかかりますシュヴァルツェア・ハーゼ副隊長、クラリッサ・ハルフォーフであります。そちらはゾルフ・J・キンブリー少佐でお間違いないでしょうか?」

「えぇ、ゾルフ・J・キンブリーです。本日はよろしくお願いします」

 

 

連絡にあったゾルフ・J・キンブリー少佐、男性であるにも関わらず、この若さで少佐である…まぁ年齢のことにおいてはうちの隊長も人のことを言えないが…整った顔立ち、高い身長、年齢の割に落ち着き払った年上を思わせるかのような紳士的な雰囲気…女尊男卑の価値観が一般的になりつつある今、軍内部では女性の軍人というだけで嫌な顔をされることが多いが、彼はそんな雰囲気はなく、どれをとっても印象はよかった。この若さで少佐の位についている違和感がないのも頷ける

 

 

彼が握手を求め手を差し出す、私も握り返そうと手を差し出そうとするが彼の手のひらに目が行く…魔法陣のような物が描かれているように見える

 

 

 

………まさかこの人は………

 

 

 

…私の同族なのでは!?だが刺青を入れるとなると相当なレベルの厨二病…もしくは何かの作品の強烈なファンか…少なくともお洒落で手のひらには入れないだろう…

 

 

「ん?…あぁこれは失礼、さすがにこの刺青は不気味でしたね、無神経ですみません」

 

 

とかなんとか考え込んでいた私を見て彼に勘違いをさせてしまった…だが本当のことを言うのは階級的にもなんというか…

 

 

「い、いえ、そんなことは…こちらこそよろしくお願いします」

 

 

改めて手を差し出し握手を交わす

 

 

「今日は私一人のためにお手数をおかけして申し訳ありません」

「いえ、今をときめくISパイロットの護送です、我々も光栄ですよ。それではそろそろ向かいましょうか」

「了解しました」

 

 

私がジープに乗り込むと彼は無線で何やら指示を飛ばしたあとに乗り込む

 

 

「それでは出発します。各員、指示通りの配置で移動を開始ししてください。皆さんお仕事ですよー」

「「「了解!」」」

 

 

数台のジープのエンジンがかかり、目的地に向けて進み始める

遠ざかっていく基地で訓練をしている隊員が数名見えた、彼女たちはこちらに気づくと再び敬礼で私を見送ってくれた

 

 

 

 

 

ジープに揺られ始めて数分…

沈黙が痛い…

男性の軍人は皆こういうものなのだろうか?…それにしたって空気が重い…何か話題を…!

 

 

「あの~キンブリー少佐…」

「ん?なんでしょうか?あと上下関係とかあまり気にしなくていいですよ?実際私のほうが年下なわけですし」

 

 

せっかく勇気をもって話を作ろうとしているのだから、勇気ついでに気になっていたことについても聞いておくことにした

 

 

「いえ、そういうわけにはいきません。私も軍人ですので…あと突然変なこと聞いてしまうんですが、キンブリー少佐は漫画やアニメに興味あられますか?」

「?、特に興味を持ったことはありませんが…でもどうしてそんなことを?」

 

 

oh…やってしまった…

聞いた訳を正直に話してみると、刺青のことを少し話してくれた

我々にとっての眼帯のようなもの…即ち誇りに相違ないものを私は失礼なことに内心厨二病だのなんだの言っていた自分が恥ずかしくなる…

しかし、話を聞くとアニメや漫画に興味がないわけではなく、オススメがないかとのことなので、語らせてもらうことにした

ふふふ腐腐腐hhh…久々の布教…魂を掛ける趣味こそ…美しさがある…なんとやりがいのある…私の布教…!!

キンブリー少佐の顔が若干引きつっていたがきっと気のせいだろう…

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

ヴゥゥゥゥゥォォン…キキッ

「キンブリー少佐、ハルフォーフ大尉、施設に到着しました。」

「え、えぇ分かりました。それではハルフォーフ大尉、向かうとしましょうか…」

「もう到着してしまったんですか…話し足りない感はありますが、仕方ありませんね…私の話は参考になりましたでしょうか?」

おっと、私としたことが、到着したことに気づかないほど話し込んでしまうとは…

ですがやはり話し足りないような気が…少佐を含め隊員の方たちはなぜか少しやつれているように見えるが、それも気のせいだろう…

 

 

「えぇ十分に参考になりました。時間ができたら私も何か楽しんでみようかと…」

「よければ私が何かお貸ししましょうか!?いえ、是非そうさせてください!」

「では時間のあるときにお願いしますので、今はさっさと施設に入ってください」

「ハッ!了解しました!」

 

 

私は敬礼を終えると、施設ゲートにいた職員のところへと向かった

 

 

「クラリッサ・ハルフォーフ大尉ですね?施設に入り準備が完了し次第可動テストを開始します」

「了解しました!」

 

 

さっそく施設内に入り、ISスーツに着替える

テスト場へ入ると…そこには武装は解除されているもののAICが搭載されたシュヴァルツェア・ツヴァイクが鎮座している

改めて見ると胸が高鳴る

私がシュヴァルツェア・ツヴァイクに見惚れていると

 

 

「ハルフォーフ大尉、搭乗準備が完了しているのならISを装着してください」

「りょ、了解しました!」

 

 

ISに背中を預ける…ハイパーセンサーが起動し、全方位視覚接続により360度見回す。視覚がより鋭敏になり、周囲の研究員たちの生体反応が目視した順に読み込まれていく…少し離れた位置にキンブリー少佐おり、こちらを観察しているようだ…改めて思うと知り合った男性にこの姿を見られるのは恥ずかしい物がある…

 

 

「起動確認…計測機器の接続を開始します…アンロックユニットを下ろしてください」

 

 

私は指示に従い、非武装のアンロックユニットを地面に下ろす

すると研究員の手によって多くのケーブルのようなものがISに接続されていく

 

 

『シュヴァルツェア・ツヴァイク、アクティブ・イナーシャル・キャンセラー(以後AIC)機動テストを開始します。搭乗者クラリッサ・ハルフォーフ大尉、機体に異常は感じられませんね?』

「ハイパーセンサー、ネットワーク良好、PICが起動していないようですが仕様ですか?」

『PICはAICの処理向上のため、処理機能を全てAICに使用しているため、今回は使用制限をかけています。また、負荷軽減のためバススロット内の武装は実装されていません。今回の測定はあくまでAICの実装テストであるため、測定の妨げになるシステムは一時的に排除しています。PIC以外に期待不調はありませんか?』

「問題ありません」

 

 

完全な状態でないことを改めて伝えられて、内心落胆する私だったが、そんなことで落ち込んでいる暇はなかった。このテストが無事に終わればいずれにせよすぐにロールアウトされるのだから。

 

 

『前方を通過する金属球をAICを使用して一定時間停止させてください。発射にはレールガンを使用します。チャージが完了し次第発射されます』

「了解しました」

『それではテストを開始します』

 

 

施設全体がかすかに振動し、近くの床が開き、小型のレールガンがせり上がってくる

充電率が上昇していき、タービンが高速で回転するような不快な金属音が部屋を満たしていく

 

 

『発射3秒前、3…2…1』

 

 

次の瞬間 レールガンが発射される…本来音速の三倍で発射される弾丸だが、ハイパーセンサーの補助により、今の私には捉えることができた

そして意識を集中させAICを起動させる…

 

 

『AIC起動確認、効果持続中…現状態をしばらく維持していてください』

「了解しました」

 

 

AICの軌道に成功し、レールガンの弾丸は私の眼前で浮遊している

成功した喜びを噛み締めると同時に、処理の難しさに舌を巻く

周囲では計測器に映し出される目まぐるしく映し出される数字の羅列を処理している

私は再びAICに全神経を注ぎ計測が終了するのを待った

 

 

『計測終了…AICの使用を停止してください』

「了解」

 

 

AICの使用を停止し、弾丸が地面に接触した瞬間――――――

 

 

 

 

 

 

 

ズドォオオオオオオオオオンッ!!!!

 

 

 

 

 

何が起こったのか理解できなかった

 

 

突如天井が崩壊した…

天井の瓦礫が降り注ぐ…私の真上からも降ってくるがシールドエネルギーに阻まれ私自身に接触することはなかった…が…

 

 

私のすぐ横で赤い何かが弾けたのを捉えた

 

 

私の横には数秒前まで人間だったであろう肉塊が転がっていた…ちぎれとんだ皮膚がISの装甲に付着する

 

 

食道を胃酸が逆流しそうになるのがわかるが、吐く寸前でなんとか押しとどまった

 

 

何故こんなことに、何が原因で………そう考えようと何とか平静を取り戻そうとした瞬間、瓦礫によって生まれた粉塵の中から突如銃弾が飛んでくる

 

PICが切られている私に避ける術はなく、その弾丸によってAICが一瞬で破壊された

 

 

「なんだ、反撃してこないのか?」

 

 

声の方に意識を戻す…そこには粉塵の中からISの反応がある

そして無数銃弾が私のISに飛来し、あっという間にシールドエネルギーを0にした

銃の風圧と共に粉塵が晴れていき、そこにはラファール・リヴァイヴの姿があった

 

 

「あ、ISが何故…」

 

 

私の声はいまだに続く銃声によってかき消された…

呆然とその姿を眺めていた私だったが、画面に次々と表示されていく羅列によって周りへと意識が向いた

あたりを見回すと、先程まで計測器を触っていた研究員たちは人の姿を留めていなかった…それどころか施設内には私を含めた生体反応が三つしか存在しなかった

 

 

 

 

ズダァンッ!!

 

 

 

 

最後の銃声に私の意識はふと戻った

 

 

「そこの男、こちらへ来い!」

 

 

その声と同時に私はライフルを頭につきつけられる

エネルギーの枯渇したISを身にまとっている私はどうすることもできず、ただ無様にうなだれるだけだった

 

 

私は…私にはISという力を預けられているにも関わらず、どうすることもできなかった…

 

武装が取り外されているとはいえ、AICで相手の動きを止め、職員を逃がすことぐらいは出来たかもしれない…

 

なんの抵抗をすることもできず、死体を見ただけで平常心を失いただされるがままに機能を停止させられた私は…

 

 

ふと後ろに意識を向けるとそこにはキンブリー少佐の姿があった

少佐はラファール・リヴァイヴを纏った女に指示され女に向かって何かを投げ、女がそれを受け取る

 

 

「よし…貴様のISは当然貰い受けるが、キサマらにはまだ利用価値がある。運がよければ生きて帰れるかもな」

 

 

どうやら無線機のようだ…私のISは奪われてしまうのか…当然か、彼女はそれが目的でこのような惨事を引き起こしたのだろうから…

 

 

 

 

 

だが次の瞬間凄まじい爆発音と女の悲鳴が響き渡る

 

 

「ア、ァ…ガア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ッ!!!???」

「…なっ!?」

「ふ…ふふはは…は、はははははははははははっ!! いい! 実にいい! 爆音とともに人体が破壊される音! その痛み!本能的恐怖が起こす絶叫!!これこそが私が求めていた物!! 」

「ぐぎ…き、きさまぁぁぁァァァァァァァァァァァァァァァッ!!」

 

 

何が起こっているのかわからなかった…

 

キンブリー少佐は高笑いしながら敵のISに近づいていく…

 

私は彼を引きとめようとする…しかし声が出なかった…

 

 

彼が両手を叩き地面に手を触れる…すると地面に電気のようなものが走り、ISの下の地面が盛り上がり凄まじい爆発を起こした

 

 

「素晴らしい!! 腕を失っても尚立ち向かってくるその意思!! 実に素晴らしい!!」

「…グ、ガフッ…ガハッ…」

 

 

吹き飛ばされたISになおも少佐は近づいていく

 

 

「残念、もう終わりですか…これで終わりです」

 

 

そう言い終えると彼は先ほどと同じ動作を行った…するとISの周囲にある床や機材が不自然に歪み、膨張していく

 

 

「何か言い残すことはありますか?」

「…グ…糞が…」

 

 

次の瞬間視界は紅蓮に染まり、爆音が幾度となく響き渡る…あたりには瓦礫と熱風そして人肉が焼ける不快臭がが辺りに四散する

 

再び吐き気がこみ上げてくる

 

 

「くはは、ははははは!…いい!やはりこうでなくては!………さて…ハルフォーフ大尉、怪我はありませんか?」

「き、キンブリー少佐…あなたはいったい…何を…」

 

 

キンブリー少佐…一瞬私は何かそこはかとない恐怖を彼に感じた

 

 

「おや?やっぱり気になりますか…まぁ教えてさしあげてもいいのですが、今は外に展開されている歩兵の排除が先です」

 

 

だが彼はニコニコと笑いながら私に話しかけてくる…先程の光景は一体なんだったのだろうか…

 

 

「大丈夫ですよ少佐、なんとか終わりました…ま、生き残ったのは私だけですが…って敵のISはどうしたんです?本当に何とかしてしまったとか?」

 

 

声の方に視線を移す、そこには肩から血を流す軍服の男がいた…少佐の部下だろうか?

 

 

「お疲れ様です、エンピオ中尉。ISの方はなんとかなりましたよ?こちらも生き残ったのは私とハルフォーフ大尉だけですが」

「おいおい、本当にやっちまうとは…それで?どんな方法で倒したんです?」

 

 

二人は先程までの惨状がなかったかのように普通に会話を続ける…私はそこでやっと我に帰った

 

 

「…はっ!?そうです少佐、さっきのあれはなんだったんですか!?」

「まぁ詳しい話はまた今度というわけで…」

「撃退した方法についてはどう報告するつもりなんですか…ですが命を救っていただいたことに変わりはありません。感謝しますキンブリー少佐!」

「まぁ私は正当防衛を行使しただけなんですけどね…それにしても少しやりすぎましたね…操縦者は別として、ISは無事でしょうか?」

「あぁ、それなら問題ないと思いますよ?ISのコアはおそらく先程のようなレールガンが直撃したとしても壊れるようなことはありません…」

「なるほど…おや、確かにISは無事なようですね」

 

 

倒れたISに少佐が近づく…当然だがパイロットは先程の爆発で消し炭になっている…

私は口を押さえて目を背ける

 

 

「ハルフォーフ大尉?大丈夫ですか?」

「え、えぇ…問題ありません」

「…」

 

 

私が再び少佐に視線を戻すと、そこには淡い光を放ち、ラファール。リヴァイヴを再起動する少佐の姿があった…

 

今度こそ意味がわからなかった

 

 

「おや、何か触ってしまったかもしれませんね…ハルフォーフ大尉、これは一体どういった現象なんですか?」

「もしかして何か壊しちまったんじゃないですか?」

 

 

二人はヘラヘラと会話を続ける…なんかもうムカついてくるレベルで意味がわからなかった

 

 

「もしかして本当に壊してしまったのでしょうか?」

「…な…な…」

「「…な?」」

「なんでISを起動できたんですかーーーーーっ!?」

 

 

「「…は?」」

 

 

 

 

その日私の目の前で二人目の男性操縦者が発見された…

 

というか少佐だった

 

 




クラリッサはこういうタイプのオタクではないかもしれませんが、オタクなんて大体布教大好きだからいいですよね!!(体験談)
多分次回の投稿は結構遅れてしまうと思います…
なるべく急ぎますので、見捨てないでね(´;ω;`)
ご指摘、ご感想お待ちしております…評価してくれてもいいのよ[壁]д・)チラ
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