「スイッチ!!」
キリトさんがルインコボルトの持つ斧を弾き、
入れ替わるようにアスナさんが鎧の無い喉元に細剣を突き刺し、ルインコボルトを撃破している。
「っわ!」
ちょっと、よそ見をしていた僕に、ルインコボルトの武器が振り下ろされる。
まぁ、躱せたので問題は無い。現在、僕は2体のルインコボルトを同時に相手にしています。
こいつらの性質上二人で1体倒していく感じなので、3人パーティーだと、
残りの一人が他のルインコボルトを引き付ける必要がありまして・・・
「よっと。」
引付役は、このパーティの中で一番反応速度が速いキリトさんか、
レベルが一番高い僕のどちらかで悩んで末に、グレイズによる回避ができる僕になった。
「っふ!」
グレイズって言うのは、〈東方Project〉の原作におけるテクニック。
自機(プレイヤー)の当たり判定ギリギリでの回避こと。
「お待たせ、セイヴィリー!」
「っ!スイッチ。」
キリトさんがこっちに向かって走って来るが見え、ルインコボルトの武器を弾きスイッチする。
キリトさんの剣がルインコボルトの喉元を切り裂き、ポリゴンに変える。
「っく!」
「アスナさん!」
残りの1体を抑えててくれたアスナさんが、押され始めた為、
アスナさんとルインコボルトのあいだに入り込む。
「そこ!」
何度か武器をぶつけあい、一瞬出来た隙に喉元に向かって剣を突き刺す!
その一撃で、ルインコボルトを撃破する。
今ので、周辺にいたルインコボルトは全て撃破しました。
「ふぅ~」
「助かったわ、セイヴィリー。」
「いえいえ、気にしないでください。」
既にボス戦が始まってから、数十分が経過しています。
戦局としては、ボスの3本目のHPバーが半分ぐらい削れていまして、
プレイヤーの皆さんには、疲労が見え始めていました。
「それにしても俺達が1体倒すまでに、通常攻撃一撃で撃破出来るまで削るなんてな。」
「ははは・・・」
多分レベルの問題もあるんでしょうけど、電子生命体だけど体が覚えているって感じですかね?
人間の時に喧嘩とかした事無いですけど、あの人達と一緒に旅をしてる間は・・・
「セイヴィリーちゃん?」
「は、はい!何ですか?」
「ぼーっとしていたけど、何処か悪いの?」
「? “私”は全然、大丈夫ですよ。」
「それならいいんだけど・・・」
どうやら、ちょっと自分の世界に入りすぎたようです。
「あれ?キリトさんは?」
「彼なら、あそこで誰かと話してるわよ。」
アスナさんが指さす方向を視線で追うと、キリトさんがキバオウさんと何やら話していました。
お二人の話が一区切りしたところで、新たなルインコボルトが出現しました。
「アスナさん!」
「えぇ!」
キリトさんが何を話していたのか気になりますが、今は役割の方に集中しないと。
あの後、なんとかキリトさんと合流して、ルインコボルトを撃破しています。
「グォォォォォーーーー!!!」
「な、なんですか!」
雄叫びが聞こえ、視線を向ける。 どうやら、ボスのHPバーが4本目に突入したようだ。
ボスは手に持っていた斧と盾を捨てる。あ!ディアベルさんが一人で突っ込んでいってる。
確か、アルゴさんの情報によるとタルワールって言う武器に持ち替えた筈。
「ダメだ!後ろに、全力で跳べぇぇぇーーー!!」
「っ!」
キリトさんが、何かに気づき叫び声をあげる。
その言葉を聞いて、嫌な予感がしたからボスに向かって、全力で走る。
「っく!」
ディアベルさんがソードスキルを放とうとした瞬間、
ボスの攻撃がディアベルさんとC隊の皆さんを襲う。
ボスの手には、刀らしき武器が握られていた。
「っ!?」
ボスの追撃までにディアベルさん達の前に到着し、剣を構える。
「この人達には、もう指一本も触れさせません!」
身長が140センチ以下の私と、巨体のコボルトロード。
明らかに不利ですけど、心だけは強く持ちます。
「グォォォォォーーーー!!」
ボスの一撃を強化も何もしてないアニールブレードで防ぎながら、
少しづつスタンして動けないプレイヤーさん達から離れていきます。
「っく!」
対格差による違いはやはり大きく、受け流すの精一杯で反撃する余裕は、ありません。
それでも、
「っあ!」
しかし現実は、非常。
ボスの攻撃を受け流した瞬間、アニールブレードは『パッリーン』っといい音を出しながら
ポリゴンとなって、電子の世界に帰っていきました(´・ω・`)
「あ!あの、ちょっと!待ってくださ・・・いぃぃぃーー!」
ボスがその隙を逃がしてくれるわけもなく、刀を振りかざして来ます。
後ろに下がらずに躱して、常に動くことを考えながら敵を見る。うん、大丈夫。
「・・・っ!?」
「セイヴィリー!」
たった一撃。されど一撃。
不意の蹴りに反応が遅れ、防御するもののもちろん吹き飛ばされ、
ボス部屋の壁に背中をぶつけ、床に落ちる。
「・・・・・・!」
「・・・・・・・・・!」
薄れゆく意識の中、心配するパーティメンバーの姿が、懐かしく見え・・・た・・・・・・・