電脳植物系TS転生が行くVRMMORPG   作:火野ミライ

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思い出したMemory

風に揺られ、地面を生い茂る植物が楽しそうに()()()()

空を見上げれば、雲が少しずつ動き、太陽が雲の隙間から顔をだす。

晴天とは言えない青空が、広がっている。目を瞑り、風の音を聞く。

このまま、寝てもいいかもしれない。そんな考えが浮かび上がったその時、

後ろから誰かかが近づいてくる足音が聞こえ、振り変える。

 

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「出口方向まで退け!囲めば範囲攻撃がくるぞ!!」

 

ディアベルやセイヴィリーの状態を見て、混乱するプレイヤー達に指示を出す。

俺自身はボルトロードに向けて駆ける。

コボルトロードのタゲが俺に向き、奴の武器が白く輝く。

奴の武器に向かってソードスキル〈レイジスパイク〉を放つことで弾く!

 

「スイッチ!」

 

昨日から一緒に居るもう一人のパーティメンバー・アスナとスイッチをする。

アスナが懐に入る中、コボルトロードが両目を光らせ、弾かれた得物を振り下ろす。

 

「アスナ!」

 

「っ!」

 

何とか回避するアスナ。彼女のは追ってい居たフードは取れ、彼女の素顔が明らかになる。

金髪の長髪を靡かせながら、細剣を構える彼女にくぎ打ちになったのは秘密だ。

 

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「こんな所に居たなんてね。道理で見つからない訳ね。」

 

金髪ロングの髪の毛先をいくつか束にしてリボンで結んでいる、少女が話しかけてくる。

いや正確には、『人間の少女と変わりない容姿をしている存在が話しかけてきた』ですね。

 

「初めましてかしら?瀬笈葉。」

 

ワザとらしく微笑を浮かべる目の前の()()

 

「そう睨まないで、別に取って食おうって訳じゃないんですから。」

 

胡散臭いて、誰のも近寄せない力を持つ目の前の妖怪の名前は・・・

 

「そう言えば、自己紹介がまだでしたね。私は〈八雲紫(やくもゆかり)〉。

 幻想郷(げんそうきょう)の管理者の一人です。」

 

幻想郷・・・・人や妖怪・妖精に怨霊。果てには神が暮らす失われた者たちの最後の楽園。

 

「・・・貴方記憶の方は?」

 

彼女の纏う雰囲気が、ガラっと変わる。

まるで僕を見定めるかのよう・・・・・いや、実際に見定めているのだろう。

 

「・・・ここに来た時に、全て思い出しました。幻想郷の事、お姉ちゃんの事、僕たちの事。

 ・・・・・・・全て、思い出しました。」

 

八雲さんに今の全てを素直に話す。

なぜ瀬笈葉の身体なのか、彼女の経験が自分のように感じるのか、彼女の力を使えるのか。

その疑問の答えを。そして今、僕の身に起きている事を。

 

「そう。・・・幻想郷(こっち)の時間で、一年。それまでに片付けときなさいと来なさい。」

 

「はい!」

 

八雲さんの言葉に驚きながらも、自分が思った以上にしっかりとした返事を返す。

 

「このスキマを通れば、今あなたがいる世界の身体モドキに戻れるわ。」

 

そう言いながら指を動かし、空間に文字道理に隙間ができる。

その隙間は人ひとりが通るには、十分な大きさだ。問題は、スキマの中にある大量の目だろう。

 

「あぁ、それと。あなた自身の能力をある程度、使えるようにしとくわ。」

 

「何から何まで、ありがとうございます。八雲さん。」

 

「ゆかりん☆でも良いのよ♪」

 

八雲さんの言葉を聞きながら、スキマの中に入って行く。

 

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「っ!しまっ!」

 

コボルトロードの動きを先読みしすぎてしまったキリトか、

切り上げによりアスナを巻き込みながら、吹き飛ばされる。

キリトの手に持つ剣は、セイヴィリーを抱えるディアベルの元へと転げる。

 

「グガァァァァァァ!」

 

「っ!」

 

コボルトロードが追撃しようしたその時!

 

「うぉぉぉぉ!」

 

エギル率いるB隊が攻撃をし、ボスの攻撃をキャンセルする。

 

「あんたらが回復するまで俺達が支えるぜ!

 ダメージディーラーにいつまでも壁役やられちゃ、立場ないからな!」

 

「すまない。」

 

エギル達、B隊のメンバーがボスと戦闘を繰り広げる。

次第にエギル達は押されていき・・・・・

 

「グガァァァァァァ!」

 

押し返される。一人が足をもつれさせる。

そのプレイヤーにソードスキル〈旋車〉が放たれようとしていた。

 

「っ!?」

 

気づいたキリトが動き出そうとして、自身の得物が無い事に気づく!

キリトがディアベルの方に視線を向けると、キリトの剣はそこには無かった。

次の瞬間、カキーン!と金属のぶつかり合う音が聞こえる。

キリトが視線を向けるとそこに居たのは、()()()をしたセイヴィリーだった。


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