CROSS ROAD   作:メルヘンに気ままに

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今回はどのタイミングでしようか悩んでいた主要NPC達の紹介に丸々と費やしてしまいました。申し訳ございません。


第5話

 

ロバーデイク・ゴルトロンは困惑していた。

 

目前に広がるのは一瞬息を忘れる程に豪奢かつ荘厳な神殿。知識や教養のない人間ですら一目で分かるであろうこの建物の放つ凄まじい神聖さ、人類という種が生まれる以前よりここに存在していると言われても違和感の無いほど歴史を感じさせる雰囲気を放っている。

 

それこそがロバーデイクの困惑をより一層の深みへと導いていた。ここはよく薬草を取りに訪れる土地であり、周辺の地理ならばくまなく探索済みであったがためだ。

 

何故か全身を覆い尽くしている鳥肌。本当に美しいものを見ると人は鳥肌が立つのだろうか、等と現実逃避をしながら周囲を見渡す。

 

この感覚は知っている。これは、警鐘だ。本能が全力で警鐘を鳴らしているのだ。この先には恐らく知ることすら恐ろしい何かが待っている。それこそ死と同等の何かが。

 

しかし、ロバーデイクの足は自ずと神殿の内に進んでいた。まるで飛んで火に入る夏の虫のように、その結末は1つしか無いというのに。

 

■□▪▫■□▫▪■□▪▫■□▫▪■□▪▫■□▫▪

 

「皆席に着いたかな?定例会始めます…ベルゼブブ本当にごめん、辛かったらすぐに言ってね?」

 

「ほんま気にせんといてや、見ての通りピンピンしてます。使えへん置物や思てたボンクラ天使も使いようやな。包帯代わりにはなるわけやし」

 

「ふん、穢らわしい虫けらに施す奇跡なんて本当は存在しないのだけれど、主様の慈愛に感謝するべきですわ」

 

なんやかんやあってギリギリ回復が間に合ったベルゼブブと回復を施したメタトロン。相変わらず他の人がいる所では仲が悪そうにいがみ合っている。良かった良かった、口喧嘩する程には回復してくれたようだ。

 

「じゃあ定例会、といっても緊急だけど始めるよ」

 

俺が口を開くと同時に空気が張り詰める。今回の議題はこの世界についてだ。

 

俺がベルゼブブを殺しかけ、なんとか蘇生が間に合ってから。とりあえず情報の共有をするべきだというルシフェルに言われるがまま開いたこの会議。実際に現場で得た知識や、この世界の情報をバーッと口頭で説明していく。

 

「と、いうわけで。とりあえず俺が得た情報ってのはこんなもんかな。何か補足とかある?」

 

「補足やあらへんけど、大事なことや思うんで言わせてもらいます。まず、魔法職に関しては第3位階を使えるだけで一流扱い、旦那はんの言うとったバハルス帝国やった?におるフールーダっちゅう爺が第6位階を扱えて世界最強らしいで?ほんで、戦士職やな、こっちはちょい特殊でスキルとかやない武技っちゅう特殊技みたいなんが使えるんやて」

 

「え、そうなの?」

 

「あぁ、すんません。こっち帰ってきてからすぐ話そ思てたんですけど色々あったさかい…ほんで、本題はここや、この世界にはタレント言うてけったいな特殊能力みたいなんがあるらしいで?魔法の習得期間が半分なったり、どんなアイテムでも使えたり〜ゆう反則気味のモンが」

 

ザワ、と騒がしくなる室内。何か気になる事でもあったのだろうか。例えどんな特殊能力があろうとたかが第6位階の使い手が最強を名乗れる世界の住人が持っていては宝の持ち腐れのような、というか…

 

「ベルゼブブ…」

 

「はい」

 

「君ってやつはどうしてそんなに優秀なんだ!あんな短時間の行って帰るような情報収集でこれだけの情報を集めてきたの!?すげぇよ!!皆!ベルゼブブに拍手!」

 

「え、ちょ…か、堪忍してや、恥ずいわ…」

 

先程の空気はどこへやら、人数の割に凄まじい密度の拍手がベルゼブブへと送られる。ベルゼブブもまんざらではないようで後頭部を掻きながら照れている。

 

「確か眷属のハエに脳みそ喰わせてそこから情報収集してるんでしょ?俺その情報知らなかったよ…うん、やっぱ皆自己紹介しようか。俺の知らない特殊能力とかがあるかもしれないし」

 

俺の発言と同時に一瞬不穏な空気が流れるNPC間。恐らく誰が先陣を切るかで牽制しあっているのだろう。しかしそれを制するようにルシフェルが手を上げると、険悪な雰囲気が霧散する。

 

「まぁ、となると俺からか。ご存知の通りルーク・シア・フェルマーだ。普段は獄門の番で番人をしているが…最近は審判の間にいたな。ベルほど器用じゃないからな、探索や情報収集には向いてないかもしれんが…リアスの敵を悉く滅するくらいはお手の物だ。改めてだがよろしくな」

 

「ありがとうルシフェル。俺が困った時は助けてくれよ、じゃあセラ」

 

クールに自己紹介を終えたルシフェルに拍手を送り、視線をセラへ向ける。

 

「はっ…セラ・リリーフ・マヌス、ご指名に与りました。セラフィム第1席、主を護る最後の盾にして剣。深奥部:天使の裁きにおいて主を害する不届き者を始末する任を授かっています。七罪のリーダーと同じく戦闘にしか取り柄のない不束者ですが、主よ、その際は私に任命いただければ一切を灰燼に帰しましょう」

 

「うん、セラの強さは俺もよ〜く分かってる。頼んだよ、じゃあベルゼブブ」

 

先程の取り乱していた時とは異なり、胸に手を添えお辞儀をしたセラ。天使の鏡のような姿に拍手を送り、続けてベルゼブブの方へと向き直る。

「ベルゼブブや、探索からゴミ処理、情報収集は眷属が、ゴミ掃除はウチがやっててん、我ながら器用なやっちゃ思いながら旦那はんの元で働いてます。好きなもんは旦那はん、嫌いなもんは…まぁ品のない輩やな。なにはともあれ今後ともよろしゅう」

 

「今回の探索でもベルゼブブは凄い働いてくれたね、今後も期待してるよ。じゃあメタトロン」

 

「はい、セラフィム第2席メタトロンですわ。主な任務は皆様の盾となり癒すこと、勿論第1優先は主様です。好きな物はギルドの皆様、嫌いなものは愚か者ですわ。それと、セラ様程ではないけれども剣術を修めています。今後ともよしなに」

 

「さっきはありがとう。メタトロンのおかげで俺は部下殺しの大罪を背負わずに済んだよ。じゃあ…レヴィアタン」

 

一緒に探索を終えた2名の自己紹介を終え、俺は水色のショートボブ少女の方へと目を向ける。スっと立ち上がった彼女は白色のロングワンピースを着用しており、身長は145cmほど、すらっとした体型をしており、透明感のある白い肌に綺麗な顔立ちは数千年に1度の美少女のようで、その両の瞳は深い紺色に鈍く輝いており、まるで深海を覗いているかのようだ。

 

「うん、私はレヴィ。普段は絶望の畔でエリアボスをやってるの。特技は敵を殺すこと、水がある場所なら負けないよ。苦手なのは熱いところ、水がないと、私弱いから。リアス様も今度私のエリアまで遊びに来て。今日のこととか、他にも色々お話したいことあるの」

 

「う、うん。行くのは全然構わないんだけど、なんで目のハイライト消したの?…まぁ、いいか。じゃあミカエル」

 

パッと目からハイライトを消し、俺をじっと見つめるレヴィアタンから目を逸らすように、シルバーとオレンジを基調としたフルプレートの西洋甲冑を装備し、バイザーを上げたヘルムから中性的な顔を凛々しく覗かせる青年へと顔を向けた。シュバっと素早く立ち上がったミカエル、身長は175cm程で、フルプレートの為詳しくは分からないが、青年らしくガタイは良さそうだ。キリッとした表情からは彼の強い精神力を感じさせる。

 

「はっ!本職はセラフィムが第3席を承っているミカエルであります!本職は遠距離からの狙撃を得意としております故、主殿の敵を視界にも入れず滅してご覧にいれましょう!その代わりと言ってはなんですが、近接戦に関しましては他の方々と比べると軟弱故ご理解の程を、よろしくお願いいたします!」

 

「任せて、近距離は俺の主戦場だ。なんかあったら頼むよ。じゃあマモン」

 

綺麗な敬礼をした後椅子に座るミカエルから、深紅の赤髪を後ろで結い、黒のライダースジャケットにインナーは白のTシャツとジーパン、首元にはギラギラと光るシルバーの喜平ネックレス、更にはサングラスをかけたチャラ男へと目を向ける。チャッ、とサングラスをおでこへとずらし、立ち上がったマモンはキザったく指を鳴らした。身長は大体180cm程で、ガタイはそこそこガッチリしている反面、その顔にはニヤニヤと軽薄そうな印象を与える笑みを浮かべている。

 

「やっと俺の番か!俺はマモン・ザ・グリード、強欲の悪魔だぜ。見ての通りガンマンなバイク乗りだ!俺の戦闘スタイルは超単純かつクールでなぁ、多種多様な銃器をぶっぱなしまくって、息もつかせずあの世に送ってやんだ!届かない野郎には愛車で距離詰めてぶっぱなすってワケ。な!分かりやすいだろ?ボス!!」

 

「単純明快な戦い方はいいよな。無駄な思考が産まれないってのはそれだけでメリットだ、頼りにしてるよ。じゃあガブリエル」

 

自己紹介を終え、パチリとウインクをしてくるマモンにサムズアップで返事をし、柔らかそうなウェーブのかかった水色のショートヘアの少女へと目をやる。ゆったりと立ち上がったガブリエルは猫背のため分かりにくいが大体身長は160cm程だろうか。所々羊のようなモコモコが付いた白と青が基調とされたセーラー服を着ている。眠たげに細められた目はトロンと垂れており、ただでさえ顔の造りが良いのにも関わらず余計に印象を可愛らしいものへとしている。

 

「は〜い、セラフィム第4席のガブリエルで〜す。ぼくは〜…?あ、そうそう。こう見えてゴリゴリのモンクだよ〜。神様の敵は〜こうやって、ボコ、ボコボコボコっと、潰すよ〜。神様〜セラ様がやるみたいな綺麗な死体じゃなくてボコボコの死体が見たいならぼくに頼ってよ〜」

 

「うん、別に死体は見たくないけどその腕は是非見たいね。その時が来たらやっちゃってよ、じゃあ次はアスモデウス」

 

拳を握り、見た目にはそぐわぬ鋭いシャドーを見せたガブリエルから、桃色のロングヘアーが目立つナイスボディな美女へと目を移す。チロ、と俺を流し見しながら立ち上がったその美女、身長は大体170cm程か、黒の豪奢なドレスに所々金色のプレートアーマーを装備していていかにも女騎士といった様子だが、胸の辺りはその巨大さを象徴する谷間を強調するようにポッカリとハート型に空いており、見るものが見れば思わず飛びついてしまいそうな魅力を放っている。当然のように顔も整っており、見ようによってはこれ以上なく可愛らしい少女のように、見ようによってはこれ以上なく妖艶な美女のように見える。

 

「わたしはアスモデウス。色欲の大罪担当…特技とか趣味は同じ、担当通り色欲関係…男だろうが女だろうが、骨抜きにしてあげる…そうだ、リアスくん…私が使えるかどうか…早速リアスくん自身で試してみる…?きっと、リアスくん程の方でも、満足してもらえると思うの…♡」

 

「男としては魅力的な提案だけど、あとが怖いね、遠慮させてもらうよ…次、ラファエル」

 

チロリと舌を出し、扇情的な仕草で俺を誘うアスモデウスに苦笑いを浮かべながら、金髪ショートの活発そうな少女へと向ける。ぴょこ、と元気よく立ち上がった彼女は身長150cm程度、他のNPC同様に整い過ぎてる顔は、その仕草通り快活な笑顔により大分親近感が得られる。金色のプレートアーマーを装着しているため、真偽の程は不明だが、形状からしてアスモデウスのようなナイスボディである可能性はなさそうだ。

 

「はい!あっしはセラフィム第5席のラファエルっす!セラフィム唯一にして一番の槍使い!特技は暗算と書類整理とかっす!好きな物は主先輩とメンバーの皆っす!嫌いなものは…あ、バカは嫌いっす!主先輩のお役に立つためならなんでもするっす!よろしくっす!!」

 

「暗算に書類整理か、俺はてんでダメだからその時はよろしく。じゃあ次はベルフェゴール」

 

元気いっぱいな自己紹介を終えたラファエルに頷きを返し、次の悪魔へと目を向ける。気だるそうに立ち上がった彼女は、身長165cm程か、青色の肌に、黒のメッシュがかかった緑髪のショートパンク、三白眼と不機嫌そうな三角の口からはサメのようなギザ歯が覗き、同じくトゲトゲが付いたライダースジャケットは、足元にあるゴツゴツと余計な装飾まみれのギターも相俟ってアングラなバンド女子といった感じだ。

 

「…っす。ベルフェゴール、七罪、怠惰担当…得物はこのギター1本…皆の知んねぇ特技っつうと…まぁ、特技っつうか…その…料理は意外と出来っけど……リ、リリ、リァス…様に披露するには…まだ早ぇっつうか…ちょい恥ずい…つか、普通に話すのも恥ずい…マジ無理…」

 

「そ、そうか…俺はベルフェゴールとも是非話したいし、是非料理も食べてみたいよ。それじゃあ次!ウリエル」

 

無理、恥ずい、死ぬ。と頬を紫にしておずおずと席に着いたベルフェゴールに微笑を送り、次の天使へと視線を移す。既に立ち上がっている彼は身長190cm程、腰布一枚を巻き、金髪を短く刈り上げ、例に漏れずイケメンである筋骨隆々のマッチョマン。グッ、グッと筋肉を見せびらかすようにポージングをした後やたらと白い歯をニッとむき出しにする。

 

「我が神から呼ばれた通り、我がウリエル、セラフィムの末席を与り、日々この肉体と我が神への信仰心を磨きし者よ!職業は見ての通りドルイド!地を動かし、ついでに筋肉も動かし!山を割り、この通り腹筋もバキバキに割る!我が神も筋骨隆々を目指すと決めたなら我の元へ是非いらしてほしい!筋肉の良さを御身にもお伝えするとしよう…!」

 

「ドルイドだったっけ…?ま、まぁいいか。筋肉はあればある程良いらしいからね、もしかするとマジで行くかも。その時はよろしくね、そんで次は…」

 

フンス、と荒い鼻息をつき、ドカッと席に着いたウリエル。残すは最後の一人、全身をやたらゴテゴテとしたカッコよすぎるプレートアーマーに包む一体の悪魔。微かに見えるヘルムのスリットからは煌々と深紅の輝きが覗いている。コイツに関しては立ち上がらなくても分かる。身長250cm、黒を基調に所々紫色の色を加えたアーマー、ヘルムには巨大な角を収納する為に、人間であれば耳がある辺りに角同様巨大な突起がある。そして歴史を越えた名作である某バーサーカー系悪霊キラーが持つ竜すらも殺す大剣のように巨大で分厚い鉄の塊を鎧と同じカラーリングに…誰がどう見てもゴリゴリの重戦士である。

 

「…サタン、自己紹介よろしく」

 

俺の言葉に呼応するようにスリット越しの深紅の輝きが増す。ガチャリ、と重厚な音を響かせ、腰を上げたその悪魔は辺りを睥睨するとゆっくりと息を吸った。

 

 

「…ちょっと呼ぶの遅くな〜い!?一応某って七罪の序列3位だよね!?あーもう、みんなの前じゃこんなこと言いたく無かったけどおやっさんこりゃないよ〜!いくらおやっさんが直接創造した某と言えども自慢したいがために大トリに持ってくんのは違うって〜。なんか今まで空気読んでシリアスキャラ演じてたのにこれじゃ台無しだよ〜。ほら、某って意外と緊張しいでしょ?流石に大トリに回されたらシリアスキャラ演じる余裕ないって〜、いや、マジで。あ、ごめんごめん、皆と喋んのはこれが初めてだよね。某、サタン、七罪の憤怒担当やってます、よろしゅうよろしゅう、なんつて、これベルゼブブの真似ね。武器は見ての通りコレ、実は結構ガチガチの重戦士なんだけど…って、見たままやないかーい!!あ、これ笑うとこね…あれ?もしかしてあんまウケてない?」

 

 

1人テンション高く話すサタン、当然のようにシーンと静まり返る周囲のNPC達。かく言う俺は今超赤面中だ。やたらとその風格に見合う地獄から響いているかのような低い声から、売れてない芸人のようなノリをノンストップで展開されたらそりゃこうなる。中でもベルゼブブは俯きながらフルフルと小さく震えており、怒り心頭なのが傍目から見てはっきりと分かる。

 

一応、言い訳をさせてほしい。まず、サタンのガワを作成した時の俺はゴリゴリの厨二病患者の時だった。存在するだけで圧があるような重厚感、それに見合った戦闘スタイル。俺とは正反対の戦闘スタイルだが、ある種自分では目指せない男の憧れに限りなく近付けようと作成したのがこのNPCだ。

 

しかし、ある程度完成間近になると俺はベルゼブブの創造主であるりゅせんどーさんの影響でお笑いにハマってしまった。その時にこの見た目で売れない芸人のようなノリのキャラだと面白いのではないか、ととち狂い、こうして作成に至ったわけだ。結局、この設定を見せてもギルドメンバーにはクスリともウケず、この世界に飛ばされるまで記憶の片隅に隠していたのだが…

 

「…サタン、あの…もう少し抑えめで喋れる?」

 

「ちょ!?こう創ったのおやっさんじゃないですかぁ!!流石の某も泣くけど!えーんえーん…ン泣いてなァい」

 

終わりだ。もうこの世界終わらせよう。鏡で見なくても自分の顔が真っ赤になっているのが分かる。セラが不安げに俺の方を見つめているのが尚更辛い。もういっそ殺して欲しい。余りの恥ずかしさから真っ赤な顔を隠すように天を仰いだ。

 

その瞬間、ドンッドンッと重たげな音が響いた。俺を含む全員が音の出処を探る間もなくその音の主は見つかった。そこには机に頭を預け、小さく震えるベルゼブブの姿があり…

 

「っ、く、ふふ…あ、あかん……ごっつおもろい…す、すんません、ちょっとツボ…」

 

「はい?」

 

「こ、この…この、見た目っ、で…っぐ、くひひ、そ、その、っ…声で…っ!」

 

「え!ベルちゃん某のネタ気に入った!?じゃあ追撃で1つ…某っのヘルムのこーれ♪実はハンドル♪ブーンブ…あ、あかん、捻りすぎた」

 

「っ、っく、ふ、ふ…っ、は、はっ、くはは、ははは!だはははは!!あ、アカンっ!コイツアホやっ!!」

 

「えー、ベルちゃん某のネタでめっちゃ笑ってくれるやん…責任取って結婚してや」

 

「ぶふーっ!キメ声で言うなや!きっしょいねん!あ、アカンッ…!さ、流石は、だ、旦那はんの、生み出した悪魔っ!天才、天才や…っ、!」

 

リズムネタのつもりなのか重厚感溢れる身体で腕を揺すりながら、ヘルムにある角収納部のアーマー部を捻り、捩じ切る。あのヘルム作るのめちゃくちゃ時間掛けたんですけど、という俺の内心を無視し、笑い転げるベルゼブブ。

 

他の面々の反応は微妙も微妙。完全仏頂面で我関せずといった様子のルシフェル、ベルフェゴール、レヴィアタンそしてメタトロン。なんとも言えない笑みを湛えているアスモデウス。楽しそうな雰囲気が好きなのかニコニコとしているガブリエルやマモン、ラファエル。俺の作ったNPCだからなのか笑うべきか分からず引きつった表情を浮かべているセラとミカエル。ウリエルは自身の筋肉にキスをしている。

 

「…おやっさん、某ってばベルゼブブの同僚で良かった」

 

「そ、そうか。ベルゼブブもお前のこと気に入ってくれたみたいだし、今後とも…その、仲良くね」

 

「ぎゃはははは、あ、アカン…死ぬ…!だ、誰が…た、すけ…っく、はは!!」

 

ベルゼブブの苦しげな笑い声が審判の間に響く。そう言えばりゅーせんどーさんだけはあの設定見て笑い転げてくれたなぁ、と懐かしい記憶に俺は、天井を見上げーーー

 

その瞬間、ギルド内の警報がけたたましく鳴り響いた。

 





バアル・ベルゼブブ・ゼブル

属性:極悪ーーーカルマ値-500

種族:《最上位悪魔》ーーー5Lv
ほか

職業:ハイ・テイマーーーー10Lv
グラトニー・オブ・ディザスターーーー5Lv
など

種族レベル25Lv + 職業レベル75Lv =100Lv

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マルクデュー神殿を拠点として作られた«CROSS ROAD»。そのNPCの中でも悪魔のみで構成されている拠点防衛の要である七罪の一員であるNPC。

ゴリゴリの魔法使いであるNPCであり、マルクデュー神殿のエリアによってカルマ値の善悪にバフ/デバフが掛かるという特性から本来配置されているエリア《深奥部:死の御殿》において全てを無に帰す破壊者となる。

暴食の悪魔のロールプレイ用として用意されたとしか思えない職業《グラトニー・オブ・ディザスター》は、この職業を発見したりゅせんどーにこのNPCを作成させることを決めさせた。ベルゼブブ、地獄においてサタンに次ぐ権力を有し、実力は凌ぐやもとまで言われた悪魔。その名を冠するこの職業は最強の魔法職の一角である《ワールドディザスター》には劣るものの、他の魔法職とは一線を画すもの、とはりゅせんどーの言である。

自称悪魔一リアスを慕っていると宣言する暴食の悪魔。リアスの前で無ければ笑いたい時に笑い、喰らいたい時に喰らい、殺したい時に殺し、死にたい時に死ぬ。悪魔の中の悪魔。が、それもリアスの前では鳴りを潜めるという。

曰く「旦那はんに失望されたらどないするかって…そないけったいなこと考えられへんわ。仮にそんな事が起きたとしても関係あらへんやろ。その時にはもう何も残ってへんのやし」
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