俺たちのカルデアは最強なんだ!   作:アマシロ

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チャンピオンズミーティングで虐殺されたので本日2話目です




 


第一異聞帯/ 虚空と宇宙

 

 

 

 

 

 

 

「――――全く、“こちら”に更なる裏切り者などいないはずだったのだが」

 

 

 

 一番の目的であるカルデアスの凍結は果たされた。

 が、カルデアが所持していた霊基グラフは見つからず。キャスターであるダ・ヴィンチも無事に逃げおおせようとしている始末。

 

 どう考えても“襲撃”が読まれていたとしか思えない状況。

 それにしてはカルデアスを守らないなど、杜撰が過ぎるが―――何者かの意志を、言峰綺礼は感じ取っていた。

 

 

 

「いやいや、報告書を鵜呑みにするものではないとはいえ。どう思う、コヤンスカヤ君」

「はぁ。伏兵の可能性は進言していましたが――――仮にも人理修復しただけのことはある、ということでしょうか?」

 

 

 

 なんとなーく、もう一人いた自分の顔が脳裏を過って歯切れの悪いコヤンスカヤだが、別に“自分は”なにも裏切っていないので特に後ろめたさも無く。

 

 

 

 

 カルデア職員が脱出しようとしている。

 おそらくはごみを麓に捨てるためのコンテナを使って。

 

 それを察知した二人はすぐに見晴らしのいい場所に陣取り、コヤンスカヤは狙撃用のアンチマテリアルライフルを用意し――――。

 

 

 

 

 

 

 それは現れた。

 

 

 

 

 それは、脱出コンテナというにはあまりにも大きすぎた

 大きく

 分厚く

 重く

 そして大雑把すぎた

 

 それはまさに、島だった。

 

 

 

 

 

 

 

「は――――?」

「ほう」

 

 

 

 

 

 

『――――メインエンジン、起動確認。聖杯10基、問題なく稼働中!』

『センサーに感あり、地上に敵の殺戮猟兵多数! コヤンスカヤの攻撃は今のところなし!』

『これより本館<仮想宝具・はや辿り着けぬ理想郷(アナザーキャメロット)/冬の玉座(ロンゴミニアド)は目的の異聞帯に向けて侵攻を開始します。各騎、防空戦闘の準備をしなさい』

 

 

 

 

 白き都。本来であれば罪都などと呼ばれた都市の模造品であるが、驚くべきことに浮いている。ありていに言えばアガルタのラピュタなのだが……。

 

 

 

 

「な、な、ななななんだねコレは――――!?」

「何だい、ゴルドルフ君。君、カルデアの報告書読んでないのー?」

 

 

 

「――――ラピュタです」

「は。と、というか一体どこの誰だねキミは…?」

 

 

 

 

 ゴルドルフが目を向けたのは、艦橋っぽく近代的な観測機器が置かれた場所において明らかに異彩を放っている玉座。そこに座る美しい女王であった。

 

 

 

「――――そして、ブリテンでもあります。これこそが仮想宝具・はや辿り着けぬ理想郷(アナザーキャメロット)/冬の玉座(ロンゴミニアド)。我が夫の求めに応じ、カルデアに貸し出している、というべきでしょうか」

 

「いや、つまり誰なんだねキミィ!?」

 

 

 

 鋭いツッコミだが、それに応じるのは女王ではなく。

 その横に控えていた赤い少女だった。

 

 

 

「ハァーっ? お母様に向かってその態度……よっぽど苦しんで死にたいワケ?」

「あ、はい。すみません……」

 

 

 

「良いのです、バーヴァン・シー。一応これでもカルデアの新所長……そうですね、取引先の靴屋の店長とでも思っておくように」

 

「プッ……はーい、お母様」

「く、靴屋……(足代わりでしかないってことかね!?)」

 

 

 

 

 なんとなく、モルガンは善意で(娘が靴好きなので)言ってる気がするが通じているかは怪しいものである。

 すごすごと引き下がったゴルドルフに声をかけるのは何故かパフェを食べているロマニ。

 

 

 

「ハハハ、女王様はなかなか気難しいからねー。あ、新所長もどうです、このパフェ」

「パフェ!? 何故ここでパフェ……いや、貰うけれども」

 

「ロマニ、ちゃんと仕事したまえ! それか私にも食べさせてくれないと後で酷いからね!」

 

 

 

 

 カルデアが襲撃されたにも関わらず、緊張感が皆無な面々に愕然とするゴルドルフだが――――なんやかんや自分もパフェを食べ始めるあたり素質はありそうだった。

 

 

 

 

 

 

 と、不意に警報が響く。

 レーダー担当からコヤンスカヤから狙撃が放たれたとの報告が入るが――――。

 

 

 

 

「無駄です。そもそもこのキャメロットは対ケルヌンノスを想定した要塞の模倣であり――――十分な魔力供給があり、ロンゴミニアドがあり、そして私がいる限りはそう易々と抜かせはしません」

 

 

 

 

 あっさりと、神域というべき魔術で攻撃を無効化。

 ついでとばかりに目的の異聞帯に向けて徐々に加速していくキャメロットに、呆然と見送るしかない異星の使徒。

 

 

 

 

 

『――――…通達する。我々は、全人類に通達する。この惑星はこれより、古く新しい世界に生まれ変わる――――』

 

 

 

 

 そして始まるキリシュタリアの演説にも、おびえるものはいない。

 状況は、決して有利ではない。

 

 

 

 カルデアは壊滅した。

 その未来は避けられず、キャメロットを頼りに逃げているだけとも言うことができる。

 

 だが、それでも。

 シャドウボーダーで逃げ出した時とは違う。

 

 滅びに抗う、だけではない。

 

 

 

 

 

「俺たちのやることは、変わらない」

 

 

 

 

 

 例え、カルデアで最も優秀なAチームが敵に回ろうとも。

 世界を救う戦いから、互いの世界を賭けた生存競争というべきものに変わってしまっても。

 

 

 

 

「救いたい人が、いる。もしかしたら救えるかもしれない。それだけで、戦う理由に不足なんてない。そうして世界も救えるなら、言うことなし」

 

「ほ、本気で戦う気かね? なんだか分からんが、カルデアを襲撃した奴らは凄まじい強さだった。カルデアの強さの源だった無数の英霊も退去した! それでもやるというのかね!?」

 

 

 

 

「――――やります! キリシュタリアを、カドックを、ペペさんを、オフェリアさんを、あとパイセンもぶん殴ってでも止める!」

 

「いや、誰か止めないのかね!?」

 

 

 

 

 その言葉に、ドクターとダ・ヴィンチちゃんが苦笑いで顔を見合わせる。

 

 

 

「まあ、僕らもそこに関しては同意するし」

「私たちじゃ、止められないしねー?」

 

 

 

 

 

 不意に現れるのは、黄金の粒子。

 広間を埋め尽くさんばかりのそれは、霊体化していた英霊たちが一斉に現界した証でもある。

 

 

 

「―――――フ、ハハハ、フハハハ! よくぞ吠えた、藤丸! 貴様はなんというか、凡人の極みともいうべき見飽きぬ奴よな! ならば王の中の王たるこの我が、今一度貴様の剣となろう!」

 

「というか、竜なので。人間に言われた程度で退去なんてしません。運命の相手と引き離されるくらいなら、魔術協会とやらを焼き尽くすから」

「項羽様がこちらにおられる以上、中国異聞帯とかどうでもいいの、サクッと滅ぼしなさい後輩!」

 

 

「僕も悲しい別れとか大嫌いだ! まあ、花を咲かせるくらいしかできないわけだけれども――――協力するぞぅ!」

 

 

 

 

「げぇ、マーリン!?」

「よくぞ私の前に顔を出せたものですね、マーリン」

 

「ははは。あれ? なぜかよくない流れのような気がするぞう」

「マーリンシスベシフォーゥ!」

 

 ほか、英霊多数。

 沢山の聖杯があることを良いことに現界し、ラピュタに退避していた英霊たちを交えて、空飛ぶキャメロットは最初の異聞帯に向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――

 

 

 

 

 

「一体どうなってるんだ……」

 

 

 カルデア襲撃に際して、職員の犠牲者はゼロだった。

 なんとなく安堵してしまったカドックだが、今度はどういうわけか空飛ぶ城に頭を悩ませることとなった。

 

 

 城が、空を飛んで、脱出したのである。

 

 

 どんな宝具だ。

 宝具じゃないとしたら一体なんなんだ。

 

 

 

 ついでに目的もわからない。

 ロシア異聞帯は、カルデア襲撃という明確な縁がある。南極からは遠いが、来ないと言い切れるほどでもない。

 

 

 

 来るのか、来ないのか。

 神経をすり減らすカドックに届いたのは、耳を疑う一報だった。

 

 

 

 

「はあ!? カルデアが――――に!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 異聞帯にも、汎人類史のサーヴァントが召喚されることはままある。

 例えばロシア異聞帯のアタランテやビリー、中国異聞帯の陳宮や呂…赤兎馬。

 

 だが、そのいずれもが異聞帯の王の力の前では無力に等しかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――絶海。

 

 

 

 最大の異聞帯に対するカウンターとして召喚された、最大規模の英霊たち。

 イアソンのアルゴー船とヘラクレスを中心に、オリュンポスへと挑む猛者たち。

 

 オデュッセウスの船団を潜り抜けた彼らを待っていたのは、天から放たれる光であった。

 

 

 

 

「――――――ヘラクレス!?」

 

 

 

 アルゴー船が大破し、ヘラクレスに庇われたイアソンが吹き飛ばされる。

 木の葉のように吹き飛ばされ、残った板切れを掴みながらもイアソンは叫ぶ。

 

 

 

 

「ぐっ――――テメェら、メディア! 何ぼさっとしていやがる! さっさと行け! ヘラクレスが防げないんだぞ、お前らも足手まといにしかならねぇだろうが!」

 

 

 

 

 頭の中は、冷静だった。

 例えヘラクレスに庇わせた己の不甲斐なさに怒りが燃え滾っていようとも。ヘラクレスさえも殺す、謎の天からの光に愕然としていても。

 

 ヘラクレスを無駄死にだけはさせたくないと、そう判断できる天性の資質がイアソンにあった。

 

 

 

 

「ヘラクレス、お前も俺を助けて早く脱出だ――――! おい待て、お前何して――――」

 

 

 

 

 ヘラクレスが、天を仰ぐ。

 その巌のような武器を構える。今しがた自分を幾度となく殺しつくした攻撃に対しての、迎撃の構え。

 

 もしかすれば、二人で生き残れる道もあるかもしれない。イアソンが信じたのはまさにそれだ。ヘラクレスなら、確率が低かろうと二人で生き残れるだけの力があると。

 だが、不確実だ。

 

 

 

 

 より確実に、この異聞帯の攻略に必要だと感じたイアソンを救う。

 決死の覚悟で咆哮を放つヘラクレスに、無情にも天からの光が降り注ぎ――――。

 

 

 

 

「――――どうやら、間に合ったみたいだな! 蒼天囲みし小世界(アキレウス・コスモス)!」

 

「なっ、お前は――――アキレウス!?」

 

 

 

 

 その手が掲げる盾こそは、盾に一つの世界を内包した結界宝具。

 対界宝具でもなければそう易々と貫かれない万全の護りとともに、ヘラクレスと並ぶギリシャ最強の英雄が参戦した。

 

 

 

「うおっ、すげぇ火力だな……ヘラクレスが殺されかけるだけはあるみたいだが」

「何故此処に――――いやいい! アレがチャージしている間に、さっさとお前の戦車に俺とヘラクレスを乗せて脱出しやがれ!」

 

 

 

「お前な……まあ今回はその必要はないだろ」

「はぁ!? 何言ってやがる!」

 

 

 

「あの衛星兵器――――狙撃型星間戦闘機、とか言うらしいが――――こっちにも、大層な戦闘機がいるみたいでな」

 

 

 

 

 

 黄昏の空に尾を引いて。

 凄まじい速度で天空へ―――月の女神へ肉薄する人類史最古の竜にして最強の戦闘機。

 

 

 

鈍重(おそい)。宇宙を飛ぶ、というのは大したものだけれど、その程度の速さで私から逃げられるとでも?』

 

『――――…!』

 

 

 

 

 放たれる光の波濤。それを紙一重で回避して、竜は飛ぶ。

 お返しとばかりに放たれた熱線が月女神の一部を貫通し――――我武者羅に放たれる衛星砲はしかし、音よりも遥かに速く飛ぶ竜を捉えるにはあまりに鈍すぎる。

 

 

 二発、三発目の熱線がついに月女神のコアに直撃し、空に大輪の爆発を輝かせる。

 

 

 

 

「なんだあれ。おい、あれ本当にサーヴァントか?」

「いや本当になんなんだろうな。カルデアのマスターは(ドラゴン)界隈におけるヘラクレス的存在って言ってたが」

 

 

 

「ヘラクレスなら仕方ないな…」

「それでいいのかイアソン……」

 

 

 

 

 

『これで一機撃墜――――!』

『メリュジーヌ、今回に関しては本当に君だけが頼りなんだ。特に宇宙にいるアルテミスと、海中のポセイドンはモルガン陛下でも無理だし』

『準備期間があればいけますが?』

 

 

 

 

 ポセイドンの方は一応、水の女神であり、バフ解除の専門家でもあるメルトリリスをパッションリップから射出するパラディオンで迎撃するという手も無くはないのだが。

 普通のサーヴァントは宇宙に対抗手段とかは無い。

 本当に、強いて言うのなら対アルテミス宝具のオリオンに頑張ってもらうかユニバース時空のサーヴァントに頑張ってもらうしかないのである。

 

 

 

 

『まだ無理なんだ。それに、最強で最高の戦闘機はやっぱりメリュジーヌだと思うし』

『そ、そうかな。本当のことだけど、君にそう言われると少し照れるかも…』

 

 

 

 

 他に戦闘機のサーヴァントはいないので、好き放題に褒められるというのは正直あったりするのが若干申し訳なくなるくらいの喜びようであった。

 

 

 

 

『その力、強さを、今此処で見せつけてほしい。』

『―――全部片づけてしまっても構わないよね?』

 

 

 

 

 

 そんなこんなで、いきなり大西洋異聞帯にカチコミかけたキャメロットの玉座。

 固唾をのんで計器を見守るマスター、ドクター、ダ・ヴィンチちゃん、新所長、モルガンたちいつものメンバーは、あっさりと、本来は冠位のサーヴァントを犠牲に撃破する(もっと言うと本当は別の、ビーストのために呼ばれた冠位なのだが)月女神を撃破したことに安堵の息を吐いた。

 

 

 

「いや、相性が良いのは分かってたけど……」

 

 

 

 こっちは対空メインの戦闘機、向こうは狙撃メインの衛星兵器、火力の優劣は不明ながら速度は圧倒的であり。高度さえ足りていればまず負けないだろうとは思っていたのだが。

 

 

 そのまま流星の如く急降下し、オリュンポスに続く穴の奥――――次なる標的は未だ万全な状態にあるポセイドン。

 

 

 

 

「――――聖杯級の魔力反応を4つ確認。どうやらそれで魔術障壁を張って防御しているみたいだね。その分、遠距離攻撃手段はなさそうだけれど」

「それではこちらの攻撃は全く通らないということではないかね!?」

 

 

「いやぁ、ははは……普通に考えればそうなんですが。うちの藤丸君はだいぶアレなので」

 

 

 

 

 

 

 アルビオンって泳げるの?

 その答えは一つ――――メリュジーヌは元々泥の中におり、与えられたのも水の妖精の名である。名前とは、割と魔術的には大きな意味を持つものである。特にそれが、生まれたときに与えられたものともなれば。

 

 

 

 

『聖杯、全基並列稼働。真名解放―――<誰も知らぬ(ホロウハート)無垢なる鼓動(アルビオン)>!』

 

 

 

 

 むこうが聖杯4つ分なら、もっとたくさん聖杯をぶつければいいよね!

 とばかりに至近距離からビームをぶっぱされた、哀れ体当たりくらいしか攻撃方法がないポセイドンはあえなく爆発。

 

 

 というか、そのあまりの火力と爆発に、絶海が大きく揺れた。

 ついでにキャメロットの計器もけっこう揺れた。

 

 

 

 

 

「なんだねあの火力は――――!? いや、あんなのが反乱したらカルデアどころか世界が火の海じゃないかね!?」

 

「いやぁ、ははは」

 

 

 

 

 実のところ「カルデア、滅ぼしていい?」と機嫌を損ねると割と真剣な顔でのたまうメリュジーヌはかなりの危険サーヴァントである。サーヴァントとして召喚されると割と弁えている黄金の王とかよりよっぽど危険である。

 

 

 

「はははじゃないが!?」

「安心したまえ、ゴルドルフ君。彼女は藤丸君を悲しませるようなことはしないよ。……たぶん」

 

 

「一体いくつ聖杯を使ったんだね!? まさかあの第六特異点の記録にあった、騎士王と同じで5つとか―――」

「15」

 

 

 

「………ん? すまないがよく聞こえなかった。5個も使ったのかな? 仕方ない男だね、キミぃ」

「新所長、三倍です。15個です」

 

 

 

「聖杯は5個が限界じゃなかったのかねぇ!?」

「いやいや、ゴルドルフ君。日々、技術は進化しているからね…」

 

「なんかもっと正義感ありそうなサーヴァントいなかったのかい!?」

 

 

 

 

 だって、聖杯美味しそうに食べるから…。

 と、なんやかんやあってアキレウスに連れてきてもらった客人が到着した。

 

 

 

「おーい、マスター。連れてきたぞ」

「おい、そこのカルデアのマスター! うちのヘラクレスは無事なんだろうな!」

「我が夫の頼みですから。当然、回復させましたが――――何か文句でも?」

 

 

 

 答えるのは、治療してくれたモルガン陛下である。

 なんだろう、この人万能すぎでは? 以前はレイシフトまで魔術で再現したらしいし。

 

 

 

「うお……メディアよりやばそうな女………え、何お前、アレが嫁なのか?」

「結婚した覚えはないんだけど……」

 

 

 

いつの間にか夫にされていたし、いつの間にか恋人ができていたし、妖精の恋愛観は割とぶっ飛んでる。いつの間にか弟子になってたり、師匠が沢山生えてきたのとかは可愛いものだったのである。

 

 

 

 

 

「本格的にメディアよりヤバいな。アレはまあ色々あってアレだったが」

「カルデアにもいるよ、大人のメディアさん」

 

 

 

「―――は? こんなところにいられるか! 悪いが俺は帰らせてもらうぞ!」

「へぇ。じゃあ私の実験台になってもらってもいいかしら?」

 

 

 

 スッと音もなく現れたメディアに、イアソンは静かに背を向けて藤丸に並び立った。

 

 

 

 

「何していやがる、野郎ども! さっさとオリュンポスを攻略しに行くぞ! あ、あとついでに下にいるはずのメディアたちも拾っていこう。な!」

 

「イアソン……」

 

「はぁ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな時である。

 海面に近づいたキャメロットに近づくサーヴァントがあった。

 

 

 

『サーヴァント反応、急速接近! これは――――』

 

「な、なんだね!? どこのサーヴァントだね!?」

 

 

 

「狼狽える必要はありません。ロンゴミニアド、12門斉射」

 

 

 

 

 

 膨大な光の柱が突き立つ。

 その過剰なまでの攻撃力はしかし、海神ポセイドンの加護に守られたカイニスには一切効果がない――――はずだった。

 

 

 

 

 つい今しがた、ポセイドンが撃破されていなければ。

 

 

 

 あまりにもあまりなスピードでポセイドンが撃破されていたせいで―――まだ完全に加護が消え切っていなかったため即死はしなかったが、カイニスが吹き飛ぶ。

 

 

 

 

 

 

「……ふむ」

「な、なんだね。やったのかね!?」

 

 

 

「どうやら死にかけのようですね。てっきり何か策があるのかと思いましたが―――」

 

 

 

 

 

「いや、これは――――令呪の反応だ! 空間転移――――!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






誤字報告いつもありがとうございます。
速度に極振りしているせいで正確性が……。

 
 
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