今年はもう投稿しないと言いましたが……やめました。
感想をッ! 一杯くれましたねェェェェッ!
喰らえィ、絶対魔獣戦線バビロニア!
(訳:投稿が遅れたにも関わらず沢山の温かな感想をありがとうございます。よく考えたら2ヶ月ぶりの2連休があり、頂いた感想のお陰でやる気がみなぎっていたので投稿させていただきました。ありがとうございます)
「―――――馬鹿な。一体何が起こっている」
緑の髪、白い衣。新たな人の仔を名乗るキングゥは、人理焼却を阻止するべく派遣されるカルデアのマスターを抹殺するため、おそらくはウルクの結界に弾かれたのだろう反応から、大凡の場所の目安をつけて移動し―――――それを見た。
骸があった。
神代の民、ウルクの民、英雄王の叡智、召喚された英霊たち。全てを結集してなお勝利しきることのできぬ圧倒的なまでの
それが、無造作に屍の山を晒している。
ニップル市が陥落するまで、あと一月――――
それを辛うじて支えていたのがウルクの、シュメルの民であり、ギルガメッシュ王の知慧であり、召喚された英霊たちであった。
―――――だが、なんだ。この有様は。
なるほど英霊であれば戦局を覆すこともあるだろう。
僅か100の手勢で万の軍勢を押し止めることさえ叶うかもしれない。
けれど、それはあくまで人間同士の話だ。
魔獣の強さは人間など優に飛び越える。物量で、性能で、継戦能力で、全てにおいて魔獣が人間に優越している。
例え万の戦士を集めたとて、大地を埋め尽くす魔獣を殺し尽くせるか? 不可能だ。
だがその常識を、如何なる手段かによってカルデアは覆した。
「――――何を。一体何をした、カルデア…!」
―――――――――――――――――――――――――
大地を埋め尽くすほどの魔獣――――。
巨大な城壁と、そこで決死の防衛戦を続ける
そこに踏み込むのは、一人の巨漢だ。
鍛え抜かれた肉体、圧倒的なまでの魔獣の数にも動じることのない精神。紛れもない英雄。
「先程の魔獣ですが、数が異常です! 目視できる範囲でも数千頭……!」
『いや、それだけじゃない。北部にはその数十倍の魔力反応がある。
――――信じられない。なんて事だ。こんなの、人類が生き残っているはずがない! 先程の魔獣の戦闘力は自立型の小型戦車に相当した! それが1万頭だ! あんな城壁1つで防げるものか!』
実際、驚異的なことにそれをウルクの人々は防いでいる。
だがそれが大きな負担であることはやってきたばかり、遠目に見ただけでも明らかだ。
「……行けるよね」
「―――――おう、任せときな!」
それは、棍棒と弩を携えただけの男。
なるほどその姿たるや見るものが見れば、否。どんな人間であろうと、あるいは女神であって唸らざるを得ないほどの偉丈夫。――――だが、それだけだ。そのはずだった。
如何な戦士であろうと、軍勢であろうと殺し尽くすことは叶わぬ魔獣の群れ。―――――だが、此処に例外が存在する。魔獣の海とでもいうべき軍勢に向かって歩を進めながらも、その歩みに一切の淀みはない。
「我が宿命、月女神に
その宝具こそは月女神の愛、一人の力を軍勢のそれにまで押し上げるほどの重いそれは、常人であればパーンと弾け飛ぶほどの強烈な加護。
そして、もう一つの宝具こそは彼の象徴。
「―――――
あらゆる魔獣を、彼の手の届くものに貶める。
彼こそが最高の狩人である証。魔性・魔獣の防御を無効化する効果があり、冠位として喚ばれれば無限に増殖する魔獣相手にさえ対応し、射程内であれば殺し続けるというその宝具――――その射程距離はかの二国の争いを収めた偉大なる弓使い、アーラシュの全身全霊の一矢、2500km届くステラさえも超える。
一つ一つが流星とでも言うべき凄まじい矢が、それこそ豪雨の如く降り注ぐ。
「そらそらっ! ……めっちゃ多いな!?」
目にも留まらぬ速さで放たれる矢は、防御を無効化された魔獣たちを消しゴムで落書きを消していくように消滅させていくが―――――あまりにも数が多すぎる。如何に宝具の効果で当たれば必殺、どこに撃っても当たるというあんまりな殺戮が可能とはいえ、それをやるのは超人オリオン自身なわけで。
端的に言うと、殺し尽くせるけどめっちゃ辛い。
「うおおおおおおっ、マスター! ごめんやばいこれ腕の筋肉が死ぬぅ!」
「くっ、さすがのオリオンでも無理なのか………これが成功すればウルクの女の子たちにモテモテだろうに…っ」
「―――――え、なんだって?」
「滅びに抗う都市……颯爽と現れる一人の狩人……魔獣を狩り尽くした英雄……カッコよくないの?」
「―――――くっそ、カッコいいよなぁ! うおおおおぉぉ、待ってろウルクの女の子たち!」
――――――ウルクのかわいい女の子のため、魔獣は日が暮れる前に掃討された。
ただ、流石に一人ではきつすぎたのでバフも使ったのだが。
「よし、やれBB!」
「ターイムストーップ!」
「うおおおメッチャ動けるううううう!?」
―――――――――――――――――――――――――
「―――――ククク、ハハハ、フハハハハ! 阿呆か貴様らは! よもや、あの魔獣どもを一時的にとはいえ全滅させるとは! 我の仕事が減り、久方ぶりの快眠を取れた事褒めてやろう! だがその理由が……カッコいいところを見せてモテたかっただと! あまりに愉快故手打ちするところであったが―――――シドゥリ!」
「はい、王よ。こちらに」
「そこな男たちの英雄譚をウルクに流せ。女を宛がうことはせぬが、モテる分には止めはせん。そしてウルクを挙げての宴を催す――――酒蔵の鍵を開けよ! 士気高揚のためだ、ケチるなよシドゥリ!」
「畏まりました」
「うっひょー! やったぁ! ウルク美女たちにモテモテぇ! マスターも行こうぜぇ!」
「え、俺も?」
「先輩!? 待って下さい、オリオンさん!」
『え、ちょっと待って藤丸君!? 司令室にサーヴァントが乗り込んで――――』
『この霊基の私は嫉妬深いと言ったわよね、マスター』
『安珍様……どこへ行かれるのですか…?』
『ウルク……お酒……くっ、ギルガメッシュ』
『マスターは悪い人だわ……』
『エヘヘヘ………ゴッホも、混ぜていただきたいなぁ……なんて』
そうして、鳴り物入りどころかギルガメッシュ王公認でウルクに乗り込んだ救世主オリオンと、カルデア御一行は。夜を徹しての大宴会を楽しむことになるのだが――――。
「ねえ、マスター。素敵なアルブレヒト――――なんで貴方まで混じっているのかしら?」
※アルブレヒト:村娘ジゼルと結婚の約束をしていたが、実は公爵だったので婚約者がおり、ジゼルは気がふれて死んでしまうバレエの演目。この場合酷い男、愛しい男の意。
ウルクの酒場の中でも一際異彩を放っているのは、白銀の具足を纏い、何故か下半身がほぼ露出した幼気な少女を膝の上に乗せている黒髪の青年である。
「いやほら、だって宴会だし……お祝いだし……」
「モテたいんですって? いいわ、なら私が快楽のアルターエゴとして、真の快楽というものを教えてあげる。覚悟はいいかしら?」
それってつまり溶かしてドロドロにして踏みにじることなのでは。
冷や汗を流してメルトから目をそらす藤丸だが、その先にはさらなる問題児がいた。
「きゃー、こわーい。メルトったらまだそんな事言ってるんですかぁ? 私が言うのもなんですけど、どこから来るんですか、その自信。……
「で。――――これよ。なんでBBまで一緒に付いてきているのよ!? しかも水着で! 母親同伴で旅行とかいくら私でも嬉しくないんですけど!?」
「いや、だって戦力として必要だし……」
「私の身体だけが目当てってことですね、さすがセンパイ。鬼畜です」
「誰もそんなこと言っていないわよ! あの顔が邪神像みたいにユルい狩人は置いておいて、あの子は……まあいいとして! BBと、そのカズラをチョロいニートにしたみたいな新顔まで連れてこなくてもいいでしょう!?」
「別に私はチョロくなんてないですけど!? あと新顔じゃないですー。割と前からいましたー。キングプロテアの次くらいには来てますー……って誰がニートですか!」
膝の上にメルトリリス、隣に水着のBB、背後にカーマ。
全く同じ顔3人に囲まれる藤丸立香は、完全にやべー奴としてウルクの民から遠巻きに見られているのであった。
「きゃー、オリオンさん素敵!」
「すごい筋肉……今まで見たどんな狩人より素敵」
「ねぇ、また私達を守ってくれる…?」
「うははははぁ! もちろん任せたまぇ! で、お酌頼んでもいーい!?」
藤丸は楽しそうなオリオンに助けを求める目線を送り。
それに気づいてにっこり微笑んだメルトの笑顔は、笑顔は本来攻撃的なんだよという割と有名な話を思い出せてくれた。
「へぇ……羨ましいのかしら? なら、私の
「ほぉらセンパイ、どうぞ一杯。ぐい~っと! 豚になぁ~れ!」
「はぁ………で。一応わたし愛の女神なんですけど、何かしてほしいこととかあったら言っても構わないんですよ、マスターさん? お酌だって全然いけますし」
(あれ、俺これ死ぬのでは…?)
もし手を出そうものなら微妙な均衡を保っていたカルデアが爆発する。そして健全な青少年にこのサーヴァントたちは
魔獣より自分のサーヴァントが怖い。
そんなウルクの夜だった。
――――――――――――――――――――――
「敵襲! 敵襲! 南門より、ケツァル・コアトルを名乗る女神が襲撃を!」
「残念デース! 貴方には高さが足りまセーン!」
一人、二人、三人、次々と歴戦のウルク兵がお手玉をするかのように放り投げられていき、押し留めようと槍衾を作る軍団さえも軽々と吹き飛ばされる。
主神クラス――――圧倒的なまでのその力に対抗できるのは。
「―――――おっと、そこまでにしてもらおうか!」
「ワァォ、その筋肉! 只者ではありませんネ! いいでしょう、なら――――」
剛力無双の狩人が、何故獣にしか勝てないことがあるだろうか。
鍛え抜かれた天性の肉体は、かつて伝説においてもライオンを殴り殺した。故に、月女神の加護を一身に受けたオリオンが、ルチャの女神に対抗できない道理はない――――!
『――――――ねぇ、ダーリン。昨日の夜、何してたのかな? かなー?』
「……あ゛ッ! ごめんマスター浮気がバレたので撤退しまーす! ……え、駄目? ア、アルテミスさぁぁぁん!? う゛っ」
「オゥ……見事な絞め技デース」
アルテミスに絞め落とされたオリオンを、ケツァル・コアトルは何とも言えない顔でスルーした。
ティアマト保有ビーストスキル
・ネガ・ジェネシス:正しい人類史から生まれたサーヴァントの宝具に強い耐性を獲得する
調べたところによると
ステラのレンジ:1~99 (2500km)
オリオン・オルコス:100
らしいですね。出典までは見てないんですが。
まあオリオンの矢が2500km届くという意味では無さそうな気もしますが、少なくとも宇宙ステーションがある400kmくらいは届きそうなので、軽くゴルゴーンまでは射程内でしょう。
ちなみに、我がカルデアにオリオンはいません。……いません。
あ、超人のほうの
追記
超人オリオンのレンジ内のあらゆる魔獣を殺し続ける能力はグランド限定でした。ご指摘を頂き、修正させていただきました。