卯ノ花さんの光源氏計画   作:木野兎刃(元:万屋よっちゃん)

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ついに書いてしまった。久しぶりに書く小説がBLEACHで良いのかと思ったりもしますが、はちみつ梅さんの『親の七光り』に触発され自分も書いてみたいと思って書く事にしました。

拙い文章ですが、僕なりに書きたい事を書いていくので楽しんでもらえたら嬉しいです。


血染めの花嫁
元柳斎、閃く


中央四十六室。尸魂界において護廷十三隊が軍隊であるとするなら四十六室は内閣といった所だろう。

 

山本元柳斎は問題児集団を纏めて尸魂界を守る刃として護廷隊を組織した。組織の編成も無事に完了し、護廷隊は荒々しくも仕事をこなして何とか軌道に乗りつつあった。

 

しかし、四十六室には一つ大きな悩みがあった。

 

十一番隊隊長にして元大罪人、卯ノ花八千流の存在だ。斬り合いを好み、自分よりも強き者を求め仕事すらせず暴れ回っているモンスターだ。

 

回道を習い、落ち着きを見せたかと思えばより長く斬り合いを楽しむ為で根本的な解決には至っていない。

 

本来であれば護廷隊に加えるのも拒否したかったのだが、山本元柳斎からの強い推薦と卯ノ花本人の高い実力を支配下に置ければ自分達の安泰が待っている筈だった。

 

当初は卯ノ花八千流を支配下に置く事が目的だったが、次第に変化していき本人が落ち着きを見せればそれで良いと思ってきた四十六室の面々。

 

 

「という訳で、山本元柳斎よ。卯ノ花八千流をなんとかせよ」

 

 

「意味が分かりかねます」

 

 

「アレは自身の快楽の為にしか戦わん。それを従える事ができれば尸魂界は益々の安寧が約束される。どのような手段を使ってもかまわん、アレを落ち着かせよ」

 

 

元柳斎は辟易とする。確かに卯ノ花八千流は制御が利かず問題ばかりではあるが、戦場に出れば誰よりも戦功を上げる頼れる部下なのだ。

 

元柳斎としても多少の問題には目を瞑ってきた。仕事をせず暴れ回る卯ノ花を落ち着かせようとしたのは一度や二度ではない。

 

それをどうにかせよとは何と無茶を振ってくるのか。

 

 

「委細承知しました、必ずや卯ノ花八千流を落ち着かせ護廷の刃として仕上げてみせましょう」

 

 

こう宣言をしたは良いものの、元柳斎に名案というものは無かった。こうなったら実力を以って上から押さえつけるしか無いかと思ったが、瞬間………元柳斎に閃きが生まれる。

 

 

「あやつとて女。男を作らせれば大人しくなるだろう」

 

 

結婚させて引退したとしてもその子供が才能を受け継いでいれば良い。大切な者が出来れば誰でも落ち着きを見せるものだろうと自身の閃きに嬉しさを覚える元柳斎。

 

しかし、男所帯な護廷隊においてそういった桃色の噂どころか血みどろな話しか聞かない卯ノ花に結婚させる事が如何に難しい事か、この時の元柳斎は全く考えていなかったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「という訳で、この中から男を選べ。見合いの手筈を整えてやろう」

 

 

「何を仰ってるのか全く分からないのですが」

 

 

「お前も良い年だ、家庭を作って大人しくしたらどうだ?」

 

 

「何言ってるのですか?斬りますよ」

 

 

元柳斎は頭を抱えたくなった。これ程まで難易度が高いとは。用意した男性死神の見合い写真はどれも見目だけは悪くない筈だ。

 

 

「私を満足させられるような男でもない限り一緒になる事は到底出来ません。かと言って貴方は私の趣味じゃありませんし」

 

 

「ならどのような者なら良い?条件を述べてみよ」

 

 

「最低でも斬術に自信のある方が好ましいですね。他の隊長達ぐらいの強さは無いと話になりません」

 

 

「ふむ……………そういう事なら1人心当たりが無いでもないが…………」

 

 

今の隊長達程ではないがその才覚は決して引けを取らない人物がいた事を元柳斎は思い出していた。

 

「その者の名は…………痣城双盾」

 

 

「痣城といえば斬術と鬼道で貴族になったという者達でしたか。一度見た事がありますが、あそこの当主は戦士の顔では無く、ただの商人でした。私が鍔を鳴らしただけで震え上がる程の体たらくでしたよ」

 

 

痣城家、斬術と鬼道に優れた家系で武力のみでのし上がった成り上がり貴族だ。当然卯ノ花もこの痣城家の事は知っていたし期待をしていた。

 

力のみでのし上がった痣城ならば自身を満足させられるかもしれないと。しかし、結果は酷いものだった。

 

ちょっとした冗談程度のつもりで解放した霊圧に腰を抜かし、鍔を鳴らすだけで震え上がる程度だったのだ。聞けば現痣城の当主は始解すらまともに行えない雑魚とのこと。

 

将来性すら感じさせない雑魚に構うほど卯ノ花は優しく無かった。

 

 

「当主では無い、その弟じゃ。病弱故当主にはなれなかったが、その才覚は一族始まって以来とも噂されておる。一度ワシが手解きをしてやったがその才は光るものがあった」

 

 

「なる…………ほど…………」

 

 

護廷隊を組織し始め山本元柳斎という男が他人の実力を褒めるという事を滅多にしないのを卯ノ花は理解していた。

 

だからこそ驚いたのだ。卯ノ花自身が痣城家に押し掛けた際はそのような霊圧微塵も感じなかった。それなのに元柳斎が認める程の才覚をもった男がいた事に驚いたのだ。

 

 

「わかりました、一度会って話をするとしましょう。ただし、私がその双盾とかいう男と結婚するかは別の話です。構いませんね?」

 

 

「うむ、手筈は整えておく」

 

 

では、と元柳斎に別れを告げ瞬歩でその場から消える卯ノ花。その去り際の表情はそれなりの長い間戦場を共にしてきた元柳斎が見たことの無いような笑顔だった。




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