はちみつ梅さんからは出しても良いよと許可をいただいています。
「親の七光り」「BLEACHの世界でウサギに転生したお話」に関してのネタバレ要素も含むので、読んでいない場合は是非読んでください。ドチャクソ面白いです。
任務如月姫乃にとって今回の任務は簡単な任務の筈だった。
更木で虚複数発生している虚の討伐と原因の調査、三席に昇進したばかりの姫乃にとって最初の任務だった。
小隊を伴っての任務で姫乃の指揮能力の試験でもあった。発生していた虚は報告よりも多かったが、手早く討伐することが出来た。
監督官として来ていた雀部も残りの調査は姫乃に任しても問題は無いと双護を連れその場を離れた。
これといった原因も見つからず、瀞霊廷に帰ろうと支度を始めた時、何処からか任務時とは比べ物にならない程大量の虚が現れた。
「陣形を乱すな‼︎1匹ずつ確実に対処していけ‼︎」
「しかし、如月三席‼︎数が多過ぎます‼︎」
「喋る隙があるなら手を動かせ‼︎」
任務での消耗もあり、突如発生した虚の対応で状況は推されていた。
既に複数の隊士は戦闘に参加できない負傷を負っている。
「如月三席、たすけ…………………」
「◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️‼︎」
「〈破道の四 白雷〉」
負傷した隊士を鷲掴みにし、大口を開けている虚に向かって鬼道を放つが、その虚が咆哮をあげると別の虚がそれを庇った。
そして虚はそのまま掴んだ隊士を口へと運ぶ。隊士の断末魔は戦場に響く事なく、虚の唸り声に掻き消される。
虚は1人、また1人と隊士を口へと運んでいく。助けだそうと攻撃を仕掛けるが咆哮する度に周囲にいる別の虚が庇う。
統率し、群れを成す虚自体は珍しくない。規模の大小はあれどよくある話だ。しかし、これ程の規模を率いるというのは前例が無かった。
「あれが統率者……………あの変化はなんだ?」
死神を食す度に姿を少しずつ変えていく虚。巨大虚としては小柄な方であるが巨木のような両腕、背中からは斬魄刀を思わせるような刀状の棘が無数に生えている。何の変哲もない能面のようだった仮面もいつのまにか般若の面のようになっていた。
群れを成す虚の対処は統率者を発見し、迅速に討伐するというのが定石である。
「総員、聞け‼︎これより戦線からの離脱を測る。私が隙を作るから動ける者は負傷者を抱え戦線を離脱しろ」
「三席‼︎我々はまだ戦えます‼︎それに雀部副隊長もいらっしゃる筈です‼︎まだ立て直しは出来ます‼︎」
「副隊長は双護殿の避難を優先するだろう、そうなると合流は遅れる。それを待っていては被害は増すばかりだ。議論の余地は無い、上官命令だ。拒否する事は許さん」
護廷隊士は瀞霊廷における軍隊である。上官からの命令は絶対なのだ。若いながらも精鋭揃いの一番隊の三席を任せられる姫乃の指示を拒否する事はこの場にいる隊士には許されないのだ。
「〈破道の八十八
鬼道は番号は後半に行けば行くほど高い効力を発揮する。破道となれば威力に直結する。高位の破道を統率者の虚に向けて放つ。
虚は咆哮し周囲の虚を盾としようとしたが、詠唱破棄したとはいえ一番隊三席が放った八十番代後半の破道だ。有象無象の虚如きでは壁にすらならない。
姫乃の飛竜撃賊震天雷砲が直撃し、統率者の虚の周囲は白煙に包まれ、周囲の虚は動きを止めた。それを確認した隊士達は一斉に動き出し、戦線からの撤退をした。
白煙が晴れると半身が吹き飛んでいる統率者の虚がいた。しかし、吹き飛ばされた筈の半身を補うようにして周囲の虚が取り込まれていく。
再生するに伴い巨腕は右腕が刃こぼれした刀のような形状、左腕が斧のような形状に変化した。
「周囲の虚を使って再生………………いや変化した。まさか大虚?いや、再生前はあれほどの霊圧は……………⁉︎」
しかし、今姫乃は囲まれている。動きを止めている獲物は格好の的になってしまう。
再生と変化が完了した事で周囲の虚が一斉に攻撃を再開したのだ。姫乃は瞬歩の要領で空中へ飛び上がる。
「数が多い…………先ずはまとめて吹き飛ばす‼︎ 千手の涯、届かざる闇の御手、映らざる天の射手、光を落とす道 火種を煽る風 集いて惑うな我が指を見よ 光弾・八身・九条・天経・疾宝・大輪・灰色の砲塔 弓引く彼方 皎皎として消ゆ〈破道の九十一
無数に形成された三角状の光弾が群がる虚を殲滅すべく発射される。
高位の破道は威力が高い分、範囲が広い。高威力の鬼道を扱うには周囲の被害を考えて使わなければならない。隊士が固まっている状況では高位の鬼道を扱うのは難しい。しかし、姫乃1人となった今は存分に発動出来る。
「◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️‼︎」
統率者の虚が雄叫びを上げると、口元に赤色の霊圧が収束されていく。
死神の鬼道のような綿密なコントロールがなされたものではない単純な破壊の光線。
「虚閃⁉︎くっ、〈縛道の八十一
空中にいる今の姫乃は格好の的である。その隙を逃さず、統率者の虚は虚閃を放ったのだ。虚の中でも上位の存在、大虚が放てる技を。
着地を狙って攻撃して来た通常の虚を斬り捨て無事に着地をする。
「死神を喰らった事で霊圧が変質している………いや、元からなのか。隊士を喰らう前よりは変わっているがそれほどじゃない。落ち着いて見てみれば無茶苦茶混濁した霊圧してるな」
姫乃は特殊な斬魄刀であり、斬術による白兵戦はさほど得意ではない。しかし霊力の綿密なコントロールを要求される鬼道が得意という事は霊質解析も得意という事。
並外れた解析能力と霊力操作。この2点で如月姫乃は一番隊の三席へとのし上がった。
「隊士の霊圧、その他にも……………これは⁉︎」
姫乃は統率者の虚の霊質解析を始めて気付いた。この虚の中には虚とは別の化け物がいると。
血に飢えた獣、殺意に満ちた悪鬼羅刹。並の隊長格とは比較にならない程威圧的な霊圧を感じたのだ。
統率者の虚の霊圧は喰らった魂魄が混濁し過ぎてなのか安定していない。
「時間をかけ過ぎて霊圧が安定したら……………これはやるしかないかな」
周囲に群がる普通の虚を斬り捨てながらも冷静に解析をしている。統率者の虚も自身の霊圧が安定しない事を自覚しているのか自ら積極的に攻撃しようとはしない。
背中に生やした斬魄刀のような棘を僅かに震わせている。そうする事で周囲の虚が動き出している。咆哮による指示とは別の指示方なのか、それとも咆哮はフェイクなのか。
何はともあれ、周囲の虚の攻撃を辞めさせるには統率者の虚に攻撃を仕掛け、指示させないように立ち回るしかない。
「謀れ
なんの変哲もない斬魄刀は銀色の弓と鎖の付いた矢に変化した。瞬間、周囲の虚達が若干ではあるが反応を見せる。
かつて瀞霊廷を襲撃した
護廷十三隊結成当時に死神と抗争を起こして滅ぼされているが、それまでに数多くの虚がその存在を消滅させられている。
その本能の片隅に残った何かを感じたのか、それとも姫乃の斬魄刀の異質さを悟っての反応なのか。
「◼️◼️◼️◼️◼️◼️‼︎」
「〈破道の十一
姫乃は弓を引くような動作で統率者の虚に狙いを定めると矢を放つ。狙い通り姫乃の攻撃は統率者の虚に当たり、突き刺さる。痛みなのか咆哮を上げながら、なんとかして矢を引き抜こうとするが、矢に付いている返しが引き抜けないよう食い込んでいる。
そして、隙は逃さないとばかりに物体に雷撃を沿わせる鬼道を叩き込む。
「◼️◼️◼️◼️◼️◼️‼︎」
「くっ、この馬鹿力が‼︎」
統率者の虚は引き抜くのを諦め、鎖を使い姫乃を引き寄せた。
見るからに白兵戦向きな大虚相当な統率者の虚相手に姫乃は舌打ちをする、また自身の手札をきらねばならぬのかと。
「砕け 天魔」
姫乃がそう呟くと刺さっていた矢は斧、弓はハンマーへと変化した。
統率者の虚は姫乃の斬魄刀が変化した事はお構い無しに左腕の斧を姫乃に向かって振り下ろす。
虚の間合いに入る直前に、瞬歩で間合いを詰める。そしてそのままハンマーを虚の顎に向け振り上げる。
「得意じゃないってだけで近接も出来るんだよ‼︎」
「◼️◼️◼️‼︎」
顎をかちあげられた事で耐性を完全に崩す統率者の虚。姫乃は統率者の虚の身体を足場に頭上へと飛び上がる。
「天面砕きぃ‼︎」
斧とハンマーは鎖で繋がっており、斧の方は未だに虚の体に突き刺さっている。鎖を引き寄せながらハンマーに綴雷電を流し、仮面に向かってハンマーを振り下ろす。
姫乃渾身の一撃は般若の面にも似た仮面を砕き割った。姫乃はそれを見て勝ちを確信した。虚の弱点は仮面であるとされ、若手隊士には積極的に仮面を狙うように教育するのが常である。
「◼️◼️◼️…………………‼︎」
先程までの肌を指すような圧力など微塵も感じられない咆哮。姫乃は雀部の到着する前に統率者の虚を討伐出来たと確信し、始解を解除する。
「ッ!?しまっ…………カハッ‼︎」
突如、背後から腹部にかけて虚の尾が貫通していた。
周囲にいる虚を警戒していないわけではなかった。統率者の虚という変異体にばかり気を取られていた事が災いしたのか、周囲の虚の中に特殊な能力を持つものがいる可能性を考えていなかった。
隠密性に優れた虚の死角からの一撃、勝ったと油断していなければ対応出来ていた可能性もある。姫乃は己の未熟さを呪う。
仮面を砕かれた虚は再生はしているが、そのスピードは飛竜撃賊震天雷砲で半身を吹き飛ばした時に比べればかなりゆっくりであった。
「くっ…………そぉぉぉぉぉ‼︎」
背後から尾による攻撃をしてきた虚を振り向きざまに斬り捨てる。
覚えたばかりの回道で止血を試みるが、いくら霊力の綿密な操作が得意な姫乃といえど戦闘中の応急処置も時間がかかってしまう。
「毒は効いてる…………い、今のうちに………」
姫乃が最初に放った鬼毒丸は毒によって相手の能力を謀るというもの。死神や周囲の虚と言った魂魄を乱雑に喰らっていた事で死神と虚両方の因子を獲得していた統率者の虚に死神の因子が毒となるように仕向けたのだ。
滅却師にとって虚の因子が毒であるように死神の因子が統率者の虚にとって自身を蝕む毒となるように仕向けた。
「くそ、血を流し過ぎてる……………」
不意の一撃で致命傷に近いダメージを負った姫乃。本来であればまともに動ける身体ではなく、四番隊の隊士による専門的な治療が必要なレベルのダメージだ。
再生を終えた統率者の虚が血を流し、今にも倒れそうな姫乃を見つめていた。自分を殺し得る攻撃を二度も放っている。その姫乃と戦えているのが嬉しいのか、今にも倒れそうな姫乃相手に勝ち誇っているのか笑みに似た表情を浮かべていた。
トドメを刺そうと刀のような右腕を振り上げ、ゆっくりと姫野に近づく統率者の虚。
「勝ち誇ったかのような笑みだな……………だが、この勝負私の勝ちだ」
「◼️◼️◼️◼️◼️◼️‼︎」
突如、轟く雷鳴。次の瞬間、統率者の虚や周囲の虚を狙ったかのように雷が落ちる。
一体、また一体と雷が降り注ぎ虚達を薙ぎ倒していった。
そして、姫乃の側に降り立つ二つの影。
「よくぞ、私が来るまで持ち堪えた。如月三席、応急処置の次いでで構わん。双護の事を頼む」
「全く……………この弟子馬鹿は。双護殿、こちらへ」
雀部が到着した事で姫乃は止血をしながら双護を抱き寄せ、結界を張る余裕が生まれた。
霊圧の影響を和らげる結界、衝撃を和らげる結界、熱を遮断する結界と三種類の結界を立て続けに張った。
「三重の結界をこんな簡単に…………」
「止血しながらでなければ瞬きする間にやってみせるのですが……………双護殿ならすぐに出来る様になります」
現在の双護が苦手としている複雑な霊力の操作をハイレベルで披露した姫乃に尊敬の眼差しを向ける双護。
「ウォッホン‼︎双護よ、お前には師匠として死神に必要な技術、心構えを教えて来た。今日はこれから死神の戦闘における切り札というものを見せてやろう、お前の師匠としてな」
そんな双護を見てなのか、わざとらしく咳き込み注意をひく雀部。自分こそが双護の師匠であると姫乃にアピールするかのように師匠と言う度に姫乃の方を見る。
入隊してから威厳と実力、人格を兼ね備え近づき難いと感じていた副隊長が露骨なアピールをしてくる普通の人だと知った姫乃。
姫乃としてはここまでイメージが急変すると笑うしか無かった。
「2人とも、そこで見ておけ。これが卍解だ」
姫乃ちゃんが使った斬魄刀の詳しい能力についてははちみつ梅さんの作品をご覧ください。鬼毒丸は重要な場面での登場ですので。
天魔という斧とハンマーのやつは僕が考えたやつですのではちみつ梅さんの作品に登場しません。マイティ・ソー見たらやっぱハンマーとか斧を武器として使うのってええなって。
姫乃ちゃんが思ってた5倍くらい活躍してくれたので今回は筆が進みました。
師匠アピールする英国紳士風男性可愛くね?可愛いよね。
次回、雀部さんが卍解で大暴れします。
双護くんヒロインダービー!!!!※双護くんと絡ませるのが明らかに難しいキャラはヒロインとしての採用が難しくなりますのでそこはご了承ください。
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涅ネム (マユリ印ヒロイン)
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虎徹勇音 (長身系真面目臆病風妹)
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砕蜂 (一途な真面目ちゃん)
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雛森桃 (正統派美少女)
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四楓院夜一 (褐色お姉さん)
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その為 (活動報告にお願いします)