卯ノ花さんの光源氏計画   作:木野兎刃(元:万屋よっちゃん)

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まだ戦闘はしない。

一番好きな隊長は京楽さんと卯ノ花さん。

好きな副隊長は勇音と七緒ちゃんです。




卯ノ花、震える

卯ノ花は痣城の屋敷にいた。やたら距離を取る痣城の者や使用人達だが、卯ノ花とて斬る相手は選ぶ。

 

未だ満足の相手は見つけておらず、暴れ回っている毎日ではあるが、まともに剣を振れぬ者を斬るほど狂ってはいない。

 

 

「こ、ここが双盾の部屋だ。この穀潰しを貰ってくれるとは万々歳だよ」

 

 

「貴方の弟君では無いのですか」

 

 

痣城家の当主に案内されるが当主は双盾をよく思っていなかった。痣城始まって以来の天才で人格にも優れていた。

 

病弱でなかったら当主に、と望む声が未だに出ているのだ。才覚があり、人望がある双盾は当主にとって弟ではなく、自分の地位を脅かす存在でしかなかった。

 

卯ノ花との見合いが無ければ病気に託けて暗殺か罪を被せて処刑していただろう。

 

 

「い、いくら弟と結婚しようが貴様が痣城の恩恵を受ける事は無いぞ」

 

 

「落ちぶれていく貴族の恩恵なぞ邪魔でしかありません。さっさと通しなさい」

 

 

当主としてこの見合いはチャンスだった。結婚に託けて双盾を痣城から追放する事が出来るのだ。しかし、目の前の卯ノ花に双盾を使って痣城を揺すろうとしても無駄と言ったが、護廷隊の隊長として地位を持っており、戦闘が出来れば良い卯ノ花にとって貴族の地位は全く興味は無かった。

 

 

「ふ、ふん!!後悔しても遅いからな!!おい、双盾!!お前に客だぞ、寝てないで部屋に通せ穀潰し!!」

 

 

「あぁ………もうそんな時間か。兄さん、ありがとう。卯ノ花さんですよね、お入りください」

 

 

部屋の奥から聞こえてきたのは優しくか細い、しかしながら強い意志を感じさせる声が聞こえてきた。

 

襖を開け入ると布団が一枚敷かれただけの殺風景な部屋となっていた。その布団から体を起こした状態で双盾はいた。

 

 

「後は2人で勝手にやっておけ!!私はこれから他の貴族と会合があるというのに時間を取らせおって!!」

 

 

「ありがとう、兄さん」

 

 

双盾の礼を聞かずに去っていく当主。

 

 

「卯ノ花さん、見合いだと言うのにこのような状態で申し訳ない。僕が病弱なばかりに整った席を用意出来なかった」

 

 

「確かに、そのような身体では日常生活を送るのもやっとと言ったところでしょう」

 

 

卯ノ花は痣城始まって以来の天才だと言うのに大した霊圧を感じなかった理由に納得した。

 

回道を習得した事で人体に関する理解を深めた卯ノ花。その知識と双盾の霊圧の揺らぎから体調をある程度把握出来たのだ。

 

 

「では、まず自己紹介をしようか。僕は痣城双盾、趣味は斬魄刀との対話かな」

 

 

「私は卯ノ花八千流、護廷隊十一番隊の隊長を務めています。貴方とは総隊長からの命令で貴方とお見合いする事になりました。正直に言って貴方には毛ほども興味がありません」

 

 

そう、卯ノ花としてはちゃんとお見合いだけはした事にして適当に終わらせようと思っていた。興味の無い結婚に興味のない人と一緒になる事、どちらも卯ノ花としては拒否したい事なのだ。

 

かといって命令を無視も出来ない、という事で形だけ終わらせて結婚しませんでしたと報告するつもりだった。

 

 

「僕としてはこのお見合いを成功させたいんだけどね」

 

 

「あの当主ですか」

 

 

病弱であるが能力と人望に優れた双盾は当主にとって地位を脅かしかねない存在。見合いが成功すれば追い出され、失敗すれば殺されるという事を双盾自身理解しているのだ。

 

 

「結婚してもしなくても僕は長くない。最期くらいは誰かと過ごしたいんだ」

 

 

「確かに貴方には才能があるのでしょう、当主と比べてですが。その才能が私の興味を引くかは別問題です」

 

 

「じゃあ、試してみようか」

 

 

双盾はそう言うと立ち上がり斬魄刀を手に取る。

 

 

「何を試すというのです」

 

 

「今日は体調が良いんです。一試合だけ手合わせしませんか?それで駄目なら諦めましょう」

 

 

「竹刀などではなく斬魄刀を手に取った意味が分かっているのですか?この私に試合を申し込んだ意味を理解しているのですか?」

 

 

卯ノ花八千流に斬魄刀を用いた試合を挑む事、それは殺し合いをしようと言うのと同義だ。竹刀ならまだ加減のしようがあるが、斬魄刀で試合をする事は殺し合いの場で生きてきた彼女にとって死合う事になるのだ。

 

その彼女の問いに対して双盾は柔らかく笑い答えた。

 

 

「貴女に認めてもらう為なら命だって賭けてみせましょう」

 

 

瞬間、双盾の霊圧が鋭く強くなった。卯ノ花は珍しく身震いした。そして身震いした事に驚いた。

 

霊圧だけで身震いしたのは山本元柳斎と戦った時以来だった。霊圧の強さ、大きさは元柳斎と比べるまでも無いが秘められた鋭さはそれに匹敵する程だ。

 

これはひょっとするとひょっとするかもしれない。自分を満たしてくれる男と出会えたかもしれないという喜びが卯ノ花を満たしていった。




実は双盾のモデルというかイメージは鬼滅の刃のお館さまに近いです。

コメント、評価、ご指摘等お待ちしてます。

双護くんヒロインダービー!!!!※双護くんと絡ませるのが明らかに難しいキャラはヒロインとしての採用が難しくなりますのでそこはご了承ください。

  • 涅ネム (マユリ印ヒロイン)
  • 虎徹勇音  (長身系真面目臆病風妹)
  • 砕蜂    (一途な真面目ちゃん)
  • 雛森桃  (正統派美少女)
  • 四楓院夜一  (褐色お姉さん)
  • その為 (活動報告にお願いします)
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