一番隊隊舎、訓練室。幼き頃より双護が通ってきた場所だ。今この場には双護と姫乃と雀部の三人がいた。
「双護よ、始解出来たことを師匠として喜ばしく思う」
そう語る雀部の口調はいつにも増して真面目な口調だった。
「ありがとうございます」
「お前に卍解を見せた時、そして今回の事件。どうやらお前はそういった異常事態に巻き込まれる星の元に産まれたらしい」
血の花嫁事件、統率者の虚との一戦、遠征実習でのトラブル…………双護の意思とは別の所で巻き込まれてしまっている双護を少し哀れに思う雀部。
陰謀が絡んだ出自ではあるが、双護は大人達の要らぬ戦いに巻き込まれつつある。
雀部も双護が一部の貴族に目をつけられている事を把握している。血の花嫁事件で貴族の薄汚なさを再確認した雀部としては可能であるなら双護を貴族と関わらせたくは無かった。
しかし、生まれ持った血筋や運命がそれを許さない。ならばその運命に争うだけの力をつけさせたいと願い己を師匠たらんとしてきた。
「卍解については以前も教えたが、始解も基本的な所は変わらん。習得がゴールでは無い。力を手に入れたなら技と心を磨かねばならん」
「はい、分かっています」
「宜しい。ならば今お前が持つ全力を私に見せてみろ‼︎お前がこれからの戦いで生き残れるか私が見定める‼︎」
斬魄刀を抜刀する2人。それを見た姫乃は訓練室全体に結界を張る。物理的な保護や霊力による衝撃を緩和する結界など数種類の結界を同時に展開する。
「流石姫乃姉さんだね。こんな質の高い結界を同時に複数展開するなんて」
「鬼道衆っていう看板を背負ってるからね。これくらいはこなさないと。それよりも集中しないと双護君、死んじゃうよ」
統率者の虚との戦いやその他の功績が認められ姫乃は新たに創設された鬼道衆の初代総帥という役職を与えられた。鬼道に優れた者を集め、瀞霊廷の更なる守護と鬼道の発展の為に作られた部隊のトップを務める事になったのだ。
「大丈夫だよ、姫乃姉さん。この結界のお陰で心置き無く戦える」
朗らかに笑っているように見えるが、その笑みは獲物を前にした獣だった。瞬間、双護の霊圧が膨れ上がり姫乃は冷や汗をかいた。
統率者の虚との戦闘で感じたものと似通っている。もし、今の双護が自分の目の前にいれば殺すつもりでいなければ自分が死ぬというプレッシャーを感じる姫乃。
「穿て、厳霊丸‼︎」
「暗闇より出で、宵闇より我が声に応えよ。月詠神楽‼︎」
雀部の斬魄刀はレイピア状に変化し、双護の斬魄刀は黒く染まり影が展開される。
双護は先程から嬉しくて堪らなかった。今の自分がどうやっても勝てない相手。全霊を尽くしても尚追いつけない高みにいる雀部と木刀では無い真剣勝負ができるからだ。
「なるほど、中々良い始解のようだ。分かっていると思うが私はお前を殺すつもりでいく。くれぐれも死ぬな、双護」
「先生こそ僕に負けて泣いても知りませんからね」
「私を泣かせようなぞ千年早いわ‼︎」
先に動き出したのは雀部だった。レイピアを帯電させ凄まじい速度で突きを放つ。
しかし、雀部の突きは姿を現したヨミが受け止めていた。
「ヨミちゃん、この前の虚なんかよりも強い人だ。油断せずにいこう」
『大丈夫、ヨミはご主人をちゃんと守るよ』
自身の斬魄刀と心を通じ合わせている双護を見て雀部は安心した。始解は自身の名を持ち主に伝えるというもの。気に入らなければ違う名をいう事もある。
双護の斬魄刀のように自立するタイプの斬魄刀であれば尚のこと心を通わせる行為が重要となる。
愛弟子の成長を目の当たりにして顔が緩みそうになるが必死で堪える雀部。
「よろしい、次からは本気で行くとしよう」
「よろしくお願いします‼︎」
こうして姫乃が見守る中、二人の戦いは幕を開けたのだった。
双護と雀部が戦いを始めた頃、時を同じくして中央四十六室。瀞霊廷の実権を握っている意思決定機関に不穏な空気が流れて居た。
「やはり、剣八の息子は瀞霊廷にとって危険になる存在だ」
「隊士でもない小僧が始解をするなど……………」
彼らは先日起きた事件の後始末について話していた。虚が現れ生徒が大怪我をしたというだけならば大した問題にはならない。しかし、双護が始解した事は彼らにとって大問題だった。
現在の隊士でも始解が出来る者はそう多くない。そんな中で剣八、卯ノ花烈の息子が始解をした。若くして開花し始めた才能はいずれ瀞霊廷にとって貴重な戦力になる。
そう考えるのが普通だが、その力が自分達に向けられる可能性を考えてしまっているのだ。
「理由など後付けで構わんから斬魄刀を没収してしまえば問題なかろう」
「元柳斎めが許すとは思えん。奴の管理下にある限り我らから直接手を下す事は出来ない」
権力を行使すれば上から元柳斎を押さえ込む事は可能ではある。しかし、五大貴族のうち志波、朽木、四楓院が元柳斎に対し好意的に協力している以上発言力もある元柳斎の管理下にあるものに迂闊に手を出せば手痛い反撃をくらうことになる。
元柳斎に反発する大義名分を与える訳にいかない四十六室の面々は頭を捻った。
暫しの間沈黙が流れるが、その中の1人が口を開いた。
「綱彌代の分家の小僧が何かを企んでおるようだ、少々力を貸すとしよう。ワシに考えがある」
「なるほど、聞かせてみろ」
尸魂界における最高の賢人達は暗躍する時灘に手を貸す事を決めたのだった。
京楽さんに関しては京楽さんが上手いこと自分の始解を隠した事で目をつけられずにいます。双護の始解に関して何とかしようとてをつくしましたが、隠しようが無かったのと、時灘が手を打って居た事もあり隠せませんでした。京楽さんゲキ怒カウンターが一つ溜まりました。
書いてて思ったけど四十六室クソ過ぎひん?やべぇわ。
双護くんヒロインダービー!!!!※双護くんと絡ませるのが明らかに難しいキャラはヒロインとしての採用が難しくなりますのでそこはご了承ください。
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涅ネム (マユリ印ヒロイン)
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虎徹勇音 (長身系真面目臆病風妹)
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砕蜂 (一途な真面目ちゃん)
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雛森桃 (正統派美少女)
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四楓院夜一 (褐色お姉さん)
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その為 (活動報告にお願いします)