五大貴族が一同に会する行事があり、霊術院が休校となった日。双護は北流魂街80地区「更木」にきていた。
同級生である高澤に呼び出されたからだ。男女が出掛けるにはあまりにも殺風景で危険な場所。万が一の事を考え、月詠神楽の携帯許可を得た双護。
「あぁ、卯ノ花君。良くきてくれたね、ありがとう」
「たか…………さわ…………さん?」
待っていたのは同級生の高澤だった。しかし、その変貌ぶりに双護は動揺した。
色が抜け落ちたかのような白髪、痩せこけ皺だらけになった肌。魄動は著しく弱くなっている筈なのに霊圧は異様なまで高まっている。
そして、高澤の右手にはボロボロに刃毀れした斬魄刀が握られていた。
「ごめんね、卯ノ花君。お願いだから………私を殺して」
そう言うと高澤は双護にまっすぐ突っ込んでくる。最初の一振りを避け、月詠神楽を抜刀する双護。
「暗闇より出で、宵闇より我が声に応えよ。月詠神楽‼︎」
刀身が黒く染まり影が展開される。高澤の攻撃をヨミが受け止めて双護が反撃する。しかし、双護の反撃を難なく躱す高沢。
「どういう事か説明してくれるかな…………時灘」
「おぉ、私がいる事に気付くとは流石は卯ノ花だ」
高澤以外の霊圧を感知していた双護は近くにいた時灘に問い掛ける。目の前の高澤の身に何が起こっているのか、それを知っていると確信して問いかけた。
「それにしても説明してくれるかだなんて………随分な言い掛かりじゃないか。私は別に何もしていないさ、ただ割の良いバイトを紹介しただけだ」
「そっか、詳しい事は後でゆっくり聞く事にするよ。だから…………………逃げるんじゃねぇぞ」
普段の双護からは想像が付かないほどドスの効いた声と殺意に満ちた霊圧を受ける時灘。そして自分がやっていた事は成功していると確信した。
同期の中では飛び抜けて優秀な実力と人格を有している双護が殺意に顔を歪ませる瞬間を拝めたのだ。
時灘にとっては、ここで双護が高澤に負けようと勝とうとどうでも良い。ここからはただの余興でしか無い。
可能であるならこの場で時灘に問い詰めたい双護だが、そうもいかない。高澤が双護を攻撃するからだ。
「〈鳥獣戯画・黒羽天魔烏〉」
ヨミを巨大な烏に変化させて高澤へ突撃させる。途中で小さく分裂するヨミ。その全てを斬り落とそうとする高澤。
高澤によって弾き飛ばされた二羽の烏が瀞霊廷の方へと飛んでいった。
「わた………わ……………◼️◼️◼️◼️◼️‼︎」
人格だけは保っていた様子であったが、何かに塗り潰されたような声で叫ぶ高澤。斬魄刀は高澤を取り込むように触手が伸び高澤の腕に絡みつく。
『ご主人、あのひと………….もう半分くらい虚になってる。もう半分は………よく分からない』
「どうにか出来るとおもう?」
虚になりつつある高澤を助ける事が出来るかどうか、それをヨミに尋ねるがヨミは小さく横に振る。
「ほらほらぁ、殺すなりしないと君が危ないぞ卯ノ花‼︎そうなると親子揃っての人殺しになるがなぁ‼︎血は争えないとはこの事か‼︎」
「黙ってろ」
「何だって?聞こえないなぁ?殺人鬼の息子の声を聞くほど私の身分は低くないものでな。もっと大きい声で言ってくれないと分からないぞ‼︎」
冷静に対処しようとする双護の思考を乱すように時灘が双護を煽る。双護は自身の迷いを振り切るように時灘に一喝する。
「◼️◼️◼️◼️◼️………………………『目が覚めたら訳の分からねぇとこにいるじゃねぇか』」
「ほぉ」
時灘は高澤の変化に興味深そうにする。高澤が虚に飲み込まれかけ、声にならないような呻き声をあげるといきなり少年の声に変化したのだ。しかも、少年の声は高澤の声と重なって聞こえている。
「『ってなんだよコレ。女の身体になってるじゃねぇか………………あん?見覚えのある顔だな』」
高澤は目の前にいる双護に気がつくと少し考えるような素振りを見せる。高澤を乗っ取った人格に何やら心当たりがあるようだった。
「僕は君に全く心当たりが無いんだけどな」
「『まぁ、何でも良い。俺と遊ぼうぜ‼︎』」
斬魄刀を振り上げ攻撃する。その接近速度に驚く双護。先程までの高澤とは別次元の速さ、そして力強さだった。
「『んだよ。女の体のせいで思ったより力入らねぇじゃねぇか』」
「これは本格的に拙いな…………………」
乗り移られた高澤の膂力は現在の双護よりも上だ。膂力が高いという事は霊力、即ち霊圧が双護より高いということになる。霊圧の高さは死神の戦いにおいて最も重要な要素となる。
「ははっ、意図せずもう一つの実験も成功したのか‼︎これは本家の奴らもさぞ喜ぶだろうな‼︎」
綱彌代家が望んでいるのは元柳斎よりも強い戦力。初代剣八である烈よりも強いと烈本人に言わせた更木の少年の霊圧を宿し、雀部に卍解させた虚が残した斬魄刀に眠っている意識を復活させる事が出来たとなれば、器次第では最強を生み出せるという事になる。
本家の喜ぶ事をするのは時灘としては望む事では無いが、点数稼ぎにはなるだろうと考える時灘だった。
『ご主人‼︎こいつ凄く強い、ヨミも手伝う?』
「いや、ヨミちゃんは頼んだ事をお願い。ここは一人でなんとかする」
「『何を喋ってんだぁ‼︎もっと向かってこいよ‼︎この時を楽しもうぜェッ‼︎』」
''更木の少年''の膂力は双護よりも上だが、技量は双護が上をいっている。
(このくらいならまだ捌ける。時間を稼げば僕の勝ちだ)
「時間を稼げば援軍が来るとでも思ったか?雀部長次郎や如月姫乃が来てくれると思ったか?母親が助けてくれるとでも?残念だったな‼︎五大貴族の警護の任から離れる事は出来ない‼︎」
''更木の少年''の攻撃を捌いている双護の狙いを知っているかのように語る時灘。
「それは、分からないだろ」
「私がそこに手を回していないとでも思ったのか?おめでたいな。お前の為に動く隊士は全て瀞霊廷から出れないようにしてある‼︎」
「そう?じゃあ僕がこいつを倒すしかないね」
「あぁ、倒すが良いさ。母親と同じ人殺しになりたいのならな‼︎」
「何を言いたいんだ」
「おや?知らなかったのか?お前の母親は尸魂界史上類を見ない大罪人。護廷とは名ばかりの人殺しなんだよ」
烈が元々大罪人であった事は双護は知っていた。烈が殺すという事を誰よりも知っている事も分かっていた。
その事に驚く事はなく冷静に''更木の少年''の攻撃を捌く。
「元柳斎はその大罪人に家族を持たせる事で制御しようとした。お前はそうした打算の上で生まれた謂わば卯ノ花ハ千流を制御する為の付属品に過ぎない‼︎」
その言葉に思わず動きが止まってしまう双護。そして双護は時灘の言葉に気を取られてしまった事を後悔した。
次の瞬間、''更木の少年''の一撃により、双護の身体から鮮血が舞った。
聖人メンタルで普段は優しいイケメンオブイケメン君がクソイケボでブチギレるとゾクゾクくるよね。俺はゾクゾクする。俺の中ではcv中村悠一になってるんだけど皆さんはお好きなイケボで脳内再生してください
双護くんヒロインダービー!!!!※双護くんと絡ませるのが明らかに難しいキャラはヒロインとしての採用が難しくなりますのでそこはご了承ください。
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涅ネム (マユリ印ヒロイン)
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虎徹勇音 (長身系真面目臆病風妹)
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砕蜂 (一途な真面目ちゃん)
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雛森桃 (正統派美少女)
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四楓院夜一 (褐色お姉さん)
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その為 (活動報告にお願いします)