卯ノ花さんの光源氏計画   作:木野兎刃(元:万屋よっちゃん)

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とりあえず、これにて霊術院編は終了となります。それに伴って幕間の物語は一度消します。完結したり、ある程度目処がついたらまた載せることにします。

サブストーリーだけ纏めた作品を投稿するか、ここに掲載するから決めかねてますがまたいつか何処かでお見せします。ヒロインダービーの候補者分はサブストーリーをつくってやりたい。


卯ノ花、贖罪す

双護が目を覚ました時、病室のベッドの上だった。点滴がさされ、ベッドの脇には烈が椅子に腰を下ろしていた。

 

 

「随分と無茶をしましたね」

 

 

「母さん………………」

 

 

「霊圧を上げて無理矢理止血をするなんて。全く、誰に似たのか……………………ですが、よく帰ってきました」

 

 

「うん、ただいま」

 

 

無事に烈の元へ帰る事が出来た双護はあった事を話し始めた。高澤という同級生に呼び出され、向かうと刃毀れした斬魄刀を持った高澤に襲われた事、その場に時灘がいた事、高澤を斬った事。

 

あの時、身体を完全に乗っ取られていたとは言え、初めて人を斬った双護。それも仲良くしていた同級生をだ。

 

 

「私は隊長として、貴方が彼女を斬った事に関しては正しい事をした。それしか言いません」

 

 

仲間を盾に取られているのならその仲間ごと斬れというのが護廷隊の理念だ。傷ついたものを癒すのが目的である四番隊であってもその理念は変わらない。

 

虚に乗っ取られた死神がいるのなら殺すしかない。それが如何に仲の良かった者であっても、同じ窯の飯を食べた仲であってもだ。

 

 

「一部貴族の中では、事情が事情とはいえ殺人を犯した双護を処すべきとの意見も出ました。ですが………………友人に感謝なさい」

 

 

「そうだね…………………そう言えばさ、母さん達が結婚したのってお爺ちゃんからの命令だったのって本当なの?」

 

 

予想外の質問では無かった。双護が自分たちの馴れ初めを聞く位の事は予想出来ていた為驚きはしなかった。

 

普段であれば適当に誤魔化して有耶無耶にしていた烈だが、今回起きた事件から考えるにある程度は聞かされていると考えるのが自然だ。

 

 

「四十六室からの命令で私に見合いの段取りをさせたというのは総隊長から聞きました。今だから言えますが、総隊長の司令が無くても私は双盾さんと一緒になっていたでしょう」

 

 

これは嘘だ。元柳斎から見合いをしろと言われなければ粛清という名の下に敵を殺して回る荒んだ日々を過ごしていただろう。その果てに更木の少年と出会っていた確率の方が何倍も高い。

 

 

「貴方が何を聞いたのかは知りませんが、私と双盾さんは貴方を愛しています。この気持ちは嘘偽り無く真実のものです」

 

 

 

「うん、それは知ってる。それが聞けただけで僕は嬉しいよ。それでね、今回の事件を通して決めた事があるんだ」

 

 

「何をですか」

 

 

「僕は剣八になる。母さんよりも強い剣八になって護りたいものを護れる死神になるよ」

 

 

剣八という称号は尸魂界において最強の意味を持っている。その最強を受け継ぐと言うのだ。伊達や酔狂で名乗れるようなものではない。

 

そしてそれを語る双護の目は真剣そのものだ。

 

 

「そうですか…………………それは、楽しみですね」

 

 

双護の言葉を噛み締めるように頷く烈。子として、弟子として自分を超えると宣言する事、この事が堪らなく嬉しく、そして誇らしいのだ。

 

卯ノ花ハ千流のままであれば感じる事の無かったであろう感情。自分のやってきた事を認めて貰えたような気がして烈は嬉しかった。

 

剣八という称号は自身こそが最強であると証明する為に烈が名乗り出したのだが、その名前には殺人鬼、大罪人といった負の側面もあった。

 

当時の副隊長であった虎徹天音には押し付けるような形で二代目の隊長、即ち剣八の座を引き継がせたが天音本人がその名を名乗ろうとしないことから二代目の座は形式だけのものとなっている。

 

烈は自分が名乗る分にはなんとも思わなかったが、部下にそうした負の側面を押し付ける事を申し訳なく思っていた。

 

自身が犯した罪が無くなるわけではないが、自分を目標として目指してくれる事は烈にとってこれ以上ない喜びだった。

 

烈自身が心の底から望んだ『自分よりも強い死神と戦いたい』と言う願いが現実味を帯び始めようとしているのだ。

 

 

「ですが、剣八になるというのなら今のような生温い訓練では駄目です。退院したら訓練はもっと厳しくしますから、今はしっかりと身体を休めなさい」

 

 

ただでさえ、自身と双盾が背負うべき業を背負わしてしまっているのだ。

 

親として烈はこれから息子がこれから迫ってくるであろう悪意と戦えるよう、自分と同じ道に走らないよう導くのが烈にとっての贖罪となる。

 

 

「ははは、頑張るよ」

 

 

現状でも半分くらい死ぬ目にあっている双護。更に厳しくなるとなれば訓練の度に今回のような怪我をするのではと苦笑いしか出てこなかった。

 

そんな双護の頭を撫でると、烈は病室から出ていった。病室から出て行く烈の表情は何処か晴れやかだ。




「それにしてもお主らが卒業とはの」


「元柳斎先生のおかげです」


「お主らは3人揃えば向かう所敵なしじゃった…………本当に、色々な意味で無敵じゃったな。今思い出すと胃がっ…………‼︎」


「そこは普通に褒める所じゃないの、山じぃ」




3人が卒業する時、こんなやり取りがありました。

さて、次回から時間がズバッと飛びます。原作突入していきます!!双護君の所属隊は一体どこになるのか⁉︎

それはそれとして………………一角さんと砕蜂の卍解はなんとかならんかったのか………………

双護くんヒロインダービー!!!!※双護くんと絡ませるのが明らかに難しいキャラはヒロインとしての採用が難しくなりますのでそこはご了承ください。

  • 涅ネム (マユリ印ヒロイン)
  • 虎徹勇音  (長身系真面目臆病風妹)
  • 砕蜂    (一途な真面目ちゃん)
  • 雛森桃  (正統派美少女)
  • 四楓院夜一  (褐色お姉さん)
  • その為 (活動報告にお願いします)
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