卯ノ花さんの光源氏計画   作:木野兎刃(元:万屋よっちゃん)

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可愛い卯ノ花さんを書きたくなってきました。




双盾、語る

治療室の前にある長椅子に卯ノ花は静かに座っていた。

 

双盾は無事なのだろうか、自分の応急処置は間違っていなかったか……………そんな不安が胸に渦巻いていた。

 

 

「あの剣の鬼が男を連れてくるとはなぁ………ここ、救護詰所だけど」

 

 

「どうだったんですか!?あの人は、双盾さんは!?」

 

 

「ちょ、落ち着け。落ち着けって」

 

 

治療室から出てきた麒麟寺天示郎に掴みかかる卯ノ花。麒麟寺は自分が知っている卯ノ花との違いに戸惑いを隠せない。

 

 

「あの優男、相当弱ってたぜ。外傷が無い所を見るとお前が斬った訳じゃねえのは分かる。ただ、あそこまで弱った貴族ってのは聞いた事ねぇぞ」

 

 

麒麟寺とて護廷隊の隊長、霊圧の質や量、身なりを見ればどういう者か判別する眼力はある。

 

 

「あの人は、痣城当主の弟です」

 

 

尸魂界における怪我人、病人の治療を目的としている四番隊を利用する殆どは護廷隊の隊士なのだが、貴族も利用する事がある。

 

その為病気を患っている貴族の情報は麒麟寺の元に集まるようになっているのだ。

 

そして、双盾が痣城当主の弟と聞いて納得した。痣城は斬術と鬼道にて貴族になった珍しい成り上がり貴族。そこの有望株の噂話は聞いた事があった。

 

 

「先日、総隊長より見合いをせよと命令がありまして」

 

 

「見合い⁉︎お前が⁉︎冗談は顔だけにしとけよ‼︎」

 

 

「ぶった斬りますよ?」

 

 

「いやいや、男に興味ねぇって言ってたお前に何で見合いさせるんだよ」

 

 

「私の知った事じゃありませんよ。ただ…………初めて興味を持てた人だったので。死んで欲しくないだけです」

 

 

麒麟寺としては弟子たる卯ノ花の精神的な成長の兆しがそこはかとなく嬉しくなっていた。斬る事しか興味の無い女が人らしい表情を浮かべているのだ。

 

総隊長命令という事は護廷の上、四十六室なりの思惑があったのだろう。その思惑に踊らされているのだとしてもこの変化は師匠として嬉しかった。

 

 

「お前さんの応急処置のおかげで一命は取り留めてる。今日中に病室に移せる筈だから見舞いなら明日きな」

 

 

「側にいるのは駄目なんでしょうか?仕事の邪魔はしません。あの人が目覚めるまで側にいさせて貰えませんか?」

 

 

「わーったよ、とりあえず一旦隊舎に戻って支度してこい。一週間くらいは入院するから必要な事は済ませておけよ」

 

 

「恩に着ます」

 

 

足早に去る卯ノ花。弟子の変化は嬉しいといってもあまりの乙女っぷりは複雑な心境の麒麟寺。

 

 

「貸し一つだからなぁー‼︎」

 

 

それを聞いたのか、聞いていないのか卯ノ花は瞬歩で麒麟寺の視界から消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

双盾が目を覚ますと双盾の手を卯ノ花が握ったまま眠っていた。

 

 

「よぅ、目が覚めたかい?色男」

 

 

「貴方は……………」

 

 

「四番隊隊長、麒麟寺天示郎。そいつの師匠ってとこだな」

 

 

「そうですか、霊圧の質がこの中では卯ノ花さんと同じくらい洗練されたものだったので只者ではないと思っていましたが………」

 

 

麒麟寺は素直に感心した、この四番隊舎には二百人程の隊士がいるがその中で最も強い者を双盾が瞬時に知覚出来ていた事に。

 

 

「しかし、卯ノ花に試合申し込むたァ………お前さん怖いもの知らずだな」

 

 

「彼女にアピールするには試合するしかありませんでしたから。斬魄刀には結構止められたんですけど、男なら美人の前くらい格好つけたいものでしょ」

 

 

爽やかな笑顔で言い放つ双盾に驚きを隠せない麒麟寺。確かに卯ノ花の容姿は整っている、文句無しで美人と言えるレベルで整っている。

 

しかし、敵を斬る事にしか興味を示さない剣の鬼を前にして美人と言えるその胆力は、尸魂界中探しても中々見つかるものではないだろう。

 

 

「凄いな、お前さん。お家の事情だとしても俺ならこんなガサツな女口説くなんてごめんだぞ」

 

 

「何を仰るんですか。こんなに優しい女性はそんなにいませんよ」

 

 

卯ノ花が握っていた手を解き、卯ノ花の頭を優しく撫でる双盾。護廷隊に強者多しと言えどそんな事は山本元柳斎ですら出来ないだろう。

 

大抵の男は頭に手が届く前にこの世とおさらばしている事だろう。

 

 

「彼女と試合した時、彼女の攻撃は殺気こそ含まれていましたが、本気で殺す気は無かった。彼女程の実力なら何時でも殺せたのにそうしなかったし、僕の見栄に付き合ってくれました。本気で僕を救おうとしてくれたんです」

 

 

「そりゃまぁ、回道学んだ者としちゃあ当然の事だし卯ノ花からしたらお前らは殺す価値も無い雑魚って認識だったんじゃねーのか?」

 

 

「仮にそうだとしても、僕は彼女に惹かれてしまいました。色々な思惑が絡んだものだとしても、僕は彼女と残りの人生を添い遂げたいと思います」

 

 

先ずは好きになってもらわないと、と照れながら言う双盾。それを聞いた麒麟寺は満足そうに頷く。

 

 

「そうかい、あんたになら卯ノ花を任せられそうだ。ガサツで斬り合う事しか頭にない女だが、幸せにしてやってくれ」

 

 

「もう、お帰りですか?」

 

 

「そろそろ逃げないと俺の命が危ないんでな」

 

 

そう言い残すと麒麟寺は瞬歩で消えてしまった。すると、双盾は隣から荒々しい霊圧を感じた。

 

卯ノ花が顔を真っ赤にして霊圧を荒げていたからだ。

 

 

「す、すいません。無作法にも頭を撫でてしまって…………」

 

 

「い、いえ。それは別に構わないのですが…………今日はこれで失礼します。また明日見舞いに来ますので」

 

 

卯ノ花も麒麟寺と同様に瞬歩で消えた。

 

卯ノ花の心拍数が上がっているのは麒麟寺に対する怒りか、はたまた双盾の話を聞いてしまったからなのか。

 

卯ノ花自身もそれが分からなかった。長く生きてきた中でこのような事は初めてだったのだ。

 

男の話に心躍らされ、男に触れられ胸を高鳴らせるなど初めての事だった。

 

 

「それはそれとして麒麟寺天示郎‼︎貴方のそのご自慢のリーゼント叩き斬って差し上げましょう‼︎」

 

 

この気持ちの高鳴りは麒麟寺にぶつける事にし、一日中麒麟寺を追い回した卯ノ花だった。

 

2人の喧嘩により、山本元柳斎自慢の庭園が吹き飛び麒麟寺と卯ノ花は始末書を書かされた。




ちなみに、卯ノ花さんは双盾と麒麟寺さんが話し始めた辺りから起きてましたが、なんか気不味くて寝た振りをしていました。麒麟寺さんはそれに気付いて卯ノ花が真っ赤になってるのを見て内心楽しんでいました。

双盾さんはその辺、ラノベ主人公ばりの鈍感さで気付いていません。イケメンだからこそ許されるムーブを天然で決めるトンデモネー男です。多分護廷隊抱かれたい男ランキング、抱きたい男ランキング1000年連続一位です。


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双護くんヒロインダービー!!!!※双護くんと絡ませるのが明らかに難しいキャラはヒロインとしての採用が難しくなりますのでそこはご了承ください。

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