双護、出立す
「これより、緊急隊首会を開催する」
隊首会は定期的に開催される定例隊首会と緊急時に開催されるものと二種類ある。
今回開かれた隊首会は緊急のもである。前回の緊急隊首会が開かれたのは魂魄消失事件の時から100年以上経過する。
「十三番隊の隊士である朽木ルキアが現世の駐在任務最中に消息を経った。詳しい話を卯ノ花二番隊隊長からしてもらう」
「ではまず、隠密機動主導で技術開発局に協力してもらった結果から報告します」
現在の隠密機動の総司令を務める双護から調査の報告が入る。
死神がなんらかの理由で現世へ渡る際には追跡可能な義骸を渡しており消息が掴めなくなるという事は無い。十二番隊隊士が空座町の映像を確認したところ朽木ルキアらしき姿を発見したとのこと。
双護からの報告に驚きを見せる隊長達。
それもそのはずで、朽木ルキアは六番隊隊長である朽木白哉の妹で四大貴族朽木家の令嬢。そのルキアが護廷隊の確認できない義骸に入っている可能性があるからだ。
隊長達の頭の中には15年前に起きた志波一心の現世への出奔が過ぎる。
「また五大貴族………おっと、四大貴族だっかネ。自分達で決めた事すら守れないとはご立派なことだヨ」
「まだ僕の報告が終わってないんだけど?涅隊長」
「それはすまなかったネ、卯ノ花二番隊隊長殿。朽木ルキアが駐在していたのは重霊地たる空座町。空座町といえば同じ五大貴族の御令嬢殿が消えた場所と同じだったと思いだしてネ」
「それで?どうするつもりなんだい、山じぃ」
双護とマユリの間に割って入るように京楽が元柳斎へと質問する。
「まずは現世へ三席以上の者複数による捜索隊を結成する」
「それはちょっと過剰過ぎないかい?」
京楽の問いに淡々と答える元柳斎。京楽の過剰ではないのかという問いも理解しているのか元柳斎は一度うむと頷き口を開く。
「お主の言いたい事は理解しておる。しかし、朽木ルキアは報告によれば実力だけでいえば席官相当。席官相当で対処しきれない何かが起きているのであれば三席以上、場合によっては隊長の出動を検討せねばならぬ」
死神において霊力は実力に大きく関わってくる。霊力が捕捉出来ない程譲渡したのなら一般隊士や下位の席官では手痛い反撃に合う可能性もある。
三席以上の実力であれば個人差はあるが、隊長格と肩を並べて戦う事も出来る。
「では、その役目私が請け負う」
沈黙を貫いていた六番隊隊長、朽木白哉が挙手しながら発言する。
「妹さんが心配なのは分からなくも無いけど私情で動くのはお勧めしないよ」
「黙れ、兄だけには言われる筋合いは無いぞ。卯ノ花双護」
「何が言いたいのかな」
「四楓院夜一を見逃した裏切り者が私情などとほざいた事を言いたいんだヨ。だが、卯ノ花二番隊隊長殿が言うのも強ち的外れじゃない。渦中の朽木ルキアの親族が捜索するのは辞めた方がいい。どこぞの二番隊隊長殿と同じ目に合うヨ」
「静粛にせよ‼︎総隊長命令で卯ノ花二番隊隊長主導で捜索隊を結成したのち、ただちに出動せよ‼︎この決定に異論は一切認めん‼︎そして、涅隊長。卯ノ花二番隊隊長の容疑は既に晴れている。これ以上は己の立場を悪くするだけとしれ」
「ちょっとしたジョークだヨ。全く、これだから……………」
白哉と双護の間に入り茶化すマユリを一喝する元柳斎。一喝されたマユリはやれやれと言いながら引き下がる。
総隊長権限で朽木ルキアの捜索を双護に一任し場を何とか治める元柳斎。これ以上マユリが双護を茶化していればこの場で隊長同士の戦闘が始まっていた可能性もあった為なんとか治った事に安堵する。
「それではこれで緊急隊首会を終了とする。解散‼︎卯ノ花二番隊隊長は残るように」
ぞろぞろと退出していく隊長達。全員が出払い、霊圧の反応が遠くなったのを確認すると元柳斎は咳払いをする。
「それで、進捗は如何程じゃ。敵の名前を教えてくれんと手伝う事も出来んぞ」
「まともな証拠が一つも無いんだ、前出してもどうにもなんないよ。それより今回の捜索だけど僕1人で行っても良いかな?」
「それは何故だ」
「向こうのやりたい放題ってのも納得行かないしちょっとした仕込みをしようかなって。お爺ちゃんには少し時間を稼いで欲しい」
何かを企んでいるかのような、何かを楽しんでいるかのような表情で元柳斎に時間稼ぎを強請る双護。
そんか双護に深くため息を吐く元柳斎。霊術院時代だけでなく、もっと幼い頃からそれこそ産まれた時から双護を知っているが双護は何かとトラブルの渦中にいる。
その多くは何故かそこにいるというのばかりだが、時たま自分から問題を起こす事もある。そういった時は必ず問題が起きる。それもかなり大規模な問題である。
「どれだけ欲しい」
「どれだけ時間があっても足らないと思うけど………………最低でも一週間、出来れば二週間は欲しい」
「分かった、一週間は保証しよう。じゃが、それ以上は難しいからの」
「ありがとうお爺ちゃん‼︎それじゃ、準備が出来たらすぐに出発するから‼︎」
双護はそう言うと慌ただしく一番隊の隊首室を飛び出していった。
場所は変わり、現世と尸魂界を繋ぐ穿界門にて。双護の見送りに京楽が来ていた。
「十四郎は……………定期検診か」
「浮竹が気をつけろってさ。ボクも同意見で、何するつもりか分からないけど気をつけなよ」
「心配ありがとう。だけど向こうでは無茶するつもりないから大丈夫。それよりも、こっちの事は任せたよ」
「山じぃに怒られるかな」
「それはいつもの事だからね。夕四郎には事情話してあるから。すぐにでも取り掛かって欲しい」
「山じぃは良いけど七緒ちゃんに怒られるのは何か嫌なんだよなぁ………………それじゃ、いってらっしゃい」
京楽の見送りに軽く手を振りながら穿界門を潜る双護。
双護が消えたのを確認すると京楽はため息を吐く。双護が主導起こす問題は碌なことが起こらないのを経験則から分かっていた。
既に京楽の知らない所で大きな何かが動き始めている。
「隊長‼︎こんな所にいた‼︎これから四大貴族の当主と会うのに何油売ってるんですか‼︎」
「そう怒らないでよ、七緒ちゃ〜ん。仕事に行く親友を見送るくらいは許してよ〜」
「仲が良いのは結構ですが仕事はしっかりとしてください」
はいはいと言いながらぷりぷりと怒る七緒についていく京楽。動き始めた何かと戦う為に親友が頼ってくれているのだ。
双護が助けを求めている。それだけで京楽は元柳斎にどやさられるのもやぶさかでは無いと思い、拳を少しだけ強く握りしめた。
双護くんが煽られてる間、烈さんは沈黙を貫いていますが内心かなりブチ切れてます。抑えていますが、隊舎に帰って双盾が宥めるまで勇音の胃が大変な事になります。
あとマユリさんは双護くんのこと自体は嫌いではありません。研究には割りかし手伝ってくれるし面白いデータが取れるからです。ただ母親や浦原さんの影がチラついてイラッとする事はよくあってそれで煽ります。双護くんは乗りませんが。
双護くんヒロインダービー!!!!※双護くんと絡ませるのが明らかに難しいキャラはヒロインとしての採用が難しくなりますのでそこはご了承ください。
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涅ネム (マユリ印ヒロイン)
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虎徹勇音 (長身系真面目臆病風妹)
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砕蜂 (一途な真面目ちゃん)
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雛森桃 (正統派美少女)
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四楓院夜一 (褐色お姉さん)
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その為 (活動報告にお願いします)