卯ノ花さんの光源氏計画   作:木野兎刃(元:万屋よっちゃん)

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ランボー/怒りの休日出勤

ランボー/怒りの残業


同時公開☆


双護、邂逅す

クロサキ医院。開設されてから10年以上町の診療所として経営を続けている。

 

瀞霊廷の監視の隙を突き、現世在住用の義骸を浦原が制作したものと入れ替えた双護は問題の中心となっている“謎の死神”に会う事にしたのだった。

 

 

「えっと…………チャイムってこれかな」

 

 

技術開発局の発展があるとはいえ、尸魂界と現世では技術の発展の方向性が違う。チャイムというのも尸魂界には無いものであるし、瀞霊廷内であれば大抵の者は門を叩かずとも来客を察知する事が出来る。

 

恐る恐るチャイムを押す双護。軽快な音が鳴るが誰かが出てくる気配は無い。そもそも押せているのかも分からない双護は自分が来たことが伝わっているか不安になりチャイムを連打する。

 

 

「だーっもう‼︎朝っぱらからうるせぇなぁ‼︎今日は休みだって表の看板にも書いてあんだろ‼︎変な営業のつもりならぶっとば……………………………」

 

 

「へぇ、誰が誰をぶっ飛ばすって?」

 

 

「あは………あはは………元気そうっすね、双護さん」

 

 

「あぁ、久しぶりだね。一心」

 

 

双護は突然の出会いに驚いていた。玄関を開け、出てきたのはかつての同僚にして霊術院時代の後輩、旧五大貴族志波家出身の十番隊隊長志波一心だった。

 

 

「あーもしかして………倅の件ですか?」

 

 

「喜助から聞いてたんだ、話が早くて助かるよ。一心とはゆっくり話したい所だけど…………こっちも時間が無いからごめんね」

 

 

「良いんです。本当なら俺も戦えれば良かったんすけど………………倅を、一護の事をよろしくお願いします」

 

 

深々と頭を下げる一心。双護は何も言わずに一心の肩に手を置く。

双護としても一心が仲間として戦ってくれたならどれだけ心強い事だったろうか。しかし、彼はとある事情により死神の力を失っている。

その事を浦原から聞いていた双護としては、本来戦う必要の無かった少年を巻き込んでしまった事に対する罪悪感があったが、一心の頭を下げる姿を見て決心する。

 

 

「卯ノ花の名に掛けて一護君を強くしてみせるよ。ちょっとやそっとじゃ負けない強い男にする」

 

 

「そうですか、安心しました。一護は今の時間は学校なんでそっちの方に行ってもらえれば会えます」

 

 

「了解、あとは任せて」

 

 

一護が通う高校を聞いた双護はクロサキ医院を出た。滅多に来ることがない現世で地理はあまり分かっていないが大まかな位置が分かれば人探しには事足りる。

 

朽木ルキアによって死神となった一護は霊力のコントロールも出来ていないのか、霊力が垂れ流し状態にある。

 

 

「一心と似た霊圧………それ以外にもチラホラいるな。とりあえずは一護だけで良いか。先ずは霊力のコントロールからかなぁ」

 

 

一護の育成をどうするか考えながら霊圧を感じる方へ歩き始める双護だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

空座第一高校に来た双護はセキュリティの甘さを感じながらも現世と尸魂界は全く別だと考え直し、用務員に事情を適当に話し、一護がいるという教室へ案内してもらう。

 

 

「というわけで黒崎一護くん、帰るよ」

 

 

「どういう訳だよ、てか誰だアンタ?今授業中だぞ」

 

 

教室のドアを勢いよく開くと教師が黒板に何やら書いている最中であった。幾ら現世と尸魂界が違うとはいえ、双護にも学生の経験がありこれが授業中である事は理解できた。

 

一護の人相を聞き忘れていた双護であったが、すぐに誰が黒崎一護かは理解出来た。オレンジ色ではあるが、志波家らしい精悍な顔つきと滲み出ている霊圧。

 

 

「そ、そそそそそそ双護殿⁉︎」

 

 

一護に声をかけると席に着いていたルキアが勢い良く立ち上がる。ルキアの霊圧が極端に感じられなくなっていたのと一護の霊圧の大きさでルキアに気付かなかったのだ。

 

護廷隊士で隊長の人相を知らぬ者はおらず、ましてや一時期教えを受けていた双護の出現に驚くルキア。

 

 

「あっ、ルキアちゃんもいるのか丁度良いね。ルキアちゃんの実家の事で話があるから浦原商店に行くよ。僕は校門の方で待ってるから。あ、先生授業邪魔してすみませんでした、どうぞ僕はお気になさらず授業を続けてください」

 

 

勢い良く開けたドアをぴしゃりと閉めた双護。そのあと教室にはなんとも言えない空気が流れた。

 

 

「黒崎、朽木。あれ誰だ」

 

 

突然現れた自分の生徒を何やら知っている風な男に対して疑問を持つのは教師として当然だろう。

 

一護はあの男事は何も知らないと首をブンブンと横に振る。

 

 

「えーと、あの………そう‼︎習い事の先生だった方ですわ‼︎おほほほほほ‼︎」

 

 

「まぁ知り合いってなら良いけど。気ぃつけて帰れよ」

 

 

大慌てで帰る支度をするルキアと何が何やら分からない一護。この後一護はルキアに引っ張られる形で教室を後にするのだった。

 




一心さんと双護くん達はほぼ同年代ですが多分双護くん達のが年上です。双護くんに対して敬語なのは霊術院時代に双護に突っ掛かったところをシメられたからです。

双護くん的には可愛い後輩です。

次回からやっと一護とまともに会話させられる………………

双護くんヒロインダービー!!!!※双護くんと絡ませるのが明らかに難しいキャラはヒロインとしての採用が難しくなりますのでそこはご了承ください。

  • 涅ネム (マユリ印ヒロイン)
  • 虎徹勇音  (長身系真面目臆病風妹)
  • 砕蜂    (一途な真面目ちゃん)
  • 雛森桃  (正統派美少女)
  • 四楓院夜一  (褐色お姉さん)
  • その為 (活動報告にお願いします)

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